戻る TOPへ

ダブルキャストのバッドエンディング (1)


夜の街で記憶喪失の少女・美月に出会った主人公が、ファミレスでコーヒーをご馳走している。


美月「でもボク、これからいったいどうしたらいいんだろ……」
主人公「やっぱり病院で診てもらった方がいいよ」
美月「まだ言うか、ばかもの」
主人公「あ、ゴメン……」
美月「こう見えてもボクは結構ナイーブなんだぞ」
主人公「そうは見えないなー」
美月「ん、なんか言った?」
主人公「い、いや、なんでもないです」
美月「白状すると、病院ってなんかニガテなの」
主人公「うん、僕もキライ。まぁ、病院が好きだっていう人は、あんまりいないけどね」
美月「ううん、そういうんじゃなくて……。……なんか、病院でイヤな経験でもあったのかな……」
主人公「そうなんだ……わかるよ、幼児体験でとか、そういうの誰にでもあるし」
美月「でも……それがなんだか……」
主人公「そっか、思い出せないんだ……。警察に頼めばなんとかしてくれるよ」

美月「わかったよ! コーヒーごちそうさま! なんとかなるでしょ、きっと!」

主人公を店に残し、美月は1人で店を去る。


主人公「あちゃー。見事にフラれちゃった……」


The End


少女
Bad End 01



ダブルキャストのバッドエンディング (2)


場面はバッドエンディング(1)と同様。


主人公「警察に頼めばなんとかしてくれるよ」
美月「警察ぅ!? なんかヤダな……」
主人公「でも、もしかしたら家族とか友達から捜索願いとか出てるかもしれないし」
美月「えっ!!」

突然立ち上がった美月は、自分の服の匂いを嗅ぎ始める。

美月「そんな、何日も行方不明してる様にみえるぅ?」
主人公「いや、そんな風には……」
美月「ま、ホントのトコはよくわかんないんだけどね」
主人公「なにか持ってないの? 免許証とか、学生証とか、あと、定期券とか……」
美月「な〜んにも」
主人公「そう…… いや、そうした方がいい! 警察行こう!」

不意に美月がテーブルを立つ。

美月「コーヒーごちそうさま! なんとかなるよね、きっと」

主人公を店に残し、美月が店を出る。
呆気にとられていた主人公だが、慌てて店を飛び出す。

主人公「ちょ、ちょっと」

店の玄関の階段につまづき、そのまま転げ落ちる。

主人公「うわぁーーー!!」


主人公「あれ、ここは?」

そこは主人公が飲み会で酔い潰れて寝込んでいた、ゴミ捨て場のゴミ袋の山の上。

主人公「夢!?……だったのかな? そうだよな、なんか変だと思ったんだ。そんなドラマみたいなこと、ありっこないよな……」

体を起こし、歩き出す。

雑踏の向こうに、噴水が見える。
噴水の傍らに座っている人影……帽子とオーバーオール姿の少女。

主人公「赤坂……美月!?……そんなまさか……」

少女が主人公と目が合い、微笑む。


主人公「今度はうまくできるかもしれない……」


The End


夢の続き
Bad End 02
inserted by FC2 system