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*不思議のダンジョン地下27階にて
>封印の箱からしあわせのメロディが流れ出した。周りに漂う邪悪な気配が消えていく。メロディの向こうから、ネネの祈りが聞こえる。
ネネ「神様。どうか、どうか無事に帰ってきますように……。
>メロディの向こうからポポロの声が聞こえる。
ポポロ「パパ。早く帰ってきてね!」

*王城にて
家老:やはりトルネコ殿は……。
王様:いかにトルネコとはいえ、今回ばかりは分が悪かったのかも知れぬ。
王女:そんな……そんな、ひどい!みんなのために戦ったトルネコさんがどうして!……どうして!
王子:ああ!やはり私が……!せめてお供だけでもするべきでした!
王様:どうやら……ワシは甘えていたようじゃ。愛すべき民を自らの力で守り、幸せへと導く……。これこそが、真の王の役目。そんな大切なことをいつの間にか忘れていたとは……。ワシに王の資格は無い。
王子:父上、お供いたします!
大臣:お、お待ちください!王様にもしものことがあったらこの国は……!
王様:そのときは……そなたが王になればよかろう。……兵を集めよっ!
*:ト、トルネコさんだ!
王様:わっははははっ!やったな、やりおったなっ!さすがじゃ。さすがトルネコじゃっ!
王子:トルネコさん……。
家老:す、す、素晴らしい〜っ!おぬしこそ、真の英雄じゃっ!はあ、はあ、はあ……。
王様:で、どうじゃった?どんなモンスターがいた?ダンジョンはどんな風だった?それから、それから……。
王子:父上!
王様:うむ?
王子:トルネコさんのお帰りを待ちわびている人が……。
王様:……おおっ!そうじゃ、そうじゃな。うむ、すまないことをした。早速帰るがよかろう。しかし、トルネコよ……。あとでゆっくり、冒険の話を聞かせてくれ。……よいな?

*村にて。
おばあさん:これこれ、そこのおチビさんたちや。
ルル:なに?おばあちゃん。
おばあさん:この村にトルネコさんというお人はおられるかの?
ポポロ:うん、いるよ。でも今、パパは留守なんだ!
おばあさん:おやおやそうかい。おチビさん、トルネコさんの……。
ポポロ:ぼく、おチビじゃないよ。ポポロだよ!
ルル:あたしはルルだもん!
おばあさん:ほっほほほ。それはすまなかったねぇ。そうかい……留守とは残念じゃ。では、ポポロちゃんとルルちゃん。お願いじゃ。わしの代わりにトルネコさんにお礼を言っといてくれないかい。幸せの箱のお陰で、貧しかったわしらの村に幸せが戻ってきたんじゃ。そのお礼が言いたくてのう。
ポポロ:わかった、おばあちゃん!パパが帰ったら、ぼく、ちゃんと言っとくよ。
ルル:ルルも!
おばあさん:ありがとうよ。では、頼みましたよ。
ポポロ:おばあちゃん!元気でねえ!長生きしてね!
おばあさん:ありがとうねえ。じゃあ、ごきげんよう。

*老人の家にて。
老人:むむ……!邪悪な気配が……消えた。
*そこにトルネコがやってくる。
老人:言わぬでも判る。トルネコよ……見事だ。兵士でもなく勇者でもない、そんなプヨプヨの腹のそなたが……。いや、失礼!ゴホンッ!さあ、何をグズグズしておる。いつまで家族を待たせる気だ!
*トルネコは去る。
老人:あの男……。商人にしておくには……惜しいな。戦士や魔法使いとあれば、いったいどれほどのものになるか……。

*冒険者の宿にて
若い女:ねえ……幸せって何なのかしらね。
恋する男:え……いきなりどうしたの?
若い女:なぜか今、凄く幸せな気分なの。……どうしてかしら?
恋する男:そういえば……ボクも……。
若い女:不思議ね……。
恋する男:あのさ……。
若い女:なに……?
恋する男:……好きだよ。

*トルネコの家の前にて。真っ暗なのに、ネネが待っている。
ネネ:あ、あなたっ!お帰りなさい。あ、あら……ご、ごめんなさい!
トルネコ:?
ポポロ:あっ、パパ!お帰りなさ〜い!あれ?ママ、どうして泣いてるの?
ネネ:……うふふ。おかしいわね。どうしてかしら。
ポポロ:それよりさあ、パパ!さっきね、僕ねえ……。知らないおばあさんに会ったんだよ!
ネネ:こ、今度は!知らないおばあさん……ですってぇ?!
トルネコ:…………!
ポポロ:どうしたの?
ネネ:……ううん、心配はいらないわ。もう何があっても大丈夫!
ポポロ:???
ネネ:そうよね、あなた!これからも3人で力を合わせて、楽しく生きていきましょう!ポポロもね!
ポポロ:うん!

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