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*主人公たちの名前は、公式名のフリオとキャロにしてあります。

*竜神の間にて。最奥に、サナトスと女神らしき人物がいる。

フリオ:サナトス!!
サナトス:よく来たね。待ってたんだよ。ククク……女神から何か聞けたかい?
フリオ:ああ、世界がこんなになっちゃったのは、人のせいだってな……。
サナトス:フン!やっとわかったか!自分たちが犯した大罪を!
キャロ:その女の人は誰?また人を操っているの?その服装……まさか?
サナトス:そう、シエルだよ!かつて、女神の一人だった……そして、ボクのママ……。
シエル:…………。
フリオ:なんで女神様が、お前の母ちゃんなんだよ!
キャロ:シエル様が……生きている?でも、まるで眠っているみたい……。
サナトス:そうか……エイダもステラも知らないものな……じゃ、それはボクが教えてあげるよ!僕は千年前この暗い迷宮に生まれた……。そして、ボクが目を開けたとき、目の前にママがいたんだ……。強く惹かれた……そう、心の奥の方からね……。この人が僕のママなんだって……。でも、何を言っても答えてくれない……ずっと眠ったままさ……。ママには『心』が無いんだ。話すことも、笑うこともできない……竜に心を食べられちゃったんだ……。そう、ママは竜を止めるための《いけにえ》にされたのさ……君たちの言う、女神とやらにね!
キャロ:…………。
フリオ:…………。
サナトス:だから、決めたんだ。いつか、ママの心を取り戻すって……そして、輝く瞳で僕を見て、暖かい手でボクを抱いてもらうんだ!その為にも……竜を狂わせたお前たち人間!ママを裏切った女神たち!すべてを消してやる!そして、ボクがあの大樹を支配する!ボクが神になるんだ!そして、ママの心を……。
キャロ:待って、サナトス!違うの!女神様はあなたのママを犠牲にしようとしたわけじゃない!こうなるなんて、判らなかったのよ!それに……それに、あなたは……。
サナトス:うるさいっ!あいつらの言うことなんて、信じられるか!世界の存続とママの命を天秤にかけたんだ……それが、エイダの役目だからね!『人々を見守る女神様』なんて、お前たちの幻想さ!あいつらは、大樹を守るためなら何だってする!お前たちヒトがいなくちゃ、大樹は枯れるだろ?でも、竜を消せば、大樹とヒトは生き残れる!だから……ママを竜のいけにえにしたんだ!
フリオ:だから、違うんだ!話を聞けよ!
キャロ:そうよ、シエル様は自分から……。
サナトス:黙れ!お前たちは信じられない!もともとはヒトが《原因》なんだぞ!ボクとママは犠牲者なんだよぉ!!ヒトと女神のな!
フリオ:悪いのはヒト……?
キャロ:女神様……?
サナトス:だから、ボクは魔物たちが暮らす純粋な世界を作る……汚らわしいヒトのいない、誰も傷つくことのない世界をね!
キャロ:あなたはやっぱり、竜の生まれ変わりなのね……。世界を清浄に保とうとする、守護精霊の意志を引き継いでいる……。
サナトス:ボクが竜の生まれ変わり……?……考えてもみなかったよ。ハッ!でも、そんなことはどうでもいいことさ……。僕はサナトス!そう!新たな神になるんだ!ボクが大切なのは、ママ……信じていいのはママだけなんだ!ねぇ、ママ……邪魔なヒトを消して、もうすぐ心を取り戻してあげるからね……。
シエル:…………。
キャロ:わかりあえないの?私たち……。
サナトス:判らないね!お前たちなんかと!そうだ!君たちにはボクの邪魔をしたバツを受けてもらわないと……。どんなのがいいかなぁ……。信じてる仲間に裏切られる……なんてのは、どうだい?そう……あの時と同じ……竜と女神の戦いの再現だ!

*クレス?、リッド?、スタン?との戦闘

サナトス:なぜだ!なぜだ!なぜなんだ!?なぜ、ボクが負ける!?たかが……たかが、二人のヒトにだぞ?こんなヤツらに……ボクは間違っていない!
フリオ:違うぜ!俺たちは二人じゃない!みんなが……みんながいるんだ!
キャロ:私たちは仲間を……クレスたち、スタンたち、リッドたち……そして、町のみんな!みんなを信じている!だから、私たちは自分の守りたいもの……。
フリオ:信じたものを裏切らないためにも。サナトス!お前を倒す!
サナトス:アハハ……嫌いだ!大嫌いだ!だからお前たちヒトは大嫌いなんだ!ボクはお前たちなんか信じない!消してやる!お前たちが信じているものすべて!教えてやる!信じられるものは自分だけだって!絶対的な力の差でな!

*サナトスと戦闘

サナトス:痛いよ……助けてよ……ママ……。ゴメンね、ボク……ママの心を取り戻せなかった……許して……ママ……。
シエル:…………。
サナトス:消える……ボクのカラダが……。
シエル:サナトス……かわいそうな子……。ごめんなさい……寂しかったのね……。
サナトス:あ……ああ、ママの声が聞こえる……。ママの……優しい声だ……。
シエル:そう、あなたのママよ……ずっと、あなたを見守っていたの……。あなたは、一人ぼっちじゃないのよ……。
サナトス:よかった……ママの心が元に戻って……。
シエル:そう、これからはずっと一緒よ。寂しくなんてないの……。だから……もう、安心していいのよ……。
サナトス:そうだね……ママ……ボク疲れちゃったよ……。なんだか眠くなってきちゃった……。ヘンだなぁ。あんなに楽しみにしてたのに……眠くてしょうがないや……。ママに……ママに……話したいことが沢山あるのに……。
シエル:そうなの……サナトス……。じゃあ、少し眠りなさい……目が覚めたら、お話しましょうね……。
サナトス:そうだね。これからはずっと一緒なんだよね……。起きたら一緒に遊ぼうね……ママ……楽しみだなぁ……。じゃあ、ボク、もう眠るね。お休みなさい、ママ……。

*サナトスの身体が消滅する

シエル:お休みなさい……サナトス……。
キャロ:あの……。
シエル:判っています。全て……サナトスの目を通して見ていました。
キャロ:あの、シエル様……一体何が……。
シエル:かつて、竜を倒したあの瞬間……大きな力の衝突で、2つの精霊が、本来有り得ない形で重なっていたのです。私の身体は大樹の外へ投げ出され、心は竜の精神に……そして、生まれたのがサナトス……あの子です……。
キャロ:ゴメンなさい……私たち……。
シエル:謝ることはありません……。歪んだ状態を、本来の姿に戻したのです。ただ……考えてみると、女神と竜……創造と破壊という相反する力を持つ精霊が一つになっていた……それは、とても不安定で不完全な存在……。
キャロ:不安定で不完全……まるで人……。
シエル:あの子が母親の愛情を求めたのも、わかる気がします……。寂しかったのでしょうね……。でも、私は何もしてやれなかった……。せっかく生まれたのに、復讐と孤独の感情にだけ囚われて……もし、普通に人として生まれ、愛情を受けて育ったのなら……あの子は、あなたたちと同じように生きられたのかも知れませんね。
フリオ:…………。俺たちと同じか……。あいつも普通に遊んだり、笑ったりしたかったんだろうな……。
キャロ:…………。

*辺りに光が満ち、女神エイダと女神ステラが姿を現す

ステラ:シエルお姉様!
エイダ:シエル……よかった……生きていたのですね……。
シエル:エイダお姉様……ステラ……。…………。世界のすべてに迷惑を掛けてしまいましたね……。
エイダ:あなたを責めることができる者などいません……。
シエル:ありがとう……お姉様……。
エイダ:さあ、大樹の理を正常に戻しますよ……。
シエル:待ってください!
エイダ:……?どうしました、シエル。
シエル:今、大樹にある力で世界を修復した後は……私たちは、世界を見守るだけにいてはいかがでしょうか?そして、これから先はこの子たち……『人』の手にゆだねたいのです。
エイダ:見守るだけ?それは『大樹の理』を変える……ということですか?
シエル:そうです……これまで私たちは、世界に干渉しすぎてきたように思います。それが、このような結果を生んでしまったのではないでしょうか。人は私たちがいなくとも、今まで生き続けてきました……。そして今も、世界を救ったのはこの子たち……だから、私は人が……この子たちが、どのような世界を築くのか見てみたいのです。
エイダ:しかし、人が不安定な存在であることは、あなたも充分に……。
シエル:ええ、判っています……それでも、私は人の可能性に賭けてみたいのです。
エイダ:…………。いいでしょう、シエル……この千年……あなたはサナトスとともに、世界を見てきたのですものね。その思いを信じましょう……。それは、あの時……あなたを止められなかった私なりの、つぐないでもあります……。…………そして、あの子も……新たな生命として、来世を……。
シエル:!?ありがとう、エイダお姉さま……。
エイダ:…………。
シエル:…………あなたたちにもお礼をせねばなりませんね……。世界を、そして私たちを救ってくれた……。
フリオ:じゃ、アナスイの花を咲かせてくれよ!
シエル:……それだけでよいのですか?
キャロ:ええ、それが私たちのお願いです!
シエル:判りました……その願い、叶えてあげましょう……。
フリオ:でも、何だか大変なことになったな……。
キャロ:え?
フリオ:これからは人だけで世界を作っていかなきゃなんないんだろ?
キャロ:ええ、そうね……みんなで作る世界か……。
シエル:…………。大丈夫。あなたたちならできますよ。あなたたちは、もう《選ばれる》ばかりではありません。自ら《選ぶ》力を持っているのですから……。今のあなたたちなら、困難なことはありません……さあ、行きなさい。今年は盛大なお祭りになりますよ……。
フリオ:やった!行こうぜ!キャロ!
キャロ:うん!

*スタッフロール

フリオ:みんな、今頃どうしてるかな……。
キャロ:そうだ!会いに行ってみようよ!なりきり師の力で……。
フリオ:おいおい、俺たちにはやることがいっぱいあるんだぜ。
キャロ:あら、あなたにしては言うことがマジメね。

フリオ:いつまでも子供扱いして!……でも、ちょっとだけなら、いいかな……。
キャロ:そうね、ちょっとだけなら……。


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