戻る TOPへ

タクティクスオウガ外伝
「タクティクスオウガ」の10年前が舞台になるS/RPGです。
これに載せているのはシビュラ仲間版ベストエンドのエンディングAです。
(シビュラ仲間ルートでイベントユニットを全て仲間にし、誰も死んでいない)
ラスボスの堕天使シャヘルを倒した所から。
〜断罪の間〜

シャヘル「..神よ、貴方はまた、私をお見捨てになるのか..我が声はもう届かぬのか?
あの忌わしきオウガバトルの時も、私は御身の為に、
何ものをも惜しむ事無く戦い続けたというのに..!!」

アルフォンス「黒き存在となったお前に、帰る場所などない。神の愛、届かぬ
闇の住人にとって死とは無。お前はもう、天界に戻る事は出来ない。
お前の道は二つに一つ。神の創ったあの宮殿の中で永遠に生きるか。完全なる消滅か。」

シャヘル「また、あの冷たき暗闇へ還る位なら..いっそ世界ごと..!」
何かをしようとしたシャヘルの前にエレノアが立ちはだかる。

エレノア「ダメ!アルフォンスを連れては行かせないッ!」
シャヘル「娘..何をする?」
エレノア「私..あなたの気持ち..感じる。寂しかったんでしょう?
封印の中..ずっと一人で..あなたを一人では行かせないよ。」
シャヘル「くッ..寂しかった、だと?この私を愚弄するか!?」
エレノア「知っているよ..あなたは、神を愛している。今も変わる事無く、
狂おしいほどに、その光輝く存在に焦がれている。」

シャヘル「..神は人間を愛していた。神は自分を見ていなかった。そして神は私に、
人間の為に戦い、人間の為に死ねと仰った。なぜ?私はこんなにも貴方を愛していると
いうのに..貴方は私を愛しているというのに..貴方は私を愛して下さらない?」
エレノア「あなたは、人間が憎かった訳じゃ無い。
ただ、愛した存在に振り向いて欲しかっただけ..。堕天の罪を負い、
この地へ封印されてもなお、神に救いを求め続けたんじゃないの?
堕天したあなたは神の敵となる。だから、神はあなたが完全に堕ちる前に封印した。
それが神があなたの為に出来た唯一の事だったのよ..
どうして、気付かなかったの?神は、あなたも愛していたのよ。」

シャヘルの身体から割れるような光が発する。
シャヘル「まさか、そんな事が..!神の真意を知らぬは我と!?ああ!全てがうつろいでゆく..
これが..完全なる死?この私が?私が無くなってしまう..何という事!!
これが..永遠の無?存在した記憶さえ消滅する..」
さらに割れるような光が走る。エレノアがシャヘルに近付く。
エレノア「...いいよ。私が一緒にいてあげる。私の体をあなたにあげる。
そうすれば、あなたは消えない。だから、アルフォンスを連れて行かないで。」
アルフォンス「エレ..君は何を言っているんだ!?」

エレノア、一回アルフォンスを振り返り、またシャヘルの方を向く。
エレノア「ねえ、アルフォンスは知ってた?私、ずっと寂しかった。恐かった。
分かるの..今はあなたと一緒でも、あなたは目指すべき世界を見つけ、きっと一人で
行ってしまう。あなたを失うなんて考えたくない。だから、役に立ちたかった。
..あなたに必要とされたかった。あなたをこの手で...守りたかった。」
アルフォンス「エレ..やめろぉッ!いくなああぁぁ!!」
エレノア「さあ..可哀想な堕天使。私を受け容れて。行きましょう..あなたの
もといた世界へ、光満つる場所へ..。」
2人の体が宙に舞い、光になって天空へ登っていく。

”ごめんね、アルフォンス、一緒に行くって約束守れなかったね...”

”その夜、ウルトゥル山脈の頂きに銀色に光る天使が空へと飛び行びゆくのを、
この島で生活する何人もの人が見たという..”(この島=ヴァレリア島)

どこかのベットで目覚めるアルフォンス。
アルフォンス「エレ..」”もう、どこにもいないんだったな...”
海岸を見つめるアルフォンスに若い男がやって来る
神官見習いの少年「起きていましたか、アルフォンスさん。聖炎騎士団の本隊が
間もなく港町スカベッルムに上陸するとの情報が有りました。騎士団の目的は
島の重要拠点の制圧及び元上官を殺したあなたの身柄の拘束だそうです。」
アルフォンス「そうか..。」
神官見習い「五日後に、ソタベント村からローディス教本国行きの船が出ます。急いで下さい」

船の前、黒いローブをはおった人2人と忍者のシウェンがいる。
シウェン「間も無く出航です、あとは我らにお任せ下さい。」
頭のローブだけはずし、シビュラ「すまぬな」またローブを戻す。
シウェン「お元気で、シビュラ様。」
船に乗り込む2人。風でアルフィオンスのローブがめくれる。天を見上げて
”行くよ、エレ。”船が出る。

〜人魚の聖域〜
長老クロウリィの後ろに天から金色の人魚、ベイレヴラ出現。
”クロウリィ...”クロウリィ「お姉さま、お帰りなさいませ...」
”行きましょう、クロウリィ。後は若い者に託しましょう。
未来は若者の手に..全ては続いてゆくのですから..”2人共魂になって天へ登っていく。
〜スタッフロール〜

〜どこかの崖〜
シウェン「ガリウスにはお戻りになられぬのですか?」
シビュラ「あそこには、帰る理由が無い、もう行ってよいのだぞ。『教皇の手』を
抜けた者にはどこまでも追っ手が放たれる。お前は私につきあう必要が無い。」
シウェン「いいえシビュラ様。私はどこまででもお供します。」

〜ヴァレリア島、オストレア城王座〜
騎士「..来月には神都より使者が訪島、会見に応ずるそうです、
以上がフェーリス公国から届いた書状の内容です。又、
南北交易組合からの報告ですが、島の財政はほぼ以前の状態まで回復したそうです。」
イナンナ「何とかフェーリス公には出兵を取りやめてもらえたようですね。
後はローディス本国が島の自治を認めてくれるか、上手くいけば良いのですが..」
騎士「イナンナ様..おつらくは無いのですか?」
イナンナ「いいえ私はこの島が大好きですもの。
私達皆でお父様の愛したこの国を、島を守っていきましょう。」

〜ビリュテの町、墓の前〜
ユフィール「(母さん、この町も本当の平和になりました)」
エルリック「...。」ユフィール振り向き、「父さん...!」

〜ラーナ海域(人魚の聖域)〜
マーメイドの少女「長よ、あまり外に出ては危険です、いつ、どこに人間が
現れるかも知れません。この場の警備は私に任せて聖域にお戻り下さい。」
アエリアル「何を言うか、長である私には、お前達を守る義務が有る。
ふふ..それに少なくともお前より頼りになると思うぞ。」
マーメイドの少女「アエリアル様..」
アエリアル「私は知った、人間の中にも信じられる者はいる。信じる、信じないは
種族の違いによるものでは無い。個人と個人との関係だ。我らマーメイドと人間が
歩み寄る方法は必ず有る。疑うばかりでは何も生まれぬ。...時間はかかるだろう。
しかし今後は人間達とも話し合っていくつもりだ。」
「風が..出てきたな。また、嵐の季節が来る。」

〜ローディス教国、神都ガリウス、教皇の前〜
高位神官「..教皇猊下は、貴方の名を訪ねられておられます。」
アルフォンス「私はアルフォンス...」
「アルフォンス.タルタロスと申します。」
高位神官「面をあげなさい。教皇猊下の御言葉を伝えます。今回の功労をたたえ、
貴方にランスロットの名を与え、教皇猊下の直属の騎士団に迎える。
今後はランスロット.タルタロスと名乗り、その力、猊下のおん為に捧げなさい。」
アルフォンス「はッ、ありがたき幸せ...」

”聖鎗の私物化を図ったラーヌンクルスの領主、ナリス.バドラールがすでに故人である事と、
動乱が故人の私的感情に起因していた事から、残った一族、及びラーヌンクルスの住人について
ローディス本国よりの咎は無しとなった。その後、オウィス島は聖鎗が発見された聖なる地
として神都ガリウスの直轄地となる。一方、異国であるフェーリス教国に対しては、
聖鎗の存在を隠ぺいし、本来神都に報告すべき義務を怠ったとして、領地の没収と
本国による騎士団監視を処せられ、結果フェーリス公爵の本国での地位は失墜する事となった”

”ゼテギネア暦232年、オウィス島で勃発した内乱と聖鎗ロンギコルニスについて、
ローディス教国史は以上のように記録している。しかし、その内乱を平定した立役者と言われる
フェーリス公国出身の若い騎士の記述は一切残されていない。
これは、後に教皇の片腕としてゼテギネア大陸の歴史に
その名を残す黒き騎士が、ランスロットの名で呼ばれる以前の物語である。”

THE END


inserted by FC2 system