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>ガルデニアのコアドームでクリードinガルデニアを倒す。


クリード:……ソーマの力は認めよう。さすがはフローラが作り上げた思念武器だ……。だが、この程度の物理攻撃……何億回繰り返そうが無駄だッ!!!くははっ、どうする?ガルデニアの全細胞を斬り倒すまで続けてみるか!?
リチア:再生を止めて、クリード!またスピリアが食べられてしまうッ。
クリード:まだ、そんな戯言を――――…………ううッ!?

>フローラのスピリアがガルデニアに吸い込まれる。

クリード:フ、フローラに何をする!?……止まれ、止まらんか!ガルデニアーーーーッッ!!

>フローラの足が白化する。

リチア:……貴方こそ何をしたのか思い知りなさい!それが姉様の……スピリアの味ですッッ!!!
クリード:うぐお……ッ!ぐえええ〜〜〜ッッ!!!こ、こんな、うそだッ!ガルデニアが……私がフローラのスピリアを……。
シング:……これで、わかっただろ?もう終わりにしよう。
クリード:……わかる?……終わりにする?何を判る必要があるッ!終わりになどできるものかッッ!!
シング:スピリアを閉ざさなければ出来るさ!誰かと想いを分かち合えれば、どんな暗闇からだって抜け出す道はあるんだ!
クリード:……散々人を殺し、お前たちを苦しめてきた私を、受け入れるというのか?
シング:正直、お前は許せないよ……。たくさんの人たちの仇だ……。けど、お前のフローラさんへの想いだけは……信じられる。
コハク:信じられる想いがあれば、一緒に出来ることがきっとあるよ。
リチア:お願いです、クリード……。わたくしをとは言いません……この子たちを信じてみてください。
シング:……クリード、一緒にガルデニアを倒そう。
クリード:シング=メテオライト……。

>クリードが攻撃する。

シング:クリード…………お前ッッ!!!
クリード:くはははっ、なぜ怒る?大切な人を失う悲しみも分かち合ってくれるのだろう?…………ふざけるなッ!貴様らなぞに憐れみを受けてたまるか!!ガルデニアを倒す?不可能だ!!こいつは私が生み出した不死身にして万能のゼロム!!制御さえ出来れば……そう、原界全てのスピリアを吸収して注ぎ込めば…………結晶界もフローラも必ず復活する!いや、復活させてみせるッ!!
シング:バカ野郎!お前の歪んだスピリア……このソーマで叩き直してやるッ!!
クリード:ふん、スピルリンクする気か?無駄だ!たった六人のソーマ使いにガルデニアの思念結界が破れるかッ!!

>リチアが破る。

クリード:思念結界を一撃で……!リチア……私と同じ術をッ!?
リチア:自分をいけにえにするために組み上げた融合術の力……。皆の突破口を作るために使わせていただきましたわ!
シング:行くぞ、クリードッ!ガルデニアッ!!こっからが本当の勝負だ!!

>みんなでクリードにスピルリンク。

クリード:ぐおおーーー!原界の小僧ふせいが……ナメるなあああーーーッッ!!!


>クリードのスピルメイズ。

シング:……なんだ?スピルメイズに星が……!?
コハク:みんな無事ッ?
ベリル:うわぁぁ〜〜ん!何も見えないよおっ。
クンツアイト:くっ……全探知機能が無効化。
ヒスイ:くそッ!どこにいやがるクリード!!
リチア:みんな、落ち着いて!ソーマリンクで互いの位置を感じるのです!!

>七人がリンクする。

イネス:ふぅ……ソーマリンクがなかったら闇に呑まれてたわね。
シング:今の星空は一体……。
ベリル:ひゃっ……さっきの星!?
結晶人のスピルーン:生き……る……。
結晶人のスピルーン:がンバ……れ……。
コハク:…………これはスピルーン!ガルデニアが吸い込んだ結晶人たちのスピルーンだよ。小さな欠片だけど、生きてる!結晶人たちのスピリアは、まだ生きてるんだ!!
結晶人のスピルーン:お母サン……怖イ……こわいヨォ……。
結晶人のスピルーン:大丈夫……みンなコッチへ……勇気ヲ……ツなげテ……。
ヒスイ:これはリンク光……。スピルーンの欠片たちが強くリンクしてやがる!
結晶人のスピルーン:あキラめ……るナ……。シッか……り……。
結晶人のスピルーン:……希望ヲ……信じて……みンな……生きル…………。
シング:みんな諦めてない……。こんなに小さくなっても助け合って生きてる……。人間は……人のスピリアは……ガルデニアなんかに負けやしないんだ!!
リチア:ああ、みんな……苦しい思いをさせてごめんなさい…………。けれど……けれど……生きていてくれて、ありがとう!!

???:触るな!貴様に、その資格はない!!

リチア:クリード、その姿は……ガルデニアのスピリアと完全に融合したのですね。
クリード:見ろ、リチア!スピリアは無事に残っているではないか。融合した私にはわかる。やはり、ガルデニアは己が時の止まったスピルメイズに結晶人たちのスピリアを貯蔵していたのだ!これを戻せば結晶界は――――……ぐああッ!?

>スピルーンの欠片がクリードに集まる。

クリード:ぐおぉぉ、とまれェェッ!私に従え、ガルデニアーーーッ!!
シング:クリード……吸い込んだスピリアはどうなった?
クリード:……黙れ。
リチア:その味こそ、貴方とガルデニアが欲しがっている、温もり――人と人の、つながりの味ですわ。認めなさい、クリード!ガルデニアの正体を!貴方の本当の想いをッ!!
クリード:黙れと言っているッ!もはや、貴様らのスピリアは糧にはせん……この力で跡形もなく消し去ってくれるわッ!!
ヒスイ:この底なしのバカ野郎がッ!
クンツアイト:機械の自分にも感じられる温かさを、なぜ認められないのだ!
ベリル:怖すぎる奴だと想ってたけど、違った……あんたって、かわいそすぎだよ!
イネス:一度、きっちり叱り飛ばして、目を覚ましてあげるわ!
コハク:自分の弱さを受け止める勇気もないあなたなんかに……。
シング:俺たちのつながりを消せるもんかッッ!!

>クリード・グラファイトと戦闘。勝利後、ガルデニアよりリンクアウト。

シング:どうだ、クリード……これがオレたちのスピリアの力だ……。
クリード:うぅ……スピリアがどうした?私はまだ……生きている……ぞ。

>剣を構えるシング。するとクリードの前にフローラが立ち塞がる。

リチア:フローラ姉様…………。
シング:……判ってるよ、フローラさん。ソーマは、命を奪う道具じゃない。
クリード:……バカが、ぬるすぎるぞ……。これでガルデニアが止まると思っているのか?
イネス:……ガルデニア・コアがッ!?みんな気をつけて――――。

>コアが口を開け、全てを吸い込もうとする。

コハク:ああ…………ッ!?
シング:コハクーーーッ!
イネス:くぅぅ……なんて力!完全に暴走してる!!
ベリル:うわあぁぁ〜〜ん、シングぅ〜〜〜ッ!!
リチア:シングッ!コハクッ!!
クンツァイト:リチア様、危険です!
ヒスイ:ちきしょう……なんとかしねぇとッ!!
クリード:くは……は……無駄だ……。ガルデニアは私のスピリアが……いや、人のスピリアが持つ闇そのものだ……打ち破ることなど出来てたまるか……。

>コハクのソーマが吸い込まれる。

コハク:ああ、ソーマが…………ッ!ごめん……シング……もうダメだよ…………。
シング:諦めるなあーーーッ!!!

>シングが、剣で自身の足を縫いとめ、両手でコハクを捕まえる。

シング:ぐあぁぁぁーーー!!!
コハク:な、なんて事を!?手を離して!じゃないとシングの足が……。
シング:こんな傷なんでもないさ!どんなに痛くても……。どんなに苦しくても……。オレたちの大切な想いは渡さないッ!イネスが、シルバさんから預かった未来への希望!
イネス:シングッ!
シング:ベリルが、夢のために振り絞った勇気!
ベリル:シ、シング〜〜〜っ!
シング:最初はムカついたけど、ヒスイが拳で伝えてくれた信頼!
ヒスイ:『ムカついた』は余計だッ!!
シング:リチアとクンツアイトが二千年守り通した、強い強い意志!
リチア&クンツアイト:シング!!
シング:カルとマリンさん、ペリドットにバイロクス、オーブさん一家、サンゴ船長、孤児院の子供たち!怒って、笑って、傷ついて……スピリアを触れ合わせた世界中の人たちの生きる力!!そして…………いつもオレを支えてくれるコハクの優しさ――――ガルデニア……ひとりぼっちのお前が、オレたちのつながったスピリアを……星の想いを……吸い込めるならやってみろッ!!!
コハク:シングのバカ!いつも無茶ばっかりして……。
シング:ごめんよ……けど、オレにはコハクに伝えたい大切な思いがあるんだ。……だから、諦めないよ。もう少しだけ無茶して、こいつをぶっとばすッ!
コハク:うん……うん!わたしも同じだよ!キミに伝えたい想いがあるの!!その想いを伝えるまで、わたしも絶対に――――。
コハク&シング:諦めない!

シング:違うよ、ガルデニア。ひとりぼっちのスピルーンに開いた無限の闇を埋めるのは。
コハク:人とのスピリアのつながりが生み出す。
シング&コハク:無限の光!

みんな:シングッ!!コハクッ!!

>アステリアに、二人の、みんなの、世界中の想いが集まる。

シングとコハク:うおおぉぉーーッッ!!!いっけえぇぇーーーッッ!!

>アステリアから放たれた光がガルデニアを貫く。それを原界からカルセドニーが見ている。

カルセドニー:……………………。

>やがて光は消え、コアドームに静寂が訪れる。幾つかのスピルーンとともに、コハクのソーマが戻ってくる。

ヒスイ:これはコハクのソーマ……。ちきしょう!二人はどうなったんだッ。
イネス:落ち着きなさい!ソーマリンクはまだ途切れてないわ。

>二人が戻ってくる。

ベリル:シングっ!コハクぅっ!
シング:大丈夫……オレもコハクも無事だよ。

>ガルデニアから禍々しい光が現れる。

ヒスイ:お、おい……なんかやべぇぞッ!?
リチア:……自食崩壊!コアを破壊されたガルデニアが、自分自身を吸い込み始めたのです!!
クンツアイト:緊急離脱だ!数分でガルデニアは自らを食いつくし、空間ごと消滅するぞ!!
クリード:……ふん、とどめを刺してゆくか?

>シングは無言でクリードを抱き上げた。

ヒスイ:クリードを助ける気か?こいつがどんな奴かわかってるだろッ!!
シング:わかってるよッ!クリードは……ひとりぼっちのオレなんだ!ずっとオレの中にいた、誰のスピリアにも心を開かなかった、もうひとりのオレなんだ。ジィちゃんと母さんの信頼に気付かず、コハクやみんなが支えてくれなかったら……オレもクリードになってた。だから…………見殺しになって出来ないよ!
クリード:シング=メテオライト!貴様は、どこまでぬるいのだッ!

>クリードが無理やりシングを引き剥がす。

ベリル:こいつっ、シングの気持ちがわからないのっ!?
クリード:バカが……意味がないのだ。私の寿命は、間もなく尽きるのだから……な。その前に、なんとしてもすべてを取り戻したかったが……叶わぬようだ……。ぐっ、ソーマ使いどもよ……。恥を承知で頼む……。フローラを……こんな状態にしてしまったが……彼女を連れて逃げてくれ……。二千年も一人ぼっちだった彼女を、どうか……一緒に……。

>クリード倒れる。

シング:クリード、お前は……。

>フローラがクリードを抱き寄せる。

クリード:もう良いのだ……早くお行き……。

>フローラが首を横に振る。

クリード:…………まったく……二千年経っても、きみは私を子供扱いするのだな……。
コハク:……行こう、シング。
イネス:行きましょう……これがクリードとフローラさんの選択なのよ。
シング:でもッ!でもッ!クリードは…………。離してよ、コハクッ!イネスッ!!バカ野郎!諦めんな、クリーーードォッ!!

>皆行き、リチアとフローラとクリードが残る。

クリード:……リチアよ。よくもあんな暑苦しい奴を連れてきてくれたな……。
リチア:はい。決して諦めず、閉ざされない、強く、温かいスピリア……。あれこそが理想世界を――いいえ、人が人と生きる世界を輝かせる源なのですわ。……ね、フローラ姉様。
クリード:……ふん、私ではフローラを救えぬ訳だ……。
リチア:いいえ。貴方と共にあることこそ、姉様の救いなのです……。……貴方が、そうであるように。さようなら、フローラ姉様……クリード兄様……。

>二人きりになった空間に、フルエーレが現れる。

クリード:フルエーレ……?忘れて……いた……。きみへのプレゼント……だ。ああ、なんと美しく……なんと温かい……。くはは…………そうか……。こんな簡単なことでよかったのだ……。なぁ……フローラ…………。

>二人ごと、ガルデニアが消滅する。
>一方、シングたちはサンドリオンに退避。

コランダーム:『いばらの森』サンドリオン、ガルデニア空域から離脱完了。空間及び思念探査――反応なし。ガルデニアの完全消滅を確認しました。
シング:う、うう…………。クリードのバカ野郎ッ…………。
コハク:シング……。クリードもフローラさんも、ああなることを望んだんだよ。
リチア:どんなに想いをつなげても、人が人である以上、全てを救うことは出来ません……。けれど、貴方の優しさはクリードと姉様のスピリアを温めてくれましたわ。二人に代わってお礼を言わせてください。……本当にありがとう。
シング:そんな……オレこそリチアにお礼を言わなきゃ……。世界を救ってくれて……ありがとう…………。
イネス:あらあら、こんな子が世界を救ったなんて、きっと誰も信じてくれないわねぇ?
コランダーム:リチア様、ガルデニアから解放されたスピルーンの欠片が結晶界に落下していきます。
シング:リチア、これで結晶人たちは白化から回復するの?
クンツアイト:あの小ささでは、人のスピリアとして機能するかどうか……。
リチア:わたくしは信じます。原界とのリンクによって、あの欠片たちが少しずつ輝きを取り戻し……何百、何千年後の未来に『新しい生命』として生まれ変わることを――。
コランダーム:リチア様、だったらアタシがリンクが途切れないようにずっと見張ってるよ。
リチア:良いのですか、コランダーム?
コランダーム:うん。元々、サンドリオンはソーマリンクのサーバーとして、フローラ様が作ったんだし。未完成だったリンク機能がなんで発動したのか観察するのって、超〜〜〜オモシロそうっ♪そ〜ゆ〜訳で、原界人ども!サボらないでスピリアを伝えろよ!きゃははっ♪
シング:そっか、オレたちがずっと想いをつなげていけば……。
コハク:いつか、白い月が新しい世界として生まれ変わるんだ!
リチア:これでもう想い残すことはありません……わ……。
ヒスイ:リチアッ!
リチア:時間が来たようです……。最後に一つだけ……クンツアイトのことをお願いします。長い間ありがとう、クンツアイト。これからは一人の人間として、自由に生きてください。
クンツアイト:リチア……様……。
コハク:やっとリチアが、ゆっくり暮らせる日が来たのに……何か方法はないの!?
リチア:いいのです……。わたくしの願いは貴女たちが全部叶えてくれましたもの。
ヒスイ:……方法ならあるぜ。クンツアイトのスピルメイズを使えば、多分な……。クリノセラフはスピルメイズの時間を何度も繰り返して白化の日を再生させていた。擬似スピリアはスピルメイズの時間を操作できるんだろ?時間を止めたクンツアイトのスピルメイズで眠りにつけば、生き続けられるんじゃないのか?
クンツアイト:……理論的には可能だ。
ベリル:それだよ!クンツアイトなら半永久的に死ぬことはないし、そうしなよ!!
リチア:いけません!それではクンツアイトまで永遠の眠りについてしまう……。
ヒスイ:……クンツアイト。てめえはどうしたいんだ?
クンツアイト:……しゅ、守護騎士が主に意見するなど許されるはずが……。
ヒスイ:…………そうかよ。だったら、俺と行こう、リチア!どんなに僅かな時間でも……俺は、お前と一緒にいたい!!心配すんな……墓だって、俺が建ててやる。
クンツアイト:ま、待てッ!!リチア様、お願いです!どうか…………どうか自分の中で生きてください!
リチア:クンツアイト……でも、それでは貴方が……。
クンツアイト:この体が朽ち果てるまでアナタの温かさを守る……それが自分のスピリアの願いです。
ヒスイ:ふん……やっと素直になりやがったか。伝わってるよな?リチア。お前に生きていてほしいっていう俺たちの願いが。
リチア:わたくしは……まだ生きていてよい人間なのでしょうか?
イネス:お願いします、リチア。あなたが守った世界の行く末を見届けてください。
シング:俺たち頑張るよ!リチアの見る夢……『いばらの森』に届く想いが温かいものであるように!
コハク:うん!それが、あなたへの恩返しだよ。
リチア:……ありがとう、クンツアイト。……ありがとう、みんな。
ベリル:ぐふふ……。でも、誰かさんたちの想いは、夢に見るには情熱的すぎかもぉ!?
リチア:ええ、二千歳のおばあちゃんには、刺激が強すぎますわ。

>照れるシングとコハクを見届け、くずおれるリチア。クンツアイトとヒスイが慌てて支える。

リチア:……お別れのようです。
ベリル:原界に戻ったら、ボク、リチアの絵本を描いてもいいかな?世界中の子供たちが、リチアに想いを馳せるような、ドキドキワクワクの冒険物語だよ!
リチア:まぁ、なんて素敵!
クンツアイト:自分も勇ましく描かれることを希望する。
ベリル:ふ〜んだ、芸術家に注文つけるなんて……おこがましいよっ!
リチア:イネス……貴女からは人の『強さ』を教わりました。今までありがとう。
イネス:私こそ、あなたの強さを見習わせてもらうわ。強くなきゃ、女はやってけないものね♪
クンツアイト:何を言っている?リチア様に、イネスほどの戦闘力はないが……?
コハク:私……言いたいこと、いっぱいあるのに……。何を話したらいいか……。
リチア:……全部分かっていますわ。あなたが生まれる前から一緒だったんですもの。

>コハクがリチアとクンツアイトを抱き締める。

リチア:ヒスイ…………。
ヒスイ:……わ、悪かったな。色々辛くあたっちまって……。
リチア:貴方の優しさと、この胸の熱さ……ずっと忘れませんわ。
ヒスイ:ふ、ふん……俺も忘れねえよ。てめえの頑固さと……温かさを……な。

>リチアはヒスイを抱き締める。

ヒスイ:リチアを頼むぜ、クンツアイト!俺がわざわざ言うまでもねえだろうがな……。
クンツアイト:否……ヒスイ。オマエと約束させてくれ。リチア様を永遠に守る――と。シング……別れのときだ。自分も可能なあ、オマエ同様、抑制も理性的判断も無分別に放棄し、涙を放出したい状況だ。
シング:な、なんだよ!?難しく悪口言ってるだけだろ、クンツアイト?
リチア:ふふふ、シングはやっぱりシングですわね。
シング:さよならは言わないよ。俺たちの想いは、ずっと……つながってるんだからさ!
リチア:はい。では『おやすみ』ですわね。おやすみなさい。元気で、泣き虫で……そして優しい勇者様。おやすみなさい。想いをつなげてくれた仲間たち。大切な、わたくしの家族たち。
シング:おやすみ……クンツアイト。おやすみ……リチア。
みんな:おやすみ……クンツアイト。おやすみ……リチア。

シング:『いばらの森』のねむり姫
    千年夢見てねむる姫
    
コハク:現の仲間と想いを重ね
    夢の剣を託す姫

ヒスイ:勇者が切り裂く黒い月
    いつか生まれる白い月

ベリル:空飛ぶクジラは星となり
    悲しき悪夢も露と消ゆ
    
イネス:『いばらの森』の夢見姫
    想いの意図をつなぐ姫
    
クンツアイト:鋼の騎士に守られて
       きらめく星を胸に抱き

リチア:ずっとずっと夢見てる

全員:世界が目覚める夢を見る






シング:『いばらの森』……まるでエメラルドの星みたいだ。
コハク:うん……リチアの髪と同じ色だね。
ベリル:ヒスイ……もう我慢しないで泣いてもいいんだよ?
ヒスイ:泣くかッ!あの輝きはリチアが安らかに夢を見てる証なんだ。……だから、泣いたりするかよ。
イネス:これで……全部終わったのかしら?
シング:ううん、終わりじゃないよ。
コハク:そうだよ!つながる想いに終わりなんてないんだから。
ベリル:ぐふふ……けど、始まりはあるよねえ?
イネス:そうね!まず最初のスピリアをつなげる努力をしなきゃ……ね♪
シング:そ、そんなの……言わなくたって、もうわかってるよね……!?
コハク:それでも……ちゃんと言ってほしい。
ヒスイ:しっかりしやがれ、シング!
シング:…………え、えっと……オ、オ、オレは…………。…………コハクがぁッ!
コハク:……くすっ。あははは!シング、変な声〜〜〜。
シング:わ、笑うなよ……たった一言だけど、すごく難しいんだよ?
コハク:うん、難しいね……。すごく簡単なのに、すごく難しい。だけど……。
シング:……ああ。けど、ほんの少しの勇気があれば……。――――コハク。
コハク:…………はい。
シング:オレは……オレは、コハクが――――。

Fin

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