キットラ：ここまで来るとはな。人間にしては大したものだ！誉めてやるぞ！
ジャイアン：もう逃げられないぞ！観念して博士達を渡すんだ！
キットラ：渡してやるとも！時空装置が完成したらな！
しずか：どうしてそんなに人間を憎むの！
キットラ：ここまで来た褒美に教えてやろう！わたしはロボットのおもちゃとして人間の子供に買われたのだ……。始めこそ楽しそうに遊んでくれていたものだが……。そのうちにわたしに飽きてしまうと、見向きもしなくなった……。そしてとうとうゴミくず同然に捨てられたのだ！まだ壊れてもいないのに！お前らにはわかるまい。わたしにとってそれが、どれだけの屈辱だったのか……。
ドラえもん：わかるさ……。ボクも昔、同じように捨てられかけたんだ……。でも、だからって人間に復讐をしようなんて……絶対に間違っている！！
キットラ：うるさい！！この思いを人間にも味わわせてやるのだ！！
ドラミちゃん：待って！キットラ！！
キットラ：黙れ！！
のび太：キットラ！目を覚ますんだ！
しずか：仕方ないわ！今度は私が相手よ！
スネ夫：行くぞ〜！お前なんかに負けるもんか！
ジャイアン：オレ様の出番だ！覚悟しろ！！
ドラえもん：何を言っても無駄だな！同じロボットだからって手加減しないぞ！掛かって来い！！
ドラえもん：やった！キットラを倒したぞ！
キットラ：うぅ……。わたしの負けだ……。
しずか：博士！サユリちゃん！二人とも、無事ね！
博士：おお！君たち！なんとお礼を述べたらいいか……。
サユリ：みなさん、本当にありがとう！！
キットラ：……さあ。……トドメをさすがいい……。
のび太：博士！お願いがあります！キットラを直してあげてください！
博士：ウムム……しかしのう……。
サユリ：おじいちゃん……。私からもお願いするわ！キットラさんが悪いんじゃない……。物を大切にしない人間達が悪いのだもの。
博士：……。
のび太：博士！……。
博士：ようし！わかった！じゃが、ここでは無理じゃ！わしの研究室まで運ばねば……。
ドラミちゃん：大丈夫！これがあるから。どこでもドア！さあ！行きましょう！
のび太：早くよくなるといいね！キットラ……。
キットラ：お前達……今まで散々ひどいことをしたわたしをなぜ……。
サユリ：それはね……私たち人間の中には、おもちゃを……ううん……それだけじゃない。色々な物を大切にできる人だって沢山いるということの、証明だと思うの。
ジャイアン：そうだ！オレたちの方にも責任のあることだからな。
キットラ：そうか……。どうやらわたしは、勘違いをしていたのかも知れんな……。こんな人間達もいたとは……。復讐ばかり考えていた自分が恥ずかしい。
博士：よし。直ったぞ！どうじゃ、これでもう動けるじゃろう！
しずか：よかったわぁ！もうすっかり直ったみたいね。
キットラ：ああ！身体ばかりか、心まで前より軽くなったようだ。
博士：ようし！今日は人間とおもちゃの親善の意を込めて、島をあげての大カーニバルだ！
ドラえもん：みんな表へ出て、ドーンと盛り上がろう！