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大航海時代外伝・エンディング(ミランダ編)
 
(ラストに至るまでのあらすじ)
3年前に借金取りに追われ逃げ込んできたピエトロにプロポーズされた(と勝手に勘違いした)、ジェノヴァの小さな海運業者の娘・ミランダは冒険家として名を上げているピエトロを追いかける為、幼なじみのトニオを連れて航海に出ることとなった。
ナポリのジュリアーノ教授をスポンサーとして、各地へ冒険するミランダ。そんな中で新大陸でアステカの少女・カチュアパと出会い、彼女が何らかの秘密を抱えていることも知るが安全のため、同行させることとなる。
そして時は流れ、マッサワの港でピエトロと再会する。ミランダの活躍を耳にしていたこともあり驚くが、自分に憧れた挙句航海に出て命を落とす若者が後を立たないことに悩んでいたピエトロはミランダを一喝する。
ここで「はい、わかりました」と冒険を諦めるミランダではない。何とジェノヴァに戻るや否や、ピエトロに名声対決を申し込むことにしたのだ。
かくしてミランダの冒険はアジア・オセアニアにまで及び、ついにピエトロの冒険名声を抜く日が来た。ピエトロは逆転のため新大陸にあるエル・ドラドを探しに向かうが、新大陸はジル・デ・ロルカ率いるコンキスタドール達によって治安が悪化していた。
コンキスタドールたちと何度か戦い、ピエトロと落ち合ってからカチュアパが知るアステカの秘宝「太陽の石」を彼らより先に手に入れ、後はコンキスタドールをどう倒すか、という問題を抱えることとなった。
そのときに浮かんだのがサルヴァドル率いるカリブ海賊である。サルヴァドル・ピエトロの異色タッグでコンキスタドールの要塞を壊滅させるが首領のジルは逃げていた。しかしカチュアパの提案で悪人たちに「太陽の石」を奪われないように「封印の湖」に沈めることにした。
 
(本文)
 ヴェラクルス港を出航した直後。
カチュアパ「あそこから上陸してちょうだい。封印の湖は北西に少し行った山の上よ」
 
 封印の湖にて。
ミランダ「すごいところね。確かにここに沈めれば、誰にも引き上げられないわ」
トニオ「空気が薄いのかな……息が切れるよ」
カチュアパ「大いなる神、翼ある蛇ケツァルコアトルよ、今あなたの宝をお返しいたします…」
 そうしてカチュアパが湖に「太陽の石」を沈めようとしたその時。
聞き覚えのある声「待ってもらおうか!」
ミランダ「この声は……!」
 現れたのはジル・デ・ロルカであった!
ジル「貴様らにはずいぶんと世話になったものだな……おかげで私の部下は壊滅だ。しかしこれであきらめるような私ではない。その「太陽の石」さえあれば、私はこの地の王、いや、神となることができるのだ。いささか手品や策略じみたことをしなければならないがね。部下などいなくても目的は達成できるのだよ。さあ、石を渡してもらおうか」
ミランダ「絶対にイヤよ!」
ジル「ふ、貴様らに拒否する権利などないのだよ」
 剣を抜き迫るジル。
ジル「さて、誰から死んでもらおうか……」
 その時、1人の男が現れジルに体当たりを食らわせる。
 カチュアパの兄・ティノカトルだった!
ジル「ぐはっ!!くっ、何者だ!!」
カチュアパ「兄さん!!」
 剣を抜くティノカトル。
ティノカトル「白い悪魔め!俺が相手だ!!」
ジル「ふん、アステカの残党か…面白い、貴様も血祭りに上げてやろう」
 そしてティノカトルとジルの戦いが始まる。
 しかし、ティノカトルは崖に追い詰められ…
ジル「ふはは、死ね!!」
 ジルの一撃で突き落とされるティノカトル。
カチュアパ「兄さん!!」
ジル「ふっ、この私を手こずらせるとはな。若僧とはいえ、なかなかやる…さて、次は貴様たちの番だ」
ミランダ「……あなただけは許さない。覚悟しなさい!!」
ジル「ふっ、無駄なことを!!」
 そしてミランダとジルの最後の一騎討ちが始まる。
 最強の武器と鎧を身に着けていないと勝利は厳しいだろうが、この戦いに決して負けることはできない。
 激戦の果て、ミランダはついにジルに勝利した!! 
ジル「馬鹿な…この私が……」
ミランダ「カチュアパのお兄さんの仇!!覚悟しなさい!!」
 ミランダの怒りの一撃がジルを湖へと突き落とす!!
トニオ「……終わった…の?」
ミランダ「ええ……でもカチュアパのお兄さんが…」
カチュアパ「…………」
 そこにピエトロとサルヴァドルの配下の海賊が駆けつける。
ピエトロ「くそっ!間に合わなかったか!」
 
 「太陽の石」を湖に沈めるカチュアパ。そして…
カチュアパ「これで、終わったわ。全部ね……」
ピエトロ「カチュアパ…すまねえ。俺がもう少し早くあいつを見つけていたら…」
カチュアパ「いいえ、あなたは精一杯のことをしてくれました」
ミランダ「カチュアパ……これからどうするの?」
カチュアパ「私はこの地で暮らすわ。兄さんや両親、死んでいったたくさんの人たちの霊を守る」
ミランダ「そう……」
カチュアパ「ミランダ、私…あなたと出会えて本当によかったと思ってる…トニオ、優しくしてくれてうれしかった。あなたのことは忘れない」
トニオ「カチュアパ………ぐすっ…」
カチュアパ「みんな、ありがとう…さようなら」
 そしてカチュアパは去っていく。
 
 ヴェラクルス港の酒場にて。
ピエトロ「ミランダ、お前、これからどうする?ジェノヴァに帰るのか?」
ミランダ「うーん、まだ考えてないわ…あなたはどうするの?エル・ドラドを探すの?」
ピエトロ「いや、あれはやめにする。黄金のために冒険をするのは根っ子のところでジルの野郎と同じことだって気がするんだ」
ミランダ「…………」
ピエトロ「それより、今後ジルみたいなヤツが出てこないように、見張りをする仕事をやってみたい」
ミランダ「それはいいかもね。カチュアパみたいな思いをする子がもう出ないようにしなくちゃ」
ピエトロ「……それで、だ。お前さん、俺と一緒に来てくれないかなぁ……」
ミランダ「…え?」
ピエトロ「…いや、あの、なんだ、俺1人じゃちょいと力が足りないが、お前さんがいれば、ほれ…」
トニオ「そうだ!それがいいよ。一緒に行きなよミランダ!!」
 ミランダは不思議がるが、
トニオ「僕はそろそろジェノヴァに帰りたいと思っていたし、これからはピエトロと一緒に旅をすればいい!ピエトロさん!ミランダをよろしくお願いします!」
ピエトロ「トニオ…」
ミランダ「トニオ、何を言ってるの?あたし、よくわかんない」
トニオ「もう、鈍感だなあ!!ピエトロは、君に、プロポーズしてるんだよ!!」
ミランダ「……え?ええーっ!?」
 
 ジェノヴァ、ミランダの家。
トニオ「おじさん、おばさん、いま帰りました!」
フリオ(ミランダの父)「トニオ、久しぶりだね!ミランダはどこだい?」
トニオ「これ、ミランダの手紙です。預かってきました」
 
パパ、ママ、お元気ですか?
勝手なことばかりしてごめんなさい
家に帰れるのは
もう少し先のことになりそうです
そのうちピエトロと一緒に
必ず帰ってくるから
楽しみにしていて下さいね
(ジェノヴァの酒場に帰ってきたトニオ)
ジェノヴァの街は
今日もにぎやかでしょうね
マチルダや街のみんなは
変わりなく日々を過ごして
いるでしょうか
(ジェノヴァの街の風景)
世界中、あらゆるところへ
行ったつもりでいたのだけれど
あたしたちの知らない場所は
まだいくらでもあります
毎日が新しい発見の連続です
(ナポリ、ジュリアーノ教授の屋敷に顔を出すトニオ)
いろいろなことを経験して
あたしもだいぶ大人になってきた
気がします
最近では冒険するということの意味を
真剣に考えたりもします
トニオに言ったら「柄にもない」って
笑われちゃうかもしれないけど……
(封印の湖、兄を弔うカチュアパ)
あたしたち冒険家は
色々な文化を持つ人々と出会います
その出会いを通じて少しでも多くの
人を幸せにしたい……
 
あたしもピエトロも、そのために
しばらく冒険を続けてみるつもりです
(航海を続けるミランダとピエトロ)
道のりは決して楽なものじゃありません
でも、大丈夫
世界一の冒険家と世界で二番目の冒険家が
一緒にいるんだから
もちろん、一番は…
 
この あ・た・し!!
 
(そしてスタッフロール)
 
 
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