戻る TOPへ

数日後――
 
ペトラ「お久しぶりですわね。愛乃はぁとさん。廿楽冴姫さん。その後、ご機嫌はよろしくって?」
 
冴姫「さっきまではご機嫌よろしかったけど、あなたの顔を見たら急に不機嫌になったみたい」
 
ペトラ「1ヶ月前の東京事変の真相は解明しました。日本聖霊庁も資料の提示に応じましたし。私は報告のためにローマに帰ります。
    直接貴女達から質せなかったことは残念ですけど……貴女達と会えたことは貴重な経験でしたわ」
 
はぁと「ねぇ、ペトラ……さん? あなたはどうしてこんなことを続けるの?」
 
ペトラ「貴女が何を指してそうおっしゃっているのか曖昧ですけれど……それが私の存在意義だから、ですわね」
 
はぁと「どうしてそんな悲しいコト言うの? あなたは自分の心が痛くて辛くて泣いているコトにどうして気付かないの?
     私、あなたを止めたい。あなたを助けたい。なのに、今の私の気持ちは、あなたに届かないよ……」
 
ペトラ「………………………………もう時間がありませんわ。それではおふたりとも、ごきげんよう」
 
エルザ「私利私欲に走った英国聖霊庁長官が、人為的に境界溶融現象を引き起こした。それが東京事変の真相……ってことかな」
 
クラリーチェ「ミルドレッドの気持ちまで書類に反映はできませんし……限りなく真実に近い事実をそれらしく報告する。ですわね、ペトラ」
 
ペトラ「英国聖霊庁長官の前代未聞の不正に失踪。日本聖霊庁が各国聖霊機関に与える影響を考慮して一定期間事実の秘匿を実行――」
 
クラリーチェ「極東の聖霊機関が抱える問題としては、ちょっぴり荷が重かったかもしれませんわね〜……」
 
エルザ「仮にも聖霊機関の頂点に立つ人物の不正だ。どこの誰を信用すればいいか、的確な判断をしろって言うのは酷だね……」
 
ペトラ「さて……次の英国聖霊庁長官は、果たして誰が務める事になるのか……。しばらく、慌しくなりますわね。
    ――エルザ、クラリーチェ、私についてらっしゃい。貴女たちは歴史に偉大な存在として名を残すべきですわ」
 
エルザ「ハハハ、大きく出たね、ペトラ。まぁ、上司には従うよ。忙しい方が気が紛れるしね」
 
クラリーチェ「偉大な存在……。偉大な人物じゃありませんのね♪」
 
ペトラ「…私は私の道を、貴女は貴女の道を。次に私の道と貴女の交わった時……。また会うことになりますわね。
    ”稀代の聖女”愛乃はぁとさん……。その時を心待ちにしてますわ」
inserted by FC2 system