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アンジェリア「うぷぷー♪ さー、はじまるぞー。ここを中心に世界の境界は消えて、原初の世界が甦るぞー。楽しみー♪」
ミルドレッド「―― 姉さん、もうやめよう」
アナウンサー「ああっ! 見えますか? 富士山上空に謎の光の模様が浮かんでます! まるで、1ヶ月前の謎の城と同じように――
――
消えた!? ……………………………あ……。えーっと……? また……?
今日も富士山は快晴です…はい…。それでは、その……スタジオにお返しします。……………………もう、限界かも……」
その頃、富士山上空――
アンジェリア「おー、ミルド♪ やっと目が覚めたのかー。酷い怪我だったから、心配しちゃったぞ。
だけど、お前、今、何て言ったのかなー? お姉ちゃん、聞き間違えちゃったかなー? もう一回言ってくれるかなー?」
ミルドレッド「姉さん、助けてくれてありがとう。……だけど、これとそれは別件だよ。もうやめよう――
って言ったんだ」
アンジェリア「ミルド! お前、今まで私がどんな気持ちでいたと思ってるんだ!!
確かに私は自分の意思で聖霊界に来た。でもお前のことを忘れたことなんてないぞ! お前のことだけはずっと気がかりだった。
マーリンに時々お前の様子を見せてもらった。ひとりでもがんばれてるから、お姉ちゃん、すごくうれしかったんだぞ。
1ヶ月前、お前がやろうとしていることが成功すれば、また一緒に遊べると思ってわくわくしてた。それなのに――
お前はやろうとしたことに失敗して、ずたぼろにされて次元の歪みに飲まれて、聖霊界に飛ばされてきた。
だから、お前を助けたときに決めた。お前ができなかったことは、私がやる。それを今さらやめられるもんか!」
ミルドレッド「確かに、1ヶ月前の私の計画は破綻した。それを叶えさせてくれようっていう姉さんの気持ちはすごく嬉しいよ。
でも、姉さん、もういいんだ。境界溶融も原初の世界も、人類の進化も。もういいんだ。もう興味がないんだ」
アンジェリア「お前なー……みそこなったぞミルド! やっぱりお前は泣き虫のままだ! もういい! 私は最後までやるぞ!」
ミルドレッド「――
姉さんともう一度会いたい。泣き虫だった人間の私の目的は果たせた。だから、もういいんだよ。
だけど、姉さんが聞き入れてくれないなら私は姉さんと戦う。姉さんの敵になる。……それしかない」
アンジェリア「……………………………………………………………………………わかった、やめる」
ミルドレッド「姉さん? 急にどうしたんだい? 今まで私の言うことに耳を貸したことなんてないのに……」
アンジェリア「…あのなー。バカにするな。英国淑女のお姉ちゃんは、妹が本気で嫌がることはしないのだ」
アンジェリア「我らアンジェリア探検隊は聖霊界の謎を解き明かすべく大冒険の旅に出る! 隊長はマーリン! そして!
新たに我が妹ミルドレッドと荷物持ちにベソかきメイドを加えた4人パーティーだぞ!」
フィオナ「ふえぇ〜〜〜ん! ベソかきメイドって……この扱いはあんまりです〜〜〜っ。お姉さまぁ、何とか言ってくださいよぉ!」
ミルドレッド「疲れたら代わってあげるよ、フィオナ。これからは姉さんもお前も私も、一緒にいるんだからね」
アンジェリア「そうだぞ! 我らアンジェリア探検隊は血よりも濃い絆で結ばれているのだ! ごーごー! 行けー、ミルドー♪」