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 死闘の末、遂にカジオーを倒したマリオたち。
「こわっぱどもめぇぇぇぇぇっっ!!!」
 断末魔の叫びと共に、カジオーの体は崩れ去り、そこには最後のスターピースだけが残ったのです。
「さあ、マリオ!」
 ジーノが嬉しそうに声を掛けます。
「最後の一つを思い切り高く掲げるんだ!」
 マリオは頷きました。
 最後のスターピースは、スターロードの本来の姿によく似た黄色の星でした。高く手を差し上げたマリオの上を、スターピースは嬉しそうにぐるぐる旋回します。そして、マリオは遂に最後のスターピースを手に取ったのです。
 七つ全て揃ったスターピース。マリオたちの目の前で、スターピースがくるくる回り始めます。どんどん速さを増したスターピースたちは、やがて虹色に輝き始めました。スターロードが直るのです。
 ジーノは一歩進み出ると、無言でマリオに頷きかけます。マリオもまた、彼に頷き返しました。ジーノは、今度はマロ、クッパ、ピーチの方を見ました。
「みんな、本当にありがとう……」
 今までの様々なた旅が思い出されます。
 カジオーの手下ケンゾールに乗っ取られたキノコ城。水色のスターピースがありました。
 空から降ってくるユミンパの放った矢のせいで、動けなくなっていたローズタウンの人々。ハナちゃんの森には、緑色のスターピースがありました。
 空から降ってきた星のせいで炭鉱に閉じ込められたダイナとマイト。橙色のスターピースがありました。そういえば、有名になりたがっていたボム職人のペパットなんていましたっけ。
 願い事の降る美しい星の丘。小さな星に混ざって、ひときわ大きかった紫色のスターピースがありました
 たこつぼゲッソーにかつて沈められたという沈没船。海の親分ジョナサン・ジョーンズとやりあいましたっけ。青色のスターピースがありました。
 燃え滾る溶岩が懐かしいバーレル火山。赤色のスターピースがありました。手に入れた後にすぐ奪われてしまって、オノレンジャーと戦いました。
 そして今、全ての元凶カジオーを倒し、最後の黄色のスターピースを手に入れました。
 ジーノが誇らしげに声をあげました。
「スターロードの復活だ!」
 そして……。
 虹色に輝く七つのスターピースは、ジーノを守るように取り囲みました。ジーノを中心に、くるくる回り踊ります。
 ジーノもまた、くるくると回り始めました。スターピースが、一つずつ天空に昇っていきます。全てが昇った後もくるくると回り続けるジーノを、光の柱のようなものが包みました。固唾を呑んで見守るマリオたちの前で、光はどんどん強くなります。
 そして、光が止んだとき。
 そこには、小さくなったジーノが……人形に戻ったジーノが座っていたのです。ぎょっとして近づくマリオたち。すると、ジーノから小さな星が出てきました。
 ジーノの心です。まるでスターピースのように、小さな星はマリオ、マロ、クッパ、ピーチの頭上を旋回します。何度も何度も、名残惜しそうに。そして徐々に空に昇っていくのです。スターロードを直すために。
 ジーノはスターロードの修理人。この世界に下りてきた彼は、ジーノという名の人形の体を借りていただけだったのです。
 武器世界から脱出したマリオたちは、クッパ城が見える丘に立っていました。勿論、傍らには動かなくなったジーノ人形が座っています。ちゃんと連れてきたのです。
 マリオたちが見上げる先には、小さな星の姿になったジーノの心がありました。まるで、マリオたちが現れるのを待っていたかのようです。
 そのとき、不思議なことがおきました。クッパ城に刺さっていた大きな剣カリバーが、音も無く崩れ去っていくのです。それはまた、武器世界が崩壊したことの証でもありました。赤黒かった空が、元の青色を取り戻します。
 雲の上で、スターロードはもとの姿を取り戻しました。ちょっと継ぎはぎができていたりするけど、それはご愛嬌です。再びみんなの願い事が叶う世界になったのですから。

 さて、これでマリオの今回の冒険はお終いです。
 でも、冒険でであった人たちがどんなふうになったか、ちょっと気になりませんか?
 ほら、七つのスターピースが、みんなのその後を少しだけ教えてくれます。

 最初に輝くのは水色のスターピースです。
 そこはマシュマロ王国です。マシュマロの城の前に、多くの人たちが集まっています。それもそのはず、ようやくそろった王様、お妃様、王子様の姿が見られるのですから。スターロードを直すという大切な大仕事のお手伝いを無事に成し遂げたマロ王子を、人々は温かく迎えました。
 次は緑色のスターピースが輝きました。
 今度はクッパ城です。クッパが、手下たちと一緒に城を直しています。クッパ軍団から離れていたクリジェンヌやノコヤンたちも、いつの間にか加わっています。おや?あの壊れた窓から見える、クッパの乗り物で空を飛んでいるのは、ヘイホーではありませんか?クッパ、乗り物取られちゃってますけど、大丈夫でしょうか?あ、クッパ、怒ってます。気付いたみたいですね。よかったよかった。
 橙色のスターピースが輝きます。
 どこかの海のよく見える岬に、ジョナサン・ジョーンズがいます。彼の見つめる先には、スターピースによく似た色で輝く夕日がありました。今まさに、水平線に沈もうとしているのです。朱色に輝く海面もまた、溜息が出るほど美しい。
 四つ目のスターピースが耀きます。
 そこはヨースター島です。ヨッシーと一緒にかけっこしてるのは、なんとクロコです。アディオ〜ス、なんていつもの声が聞こえてきそうです。あらあら、どうやらかけっこはヨッシーの勝ちのようですね。ワッシーがクロコを慰めています。
 青色のスターピースは何を見せてくれるのでしょう。
 どこかは判りません。そこには、偉大なる音楽家キノコフスキーの姿がありました。彼の前には、彼を慕う音楽家の卵たちが並んでいます。隅のほうではカエル仙人のお弟子さんもいますね。キノコフスキーの指揮に合わせ、卵たちは綺麗な歌声を響かせます。カエル仙人も上がってきました。
 赤のスターピースが耀きました。
 そこはメリー・マリー村の教会です。なんと、ブッキーとマルガリータが結婚するのです!沢山のブッカーやブッカー見習いたちが参列しています。神父役は、なんとドド!二人はどんな夫婦になるのでしょう。おや?追いかけっこを始めましたけど、大丈夫でしょうか?
 そして最後のスターピースが耀きます。

 さあ、いよいよエンディング・パレードです!

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