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世界樹の迷宮・エンディング

*ところどころに誤字がありますが、ゲームのテキストをそのまままとめたのでご了承下さい。

(ここまでのあらすじ)
 エトリアの街の近くにある樹海「世界樹の迷宮」。
 君たちはギルドを設立し仲間を集い、迷宮を踏破するため戦い、謎を解いて進み続けていた。
 第5層はこれまでの森の面影のない「遺都シンジュク」と呼ばれる場所。
 君たちは世界樹の迷宮の真実に気づき始めるが、そうしたことを考える暇もなく、レンとツスクルが執政院の長・ヴィズルの命で、樹海の真実に気づき始めた君たちを消すため戦いを挑んでくる。
 辛くも2人を打ち倒し、遺都シンジュクの奥まで進む君たち。
 そんな君たちの前にヴィズルが現れ、「貴君らの命とひきかえに、この迷宮の本当の姿を教えよう」と告げ、扉の奥へと消えていく。
 君たちはレンとツスクルから貰ったカードキーで扉を開け、ヴィズルと対峙する。

 執政院の長・ヴィズルがこの樹海の真実を語りだす。

「いにしえのそのまた昔…
 今より遥かに高度な文明が存在した。」
「世界のあらゆる謎は人の手で解明され
 人は神の存在すら凌駕する
 力を手にしていた。」
「それは科学と呼ばれた力。」
「人はそれを手に、自然を、生命を
 世の万物の理を操りはじめた。」
「しかし、その科学は人々の未来に
 暗い影を落とした。」
「神の如き力ゆえに、人々は
 自分たちの未来に
 暗く確実な死神の姿を見たのだ。」
「………。」
「自らの手による環境の破壊が
 自らの立つ大地を汚していた。」
「人がそれに気付いたとき、すでに
 時遅く…急激な環境変化の中
 何十万もの命が失われた…」
「そのまま、人は死滅するかと
 思われたが諦めず戦うものもいた。」
「大自然の理と人の技術を融合し
 大地を再生しようとしたのだ。」
「それは世界樹計画と名付けられた。」
「古い神話の巨木の如く
 汚れはじめた大地を支えるという
 意味をこめたつもりだった。」
「あらゆる知恵を終結し
 大地を再生させる為の
 計画を日夜練り続けた…。」
「しかし、その過程でも
 人々は倒れ続けた。」
「研究を続ける男の仲間も…
 妻も…、子供も…。」
「それでも男は諦めず
 研究を続けていった。」
「そしてついに、大地を再生するために
 有効な薬を生みだした。」
「しかし、それを大地にまいて
 大地が再び蘇るまでには
 何千年という月日がいると解った。」
「汚れた大地を木々がおおい
 いやすためには時が必要なのだ。」
「…男は悩み、考えた。」
「計画立案者として、
 研究者の最後の一人として
 その結果を見届けたいと思い…。」
「そして男は、世界樹計画の要である
 世界樹の力を己の体に組み込んだ。」
「世界樹と共に永遠に生きるため…
 人を捨てたのだ。」
「それが、我だ。」
「全時代の唯一の生存者にして
 世界樹の守護者。」
「この大地を再生する役割を担った…
 神の代弁者として今を生きる。」
「冒険者たちよ、汝らは
 世界樹の謎にたどり着いた。」
「…しかし、秘密は
 秘密であらねばならぬ。」
「汝らに何の落ち度がかなろうと…
 この秘密を知ったからには
 その命、奪わねばならん!」
「死して汝らも、
 大地再生のための力となれ!」
「共に世界樹の中で生きるのだ!!」

 そしてヴィズルは世界樹と融合し「世界樹の王」として、君たちに襲い掛かってくる。
 さすがにこれまで戦ってきたモンスターたちとは格が違う。何度も窮地に陥るが、君たちも探索の旅の中で成長してきただけのことはある。
 長き戦いの果て、ついに世界樹の王を撃破する。

…何処かで何かが壊れる音がした。
小さなそれでいて確かな音は、
一つの世界の終わりを示していた。
君たちの前で、恐ろしい力を
見せていた世界樹から
長の体が転がり落ちた。
木々をおおっていた人の思念も消え
長の体もどこか干からびたように
色あせて見える。
千年を超える古き昔より
大地を見守っていた男が、
今、君たちの前に倒れている。
世界樹は、活動を停止した。
汚れた世界がどこまで
再生していたのか…
今となっては知る方法もない。
だが、諦めることはない。
危機と困難は乗り越えるためにある!
この迷宮すら踏破した
君たちなら、どんな難題にも
怖気付くことはないはずだ。
冒険はここで終わる。
しかし忘れてはならない。
君たちには、真実を伝え、
この大地を守っていくという
新たな使命があることを………。

 君たちが世界樹の迷宮を突破した話はエトリアの街にもすぐに伝わり、君たちと関った多くの人たちの声が聴こえてくる。

 まずは長鳴鳥の宿の受付の男。
「聞きましたか?ついに世界樹の迷宮を
 突破する者が現れたって!
 しかもそれが僕らの知り合いの…」

 次にシリカ商店の店主。
「ボクは最初から見所あるヤツ等だと
 思ってたけどね!……さて、そろそろ
 出迎えに行こうか、町の英雄達をさ!」

 次は金鹿の酒場の女将。
「冒険者のみんなは樹海の底にある
 過去の遺跡から戻ってきた。
 でも、あの人は消えてしまった…。」

 次に冒険者ギルドの長。
「思えば昔から…、この街のために
 尽くしてくれた人だ。戻らないのも
 深い理由があるんだろうぜ。」

 次に執政院ラーダの職員。
「そうですか…、そんなことが…。
 わかりました、長に代わり今後は
 私がこの街を守っていきます。」

 そして、レンとツスクル。
「それが長も喜ぶだろう。私たちは
 もう少し…、彼らを見守るつもりだ。
 樹海の底と…彼らの行く末を………」

(fin)

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