戻る TOPへ

数日後――
 
冴姫「もう……、はぁとったら。今日も遅刻するつもりかしら?
    待ってる私の身にもなって欲しいわね。……って、待ってるのは私の勝手なんだけど……。
    今度から、朝、電話しようかしら……。……べ、別に……おかしくなんかないわよ……ね……?」
ペトラ「おはようございます。廿楽冴姫さん」
冴姫「―― っ!? だ、誰……? あなた、確か、西欧聖霊庁の……」
ペトラ「ペトラ・ヨハンナ・ラーゲルクヴィスト。覚えづらくて恐縮ですけれど、ペトラと呼んで下されば結構ですわ」
冴姫「そう、それで、そのペトラさんが何の目的があってこんなところに?」
ペトラ「警戒する必要はありませんわ。別のルートから東京事変の顛末、そしてミルドレッドのこと――。
    概ね、必要な事は調べ上げました。貴女の口から真実を聴けなかったのは心残りですけど、ま、察しておきますわ。
    それで、帰国前に挨拶でもと思いましたの。貴女方とは、またお会いすることもある。そんな予感がしましたから――」
冴姫「私たちはただの学生よ。貴女の役に立てるとは思えないわ」
はぁと「うわ〜んっ! ちこくちこく〜っ! ―― って、あーっ! 冴姫ちゃん、おはよーっ!」
ペトラ「― それじゃ、私達はこれで失礼しますわ。ごきげんよう、廿楽冴姫さん、愛乃はぁとさん」
冴姫「ええ、さよなら」
はぁと「あれ? 冴姫ちゃん、今の人って……?」
冴姫「道を訊かれただけよ。都庁に行きたいんだって」
はぁと「ふーん、そっかー。―― それより、冴姫ちゃん、いつも校門で待ってくれてありがとう♪」
冴姫「ぐ、偶然よ偶然! 今日は校門の前で今の人に道を尋ねられて、それで、ちょっと手間取って――」
はぁと「うんうん、わかってるわかってる♪ 冴姫ちゃんのコト、私、みんなよりずばーっと知ってるよ♪」
冴姫「……………………あぅ……。も、もう、いいでしょ! 偶然なんだから! 遅刻寸前だし、急ぐわよ!」
inserted by FC2 system