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数日後――。
 
このは「わふー。今日も平和でするー。これも神依さまのおかげでございまするー♪」
神依「馬鹿を申すな、このは。私ひとりの力ではない。皆が自らの意志で此度の災厄に立ち向かったからこそだ」
このは「このはもこのはなりに尽くしましたが、1番の功労者は神依さまでございまするー。側役として誇りに思いまするー♪」
神依「そうか。お前がそう言うのであれば、そういうことにしておこうか。――そうだ、このは」
このは「かまいませぬー。お供いたしまするー♪………………………………むーぬいぐるみ屋さんでございまするかー……」
神依「うむ。たまに来ると良い。実に和む。……む、あのぺんぎん、なかなか良い出来栄え――」
ゼニア「……手を離せ」
神依「これは私のぺんぎんだ。貴様こそ譲れ。日本土産が入り用ならば、私がもっとそれらしいものを別に見繕ってやろう」
このは「店員どのー。あのぺんぎんのぬいぐるみ、在庫はありませぬかー? わふー……現品限りでするかー……?」
神依「……現品限り、聞いての通りだ。私は決して退けぬ。それを理解して、手を離してもらえまいか」
ゼニア「……こちらも同様。敵前逃亡は杭殺刑。旧露国聖霊警察隊下杭兵の誇りにかけて、退けない」
このは「わふーっ!? お待ちくださりませー! 神依さまもぜにあどのも落ち着いてくださりませー!」
神依「……………………このは、すまぬ。つい頭に血が昇り、我を失ったか……」
このは「神依さまにはこのはがおりまするー……。ぬいぐるみはぜにあどのに譲られてもよろしいかと思いまするー……わふー……」
ゼニア「……では、これは私がもらう。貴女には必要ないだろう?」
神依「うむ、好きにするが良い。私にはこのはがいる。このはさえ傍にいてくれれば、それで良い」
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