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新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンドのエンディング (アスカ編)


少し、アスカのことも考えてあげよう
みんなからいい加減な奴だと思われてもいいや


学校。

シンジ (マナの不幸を忘れるのも…… ひどいと思う でも、彼女はあのパイロットの少年を選んだ 僕のことを思っていたわけじゃない 忘れよう……)


屋上。

シンジ「人の写っている写真て、捨てにくいよな」
アスカ「なにみてんの?」
シンジ「アスカ」
アスカ「ふーん…… シンジ、14歳にして影を背負った男になったのね」
シンジ「この写真、捨てるんだ」
アスカ「屋上から破いて捨てたら、先生に怒られるわよ 燃やしたほうがいいんじゃない?」
シンジ「マッチかライター、持ってる?」
アスカ「失礼ね、タバコなんか吸わないわよ」
シンジ「…… マナは湖が好きだった 芦ノ湖で燃やそう」


芦ノ湖へ向かう電車の中に、シンジとアスカ。

アスカ「がらがら、貸切みたいね」
シンジ「アスカは、僕のこと軽蔑しないの?」
アスカ「アタシが来たから写真を捨てようとしたんでしょ?」
シンジ「けじめをつけたいから……」
アスカ「過ぎたことは、忘れてしまえばいいのよ」
シンジ「簡単にいうんだね……」
アスカ「霧島さんのこと かわいそうだとか全然思わない エヴァが原因だとしても自分が悪いとか感じない 冷たいのよ、アタシの心」


夕日が照らす芦ノ湖のほとり。
シンジが写真に火をつける。

シンジ「マナが 消えていく……」
アスカ「ペンダントは?」
シンジ「え……」
アスカ「それは燃えないから、湖に沈める?」
シンジ「これは形見のものだから、マナの両親に送らないといけないし」
アスカ「住所わからないでしょ」
シンジ「でも捨てるのは……」
アスカ「捨てるんじゃなくて沈めるのよ ちっとも整理できないじゃない アンタホントに忘れる気あるの ダメな男ね アタシ帰る、じゃ」
シンジ「待ってよ! これは高価なものだし 形見だから肉親に返さないといけないし、大切なものだから」
アスカ「さよなら」
シンジ「アスカのわからずや!」


バス停。

シンジ「次のバスまで1時間以上あるよ」
アスカ「アタシに歩いて帰れっていうの」
シンジ「なんで……怒ってるの? ペンダントが嫌なら、捨ててもいいよ」
アスカ「いまさら遅いわよ」
シンジ「ほら、捨てたよ」
アスカ「拾いなさいよ!」
シンジ「なんで?」
アスカ「拾うのよ!」
シンジ「捨てろっていったり拾えっていったり ほら拾ったよ」
アスカ「……」

雨が降り出す。
シンジは屋根の下にいるが、アスカはシンジから離れて立ったまま。

シンジ「濡れるよ 雨宿りしようよ」
アスカ「いやよ……」
シンジ「いいからさあ……」

突然、アスカがシンジに抱きつく。

シンジ「どうしたの……」
アスカ「風邪ひかないように、暖めてるの」
シンジ「すぐ乾くよ」
アスカ「黙ってて……」


やがて雨が止み、2人が湖のほとりで夕日を見つめる。

観光用の海賊船が湖上を行く。

アスカ「この湖に浮いてる海賊船って 嵐の海を通ることなんか一生できないんだろうね」
シンジ「船がかわいそう?」
アスカ「いい気味」


シンジ「そろそろ、帰ろうか」

アスカ「うん」


(終)
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