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サガ3時空の覇者 Shadow or Light のエンディング
(完全版バージョン)

(滅び行く未来を変えるためダームの町を旅立ったデューン一行は
 異次元にてついに元凶であるラグナ神を打ち倒す)

デューン
「…終わった」

『デューンよ…』

デューン
「その声は、ソール神?」

(ソール神の姿が現れる)

ソール
「キミ達のおかげで、ラグナの野望はくだかれた
 私の肉体は滅んだが、最後の力で水瓶を止めよう」

デューン
「はい! お願いします!」

ソール
「ラグナが滅び、この世界は不安定になっている ステスロスのワープは使えないだろう
 海に、元の世界へ繋がる大穴が開いている
 キミ達は、その海の大穴から元の世界へ帰りなさい」

デューン
「…あなたは?」

ソール
「キミ達は運命を切り開いた 神々が必要な時代は終わったのだ
 私は、ここ、生まれ故郷で、穏やかな眠りにつこうと思う」

デューン
「…わかりました」

(ソール神、消える)

デューン
「さあ、みんな! ステスロスで、おれ達の世界へ帰ろう!」

(ステスロスに戻ると、緊急警報が鳴り響いている。艦内にいるネメシスに状況を尋ねるデューン)

デューン
「ネメシス!」

ネメシス
「無事だったんですね!」

デューン
「ああ 他のみんなもな
 それより、この警報音は?」

ネメシス
「わかりません 少し前から、急に鳴り出して」

デューン
「ネメシス、みんなに衝撃に備えるように伝えてくれ!」

ネメシス
「どうするんですか!?」

デューン
「海の大穴を抜けて、元の世界に帰るんだ!」

(ソール神の力で海の大穴がふさがっていく。すんでの所で脱出するステスロス。)

シリュー
「イタタタタ…」

デューン
「…くっ みんな、無事か?」

シリュー
「なんとかね
 未来に戻れたの?」

ボラージュ
「ああ、そのようだ
 それより、見ろ!」

(元の世界に戻る際に通ってきた水瓶が粉々に砕け散った)

デューン
「水瓶が壊れて消えた…」

ボラージュ
「…間一髪だったな」

シリュー
「これで、もう魔物は現れないんだね…」

デューン
「ああ これで滅びの未来は救われたんだ これからは、新しい歴史が始まる」

ボラージュ
「…いや、まだやるべきことがある」

デューン
「やるべきこと?」

ボラージュ
「これからの未来に、ステスロスの能力は必要ない
 もう役目は終わったんだ ここで破壊しておいた方がいい!」

デューン
「そう、ですね…
 シリュー! みんなを呼んできてくれ ムオンを使って脱出する」

シリュー
「うん、わかった」

デューン
「ボラージュさん、行きましょう」

ボラージュ
「私は、2号機に積まれたジュピターの体を回収し、ステスロスを破壊してから合流する」

デューン
「ジュピター…父さんの…?」

ボラージュ
「ああ 体があれば、ボラージュのサイボーグ技術で蘇るからな」

デューン
「わかりました


 ムオン!

 ステスロス…今までありがとう!」

(次の瞬間、ステスロスを爆破する轟音が聞こえた…
 そしてデューン一行は、バイパーの都市にある革命軍の基地へ。
 別行動を取っているボラージュはパーティから離脱。
 残りのメンバーの状態も全回復し、戦いの傷跡も癒された)

シリュー
「やっと、ジュピターさんのサイボーグ化手術が終わるんだね」

デューン
「ああ… 無事に済んでくれればいいけど…
 別に、一緒に待ってくれなくてもいいんだぞ?
 いつまでかかるかわからないし」

シリュー
「…でも、ほら、一応、あたしもあいさつしといた方がいいと思うし」

デューン
「え、何で?」

シリュー
「な、何でって…」

ボルフェス
「待たせたの」

デューン
「ボルフェス博士! ジュピターさんの手術は?」

ボルフェス
「無事、成功じゃ
 ジュピター!」

(入ってきた男ジュピターは、確かにデューンそっくりだった。
 ※デューンが人間の姿の場合に限ります)

デューン
「…ジュピターさん、ですか?」

ジュピター
「ああ
 キミ達のおかげで、こうして生まれ変わることができた 感謝しているよ」

デューン
「いえ、おれ達は何もしていませんよ」

シリュー
「ジュピターさんを回収したのはボラージュさんだもんね」

ジュピター
「ボラージュが? 彼も無事だったのか?」

デューン
「無事? といいますと?」

ジュピター
「二人でフェンリルと戦っているときに、背後から不意打ちされてね
 あの状況を切り抜けて、私の身体を回収するとは、大したものだ」

デューン
「…二人でいるところを不意打ち、ですか?」

ボルフェス
「さて、いつまでも立ち話をしていても、仕方あるまい
 そろそろ、通信を入れて、奥さんを安心させてやらんとな」

ジュピター
「はい

 そうだ キミの名前は?」

デューン
「え…? デューンといいます」

ジュピター
「デューン… いい名だ
 妻のお腹の中にいる子供には、その名前を使わせてもらうとしよう」

デューン
「はい」

ジュピター
「それじゃ、元気で」

シリュー
「…今、奥さんのお腹の中にいる子供がデューンになるんだね」

デューン
「…」

シリュー
「デューン?」

デューン
「あ、ごめん ちょっと考えごとしてて」

クエーサー
「ところで、キミ達は、これからどうする?」

デューン
「はい 過去に戻ろうと思います」

クエーサー
「戻れるのかね?」

デューン
「いいえ おれ達だけじゃ無理です
 ボラージュさんが乗ってきたタイムマシンは使えませんか?」

クエーサー
「ボラージュが乗ってきた? タイムマシン? 何のことじゃ?
 あいつから、そんな話を聞いたことはないな
 あいつは腕は立つが、2号機の開発にも、関わっていないぞ?」

デューン
「…そうですか
 じゃあ、博士 タイムマシンを作ってください
 大丈夫です 博士なら必ずできます!」

クエーサー
「なんとも無茶な頼みじゃな
 だが、任された! 必ず作ってみせよう!」

(基地の外では、ポルナレフやミルフィー、ディオールやネメシスの姿が。)

ディオール
「本当に、過去へ帰ってしまうんですか?」

ポルナレフ
「ああ」

ネメシス
「…ずっと、ここにいてくれればいいのに」

ミルフィー
「そういうわけにはいかないわ
 もうすぐ、この世界にも、わたし達が生まれてくる
 そうなったら、色々ややこしくなるかもしれないもの」

ポルナレフ
「ってのは建て前でよ 実はデューンが
 シリューを長老に会わせてやりてぇだけなんだけどな」

ディオール
「なら仕方ないですね」

ミルフィー
「過去に戻ったら、たくさん遊んであげるからそれで我慢しなさい」

ネメシス
「…はい」

ディオール
「それじゃ、俺達は、これで」

ポルナレフ
「ああ 過去に戻るときは、またあいさつに行くからな」

ネメシス
「はい」

ポルナレフ
「…あの二人、将来、うまくいくのかね」

ミルフィー
「さあ…」

デューン
「ポルナレフ! ミルフィー!」

ポルナレフ
「親父さんの手術は、無事に終わったのか?」

デューン
「ああ ディオールとネメシスは?」

ポルナレフ
「二人仲良く行っちまったよ」

デューン
「そうか ダームの町に行く前に、顔を見ときたかったんだけどな」

シリュー
「様子だけでも見に行く?」

デューン
「やめとくよ また、すぐに会えるだろうし」

シリュー
「それじゃ」

デューン
「ああ ダームの町に向かおう」

(そして新ダームの町。メルローズがデューンたちの帰りを察して待っていた)

メルローズ
「英雄達が帰ってきたな」

デューン
「よしてくれ、そういう言い方は
 みんなに助けてもらったおかげなんだからさ」

メルローズ
「わかってるならいい で、今日は、どうしたんだ?」

デューン
「急な頼みで悪いけど、過去に戻るためのタイムマシンが完成するまで、
 おれ達を、ここに住ませてほしいんだ」

メルローズ
「そうか なら、見せたいものがある」

デューン
「見せたいもの?」

メルローズ
「ついてきてくれ」

(そこにあったのは、あのバトルトレーナー!?)

メルローズ
「これだ!」

デューン
「バトルトレーナー?」

メルローズ
「こいつを今までのものと同じだと思うなよ
 プログラムを改良強化したバトルトレーナー2だ
 昔みたいに、こいつでみっちりと鍛えてやるから、覚悟しろよ」

デューン
「よし! いくぞ!」

(そしてバトルトレーナー2で訓練開始。
 また一緒にメルローズのもとで暮らす日々が、しばらく続きそうである。)

(スタッフクレジットも流れる。
 これまでの主要なシーンがセピア色の写真になって1枚ずつ出て来る。)

(スタッフクレジットも終わり…)

(ついにタイムマシン完成の日がやってきた。お別れのあいさつに来たデューン。)

ディオール
「いよいよ、出発ですね」

デューン
「ああ もうしばらく、こっちの時代にいられると思ってたんだけど
 思ったより早く、タイムマシンが完成しちゃったからな」

ネメシス
「…クエーサー博士も手を抜いてくだされば良かったのに」

デューン
「そんな顔するな、ネメシス
 もうしばらくしたら、この世界にも、おれ達が生まれてくる
 そしたら、その子達と仲良く遊んでくれればいいさ」

ネメシス
「でも…」

ディオール
「ネメシス、あんまりデューンさんを困らせるな」

ネメシス
「…うん」

ディオール
「あっちに着いたら、俺達のこともよろしくお願いしますね」

デューン
「ああ、任せておけ
 二度と魔物に遅れを取らないように、みっちり鍛えてやるから」

ネメシス
「はい」

『待たせたな』

(現れた男は、ボラージュだった)

ネメシス
「ボラージュさん?」

ディオール
「どうしたんだ、お前?」

デューン
「おれが呼んだんだ」

ディオール
「デューンさんが?」

デューン
「ボラージュさんには世話になったからな
 この機会に、ゆっくり時間旅行を楽しんでもらおうと思って」

ネメシス
「…私は連れていってくれないのにですか?」

デューン
「い、いや、それはだな」

ボラージュ
「ハハハハハ
 あちらの時代には、子供時代のお前がいる
 運悪く出くわしでもしたら、何が起きるかわからんだろう?」

ネメシス
「それは、そうですけど…」

ボラージュ
「では、デューン」

デューン
「はい

 それじゃ、これで、お別れだ
 こっちの世界のことは、お前達に頼んだからな?」

ディオール
「はい! 任せておいてください!」

ネメシス
「デューンさんも、がんばってくださいね」

デューン
「ああ
 それじゃ、これからの未来を頼んだぞ! 二人とも、仲良くしろよ!」

ネメシス
「な、仲良くって!」

ディオール
「はい! 任せておいてください! デューンさんも!」

デューン
「お、おれはいいんだよ!」

(ついにタイムマシンで過去に出発する時がきた。
 まるでステスロスを白くしたような内装に一行は何を思うのか。)

シリュー
「これがタイムマシン…」

ミルフィー
「なんだか、ステスロスみたいね」

シリュー
「デューン、お別れは済んだの?」

デューン
「ああ お前達も来れば良かったのに」

シリュー
「あたしもそうしたかったけど 機関のチェックとか色々あるし」

デューン
「機関のチェックって、お前がやってるのか!?」

シリュー
「安心して 今、ポルナレフがやってるから」

デューン
「そ、そうか ならいい

 それじゃボラージュさん ポルナレフが戻り次第出発しましょう」

ボラージュ
「ああ、わかった」

ポルナレフ
「じゃあ、行くぜ」

(タイムマシンが起動した。一行はやっとなじみのある時代へ向かう!)

ポルナレフ
「無事に、時空間に入れたみてぇだな
 後は、オートパイロットに任せてのんびりしようぜ」

デューン
「そうだな シリュー達にお茶の用意をするように言ってくれ」

ポルナレフ
「あいよ」

ボラージュ
「のどかなものだな 異次元へ向かうときとは大違いだ」

デューン
「あのときとは、背負ってるものが違いますからね」

ボラージュ
「そう、だな」


デューン
「ボラージュさん」

ボラージュ
「ん?」

デューン
「あなたはゴート山でおれに言いましたね
 2号機には、おれの父親になる男の体が積まれていると」

ボラージュ
「…そんなことを言ったか?」

デューン
「シリュー達も聞いてます」

ボラージュ
「なら、言ったのかもしれんな… それが、どうかしたのか?」

デューン
「あの時代に、ジュピターさんの子供はまだ生まれてません
 なのに、なぜあの人が、おれの父親になると知っていたんです?
 おれは自分の父親の名前も知らなかった
 つまり、この世界には、ジュピターさんが、おれの父親だと知っている人間はいないはずだ

ボラージュ
「キミ達がラグナを倒したことで、未来は変わった…
 だがもし、まだラグナに侵略され続け 滅びかけている未来があるとしたら?
 …私が、その滅びかけている未来から来た人間だと言ったら、どうする?」

デューン
「例えそうだとしても、おれ達に嘘をつく必要はないでしょう」

ボラージュ
「わからんぞ? 決戦を前に、お前達に里心が付くのを防ぐためかもしれん」

『なら、タイムズ・ギアのことをだまってたのはなんでだ?』

ボラージュ
「?」

(その声は、のんびりくつろいでいるはずの、ポルナレフだった)

ポルナレフ
「あんたが滅びの未来から来た人間だってんなら、
 タイムズ・ギアのことをクロノス達に教えてるはずだろ?
 なにしろ、タイムズ・ギアはあんたからもらったんだ
 2号機を作るには、うってつけのサンプルなんだからよ」

(ポルナレフだけじゃない、他のメンバーもいつの間にかボラージュを取り囲むように集まってきた)

ミルフィー
「タイムマシンの完成を待つ間、タイムズ・ギアを調べてもらったの
 クロノスさんは言ってたわ
 これには、ステスロスと同じ原理が使われているのかもしれないって」

シリュー
「でも、ボラージュさんは教えなかった
 目の前で、2号機を作るのにみんな苦労しているのに」

(デューンがボラージュを招待したのは、世話の恩返しではなく
 ボラージュが何者かを察したため問い詰めるのが目的だった!)

ボラージュ
「…で、結論は?」

デューン
「一人だけ…未来のことを知っていてもおかしくない奴がいる
 そいつは、この時空の狭間に潜み、
 おれにタイムズ・ギアの使い方を教えた奴だ!

(デューンの尋ね方はどう見ても世話になった相手に対するそれではない。
 もはや言い逃れは不可能とみたボラージュ。彼は…)

ボラージュ
「…フフフフフ
 ハハハハハハハハハハ」

デューン
「!!」

(突然ボラージュがワープで消え…次の瞬間に…ワンダラーが現れた!!
 …否。ボラージュこそが、ワンダラーだったのだ。)

ワンダラー
「いつから私のことを疑っていた? 青年」

デューン
「ジュピターさんに、フェンリルと戦ったときのことを聞いてからだ」

ワンダラー
「あの男に?」

デューン
「一緒におそわれたはずのお前が、ジュピターさんを救出して戻った
 それが、どうしても納得できなかったんだ
 それで思い出した お前が、おれ達に会う前に、エクスカリバーを知ってたことをな」

ワンダラー
「…」

デューン
「ネメシスは、誰かがフェンリルの元を訪ねた後、
 急に、エクスカリバーの話を始めたと言っていた
 もし、奴にエクスカリバーの情報を与えたのが、お前だったなら…」

ワンダラー
「…引き換えに、見逃してもらえるというわけか」

デューン
「だが、ひとつわからないのは、お前がネメシスを見捨てたことだ
 お前ほどの力があれば、彼女を使い聖剣を手に入れ ラグナを倒す事もできたんじゃないか?」

ワンダラー
「買い被ってもらっては困る 時空の狭間をはなれた私には、さしたる力はない
 それに、彼らがラグナを倒してしまっては、早すぎるのだ」

デューン
「早過ぎる?」

ポルナレフ
「どういう意味だ、そりゃ?」

ワンダラー
「ラグナがなぜ、キミ達の世界への侵略を始めたと思う?」

デューン
「それは…自分の野望を満たすためじゃないのか?」

ワンダラー
「違うな 彼は、失われた半身を求めたにすぎない
 再び、ソールとひとつになり、世界を作り直すためにな」

デューン
「世界を作り直す?」

ワンダラー
「ラグナの身体からソールが分離して以降、
 ラグナの作った世界は、いびつな発展をとげることとなった
 完全なる世界を取り戻すためにソールを取り込む必要があった
 そして、それはソールも同じこと」

ミルフィー
「なら、ソール神が永い間、眠りについてたのは」

ワンダラー
「ラグナを取り込み、新たな世界を作り出せるだけの力を蓄えるためだ
 ソールが作り上げた世界もまた、いびつなものだったからな
 ラグナとソール どちらが勝利しても、ふたつの世界は変わってしまう
 勝利したものが神となり 新たな世界を作り始める
 負けたものが作っていた世界は 不要となり滅ぼされてしまう
 この時空の狭間は、二つの不完全な世界の狭間に存在している
 二つの世界が消滅すれば、この狭間も消滅する
 それを防ぐには、二人の神を同時に消滅させる必要がある」

ポルナレフ
「あん? そいつと今の話に、なんの関係があんだよ?」

ワンダラー
「関係がないとでも?
 キミ達はやってのけたではないか 二人の神を同時に消滅させることをな!
 そう、ステスロスのワープ装置に、15年という制限をつけたのは私なのだ
 キミ達が、私の望む時間、私の望む場所に現れるようにね
 だが、誤算だったのは、
 キミ達がフレイヤとかいう少女を助けるためだけに、
 『未来ワープ』を手にすることなく現在へ戻ってしまったことだ
 そのために、私はクロノスという男をより深く介入させる必要に迫られ、
 2号機というイレギュラーな存在を生み出す結果となってしまった」

デューン
「じゃあ、早過ぎたってのは?」

ワンダラー
「ラグナとソールがもう一度、一体となる前に…ラグナだけ倒されてしまっては困るからね
 だから、こうやって」

(再びボラージュの姿に戻り、しかしその手には、破邪の剣が握られている!)

ボラージュ
「私は斬ったのだ! この手で、ジュピターをな!

デューン
「お前が父さんを斬っただと…?」

ボラージュ
「ああ フェンリルにエクスカリバーの情報を信用させ、
 キミ達に伝わるように、細工する必要もあったのでね」

デューン
「!
 ふざけるな! だったら、父さんに事情を話して時機を待てばよかっただろう!」

ボラージュ
「彼はソールのみが正しいのだと、信じていたからな 説得するなど、考えもしなかったよ」

デューン
「だから斬ったのか!?」

ボラージュ
「そう怒ることもあるまい
 キミの父上は、無事生き残ったし、私はそうなることを知っていた」

デューン
「どこが無事だ! お前のせいで、父さんは機械の身体で生きていくハメになったんだぞ!
 人の一生をもてあそんで、貴様、神にでもなったつもりか!」

ボラージュ
「ハハハハハ! キミ達は言えた義理かね」

デューン
「何!?」

ボラージュ
「だってそうだろう? キミ達も、旅路の中で、他人の人生をもてあそんだではないか
 私の与えた、そのタイムズ・ギアを使ってな」

デューン
「貴様と一緒にするな! おれ達は、運命は変えても、命はもてあそんだりはしてない!」

ボラージュ
「ラグナを始めとした異世界の神々は命を持っていないとでも?」

デューン
「!」

ボラージュ
「私は、自らの守るべきものを守ろうとしたにすぎんよ
 この時空の狭間と、それを拠り所として生きる私の命をな
 いや、むしろ誰の命も奪っていない分、私の方がより美しい選択を行ったと言えるのではないかね?」

デューン
「…」

[ボラージュと戦いますか?]
 • 戦う
 • 戦わない


(他の展開を見る場合は選択肢をクリック)

デューン
「…」

ボラージュ
「…憎んでいるのかね? この私を」

デューン
「憎んでなどいない どんなことをするにも、決断したのは、おれ達だからな
 ただ……」

ボラージュ
「ただ?」

デューン
人を犠牲にして…笑っていられる貴様が許せないだけだ!

(時空の狭間に舞台を移して、ボラージュとバトル!)

シリュー
「ここは!?」

デューン
「時空の狭間 奴の棲み家だ」

シリュー
「あいつの棲み家?」

ボラージュ
「フフフフフ あの場では、私に勝ち目があるようには思えなかったのでね
 少し小細工をさせてもらった」

ポルナレフ
「ってことは、ここなら、てめぇも力を発揮できるってわけか」

ミルフィー
「…望むところ」

デューン
「いくぞ、みんな! 一気にケリをつけてやるんだ!」

(ある程度ダメージを与えると…)

ボラージュ
「フッ
 フフフ、さすがに強い…」

(真の姿であるワンダラーに変化する。しかも破壊したはずのステスロスで攻撃してくる。
 そして、倒すと…)

ワンダラー
「…フフフ、愚かなことを…
 私を否定したところで、自らの罪が消えるわけではないものを」

デューン
「そんなことは、言われなくても知ってる」

ワンダラー
「ならば、なぜ?」

デューン
「言っただろ 単に許せなかったからだ」

ワンダラー
「それこそ、罪の上ぬりだな…」

デューン
「だったら、この先の人生で、それに見合う働きをするだけだよ」

ワンダラー
「フッ、フフフ…より良い世界をというわけか…」

デューン
「…」

ワンダラー
「ならば、見届けてやるとしよう キミ達が作る、より良い世界とやらをな」

(姿を消すワンダラー。そして一行はタイムマシンへ戻ってきた)

デューン
「…勘違いするな 世界はおれ達が作るんじゃない みんなが、力を合わせて作ってゆくんだ」

シリュー
「ここは?」

ミルフィー
「戻ってきた」

ポルナレフ
「ってことは、やったのか?」

デューン
「さあな」

ポルナレフ
「さあなって…」

デューン
「でも、奴は見届けると言った 生きていたとしても、もう干渉してくることはないはずだ
 
 よし! 帰ろう! おれ達の育った町へ」

(ラストシーンへ)


(他の展開を見る場合は選択肢をクリック)

デューン
「…」

シリュー
「デューン?」

デューン
「大体わかったよ」

(この場に来て、ボラージュに背を向けたデューン)

ボラージュ
「…何のマネだ?」

デューン
「もう戦う理由がないからな」

ポルナレフ
「デューン!?」

シリュー
「いいの?」

デューン
「ああ」

ボラージュ
「…戦う理由、か」

(それでも、ボラージュは、剣を構えて襲い掛かってきた!
 時空の狭間に舞台を移して、ボラージュとバトル!)

シリュー
「!? ここは?」

デューン
「時空の狭間 奴の棲み家だ」

シリュー
「あいつの棲み家?」

ボラージュ
「…
 キミに戦う理由がなくとも、私にはあるのだよ
 正体を知った者を、私が生かして帰すとでも思うのかね?
 では、始めようか!」

デューン
「!!」

シリュー
「デューン!」

デューン
「くそっ、いくぞ、みんな!」

(ある程度ダメージを与えると…)

ボラージュ
「フッ
 フフフ、さすがに強い…
 この場所で、私に全力を出させるとはな!」

(真の姿であるワンダラーに変化する。しかも破壊したはずのステスロスで攻撃してくる。
 そして、倒すと…)

ボラージュ
「さすがに、ラグナを倒しただけはあるな…」

ポルナレフ
「てめぇ、覚悟はできてるんだろうな!」

デューン
「やめろ、ポルナレフ!」

ポルナレフ
「デューン?」

デューン
「気がすんだなら、おれ達を、元の世界に戻してくれ」

ワンダラー
「あくまで…私を倒す気はないのだな」

デューン
「お前のおかげで、未来を変えることができたのは確かだ」

ワンダラー
「だから、父親を斬った私を許すと?」

デューン
「面倒くさいヤツだな おれは、一緒にラグナと戦ったボラージュさんを仲間だと思ってる
 それが理由じゃ駄目か?」

ポルナレフ
「なんだよ、そりゃ!? コイツは、オレ達をだましてたんだぜ!」

デューン
「そうだな、だまされてた 色々な意味で」

ミルフィー
「どういうこと?」

デューン
「みんな おれ達はどうして、こいつの正体に辿り着けた?」

ポルナレフ
「…そりゃ、おれ達を過去に送ったボラージュと 今いるボラージュが同一人物じゃねえかと…」

デューン
「そうだ ボラージュさんは、ジュピターさんが、おれの父親だと知っていた
 ところが、おれ達は未来を変えた
 この未来では、ボラージュさんは、おれ達を過去には送らない そんな必要はないからだ」

ミルフィー
「私達が変えた未来では、誰も知らないはずの事実 それをボラージュさんは知ってたわけね」

デューン
「だから、今いるボラージュさんは、滅びの未来から来たんだと思った」

シリュー
「そこまでなら、わたしにもわかるんだけど…」

デューン
「おれ達を過去に送った後、ボラージュさんはどこにいた?
 おれ達を過去に送ってから、革命軍を指揮するディオールと一緒に行動するまで、30年近くはたっている
 ところが、ギルさまに聞いたボラージュさんと、おれ達の知っているボラージュさんは同じ年齢に見える
 それは、おかしくないか?
 それなら、タイムマシンを使って、未来へ来て革命軍に参加したのか?
 でも、滅びの未来から来たボラージュさんは おれ達が変えた未来へ、到達できるのか?
 ここまで考えて、おかしなことに気付いた」

ワンダラー
「タイムズ・ギアのことだな?」

デューン
「それだけ自由に時間移動できるボラージュさんは、2号機開発には全く関わっていなかった
 そして、タイムズ・ギアはボラージュさんから預かり…使い方はお前から聞いた」

ミルフィー
「タイムズ・ギアの存在を知っていたのは、わたし達を過去に送ったボラージュと…」

ポルナレフ
「こいつだけだよな」

ワンダラー
「だから、私がボラージュだと思ったのか?」

デューン
「ああ ボラージュさんが、滅びの未来からきたと思うより
 あらゆる時空に出入りできるお前が、ボラージュである方がすっきりしてる」

ポルナレフ
「んで、それがどうしたんだよ、デューン?」

デューン
「おかしいと思わないか?」

ポルナレフ
「いや、だから、コイツはオレ達をだまして…」

デューン
なんで、コイツはそんなことをしたんだ?

ポルナレフ
「???」

デューン
「コイツは何度もおれの前に姿を見せた タイムズ・ギアの使い方も教えてくれた
 タイムズ・ギアの使い方なんて、ギル様に伝えておけばよかったはずだ
 それとも、滅びの未来のボラージュとして、おれ達に会えば済んだ」

ミルフィー
「確かにそうね」

ワンダラー
「…私は必要なことをしたに過ぎんよ
 キミ達にとって、それがどう見えるかは、私の知るところではないな」

デューン
「そう、必要なことなんだろうな
 お前は未来がわかるんだから無駄なことなんてするはずがない」

シリュー
「未来がわかる?」

デューン
「そうだ
 おれが異次元にワープしたとき、確かに言ったな? お前は未来がわかるって」

ワンダラー
「その通りだ」

デューン
「だったら…
 この結末はわからなかったのか?

ミルフィー
「!」

デューン
「お前はジュピターさんが結果的に助かるのを知っていた
 ラグナとソール神を同時に倒すこともやってのけた
 それなのに、お前は自分の正体がばれるようなことを平気でやっていた」

ワンダラー
「…結局、何が言いたいのかね?」

デューン
「何かを言いたいわけじゃない
 おれは、一緒にラグナと戦ってくれたボラージュさんに感謝してる
 だから、訊きたいんだ
 おまえは何がしたかったんだ?

ワンダラー
「…そうだな 例えば、この世に一人だけの種族がいたとしよう
 そいつは増えることも減ることも、変わることも消えることもない存在だ
 何の意味もなく生きてきたそいつに、突然、問題が発生した
 だが、その問題は余りに簡単だったので、解決法は無限にあった」

デューン
「…」

ワンダラー
「もう少し、わかりやすく言おうか?
 キミが育った町に魔物が押し寄せる未来があったとしよう
 そのまま放っておけば、町にはケガ人がでる
 しかし、キミは、時間を戻して、それをなかったことにできる」

デューン
「ダームの町が襲われたときの話か? それが一体…」

ワンダラー
「しかし、その時点で町を救うと、町の人間は、危険を学ばない
 そのために、より未来でより大きな被害がでる
 その両方とも、結果に大きな差はない
 差がないために、キミはどちらも選べず、第三の道…つまり、
 もっと良い方法を探すものかと思っていたのだが…キミは選択を迷わなかったな
 なぜだ?」

デューン
「おれのことを、信じてくれる人がいる
 その人がおれのことを信じてくれている限り、おれは自分が正しいと信じられるからだ」

ワンダラー
「それはキミ達の言葉で、自分勝手というのではないかね?」

デューン
「当然だろ おれ達は神じゃない 正しいと思うことをしても、正しいかどうかは、自分一人じゃ…
 !
 もしかして、お前は、迷ったのか? 自分が生きるための選択に?
 このタイムズ・ギアは…!」

ワンダラー
「まあ、解釈は自由にすればいいさ
 だが、そうだな…一つ言っておくか 私も神ではない
 だから、この未来は、間違いなく、キミ達が自分でつかんだものなのだよ」

(姿を消すワンダラー)

ワンダラー
「私としては、この結末、そんなに悪くないと思っているが… どうかね、青年…?」

(そして一行はタイムマシンへ戻ってきた)

デューン
「…」

シリュー
「…戻ってきた」

ミルフィー
「…のようね」

ポルナレフ
「いいのかよ、デューン あの野郎を逃して」

デューン
「大丈夫だろ また、何かあったら、おれ達がどうにかすればいいさ

 よし! 帰ろう おれ達の育った町へ」

(ラストシーンへ)


(一行は、長い戦いを終え、現在のダームの町に、やっと…)

ネメシス
「ギルさま! ギルさま!」

ギル
「どうしたのじゃ、お主達? そんなに慌てて」

ディオール
「ア、アニキ達が!」

ギル
「アニキ達…?」

シリュー
「ただいま! おじいちゃん!」

The End
彼らの未来は始まったばかりだ

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