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*このゲームには幾つかエンディングがあります。
*これは、3つ目のバッドエンディングです。

マリー:あ、今日は約束の日だよ!
エリー:……原初の炎、できませんでしたね。
マリー:うん、仕方ないよ。取り敢えず、フューレンさんのところに挨拶に……。
エリー:(ノックの音がする)はーい、開いてます〜。
フューレン:お邪魔しますよ。
エリー:あ、フューレンさん!
マリー:ごめんなさい!できませんでした、原初の炎。
フューレン:そうですか……。気に病むことはありません。もともと、出来ないことを承知で依頼したのですから。
マリー:え!?
エリー:どういうことですか!?
フューレン:原初の炎とは、そもそも人の手に負えるような代物ではないのです。だからケントニスでは、出来そうにないことをやるときに、こう言うのです。まるで原初の炎を作るようだ、とね。
マリー:できないものを頼むなんて、それって、サギじゃないのー!?
フューレン:とんでもない。我々が依頼をしていなかったらどうなったかを、考えても見てください。
エリー:うう……それを言われるとツライ。
フューレン:我々も悪魔ではありません。今まで援助していたお金は、ある時払いの催促なしです。徐々に返していただければ結構。今後とも、お二人のご活躍を期待していますよ。では、失敬。

エリー:……はぁ。これから、どうしましょうか。取り敢えず、次の依頼を……。
マリー:……あのさ、エリー。あたし、この工房を出ようと思うんだ。
エリー:ええ!?そんな急に……せっかく一緒にやってきたのに。
マリー:別に急ってわけじゃないよ。ずっと考えてたことだよ。二人で工房をやっていくのは楽しかったけど、正直、一人でやってたときの一生懸命さがなくなったような気がしない?ひたむきに前だけを見つめていたあの頃のこころを取り戻したいんだ。だから、もう一度一人でやってみようと思う。あたしのわがままだけど……。
エリー:……わかりました。言われてみれば、確かに私も、もっとできたかもと思うところがあります。そんなつもりは無かったけど、マリーさんに甘えていたのかも知れませんね。マリーさんの言う通り、今は、お互いの道を進むことにしましょう。
マリー:もっと色々なものを見て、経験を積んで技術を蓄えたら、そのときは……。
エリー:もう一度、一緒に工房を開きましょう!必ず!

*:城塞都市ザールブルグにある王立魔術学校「アカデミー」は、錬金術士の卵たちの学舎。
  このアカデミーを卒業し、晴れて錬金術士となった二人の生徒がいました。
  一人は、マルローネ。そして、もう一人はエルフィール・トラウム。
  二人はふとしたきっかけで、力を合わせて工房を開きました。
  ところが一緒に暮らし始めた途端、あらゆることが上手くいかなくなってしまいました……。
  憧れていた錬金術士になり、工房を開いたことだけで満足してしまったのでしょうか。
  それとも、二人で暮らすことでお互いに甘えてしまったのでしょうか。
  理由はどうあれ、ほとんど進歩のないまま過ぎ去った三年間という月日は帰ってきません。
  そのことに気付いたふたりは、もう一度自分の足で歩き始めます。
  大丈夫、遅すぎるということはありません。
  生きていくということは、たとえ失敗してもやり直せるということなのですから。
  今、二人は新たな一歩を踏み出しました。
  いつの日か再び二つの道が交わることを信じて……。


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