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*このゲームにはいくつかのエンディングがあります。
*これはその一つ、1つ目のバッドエンディングです。


マリー:あ、今日は約束の日だよ!
エリー:……原初の炎、できませんでしたね。
マリー:うん、仕方ないよ。取り敢えず、フューレンさんのところに挨拶に……。
エリー:(ノックの音がする)はーい、開いてます〜。
フューレン:お邪魔しますよ。
エリー:あ、フューレンさん!
マリー:ごめんなさい!できませんでした、原初の炎。
フューレン:そうですか……。気に病むことはありません。もともと、出来ないことを承知で依頼したのですから。
マリー:え!?
エリー:どういうことですか!?
フューレン:原初の炎とは、そもそも人の手に負えるような代物ではないのです。だからケントニスでは、出来そうにないことをやるときに、こう言うのです。まるで原初の炎を作るようだ、とね。
マリー:できないものを頼むなんて、それって、サギじゃないのー!?
フューレン:とんでもない。我々が依頼をしていなかったらどうなったかを、考えても見てください。
エリー:うう……それを言われるとツライ。
フューレン:我々も悪魔ではありません。今まで援助していたお金は、ある時払いの催促なしです。徐々に返していただければ結構。今後とも、お二人のご活躍を期待していますよ。では、失敬。

マリー:……ふう、さてこれからどうしようか、エリー。飛翔亭に依頼でも……。
エリー:マリーさん、わたし、工房を、出ようと思うんです。
マリー:……………………そっか。
エリー:驚かないんですね。
マリー:なんとなくそんな予感してた。あたしもそろそろ潮時かなって、ちょっと思ってたし。
エリー:……わたし、気付いてしまったんです。もしかしたら、わたしたち一人でやっていた方が効率がいいのかも、って。
マリー:そうかもしれないね。本業以外のところでギクシャクすることの方が多かったような気もするし。
エリー:どうして言いたいことが伝わらないんだろうって、何度も思いました……。わたし誰かと協力して何かをやるということが苦手なのかも知れませんね。
マリー:それは、あたしも同じみたいだし、気にすることはないよ。ただ、あたしたちはそうだったというだけのことだもん。結果はこうだったけど、技術は上がったし、無意味じゃなかったよ。無理にずっと他の人に合わせて上手くいかなくなるよりは、ずっといい。だから、今は別々の道を歩こう。そしてお互い、自分の信じる道を究めようよ!
エリー:マリーさん……。私、錬金術士としてのマリーさんを尊敬しています。
マリー:ありがとう。あたしもエリーと一緒だったこと、誇りにするよ。……ずっとね!

*:城塞都市ザールブルグにある王立魔術学校「アカデミー」は、錬金術士の卵たちの学舎。
  このアカデミーを卒業し、晴れて錬金術士となった二人の生徒がいました。
  一人は、マルローネ。そして、もう一人はエルフィール・トラウム。
  二人はふとしたきっかけで、力を合わせて工房を開きました。
  だけど、一緒に暮らすということは、二人が考えていたよりもずっと大変なことでした。
  二人にはそれぞれ信じる道があり、叶えたい夢がありました。
  そして同じ船に乗っていては、それぞれの目的地に辿り付く事はできないと、二人は気付いてしまいました。
  ついに別れを選んだ二人……。だけど、決して孤独ではありません。
  目指すものこそ違えど、尊敬すべき仲間がいることを知っているから。
  二人を隔てる距離がどんなに遠くても、遥か空で誇り高く煌く星を見れば、一人ではないと思うことができます。
  そうして、二人はただ前だけを見据え、自分の信じる道を歩き続けているのです。

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