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マ イ ネ リ ー ベ
優美なる記憶


◆◇◆ オルフェレウス ◆◇◆
(CV 櫻井孝宏)
グッドエンディング



プレイヤーの名前は 「チョコ」 愛称は 「ミント」 を使用。


■□■□■ 1937年7月24日 ■□■□■

卒業式

〜 ここの部分は
「アイザック グッドエンディング」
を、ご覧ください。〜


チョコは、小走りに3人の元から離れ、
色とりどりの飲み物が並べてあるテーブルへ向かった。


□■□■ ここまでは全エンディング共通 ■□■□■


(えーっと、何飲もうかな?)
チョコが飲み物を選んでいた
その時…!

「ふぅ、ここにいたのか。」

その声に振り返るチョコ。
「え?!オルフェ様!」
「君を探していた。
一曲お付き合いしていただく名誉を
私に与えてはくれないか?」
オルフェレウスが、そう言って
白い手袋をした右手を差し出した。
「ええ、喜んで。」
きらびやかな光の中、ダンスを踊る二人。
貴公子らしく、オルフェレウスのリードはとてもスマートだ。
「学園生活も今日で終わるのだな…。
だが君とこうして踊る一時は、
終わりにしたくはない。」
「え?」
その言葉に、チョコは一瞬自分の耳を疑った。
「私には為さねばならない事がある。
誰もが心穏やかに暮らせるよう、
私はこの国を導き、
エルドラドへの扉を開く。
人はそれを幻想だと、笑うかもしれない。
しかし私は、扉の向こうの
まばゆい光が降り注ぐ楽園を信じている。
その扉が開かれてゆくのを…
共に見届けてはくれないか?」
「!?」
「2年前…木漏れ日の中で
まっすぐに私を見上げる妖精と出会った…。
その時私は、姉上以外に
こんなに汚れのない瞳を持つ者が
この世にいるのかと…。
己の胸を貫くような、
慟哭にも似たその感情に
驚きを隠せなかった。
それから、その妖精の姿を追い求め、
私は…
君から目を離すことが出来なかった。
その姿がどんなに愛しく、
尊いものだったか…。」

オルフェレウスには、
テロによって最愛の姉を失うという
悲しい過去があった。
姉を敬愛していたオルフェレウスにとって、
それは、あまりにも衝撃的な出来事であり、
また大事な人を失う悲しみを味わうくらいなら、
いっそ、人など愛さないほうがよい…
そんなトラウマを植えつけるのに
十分すぎる心の傷となっていたのだ。
そんなオルフェレウスの深い心の傷を、
自分が癒してさし上げたい…
などという思い上がった気持ちは、
とても持てずにいたチョコにとって、
今のオルフェレウスの言葉は
思いがけないものだった。
ただただ、後から後から熱いものがこみ上げる幸せを
チョコは、神に感謝しながら感じていた。

「オルフェ様…」
そう名を呼んだだけで、
チョコは言葉を続けられなかった。
これ以上何か話したら、
涙がこぼれてしまいそうだったから…。
ダンスも忘れて立ちすくむチョコを、
オルフェレウスは、両腕でグッと抱き寄せた。
「君の白く輝く翼は、
私が何に替えても護ってみせよう。
私には…、
君が必要なのだ。
楽園の扉が開かれた時、
木漏れ日の下で翼を休め…
私の側で笑っていてほしい。」
オルフェレウスの腕の中で目を閉じるチョコの心に、
美しい楽園の光景が広がった。
そして、この方となら…
絵空事ではない、
本当に楽園が見られるだろうと、
この方なら…
この世界を、
争いのない楽園にしていけるだろうと
そう思った。

〜 私が白い翼の妖精とおっしゃるならば、
さしずめあなたは…
光り輝く黄金の翼の持ち主、
太陽の神、アポロ。
その大きな翼は、今もこうして、
私の全てを包み込んでくださっている。
オルフェレウス様…
私を…
私をどうぞお側においてください… 〜

チョコは、やっと顔を上げた。
憧れ続け、想い続けていた…
オルフェレウスの美しい顔が、
今、こんなにも近くに…。
そして、
その吸いこまれそうに澄んだブルーの瞳を見つめて言った。

「…はい…。
私を護ってくださいね。
あなたのその黄金の翼で…。」

「…約束しよう。

君に永遠の愛を誓う…。」



優美なる
二年間の
記憶を胸に

あなたは
ローゼンシュトルツ
「薔薇の誇り」
と名付けられた
学園を卒業した

そして
二人は永遠に
一つの物語を
紡いでいく…



§ END §

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