戻る TOPへ

マ イ ネ リ ー ベ
優美なる記憶


◆◇◆ カミユ ◆◇◆
(CV 保志総一朗)
グッドエンディング



プレイヤーの名前は 「チョコ」 愛称は 「ミント」 を使用。


■□■□■ 1937年7月24日 ■□■□■

卒業式

〜 ここの部分は
「アイザック グッドエンディング」
を、ご覧ください。〜


チョコは、小走りに3人の元から離れ、
色とりどりの飲み物が並べてあるテーブルへ向かった。


□■□■ ここまでは全エンディング共通 ■□■□■


(えーっと、何飲もうかな?)
チョコが飲み物を選んでいた
その時…!

「みつけた。」

その声に振り返るチョコ。
「え?!カミユ様!」
そこには、
いつも少年のようにかわいくて、
真っ赤な半ズボンの制服が良く似合うカミユが
ちょっぴりはにかんだ笑顔で立っていた。
そして、軽くステップを踏むようにしながら
「あのね、ボク…ダンスの練習をしたんだ。
君と踊りたいなと思って。」
と言って、右手を出した。
「ええ、喜んで。」
チョコがすっと手を差し出すと、
華奢なカミユにはめずらしく
ちょっと男らしいリードを取り、
とてもステキで軽やかなダンスを踊り始めた。
きっと何度も練習を重ねてきたのだろう…
「クスッ…」
少しして、突然カミユが吹きだした。
「???
どうされたのですか?」
「あ…今ね、思い出してたんだ。
君とすごした2年間のこと。
考えてみれば、いつもボクは君に
謝っていたような気がする…。
でも、いつも君は優しさと強さで
僕を包んでいてくれたよね。」
「カミユ様…。」
するとカミユは、
笑顔を一転、決意を込めた表情に変え、
「ボク…強くなろうと思う。
甘えないで未来を築いて行こうと、
そう思ってるんだ。
今度は君を…
君をボクが守っていけるように…。」
そう言って、チョコの眼をじっと見つめた。
「え!?」
「ボク、やっぱり君を思い出に変えることなんて
できないんだ。
ずっと…あの温室で初めて出会ったときから
ずっとボクは君が好きだった。
そしてこれからも、
君を変わらずに好きでい続ける。
ボクの予知能力…。
この未来だけは、
この手で変える気はないよ。
そして、もう一つ…
君と手を取り合って過ごす
僕たちの未来も…。」

チョコが入学して間もない頃、
気を張りすぎて身も心も崩れそうになり、
ふと立ち寄った温室で、初めてカミユに出会った。
その時、まだチョコが何も話していないのに、
カミユはこう言ったのだ。

君には、心を落ち着けることが必要だ…
君がここに来ることは、すでにわかっていた…
ギボウシの花が、そう教えてくれたから…と。

最初は、そんな予知能力があったり、
植物と話ができるカミユのことが、
不思議な方…
そんな風にしか感じていなかったチョコだったが、
チョコは、それから幾度となく、
カミユと、そしてカミユの育てた花々に、
癒され…慰められ…
そして、勇気を与えられてきたのだった。
何より、チョコの心の中は、
いつの間にか「カミユの花」とでも言おうか…
チョコの心の変化に合わせて色を変える不思議な花で
いっぱいになっていたのだ。
思えば、あの初めて出会った日に、
チョコの心はカミユから
「カミユの花」の種を、
知らずに盗んでいたのかもしれない。

〜 出来るものなら…
私の心の中の満開の花々を…
あなたの花でいっぱいの、この胸の奥を…
カミユ様にお見せしたい… 〜

「カミユ…様…。」
「…あはっ、ずるいよね…
こんな言い方。
でも…この気持ちは、
君に伝えなくちゃいけないんだ。
ボクは…君を心から愛してる。」
その言葉を聞いた瞬間、チョコの目から、
大粒の涙がこぼれた。
自分の心の内を
植物以外にあまり話さないカミユが…
ガラス細工のように内気で繊細なカミユが…
卒業前日である昨日でさえ、
大切そうな話をしかけて途中でやめ、
温室へ行ってしまったカミユが…
もう決してカミユの口から聞くことはできないだろうと
あきらめていた『愛の言葉』を
聞かせてくれた…。
チョコは、溢れる涙を止められなかった。
「…。」
するとカミユは、チョコの涙を見て驚き、
慌ててチョコをギュッと抱きしめた。
「あ…、泣いてるの?
ごめんね…
泣かせるつもりじゃ…。」
「…ふふ…、
また謝っていらっしゃる…。」
「あ…本当だ…
ごめん…あ。」
「うふふ。
カミユ様…私、嬉しいんです。
涙が…溢れるほど…。
私…。」
瞳は涙で濡れていたけれど、
その涙の輝きに負けないほどの
キラキラした笑顔を見せるチョコ。
チョコの心の中は今、
幸せ色の花でいっぱいになった。
カミユも、そんなチョコを見てニッコリ微笑み、
そして、
チョコをもう一度優しく抱きしめて言った。

「じゃあ…

ボクと一緒にいてくれる?

…ずっと。」

「はい。

私を包んでくださいね。

その優しいあなたの瞳で…。」



優美なる
二年間の
記憶を胸に

あなたは
ローゼンシュトルツ
「薔薇の誇り」
と名付けられた
学園を卒業した

そして
二人は永遠に
一つの物語を
紡いでいく…



§ END §

inserted by FC2 system