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マ イ ネ リ ー ベ
優美なる記憶


◆◇◆ エドヴァルド ◆◇◆
(CV 関智一)
グッドエンディング



プレイヤーの名前は 「チョコ」 愛称は 「ミント」 を使用。


■□■□■ 1937年7月24日 ■□■□■

卒業式

〜 ここの部分は
「アイザック グッドエンディング」
を、ご覧ください。〜


チョコは、小走りに3人の元から離れ、
色とりどりの飲み物が並べてあるテーブルへ向かった。


□■□■ ここまでは全エンディング共通 ■□■□■


(えーっと、何飲もうかな?)
チョコが飲み物を選んでいた
その時…!

「よっ!!」

その声に振り返るチョコ。
そこに立っていたのは、
右手の親指と人差し指と中指を立て、
それを、おでこのあたりへかざす…
そんな、いつものポーズで軽くウィンクするエドヴァルドだった。
「えっ?!エド様!」
「探したぜ!
ちょっと…話があるんだけど。
今いいか?」
「ええ、喜んで。」
チョコは、エドヴァルドに誘われ、
ダンスフロアーの隅へと歩いていった。
そして、白い大きな柱を背にして
エドヴァルドの方を向き直ると、
エドヴァルドは、その柱に片手を付き、
まるで、チョコを何かから守るようにしながら、
静かに話し始めた。
「不思議だったんだよ。
お前と会ったとき、初めて会った気がしなかった事。
それに、流浪の民の流行歌の事も…。
そりゃそうだよな。
幼い頃歌って聴かせたんだからな。
お前が妹と知って、すげぇ悩んだ。
オレは…、
オレの気持ちはどうすればいいんだよってな。」
「…エド様…。」

二ヶ月ほど前、
エドヴァルドが夜中、木をよじ登って、
窓から、女子寮のチョコの部屋にやってきたことがあった。
お前の顔が見たくて、
気付いたら足がこっちへ向かっていたと…。
その時、チョコが宝物にしているリボンを見て、
チョコこそが、
幼い頃生き別れた妹だったことを知ったエドヴァルド。
エドヴァルドにはもちろん、
チョコにも、それはあまりにも突然突きつけられた
衝撃の事実だった。
幼い頃、遊んでくれた男の子…。
いつもチョコを守ってくれ、
流浪の民の歌を歌って、心を慰めてくれた男の子…。
それが、それが…
実の兄で、しかもエドヴァルドだったとは。
本当なら、感動の再会!…となるはずの出来事。
しかし、
少なからず、お互いを意識し始めていた
エドヴァルドとチョコは…
とてもそんな気持ちにはなれるはずもなかった。

それからというもの、エドヴァルドとチョコの仲は、
なんとなくギクシャクしてしまっていたのだった。

「オレさ、リボンの少女を見つけられたら…、
兄として、絶対に幸せにしてやるんだって
心に誓ってた。
…その気持ちは今も変わらねぇ。
オレはお前を幸せにしてやりてぇ。」
「エド様の傍にいれば
幸せになれる…?」
「…わからねぇ。
でもよ、兄として、
いつも傍でお前を助けてやる事はできる。
一人ぼっちで泣くなんて事は、
させなくて済む。
…オレの言ってる事って、
オレのわがままってヤツなのか?」
「…。」
エドヴァルドの言葉に、
チョコはハッとした。

昨日、別れ際に
「オレがもし遠くへ行くと言ったら、
付いてきてくれるか?」
と、尋ねたエドヴァルド。
しかし、一瞬黙ってしまったチョコに
答える暇を与えず、
「今のは聞かなかったことにしてくれ!」
と、冗談交じりに笑って去って行った。

その時、なぜ「連れて行ってください」と
素直に即答できなかったのだろう。

兄だろうと、妹だろうと…
好きな人と一緒にいることに
何のはばかりがあるというのか。
…どうして、
それにもっと早く気付かなかったのだろう。

だから…今度こそ…
今度こそ、
素直に気持ちを伝えたい!

そんな心とは裏腹に、
チョコの言葉は、涙でつまってかき消える…。
潤んだ瞳で、
ただエドヴァルドをじっと見つめるチョコを、
エドヴァルドは、思いっ切り抱きしめた。
そして…
愛しむように、やさしくチョコの頭を撫でると、
自分にも言い聞かせるかのようにこう言った。
「この先どうなるかわからねえけど、
とりあえず一緒に行こうぜ。
オレと…。
二人で世界中をまわってみようぜ。な?
それからでもいいじゃねぇか。
オレ達の答えを出すのは…さ。
二人でゆっくり考えていこうぜ。」
エドヴァルドの言葉に、
チョコは、今度は即答した。
…にっこり微笑んで。

「…はい!」

「…絶対に…

幸せにしてやるからよ…

お前を。」



優美なる
二年間の
記憶を胸に

あなたは
ローゼンシュトルツ
「薔薇の誇り」
と名付けられた
学園を卒業した

そして
二人は永遠に
一つの物語を
紡いでいく…



§ END §

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