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季節を抱きしめてのバッドエンディング (1)


大学の通学路を歩く主人公とトモコ。

(トモコ……)
(本当にボクに気があるんだろうか?……)
(それとも、からかっているだけなのか?)
(……もし本当にボクの事が好きなら、今ここで抱きしめたって文句は言わないかもしれない……)
(いや、言わないハズ……言わせはしない!)

(幸いな事に、この時間は人通りが少ない……)
(チャンスは……今!)

(トモコなら拒みはしない!)

(トモコ……)
(今、キミをここで抱いてしまえば、もう前のように接する事は出来ない……)
(だが、二人の友情はやがて愛情へと変化し……そして、二人はめでたく結ばれる事にっ!)

主人公の脳裏に、自分とトモコが愛し合っている場面が浮かぶ。

(トモコ『……愛してる……』)
(主人公『ボクもさ……』)
(トモコの体がはじけるように、ボクの腕の中で暴れる。……そう、情熱的に、熱く……)


トモコ「あっ! 危ないっ!」
主人公「えっ?」

トモコの声に我に返る主人公。
妄想にとらわれて前を見ずに歩いていた主人公が、桜の木に激突する。

トモコ「ねぇ! しっかりっ! しっかりしてっ! ……」

(……ああ、なんてこった……)
(こんな事で一生を棒に振るのか、ボクは……)


(ああ、トモコの声も……もう、聞こえない……)


Bad:01 春の日の妄想編



季節を抱きしめてのバッドエンディング (2)


主人公は大学の通学路で、記憶喪失の少女に出会った。
そしてその日の夜の街で、再びその少女に出会い、公園のブランコで語らう。

少女「あ……昼間はごめんなさい。その……痛みます?」
主人公「え?」
少女「あの……ほら……顔蹴っちゃって」
主人公「それだけは許せないな」
少女「……どうしたら許してくれますか?」
主人公「あんなコトや、そんなコト……」
少女「えっ? あ〜んな事やそんな事……って?」
主人公「だから、あんなコトやそんなコト」
少女「……本当に?」
主人公「うん!」

少女「エッチ!!」

少女が不意に立ち上がり、主人公をひっぱたく。
そのはずみに主人公はブランコから転げ、頭を打ってしまう。

救急車の音──。


主人公が目を覚ますと、そこは病院のベッドの上。

少女「あっ! 目、さました!」
主人公「……ここは?」
少女「病院……公園で頭打って救急車で運ばれたんです」
主人公「……」
少女「大丈夫ですか?」
主人公「……あの……」
少女「なんですか?」

主人公「……キミは誰?……そしてボクは?……」


Bad:02 いやらしいボク編



季節を抱きしめてのバッドエンディング (3)


麻由を捜して喫茶店「四季」に行く筈が……主人公は「匹季」へやって来た。

(……本当に〈匹季〉はあったんだ……)
(でも、こんな所に麻由が来るとは思えない。今ならまだ引き返せるけど……)

(この店に間違いないんだ!)

(……ごくっ……)

ドアを開ける。

「いらっしゃぁーい」

中は風俗店。

お姉さん「……あら、キミは……」
主人公「お、お姉さん?」
お姉さん「よくここが判ったわね…… サービスしてあげる」

(……そうか、ここが幻の店……綺麗なお姉さんの勤めるお店だったのか……)

お姉さん「なにしてるの、早くいらっしゃい」
主人公「は〜い」

(こうしてボクは二度と抜けられない堕落の道へと堕ちていった……)

(ごめんよ麻由……ごめんよトモコ……)
(ボクは……ボクは、いま……)
(むちゃくちゃシアワセだぁーーーっ)


Bad:03 男の浪漫編
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