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風の伝説ザナドゥ2のエンディング



アリオスにイシュタルの声が聞こえてくる。
イシュタル「かつて、破壊神との戦いが終わり、
      力を失った私は人の可能性を信じて、世界の運命を人々の手に委ねました。
      私は空の高みから人々が地上で生きていく様を見守っていました。」
アリオスの前にイシュタルが姿を現す。
イシュタル「ですが、それもまもなく終わります。
      破壊神の消滅は対極の存在である私の消滅でもあるのですから。」
イシュタルの言葉にアリオスは驚く。
アリオス「そんな、あなたまでが消え行く運命なんて…。」
イシュタル「これでよいのです。
      古き時代は終わり、世界はようやく新しい時代を迎えるのです。
      新たな旅立ちの日には過去の幻は消え去ってしまわなければなりません。
      古き力を源にするすべては幻となるのです。」
そこまで言ってイシュタルはドラゴンスレイヤーを見る。
イシュタル「私たち神々の加護も…そしてあなたが手にしているドラゴンスレイヤーの力も。」
アリオス「ドラゴンスレイヤーも…ですか?」
イシュタル「ドラゴンスレイヤーは私の消滅とともに力を失うでしょう。
      そしてその管理者であるソフィアには新しい世界、
      人間として生きるための新たな未来がもたらされるのです。」
アリオス「すべては私たちの努力にかかっているのですね。」
イシュタル「全力で戦ってごらんなさい。
      ドラゴンスレイヤーではなく、自分の運命すらも切り開く、心の中のその剣で。」
アリオス「わかりました、女神イシュタル。
     子はいつか親元を飛び立ち、自らの責任において自立していく。
     今がそのときなのですね。
     女神イシュタル、見ていて下さい。
     我々の…人間のこれからを!」
その言葉に微笑むイシュタル。
安心したかのように瞳を閉じたイシュタルはアリオスが見守る中、光となって消滅していった。


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ラザンの港町。
人々の歓声の中イシュタリアへ戻るべく船に乗り込むアリオスたち。
リュコス「ほんじゃ、オレ様はイシュタリアへ戻るとするぜ。」
メルティナ「お別れですね…リュコスさん。」
リュコス「元気でな、メル。」
寂しげに微笑むメルティナ。
それを見ていたピュラーはアリオスに話し掛ける。
ピュラー「ねえ、アリオス。
     あたし思うんだけど、リュコスはイシュタリアでも面倒ばかり起こすから
     置いていった方がいいと思うわ。」
ダイモス「そうですなあ。奴はここに置き去りにしましょう。」
リュコス「なっ…お前ら!!」
呆気にとられるリュコス。
アリオス「リュコス。
     イシュタリアの人間の代表としてここに残ってくれ。
     そしてこの大陸と私たちとの橋渡し役になってくれないか?」
リュコス「っ…アリオス…。」
リュコスは桟橋でこちらを見つめるメルティナを見る。
ダイモス「行ってやれ。元気でな。」
ピュラー「幸せになってね…。」
メディア「さらばじゃ。」

アリオス「よし、出航する!!」
帆を張り、船は出航していく。

旅立つ船を見送るリュコスとメルティナ。
メルティナ「リュコスさん…本当にいいんですか。これからずっとここで…。
      今なら、まだ…。」
リュコス「メル。これでいいんだ。これで…。」

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船の甲板。
アリオス「さようなら…。」
アリオスは別れの言葉と共にドラゴンスレイヤーを海へと投げ込んだ。
アリオス「女神イシュタル…私はあなたの遺志をすべての人に伝えます。
     たとえ何十年、何百年かかろうとも、いつの日にか必ず、
     あなたの望んだ世界を作り出してみせます。」
それを見ていたピュラーは驚く。
ピュラー「アリオス!ドラゴンスレイヤーを…そんな…。」
アリオス「ピュラー。これでいいんだ。これで。」
ピュラー「え…?」
怪訝そうな顔をするピュラーを諭すように言うアリオス。
アリオス「これから私たちは自力で歩いて行かなければならないんだ。
     自らの手で人同士が信じあい、共に笑える世界を築き上げるんだ。
     他の何かに頼って生きるようではいけないと思う。
     クレーネ・ジュエルにも、ドラゴンスレイヤーにも、
     そして女神イシュタルにも…。」
アリオスの気持ちを察したピュラーは微笑む。
ピュラー「そうよね…。うん…きっとそうよね。」


かつて神々の時代に女神が作り出された剣があった。
剣はやがて英雄の手によって振るわれ、新たな時代の幕開けと共に静かな眠りについた。
その剣の名をドラゴンスレイヤーといった。

                       THE END








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