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幻想のアルテミスのエンディング (国栖みこと)


【解説】
このゲームでは、序盤で複数のヒロインの中から1人を選択することで、そのヒロインをテーマとした別々のシナリオに分岐します。
エンディングでは目当てのヒロインに告白するイベントがあり、告白に成功すると恋人同士となったエピソードがあり、さらにその後日談が見られるようになっています。


(聞いたところによると、江里子の不正経理操作に加担したスタッフが自首してきたそうだ。それで警察が動き、事件の全容解明につながった。)
(故・生駒健太郎は、江理子の放蕩経営に嫌気がさし、プロダクション解散の計画を極秘裏に進めていた。)
(しかし、自分の余命も幾ばくもないことを知る。そこで、せめて懇意に育てた3人だけはと、タレント委譲の契約を他プロダクションと結ぶ。)
(これを江里子が何かの機会にかぎつけたが、時すでに遅し。調印は済んでいたというワケだ。)
(かなりきわどい契約だから、法的に対抗することはできたかもしれない。しかし、それをやれば自分の不正行為を暴露するハメになりかねない。)
(追い詰められた江里子は、最後の手段に出た。3人が芸能活動をできなくなれば、契約はご破算になる……)
(結局、依頼人は真犯人だったので、オレの報酬は支払われずじまいになった。まったくヤレヤレだ。)
(しかし、オレの心がすがすがしかった。みことを守りとおし、事件を無事解決した誇りに満ち溢れていた。)
(何と言っても、オレは今回の件でお金なんかよりもずっと大切なモノを見つけたんだから……)


恭一「みこと……ゴメンね。忙しいのにわざわざ呼び出したりして。」
みこと「フフッ、いいんです。恭一さんなら。ところで何ですか、大事な話って……」
恭一「あ、ああ。実はね、オレ……急な用事ができて、今日にもこの学園を去らなければいけなくなったんだ……」
みこと「……ええっ?」
恭一「だからその前に……みこと、どうしても君に話しておきたいことがあるんだけど……いいかな?」
みこと「あっ……は、はい……」
恭一「オレ……本当に短い間だったけど、みことと知り合えてとっても楽しかった…… もちろん、最初のうちは君がこの学園の生徒だから、特別な気持ちで見ていたのも事実だよ。だけど、君のことをもっと知っていくうちに…… アイドルなんかじゃない、普通の、一人の女の子としてのみことがオレにとって大事な存在になってきたんだ…… だから、その……オレ……」
みこと「恭一……さん?」
恭一「好きなんだ! みことのことが……もうお別れなんて、そんなの耐えられないよ!! こんなオレだけど、ずっと付き合ってもらえないかな。その…… 正式な……恋人として……」
みこと「……」


■ バッドエンド

みこと「あの……恭一さん、ありがとう。とても嬉しいです…… でも……私、いまは芸能活動のことしか考えられない。自分を高めることで精一杯なんです…… 恭一さんなら、もっとステキな人、いくらでも見つけられますよ。だから……その、ごめんなさい……」


■ グッドエンド

みこと「私……予感がしてたの。恭一さんからこんな話をされるんじゃないかって…… 考えてみたら、恭一さんがこの学園にきてから、まだ1週間かそこらしかたってないんですよね…… けど、私、いつの間にか恭一さんといるのが自然な感じに思えてきちゃってたところなんです。ありがとう、恭一さん。あの……私なんかでよければ、YES、です。」


学園の中庭。みことが駆けてくる。

みこと「あっ、恭一さ〜ん! 見つけた〜っ! 恭一さん恭一さん、恭一さん!」
恭一「ど……どうしたんだよ、子犬みたいに……」
みこと「ね、これ、これ見てください!」
恭一「うん? 手紙……?」

菅原リカから届いたという手紙を読む。

「みこと、喜んで! 今度、復学できるメドが立ちました。父さんの仕事がようやく実を結んで、お金も全部キレイになったんです。」
(ははあ……江里子が逮捕されたから、ヤクザたちも手を引いたんだ。そのおかげだな。)
「もうすぐ落ち着いた生活に戻れるから、そしたらまた一緒に頑張ろうね。あたしはちょっとブランクしちゃったけど、すぐに追いつくから、みことももっともっとがんばんなきゃダメだぞ!」

恭一「そうか、彼女が帰ってくるんだ。よかったね、みこと!」
みこと「ええ……信じてて、本当によかった。何度かくじけそうになったけど、ずっと信じていられたのは、やっぱり恭一さんのおかげです。恭一さんがいてくれなかったら、私、どうなっていたかわからない……」
恭一「(……) みこと……実は、聞いてほしいことがあるんだ。」
みこと「何ですか?」
恭一「オレは……実は、探偵なんだ。この学園に潜入して、一連の事件の真相を探るためにやってきた……」
みこと「……」
恭一「ゴメンよ、いままでずっとキミをだましてて……」
みこと「……プッ!」
恭一「ん?」
みこと「ヤダなぁ、恭一さんたら……いまさらそんなこと、マジメくさって…… 恭一さんの正体なんて、とっくに知ってましたよぉ。あははは!」
恭一「え……な、なんで?!」
みこと「ホント、隠せない人なんだから……怪しいなあと思って、良子ちゃんに聞いたんですよ。そしたら、『誰にもナイショだからね』とかいって、ベラベラしゃべってくれましたよ。うふふ……!」
(……まったく、最後の最後まであいつは……!)
みこと「あ、ねえ、恭一さん! リカが帰ってきたら、真っ先に恭一さんのこと紹介してもいいですか?」
恭一「そりゃかまわないけど……何て紹介するの?」
みこと「ウフッ……決まってるじゃないですか。私のステディ、って(ハート)」
恭一「み、みこ…… (事件以来この調子だ……なんとも大胆になったな。) あのさ、みこと……大声でめったなこと言わない方がいいよ。キミはもうトップアイドルの仲間入りなんだから。」
みこと「あら、私、ゴシップなんて怖くありません。仕事も恋も、どっちもメいっぱい本気でやるつもりですよ。だって、私は欲張りなアルテミスなんですから……ウフフ!」


《スタッフロール》


■ 後日談

(……おっかしいなあ、たしかここで待ち合わせのハズなんだが……みことのヤツ、場所まちがえたのかな?)

みこと「クスクスクス……」
恭一「……ん?」
みこと「ここよ、恭一さん。」

オープンカフェ。
ベレー帽にサングラス姿のみことが、サングラスを外して悪戯っぽく舌を出す。

みこと「ふふっ、驚いた? さっきからここで恭一さんのこと見てたんだけど……」
恭一「あ、ああ……全然わかんなかった。ベレーとサングラスだけで、ずいぶん印象変わるんだな。」
みこと「何言ってんのよ、変装なら恭一さんの方が本業じゃないの?」
恭一「……面目ないです。」
みこと「でもホント、これっておもしろいわ。素顔で街を歩くと注目されちゃうから、かえってすごく開放的な気分。」
(みことはいまやトップアイドルだからなあ。たまのデートも、こうして変装しないといけない……)
(でも、国民的アイドルをこうして人知れず独占してるかと思うと、悪くない気分だな……ははは。)

みこと「ね、これなら、このままキスしても誰も気づかないと思わない?」
恭一「え? あ、ま、まあそうかな……」
みこと「ちょっと試してみようよ。ね、ほら、こんな感じで……!」
恭一「ち、ちょっと、み……!」

キスの音。
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