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*主人公はフシギダネ、パートナーはピカチュウにしてあります。主人公、パートナーともに、どのポケモンであってもセリフは同じです。

*天空の塔最上階9階にて。

ピカチュウ:ここが……最上階なのかな?……。
*:……誰だ!?我が領空を侵す者は!?
ピカチュウ:今の声は……もしかしてレックウザなのか?
レックウザ:いかにも。ここは我が領域。すぐ立ち去るがよい!
ピカチュウ:それが……そうも言ってられないんだよ。実は頼みがあって……。
レックウザ:ならん!!我は天空に住み、そなたは地上に生きる者!それぞれ定められた場所があるのだ!我は何億年もの間、一度も地上に降りたことがない!それはまた、逆も然り!自然の掟を犯す者は容赦せぬ!!覚悟しろっ!!

*レックウザとバトル!
*勝利後、塔が激しく揺れる。

レックウザ:ギャアァァァァーーーッ!!……ぐわっ!ギャアァァァァァァーーーッ!!
ピカチュウ:わわわっ!地震?……なワケないよな!だってここは雲の上だ……。
レックウザ:これは衝撃波だ!しかも、物凄い!……。
ピカチュウ:そうか!判ったぞ!上を見ろ!レックウザ!

*巨大な星が地上めがけて接近している。

レックウザ:なんだあれは!!
ピカチュウ:星だ!それも、とびっきり大きい!このままだとぶつかって大変なことになる!だからオイラたち、レックウザに星を破壊するよう頼みに来たんだ!
レックウザ:……そうだったのか……。
レックウザ:そうだ!早く破壊してくれ!
レックウザ:……その前に……決意を聞かせてくれ。星が接近しすぎてる。ここから我が破壊光線を放てば……そなたたちも無事ではすまぬぞ!
ピカチュウ:そんなの!ハナから承知だ!!
レックウザ:よく言った!よい覚悟だッ!!

*レックウザの破壊光線が星に直撃する。

ピカチュウ:うわ〜〜〜〜〜〜〜っ!!!

*辺りが真っ白な光に包まれる。

フシギダネ:……。…………。……………………。……これは……夢?……。…………。いや……夢じゃない……。そうだ……星の爆発に呑み込まれて……。魂のまま……さまよってるんだ……。…………。どうなるんだろう……。

*辺りが光に包まれ、ゲンガーが登場する。

フシギダネ:(……。……これは……ゲンガー……)
ゲンガー:ケケッ!フシギダネ!こんなんでくたばっちまったのかよ!ざまあないな!ケケケッ!コイツをどうするかな?そうだ!ちょうどいい。このまま闇の世界へ引きずり込んでやるぜ。
フシギダネ:(……。ゲンガーに引きずられている……。……ゲンガーは……闇の世界へ引きずり込むって言ってた……闇の世界って、どんなところだろう……自分はこのまま、知らない世界に捨てられてしまうのかな……)
ゲンガー:……。…………。……………………ありゃ?どうやら道を間違えたらしいな……。
フシギダネ:(……え?)
ゲンガー:オレとしたことが……どっちがどっちだか判らなくなっちまった……。ケッ!しょうがない。ここに捨てていくか……。じゃあな。アバヨ。

*ゲンガーが去り、再び辺りは光に包まれる。

*:……おぃ。……おぃ、大丈夫……。
フーディン:……しっかりしろ!

*精霊の丘に倒れているフシギダネとピカチュウ。その周りをフーディンを始めとする沢山のポケモンたちが囲んでいる。

フシギダネ:(……あっ……ここは……)
ピカチュウ:…………ううっ……。
フーディン:意識が戻ったぞ!
*:おお〜〜〜〜〜っ!!
フシギダネ:(……確かに……確かに、あの時……ゲンガーが……助けてくれた……)
ピカチュウ:……もしかして、フシギダネもゲンガーに?……。
ハズブレロ:よかった!生きてて〜!スゲー心配したぜ!
オクタン:アナタたち、とてつもないですわ〜〜!
キャタピー:ううっ、無事でよかったです!ほんとよかったです!
ピカチュウ:みんな……ありがとう。それより……星は!?星はいったいどうなったの!?
ネイティオ:クワーーーーーーーッ!心配するな。星は破壊された。すぐではないが……災害もじき、収まるであろう。
ピカチュウ:本当に!!やったな!フシギダネ!上手くいったんだ!これで平和になるんだ!
ブルー:よかった!本当によかった!
リザードン:今日はお祝いだな!
カメックス:祝砲にハイドロポンプ撃ちたいぜ〜〜!
ハスブレロ:おおっと、こっちはヤメロ。向こう向け、向こう。
ダーテング:いや、撃て撃て!ハハハ!!
ハズブレロ:じょ、ジョーダンじゃないよ!
オクタン:私が逃げられないように押さえときますわん。
リザードン:お?いいな、それ!
ハズブレロ:みんなマジかよ!?やめてくれ!
*:アハハハハハハハハハ!!
*:フシギダネさん……。

*サーナイトが現れる。

フシギダネ:(……サーナイト……)
サーナイト:すべてはフシギダネさんたちのお陰です。世界の平和が守られたのです。本当にありがとうございました。そして……フシギダネさんの役目もこれで終わりました。もうすぐ元の世界へ戻らなければなりません。別れのときが来たのです。
フシギダネ:(来たのか……とうとうこの時が……)
サーナイト:フシギダネさん、辛いでしょうが……みんなに、最後のお別れを……。

*フシギダネの身体から光の粒が立ち上る。サーナイトは姿を消す。

キャタピー:あれ?フシギダネさん?
ピカチュウ:……!フシギダネ!……その身体……どうしたんだよ?
フシギダネ:ピカチュウ……。そして、みんな……。ゴメン。今日でお別れなんだ。
ブルー:ええっ!?
マダツボミ:な、なんですって!?
フシギダネ:みんな、今まで本当にありがとう。
ピカチュウ:……え?……お別れって……どういうこと?
フシギダネ:ポケモンでの役目が終わったんだ。自分の世界に帰らなくちゃならない。
フーディン:な、なんと!
バンギラス:人間の世界に……帰るだって!?
ピカチュウ:え?な、なんで?……どうして?よく判らないよ!別れるなんて!せっかく……友達になれたのに……。
フシギダネ:そうだよ。ピカチュウとはいつまでも友達だ。ずっと忘れない。
ピカチュウ:待ってくれ、フシギダネ……。
フシギダネ:会えて本当によかった。
ピカチュウ:オイラ、フシギダネがいなくなったら……。
フシギダネ:ゴメン、サヨナラだ……。

*フシギダネの身体が光に包まれ、天に昇る。

ワタッコ:フシギダネさん!
リザードン:フシギダネ!
マダツボミ:フシギダネさん!!
キャタピー:フシギダネさん……。
ピカチュウ:フシギダネーーーーーーッ!!

キャタピー:ううっ……フシギダネさん……。どうして……ボク、よくわかんないです……。
リザードン:なんで?……なんでいなくなっちゃうんだよ……。
ダーテング:オレはフシギダネに命を助けてもらった……なのにオレはまだ、何のお礼もできていない……ありがとうも言えぬまま……いなくなるなんて……。
ハズブレロ:ホントだよォ……。こんな、急にいなくなっちゃうなんてよォ……。せっかく世界が救われたのに……せっかく、これからってときなのによォ……ううっ……。
ネイティオ:……いや。フシギダネのお陰で世界が救われたのだ。今思えば……天空に行くときのフシギダネの様子は……まるで何かの定めを待ってたかのようだった……。
ピカチュウ:……。きっと……きっとアイツは……アイツはオイラたちを助けるためにポケモンになったんだ……。そして……星を破壊したときが……別れのときだと知ってたんだ……。なんで……なんでもっと早く言ってくれなかったんだ……。別れると知ってたなら……なんで教えてくれなかったんだ……。
フーディン:言いたくても言えなかったのだ。お前が悲しむのと同じぐらい……フシギダネもまた、別れるのが辛かったはずだ。判ってやれ。ピカチュウ。
ピカチュウ:ううっ……フシギダネ……。

*星空のようなところを、光に包まれたフシギダネは上昇している。

フシギダネ:(……。これは……天に向かって昇っている自分の魂なのかな……。このままどこにいくんだろう……。……!!声がが聞こえている……)

 友達が悲しんでいる……。
 いなくなって初めて判る……。
 掛け替えのない友達が……。
 もし君も強く願うのなら、また出会うことができるだろう。

*スタッフロール

 別れたくない。
 ……もっと一緒にいたい……
 掛け替えのない……
 大切な友達だから……

*基地の前、ポケモンたちが集まっている。そこに光に包まれたフシギダネが現れ、ピカチュウと再会する。

END

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