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パラケルススの魔剣ED

【洞窟 地下2層】

広い空間の奥のほうは、地面が途切れていて先が見えない。
辺りに渦巻く熱気から察するに、おそらく火口なのだろう。
部屋の中央に、パラケルススの短剣を握ったスミスが立っている。
しつらえられた祭壇には、モーガンが横たわっている。

スミス   「よくここまで来たものだな。それだけ力があると見こんだからこそ、
       短剣を託したわけだが」
アレックス「うるさい!いいからモーガンを早く返せ!」
スミス   「そう急かさずに。もう少し私の話を聞いてくれてもよいではないか」
フランカ 「あなたの野望の話など、聞きたくもありません!」

スミス   「それなら、まずはお礼から申し上げることにしよう。
       君達のおかげで目的はほぼ達成された。
       充分力を蓄えた短剣と、モーガンさんという素晴らしい能力の
       持ち主が揃えば、望みは果たされたも同然だ。
       まもなく私は、太古の大陸を浮かび上がらせる。
       これでようやく高度な知性を持つ人々の仲間に加わることができるのだ」
エドガー 「高度な知性の人々?」
スミス   「そうだ。私こそ、かつて繁栄した古代人の血を引く、
       この世でただ1人の末裔なのだよ!
       私のこの手で、高度な人種を復活させ、退行しつつある現代人を
       取り除かねばならない…愚かな人間どもをな」
ケン    「何故そこまでいえる?貴様が他の人間を排除していい理由など、どこにもないはずだ」
スミス   「まだわからないのかね。私は、そこら中にあふれているただの人間とは違う。
       低い知性しか持たなくなった現代人を始末するのは、私の意志であり義務なのだよ。
       とはいえ…なにも君達まで排除しなくてもよい。
       それほどの能力を無駄にするのは、私も惜しいからね。
       どうだ、私に協力する気はないか?」

アレックス「な…なんだと?」
スミス   「この先、私に敵が現れないともかぎらない。
       たとえばナチスがそうだ。ヒトラーは自らを超人と称している。
       そうなった時、力を貸してくれる人物が必要だ」
ビンセント「そんなこと、できるわけないでしょう!」
スミス   「おやおや。自ら苦しむ道を選ぶと言うのか?
       私に協力すると誓えば、今ここで殺すのを止めてやろうと言うのに」
アレックス「馬鹿野郎!貴様なんかに手を貸すものか!」
スミス   「ならば仕方ない。私は儀式を完成させるだけだ。
       行け、ガーディアンども!」

>ガーディアン2体と戦闘→勝利。

スミスは短剣をかかげ、呪文の詠唱を続けている。
ガーディアンが倒されたのを見て早口になっているようだ。

ケン    「早く止めないと呪文が完成するぞ!」
アレックス「させるかーっ!」
スミス   「な、なにっ!」
アレックス「地獄に落ちてしまえ!」

スミスの身体が火口へと投げ出される。
そしてそのまま、煮えたぎる火口へとまっさかさまに落ちていった。

ケン  「…終わったな」
フランカ「ええ…」
エドガー「どうしたんです?うかない顔ですね」
フランカ「なんだか、かわいそうな方のような気がして。
      自分が一心に信じていたもののために、
      身を滅ぼすことになるなんて…」
ケン  「…そういうものさ。分をわきまえなかった人間は、
      自ら破滅の道をたどるのが運命なんだ」
ビンセント「ねえ、その話はもういいよ。さっさとこんなところ出て行こう」
エドガー「ええ、もちろんです」

アレックス「モーガン!モーガン、しっかりしろ!」
モーガン 「…ん…」
アレックス「モーガン!」
モーガン 「…アレックス?」
アレックス「気がついたか。…よかった」
モーガン 「遅いじゃないの…待ちくたびれたわよ…」
アレックス「生意気なところは直ってないんだな、こいつ」
モーガン 「ふふふ」

>モーガンがパーティに加わる。

ケン    「待て、何か聞こえるぞ!」
アレックス「まさかっ!?」
フランカ 「きゃああっ」

>スミス出現→恐怖判定→抵抗に失敗したキャラはMPにダメージを受ける。

スミス「突き落としてもらったおかげで、火山の
    エネルギーを取りこむ手間がはぶけたよ。
    甘く見てもらっては困るな…世界でたった一人、
    偉大な力を持つことを許された私を!
    さあ見るがいい、この鍛え抜かれた肉体を。
    そして思い知るがいい、愚かな人間には、
    触れることさえ許されない高度な知性のなせる技を!
    こうして超人となった私の手の中の魔剣が、
    なんと美しく輝くこと…私ですら震えがくるほどだ。
    これでもまだ、超人である私に勝てるというのか?
    人間の分際で私に逆らった愚かさを、後悔するがいい!」

>超人スミスと戦闘→勝利。

スミス「何故…だ。ただの人間より高度な頭脳と肉体を持つはずの私が…
    未来に待っているのは…破滅だけなのが…わからぬのか。
    愚かな人間どもが…世界中を巻き込み破壊を繰り返す。
    誰1人…逃れることなど…できない…。
    せめて魔剣の力で…大陸を浮かび上がらせなければ…」
ケン 「おい、なにをするっ!」

スミスは身を翻し、魔剣を抱いたまま火口に飛び込んだ!
君達が駆け寄ったときにはすでに、
スミスの体は溶岩の海に飲み込まれていた。
物凄い地響きとともに、洞窟が揺れ始めた。

モーガン「きゃあ!」
ケン   「脱出したほうがいい。噴火するぞ!」

>脱出開始。

【洞窟 地下2層 階段前】

揺れは相変わらず続いている。

【洞窟 地下1層】

揺れはますます激しくなっている。

揺れはひどく、立っていられないほどだ。

【沖合いの島】

ケン「早く船へ!」

君達は必死に走り続けた。
そして急いで船に乗り込むと、沖へと漕ぎ出した。

モーガン 「島が…沈んでいくわ」
アレックス「何故だ?大陸が浮かび上がるんじゃなかったのか?」
ケン    「おそらくモーガンの存在が欠けていたからだろう。
       それに短剣の力も、僕達との戦いでかなり消耗もしていたはずだ」
ビンセント「とにかく命が助かったんだ。素直に喜ぼうよ」
エドガー 「スミスは死に、小さな島がひとつ沈んだ…
      …結局、それだけの事だったんですね」
フランカ 「でもそのために、何人もの人が亡くなりました。
       もっと早く事実に気付いていれば、
       傷つかずにすんだかもしれないのに…」
ケン   「そんなふうに物事を考えるんじゃない。
       スミスの陰謀を阻止したことで、
       ヨーロッパ中の人々の生命が助かったんだ。
       フランカ、君はよくやったよ」

フランカはケンを見上げ、ちょっとだけ微笑んだ。
それはフランカが見せた、久しぶりの笑顔だった。

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                 〜フランカからの手紙〜

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主人公さん、お元気ですか?あれから1か月になりますね。
あたしはパリのアンリおばさんのもとに帰って、
占いのお手伝いをしています。

以前のあたしなら未来を知るのが怖くて、
自分の力を恨んだときもありました。
でも今は、未来を変えることができると知っています。
希望を捨てず、今を精一杯生きれば、どんな未来にも
明るい光が射し込んでくるんですね。

アレックスさんとモーガンさんはアメリカに渡られました。

モーガンさんも今ではすっかり元気になられたそうです。
やっと2人でのんびりできるって喜んでらしたのに、
アレックスさんったら相変わらず、
探偵のお仕事を続けてらっしゃるんですって。

ビンセントさんはロンドンに残って、研究を続けておられます。

あちこちで手に入れた品物をじっくり調べて、新しい機械を
発明するんだって、張り切ってらっしゃるわ。

エドガーさんもロンドンのご自宅にいらっしゃいます。

あたしたちと体験した事件を、書物を通して確認しておられます。
思い出せないことがあれば、皆さんにお聞きするかも
しれないっておっしゃってました。

ケンイチロウさんの行方はお聞きしていません。
日本へ帰る、と一言残して、姿を消してしまわれました。

でも…これはあたしの予感ですけど、ケンイチロウさんにもいつか、
きっとお会いできるはずです。

主人公さんにもお世話になりました。
これからの活躍をお祈りしています。

                       パリにて フランカ・ステラ
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原作                安田 均(グループSNE)

ゲームシステムデザイン   白川 剛(グループSNE)

脚本                 柘植めぐみ(グループSNE)

キャラクター設定        弘司

ミュージック&SE        石井 修一郎(エム・エー・シー)
グラフィック監修     

メインプログラム         早田 和俊(エム・エー・シー)
グラフィック監修 

プログラム               I田 真一(エム・エー・シー)
テクニカルサポート 

3Dグラフィックデザイン     酒川 康彦(エム・エー・シー)
プログラム

Special Thanks            河内 佳一(エム・エー・シー)  

プログラムアシスタント      冬月 卓也

Special Thanks             河野 司明    

Special Thanks            黒田 和人(グループSNE)

原画&CG                伊藤 大地(株式会社 リエゾン)
                   藤田 延長(株式会社 リエゾン)
                   田中 登志弘(株式会社 リエゾン)
                   MOTOKO NAKAMURA(株式会社 リエゾン)  
                   宮永 幸一郎(オーツー)
                   福島 康人(オーツー)

3DCG作成             田村 高直(オーツー)
                   岸上 大策(オーツー)

モンスターデザイン       井上 由香
                   石原 健(オーツー)

キャラクター顔原画        高田 かおり

アニメーション          上井 康宣

協力                 KAWAl、Roland、YAMAHA、KORG、ASCII 


     Ghost Hunter Series
                  パラケルススの魔剣
    
                       ENDE

                   Humming Bird Soft


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