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ペルソナ3ポータブル・エンディング

(はじめに)
主人公は女性で、名前は「桜音楓」にしてあります(デフォルトネームがないため)。また、コミュは魔術師・恋愛以外全てMAXにしており、ベルベットルームの助手にはテオドアを選択しています。
PSPの容量の都合上ムービーシーンは削除され、セリフに置き換えられてますのでご了承下さい。

(本文)
 1月31日、「世界が終わる日」。待ち構えていたジン、タカヤを倒しタルタロスの頂上にたどり着いた主人公達。
>タルタロス 頂上…
美鶴「ここが…頂上か。」
ゆかり「ちょっと見て、空がっ!月が…歪んでる…!?」
風花「あそこから、何か来ます!」
真田「“ニュクス”か!?」
風花「ペルソナを出さなくても、強く感じる…こ、こんな反応、初めて…」
月からニュクス・アバターが迫り、タルタロス頂上に降り立つ。
アイギス「あなたは…」
ゆかり「え、綾時(りょうじ)…くん…!?」
ニュクス・アバター「その名は仮初さ…嫌いじゃなかったけどね。」
美鶴「…どうなってるんだ。まさか、お前は…」
ニュクス・アバター「僕は、滅びを告げるだけの存在だ…いや…“だった”と言うべきかな。今はもう、ニュクスに取り込まれ、ニュクスそのものと区別はない…」
真田「なるほどな…これがお前の役割って訳か。だが、決めた事に後悔は無い。相手がなんだろうが、必ず倒してやる!」
ニュクス・アバター「そうか…なら君たちは、もう理解できてるということ?人にとって最も恐ろしいもの…最も目を背けたいと感じるもの…この僕が一体、何なのか。」
天田「分かってるさ、そんなの。」
真田「ああ。…誰でも知ってる。」
美鶴「全ての命に約束されてるものだ…」
ニュクス・アバター「なら分かるだろう、抗うなんて本当は無駄な事だ。それでも、来るのかい?君たちだって、怖い筈だ。」
順平「ああ、怖えーよ…決まってんだろ。でもな…言ってたってしょうがねえ!オレは、生きなきゃなんねぇんだよ!」
ゆかり「…もう逃げるのはイヤ!生きるっていうのは、命の終わりから目を逸らさない事…たとえあんたの前でも、ゼッタイ後ろは振り向かないっ!!」
アイギス「…この身に替えても、止めてみせます。わたしは、自分自身で、そう決めたから!!」
ニュクス・アバター「…そうか。」
(選択肢「今、あなたを倒す!」を選択)
ニュクス・アバター「おいで、楓…」
 ニュクス・アバターの翼のはためきが辺りを薙ぎ払う。
風花「皆さん、準備をっ! ニュクスが…来ます!!さらに、下層からも、多数のシャドウ反応あり!」
美鶴「待機メンバーでシャドウの迎撃に当たれ!ついに最後の戦いだ…死んでも勝つ!!」

 ニュクス・アバターとの決戦。
風花「必ず勝ちましょう!私たちなら…きっと出来ます!」
ニュクス・アバター「知恵の実を食べた人間は、その瞬間より旅人となった…カードが示す旅路を辿り、未来に淡い希望を託して。そう…とあるアルカナがこう示した…強い意志と努力こそが、唯一夢を掴む可能性であると…」
(ニュクス・アバターのタイプが「魔術師」に変化する)
風花「ニュクスから“魔術師”タイプと同じ反応を感じます!弱点や性質も、変わってる筈です!注意して下さいっ!」
ニュクス・アバター「そのアルカナは示した…心の奥から響く声なき声…それに耳を傾ける意義を…」
(ニュクス・アバターのタイプが「女教皇」に変化する)
風花「今度も性質が変わったみたいです。必要なら、分析を指示してください。」
ニュクス・アバター「そのアルカナは示した…生が持つ輝き…その素晴しさと尊さを…」
(ニュクス・アバターのタイプが「女帝」に変化する)
風花「ニュクスの気配、さらに変化しました!」
ニュクス・アバター「そのアルカナは示した…あらゆるものに毅然と向き合い、答えを決する、その勇気を…」
(ニュクス・アバターのタイプが「皇帝」に変化する)
ニュクス・アバター「そのアルカナは示した…己を導く存在、それを知ることの大切さを…」
(ニュクス・アバターのタイプが「法王」に変化する)
ニュクス・アバター「そのアルカナは示した…他者と心が通じ合う…その喜びと素晴しさを…」
(ニュクス・アバターのタイプが「恋愛」に変化する)
ニュクス・アバター「そのアルカナは示した…目標に向かって跳躍するその力こそ人が命から得た可能性であることを…」
(ニュクス・アバターのタイプが「戦車」に変化する)
ニュクス・アバター「そのアルカナは示した…何もかもが不確か故に、正しき答えを導かねばならぬ事を…」
(ニュクス・アバターのタイプが「正義」に変化する)
ニュクス・アバター「そのアルカナは示した…時に己を見つめ、自らの意思で道を決する勇気を…」
(ニュクス・アバターのタイプが「隠者」に変化する)
ニュクス・アバター「そのアルカナは示した…永劫、時と共に回り続ける残酷な運命の存在を…」
(ニュクス・アバターのタイプが「運命」に変化する)
ニュクス・アバター「そのアルカナは示した…どんな苦難に苛まれようと、それに耐え忍ぶ力が必要な事を…」
(ニュクス・アバターのタイプが「剛毅」に変化する)
ニュクス・アバター「そのアルカナは示した…避けようの無い窮状においてこそ、新たな道を探るチャンスがある事を。」
(ニュクス・アバターのタイプが「刑死者」に変化する)
ニュクス・アバター「知恵の実を食べた人間は、その瞬間より旅人となった…アルカナの示す旅路を巡り、未来に淡い希望を抱く…しかし、アルカナは示すんだ…その旅路の先に待つものが“絶対の終わり”だという事を。いかなる者の行き着く先も…絶対の“死”だという事を!」
(ニュクス・アバターのタイプが「死神」に変化する)
風花「この反応は…“死神”のアルカナ…あれが、本当のニュクス…」
 そして、「死神」のタイプとなったニュクス・アバターとの戦いが始まる。
(最初に「闇夜のドレス」を発動させた時)
ニュクス・アバター「死に抗うことなど出来ない。生きることと死ぬことは同じだ…」
風花「ま、待ってくださいっ!!今のニュクス…何かヘンです…何か…すごくイヤな感じがします…うかつに攻撃するのは危険ですっ!みんなにも、そう指示を!今手を出すのは…危険すぎます!」
(最初に「夜の女王」を発動させた時)
ニュクス・アバター「終わらせよう。これがキミ達の選んだ道なんだ。」

 激戦の果て、ニュクス・アバターを倒した主人公達。
美鶴「…やったか!?」
 しかし、ニュクス・アバターの身体が宙に浮かぶ。
ニュクス・アバター「惜しい…本当に惜しいよ。運命を理解し、それでもなお、正面から戦おうとする強い意志…その心がもっと多くの人々にあれば、滅びの訪れは無かったのかもしれないね。でも、…もう遅いんだ。」
月から真の姿を現したニュクス。
風花「つ、月が!?」
ゆかり「なにあれッ!?」
風花「綾時くんが…月に、吸い込まれてく……じゃない!月の方が…近づいて来てるの!?」
真田「馬鹿な…あの月が…月そのものが、ニュクスだってのか!?」
アイギス「間もなく…間もなく落ちて来ます…この場所へ。」

>その頃、辰巳ポートアイランド…
若い女性「え…あれ?」
茶髪の男性「オレ、確か…」
>影時間が明けていないのに、人々の“象徴化”が解けていく…
若い男性「おい、何だありゃ!?なんだ、あのグロい塔みてーなの!?」
メガネの男性「つーか、月、月!だんだん…近づいて来てねえ!?お、落ちてきてねえか!?」
終末思想の男性「すごい…月が…ハハハ、すげえ、すげえよ!!ホントに来たんだ、…世界の終わりが!ホントに来やがったんだ!ククク…アハハハハッ!!…おぶっ!」
 男の姿はすぐに融けてゆく。
若い女性「イヤァァ!」
茶髪の男性「バ、バケモンだ!!逃げろ!!」
恐怖におののく男性「お、終わりだぁ!世界の終わりだぁぁ!」
うずくまる男性「ううう…これは夢だ…目が覚めれば、きっと…」
>無数の怒声と叫び声が、徐々に街を包んでいく…
>そこかしこで、地獄絵図のような光景が繰り広げられている…
 引っ越したはずの森山夏紀(風花のクラスメイト)が現れる。
夏紀「落ち着かなきゃ…そうだ、あの時だって、風花が助けてくれたんだ…自分で言ったんだから…“離れてても繋がってる”って。…私、分かるよ。風花、… 今…絶対ガンバってるよね。…信じらんないくらい、メチャクチャ怖いけどさ。でも、諦めちゃ駄目だよね…絶対!そうでしょ…風花!」

>タルタロス 頂上…
>街の阿鼻叫喚が、切れ切れに聞こえてくる…
風花「…!?月から、何か来ます!!」
 ニュクスの放つ「死」が主人公たちを襲う!
真田「ぐぁっ…!!」
天田「なんだコレ…潰されるっ…!!」
ゆかり「なによ…この…くらい…!」
タカヤ「くくく…はは…ハハハハッ!!素晴らしい!まさか、こんな事が起きようとは!!」
>下の階から這うようにしてタカヤがやって来た…
天田「お前…!」
順平「るせぇ…死に損ないがっ!」
タカヤ「死はもう避けられない…見て分かるでしょう。今さらどうすると言うんです…」
アイギス「あきらめない…絶対…!」
 再び「死」は主人公たちを襲う!
タカヤ「本当に全てが消えるのですね…ジン…」
>タカヤは静かに目を閉じた…
天田「くっ…!」
ニュクス・アバター「なぜ…?今さら立ち上がってどうなる?もうよすんだ…」
順平「だからって…あきらめられっかよ!!」
ゆかり「決めてきたんだから…命賭けるって!!」
順平「うおおぉぉーーッ!!」
 3度目の「死」が主人公たちを襲う!
天田「あうっ…!」
真田「天田ッ!?…ぐあっ!」
ゆかり「ぐっ…!」
風花「あうっ!」
順平「…くっそォォォーッ!!」
美鶴「ここまで来て…終われるものかぁ!!」
>……。
>意識が遠のいていく…
アイギス「楓さん…!!」

>ここは…
>ベルベットルーム…?
 ベルベットルームへと誘われる主人公。
イゴール「ご心配には及びません。ここは“あの世”ではない…貴方はまだ、生きていらっしゃる。覚えておいでですかな…以前、私は申し上げました。築いたコミュニティの力こそ、貴方を真に変えることの出来る力だと…聴こえますかな…数多の声が。一つ一つはごく小さな力…しかし確かに、貴方へと向けられている…届いておりますかな?」
(選択肢「届いています」を選択)
イゴール「目を閉じ、耳をお澄ましなさい…微かですが、感じるでしょう?」
>イゴールの手の中に、不思議な光が集まっていく…
>覚えのある人々の熱い思いが、胸に伝わってくる…

(ここでこれまででコミュレベルがMAXになったキャラ(特別課外活動部のメンバー以外)が主人公に励ましの言葉を送ってきます。なお、かなりうまく立ち回れば一周でコミュを全てMAXにする事は出来ます)
小田桐「僕には分かるよ。今どこかで、君は戦っているんだろう…君ならどんな苦難も乗り越えられる。そう、信じている…」
文吉爺さん「何やら恐ろしいことになっとるがのう…ワシら、諦めんぞい…」
光子婆さん「そうですねぇ…楓ちゃんに笑われてしまいますものね…」
沙織「分かるよ、楓ちゃん…きっと今も頑張ってるんでしょう?いつもいつも、私を助けてくれたね。今度は私が、あなたの力になる番だよ…」
理緒「楓…街中がおかしくなってて、怖いけど…私は大丈夫。楓を感じるから…頑張ってるの、分かるから…一人じゃない、ってこと、アンタも信じて…」
舞子「おねえちゃん…みんな騒いでるけど、舞子は怖くないよ…ガンバレ…って、おねえちゃんが教えてくれたから…舞子、あきらめない。」
ベベ「楓殿…今、ドーシテルディスカ…ドコカデ、泣イテマセーヌカ…拙者、楓殿ヲ、支エタイ…楓殿ノ御蔭デ、拙者ノ今ガアルユエ…」
たなか社長「…なんでこんなときにアンタのこと、思い出すんだろうね…アンタが教えてくれたんだ。信じるってこと…」
無達「負け続けの逃げ続け…それじゃ駄目だって、教えられたよなぁ…偉そうな楓は…今も立派に戦ってんだろうよ。現実と……俺だってもう、逃げねえからな…」
神木「君を感じるよ…随分、辛い道を歩いてきたんだね…でもまだ休んでは駄目だ。君がそう、僕に教えてくれただろう?」

イゴール「感じるでしょう?これらは全て、絆を胸に、貴方の力にならんとする願いの声…それぞれは微かな力でも、その集まりが、貴方に大きな変化をもたらすのです。さあ、今こそ、“絆の力”の真価をお目にかける時です!!」
 光は一枚のカードになる。
イゴール「よもや、そのカードをこの目で見る日が来ようとは…これは本当に…驚くべきことです。これは私にとっても、貴方にとっても、最後の力。全ての始まりの力でもあり、そして、全てを終える力でもあります。これを得た今の貴方なら、可能かもしれません…決して勝ち得ぬ、“絶対のもの”から彼らを救う事がね。貴方が手にしたのはユニバースの力。文字通りの“宇宙”……もはや何事の実現も、貴方にとっては奇跡ではない。」
>絆を結んだ人々の力で、“ユニバース”を手に入れた…
テオドア「間もなく、最上階でございます。」
イゴール「“デス”を宿したのも宿命なら、“ワイルド”の力を得たのもまた運命……貴方は自身の運命を、受け入れなくてはなりません。契約はついに果されました…、私の役目はこれで終わりです。…貴方は、最高の客人だった。」

>タルタロス 頂上…
>迫り来る“月”…そこから降り注ぐ、全てを押し潰しそうな、力の波動…
>仲間たちは必死で抗っている…
>だが…
 力を振り絞り、立ち上がる主人公。
ゆかり「…!?なんで…あなた動けるの…!?」
>体が軽い…
 光に包まれ、吸い込まれるようにニュクスの元へと向かう主人公。
真田「桜音…!お前…一人で行こうってのか!?」
アイギス「行かないで!」
ゆかり「そんな…どうして!?」
順平「くっそ…なんでだ!なんでオレたちは立てねえ!」
ゆかり「待ってよ…ここまで来て、何よそれ…」
順平「ぐぉっ…ちっくしょおぉぉぉ!!」
ゆかり「待てって言ってんでしょー!!バカーッ!!」
 仲間たちの声を振り切り、光に包まれた主人公の体はニュクスの元へと向かう。
>いつしか体は、力の渦が逆巻く空へ…
>“ニュクス”の中へ…

 ニュクスとの最終決戦。
 1度目の「DEATH」が放たれる。主人公は何とか食いしばる。
 2度目の「DEATH」が放たれるもまた何とか耐える。
 その時、通信機から仲間たちの声が聴こえてくる。
天田「くっ…このまま僕たち…何にも出来ないなんて!」
真田「諦めるな!どんな時でもアイツと俺達はひとつだ!」
美鶴「どうか…彼女に力を!この命と引き換えでいい!!」
 仲間の想いが力に変わる…
 倒れるわけにはいかない…!
 主人公はわずかに回復し、3度目の「DEATH」も無効化する。
ゆかり「私も、今ならそんなの、全然惜しくないよ!」
風花「すごい…世界を滅ぼす力とたった1人で…!!」
順平「1人なんかじゃねえ!オレが絶対死なせねえ!!」
 仲間の想いが決意に変わる…!
主人公の体力はかなり回復し、4度目の「DEATH」もやはり無効化する。
コロマル「ワンッ、ワンッ!!」
アイギス「あなたを生んだこの世界が滅びるなんて絶対ダメ…!」
 10月の満月の日に意識不明になったはずの荒垣(特別課外活動部の元メンバーで先輩。主人公が女性の場合、10月作戦日までに「月」コミュがMAXになっているという条件を満たすとタカヤの凶弾から天田を庇うも意識不明の重体で生存する)の声も聴こえてくる。
荒垣「さて…やるか。…な?」
 今なら新たな力が発現できる!!
 主人公の体力は完全に回復し、そしてついに「大いなる封印」のスキルを発動させ、死の母星ニュクスを封印した!!

 気付くと仲間たちは内なる宇宙空間にいた。
ゆかり「ここは…」
美鶴「ニュクスの…いや、“彼女”の力が生み出したのか?」
真田「山岸、あいつは無事か!?戦いはどうなった!?」
風花「光に包まれた時、全部消えてしまって…もう…何の反応も…」
天田「まさか、この力と引き換えに…」
順平「なに言ってんだよっ!!そんな筈ねえっ!ちゃんと探せよ!あいつだけなんて、そんな…」
 風花、首を横に振る。
順平「ウソだろ…」
真田「クッ…どいつもこいつも…!」
美鶴「私達も、命を賭ける覚悟で…いや、捨てる覚悟で、ここまで来たというのに…!」
アイギス「なぜ…わたしは、こんなにも無力なの…?大事な人を守れないの…!?わたし…そのために、ここまできたのにっ!!」
ゆかり「居るんでしょ!分かってるんだからっ!あなたが居なくなったなんて、ゼッタイ信じない!返事してよっ!聞こえてるんでしょーっ!」
アイギス「わたし達はここです!!声を聞かせて、お願いっ!!」
>みんなが必死に探している。
(選択肢「大丈夫だよ…」を選択)
アイギス「…!?」
ゆかり「…!?」
覚えのある声「…心配ないよ。」
真田「その声ッ…!?」
覚えのある声「この宇宙で、僕は再び、眠りへと還る。今度こそ、本当の日常が戻ってくるよ。君たちにも…“彼女”にもね。」
ゆかり「…!」
覚えのある声「彼女は…“命の答え”に辿り着いたんだ。ただそれが君たちより一足早かった…それだけの事さ。」
アイギス「命の…答え…」
覚えのある声「アイギス…君だって、いつか辿り着ける。君はもう、かけがえのない“命”なんだ。誰にとってもね…あとは君自身が気付くだけでいい…絆の力が、君をどう変えたのかって事に…」
アイギス「絆の、力が…」
覚えのある声「間もなく、影時間がこの世界から消える。誰もが本当の意味で、この時間の外へ出る。君たちの命の暦は、まだ続いていく。おめでとう。奇跡は…果された。また、いつか会おう…」

 気付くとタルタロスの入口前に特別課外活動部のメンバーはいた。
ゆかり「ここは…え、タルタロスの…入口前?私ら、いつの間に……って、見てっ!!」
順平「お、おいアレ!タルタロスが…」
美鶴「崩れて、空に消えていく…」
真田「……。」
 月は真の輝きを取り戻す。
ゆかり「これでようやく…本当に、元通りの学校に…」
美鶴「終わったな…」
アイギス「あ…!あれは…!!楓さん…!!」
ゆかり「帰ってきた…」
 月光館学園の入口にて。
風花「よかったぁぁ…楓ちゃん…」
順平「遅ぇんだよ!引っ張りすぎだよオマエ!遅刻とか…ホント…」
天田「も、もう会えないのかもって…ちょっとだけ、怖かったじゃないですか…」
真田「まったく。こんな事で、泣くヤツがあるか…」
天田「真田さんだって…」
美鶴「これでやっと、揃ったな…」
コロマル「ワン!」
アイギス「楓さん…あれ…わたし…」
>機械であるはずのアイギスの頬を、涙のしずくが伝っている…
アイギス「どうしよう、止まらない…お、おかしいですね…」

>仲間たちに温かく迎えられる中、影時間が終わろうとしている…
>今度こそ…もう二度と、訪れることはないだろう…
>戦いは…終わった。
>奇跡が起こり…世界は、滅びをまぬがれた。
>そして、…街にも、平穏と普通の暮らしが戻った。
>もう誰も、天変地異の事など覚えていない。
>そして…季節は流れ…

 3月3日、登校途中。
>月光館学園高校 校門前…
順平「よう!寒みーのに、今日もサボらずガッコ来てんね。感心、感心。つか、もう1年過ぎちまったな…来年から3年だぜ?高校もあと1年で終わりか…その先、なぁんか面白いことあんのかね?」
(選択肢「きっとあるよ」を選択)
順平「ふーん、そんなもんかねぇ。けど、なんか、いまいちだよな。今の3年見てたってさ…とりあえず、勉強だけしてるっつーか、少なくとも、面白そうにゃ見えねぇよ。いいんかなぁ、オレたちも、こんなんで。なんか忘れてるっていうかさ…」
アイギス「……。」
 主人公を見つめるアイギスを見て、
順平「あれ、あの子…なんかこっち見てねえ?つか、ナニゲにカワイくねえ!?あんな子、この学校に居たっけ!?」
ゆかり「何言ってんの、キミは。同じ寮の子でしょ?」
順平「マジ!?そうだっけ!?え…名前は?」
ゆかり「そこまでは…知らないけど。」
順平「んだよ、結局知らねんじゃん。つーか寮さ、年度の節目でバタついてて、人の出入りとか最近分かんねーよな。ああ、そう言や聞いた?真田先輩、もうすぐ出てくって話だぜ。ボクシング部の真田先輩。知ってんだろ?」
ゆかり「ほとんど、話したことないけどね。そりゃあ卒業生は出てくでしょ。桐条先輩も、もう仕度始めてるしね。」
順平「桐条って…ああ、生徒会長サンか。ウチの寮だったんだよな。」
 ゆかり、アイギスの方を見て、
ゆかり「…にしても、何だろね、あの子。ねえ!なんでさっきからこっち見てるの?何かご用?」
アイギス「あ、いえ…なんでもないです。」
 アイギス、走り去っていく。
順平「なんか…ちっと思いつめてる感じじゃなかった?…って、もしかして、オレに気があるとか!?」
ゆかり「ハハ、あり得ないね。」
順平「相変わらず、そういうツッコミ、カワイくねぇーよな…」
 歩き出す3人。
順平「なあ…そう言や、ゆかりッチさ…あ…悪ィ、やっぱいいや。」
ゆかり「何よ、言いかけといて、勝手に止めないでよ。」
順平「いや、その…オレらって、なんで仲良くなったんだっけ?いや、深い意味はねんだけど、ふと、そんな風にさ…」
ゆかり「別に、特別仲良いつもりもないけどね。たまたまじゃない?」
順平「ハハ、そうだったよな…」
ゆかり「…でも、不思議だよね。うまく言えないけど、ちょっと…分かるかも。よく分かんないけど、何かヘンっていうかさ…そういえば、さっきの子…」
 鳴るチャイムの音。
順平「やっば!」
 走り出す3人。
>いつもと変わらない平穏な日々が続いていく…

 放課後から校内や街中で、MAXになったコミュキャラのその後の話も知る事ができるのでそのあたりは確かめるも、確かめないで卒業式まで進めるもご自由に。

 そして3月5日。
>卒業式の日、自室…
寮の自室のドアを叩く音。
アイギス「あの…アイギスです。開けて…もらえませんか?」
(選択肢「開ける」を選択)
アイギス「よかった…また、あなたと会えた…ごめんなさい、急に来て…だけど、わたし…どうしても、話がしたくて…」
(選択肢「どんな話?」を選択)
アイギス「わたし…思い出したんです。皆さんは忘れちゃってるみたいですけど、わたし…また、思い出した…わたしたち…あの時…」
(選択肢「泣かないで…」を選択)
アイギス「すみません、こんな…ただ、全部思い出したら、なんだか…あの最後の戦いの時みたいに、あなたが、遠くに行っちゃいそうで…」
(選択肢「心配しないで」を選択)
アイギス「今日…“卒業式の日”…ですよね…ごめんなさい…式、もう始まっちゃいましたね…外…とってもいい天気ですよ。覚えてますか?みんなで約束した場所…先に行ってましょう…平穏の戻ったこの街が、一番良く見えるところに。」

>その頃、月光館学園高校 大講堂…
在校生代表の女子生徒「…いよいよお別れの時が迫りました。最後になりますが、私たちは先輩方にお会いできたことを心から誇りに思います。皆様方のご健康とご活躍を心よりお祈りし、お別れの言葉と致します。二〇一〇年、吉日。在校生一同より。」
 盛大な拍手と共に壇上から去る女子生徒。
司会の先生「続きまして、卒業生、答辞。卒業生代表、D組、桐条美鶴さん。」
美鶴「はい。」
 美鶴、壇上に立つ。
美鶴「学園で過ごした最後の1年は、私にとって大役を拝命しての1年となりました。生徒会長の任を果たすにあたり、私は考え、1年前のこの壇上で、皆さんに言いました。未来の時間には限りがあるということから、目を逸らしてはいけないと。思えばこれを考える機会を与えられたのは運命だったのかもしれません。ご存知の方もあると思いますが、私は昨年、父を…父を…病で失うという…試練に…病で…失った?」
>生徒たちがざわめきだした…
卒業生の男子「珍しいな。あの人がスピーチつっかえるなんてさ。」
>その中で、数名の生徒が息を呑んで立ち上がった…
真田「…ッ!!俺は…俺たちは…!」
ゆかり「あれ…私…大切な事…」
風花「あ…私…私…」
順平「そうか…思い出した!“約束”…!」
美鶴「思い出した…そう…私は父の死に触れ、一度は生きる意味さえ失いかけた…でも今は違う…父の遺志は私が継ぐ。未来から逃げない…必ず受けて立つ。もう二度と、私は迷わない!何故なら…!何故なら、私には大切な仲間が居て…」
真田「美鶴!」
風花「私たち…!」
美鶴「そして、どんな未来からも目を背けないと誓いあったからだ!」
>美鶴はそう叫ぶと、壇上から仲間たちのもとへ飛び降りた…
ゆかり「先輩…!私たち、あの子とアイギスの事…!」
美鶴「ああ、分かっている。行こう、みんな…!」
 そして皆は会場から走り去っていき、約束の場所…屋上を目指す。
会場から聞こえる声「式の最中だぞ、どういうつもりかね!?」

>その頃、高等部校舎 屋上…
>うららかな陽射しと、穏やかな風が、寝転んだ体に心地いい…
>枕元には、寄り添うようにアイギスが座っている…
アイギス「風、気持ちいいですね。わたし…“春”をこうやって体験するの、初めてです。
でもこの季節も、やがて過ぎて行ってしまうんですね…
あなたと一緒に戦って…“世界の終わり”と向き合って…わたし…ようやく、少し分かりました。
わたしの探していたもの…“生きる”って、どういうことなのか…
それは多分、逃げないできちんと考えること…“終わり”と向き合うこと…
どんなものにも、必ず終わりが来る…どんな命も、いつかは消えてしまう…
それが自分にも来るっていう事を見つめた人だけが、きっと分かるんです…
自分が本当に欲しいもの…生きる証が、何なのかって事が。
自分の力が足りないって思った時、悔しくなった訳も、今なら分かります。
守る事は…もう、わたしにとって、“与えられた役目”じゃなかったんです。
いつの間にか、わたし自身の望みに変わってて…“滅び”と向き合うって決めた時、はっきり分かったんです。
二度とあなたに会えなくなるって想像したら…自分の望んでる事が、初めて分かりました。
だから、わたし…決めたんです。
わたし…これからもずっと、あなたを守りたい。あなたの力になりたい。
こんなの、きっとわたしじゃなくたって出来る事だけど…でも、いいんです。
その為なら、わたしはきっと、これからも“生きて”いけるから…ありがとう…」
(選択肢「泣かないで」を選択)
アイギス「そうですね、おかしいですね。せっかく、大切な事が分かったのに、こんな…」
覚えのある声「おおーい!!」
>下の方の階から、呼ぶ声が聴こえる…
アイギス「皆さん…そうですね…わたしには、絆を結んだ人たちが居る…
きっと、ありふれた事でいい…大切な誰かのためにって、思えること…
それだけで、人は、生きていけるんですね…
わたしも、“生きて”いけます。…あなたを守るためなら…」
>アイギスは穏やかに微笑んでいる…
>春の陽射しが柔らかく降り注いでくる…
>遠くから聞こえる歓声、まだ少し冷たい風…
>仲間たちと守った、この世界…
>少し眠気が差してきた…
アイギス「ありがとう…本当に…疲れたでしょう…?
今はゆっくり休んで…わたしはずっと、ここに居るから…」
>たくさんの足音と、耳慣れた声が、近付いて来る…
アイギス「みんなとも、すぐに会えるから…」
>だんだん眠くなってきた…
>うららかな陽射しに、アイギスの声が優しく重なる…
>…目を閉じますか?
(選択肢「目を閉じる」を選択)
 アイギスの声が聴こえてくる。
アイギス「安心して。いつでもそばで、わたしが守るから」

(スタッフロール&EDテーマ「キミの記憶」)

Fin

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