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ファミコン探偵倶楽部2「後ろに立つ少女」(前後編)

〜おおまかなあらすじ(ネタバレ含む)〜
前作「消えた後継者」の2年前、主人公はうつぎ探偵に出会い、助手になる。
ある日河原で小島洋子という「うしみつ高校」の女生徒が死体で発見される。
探偵クラブの洋子の親友「橘あゆみ」の協力を得て「ひびの先生」「うらべ校長」が
勤める丑美津高校を調査していく内に、洋子は15年前の事件を調査、
真犯人に殺されたと分かる。15年前の事件とは悪徳金貸し「かねだ げんじろう」が
何者かに殺され、目撃した女性徒「あさかわしのぶ」も行方不明、容疑者の「うちだ」も
自殺して迷宮入になった物だった。調査の内、ひびの先生が「うちだ」の息子で
旧姓は「うちだたつや」という事が分かるが、金田の息子、「ごろう」も殺され、
現場に残った「T.U」のイニシャルが入った万年筆を発見、校長「うらべ ただし」が
犯人かと思われた矢先、事務所に電話がかかってきた。
 
〜うつぎ探偵事務所〜
電話の声「(主人公)さんかい…あんたに誰も知らない話を教えてやろう…
丑美津高校の浦辺はな…昔、金田のサギに手を貸していたんだぜ…」
主「?!な、なんだって!もしもし!あなたは一体…?!」
電話「あの善人面した浦辺を心から憎んでいる男だ…奴は今、学校にいるぜ…」
主「?!も、もしもし!」?!なんだ 今の電話は 聞き覚えの有る声の様な気がするが一 体…!
!今 学校には…あゆみちゃんがいる!今のが本当なら…彼女があぶない!
 
〜学校前(あゆみとひびの先生がいる)〜
主「!あゆみちゃん!」 あゆみ「?どうしたの そんなにあわてて…」
(主人公)は学校の前であゆみとひびのに出会った。
(聞く) 主「!あゆみちゃん、校長先生をみかけなかった?!」
あゆみ「?学校には もう私と先生しかいないはずよ。でも、教室でテストを受けてたし
分からないけ ど? ひびの先生も、ずっと一緒だったからご存知無いと思うわ」
ひびの「…校長はまだ出張から戻られていないよ。」
主「…校長は出張先にいませんでした、そして…ついさっき、校長が
学校にいるという電話があったんです!」 ひびの「?!……」
主「とにかく 校長室へ行ってみましょう!」
 
〜うしみつ高校 校長室〜
主「!内側からカギがかかっている!」
(開ける)(主人公)は校長室の重い扉をけやぶった!
そこには 血にまみれた うらべ校長の姿があった!ひびの「こ、校長……」
(うなだれた背中のひびの、机に倒れてる校長) あゆみ「校長先生!」
 
(調べる)なんと うらべまでが…?! 主「たった今刺されたようだ。
窓にも全て鍵がかけられている?! ?死体の側に封筒が有る!」
(取る)(主人公)は封筒を手にした
(開ける)(主人公)は封筒の中の数枚の便箋を読みあげた。(主)「?!…
 
〜うらべの手紙〜
…みなさん、わたくしは教育者として いや、人間として許されぬ罪をいくつも犯しました。
私は、金田のサギに手を貸しておりました。やがて金田が邪魔になった私は…
15年前の11月10日、彼をナイフで殺したのです。その時 金田の家には
あさかわ しのぶ がおりました。
一部始終を見てしまった彼女を 私は車で追いかけ はねた上…
動かなくなった彼女を連れて、現場から逃げました。
15年たった今、私の犯罪に気づいた二人の人間が現れました。
一人は小島 洋子です。彼女は何かのきっかけで事件を調べ始め、
全てを知ってしまいました。もう一人は金田 五郎です。
事件の夜、現場から逃げる私を見た金田 五郎は…
今になって私をゆすり始めました。事実が明らかになることを恐れるあまり
私は…この二人までも手に掛けました。そして…
愚かにも その後で気づいたのです。自分の運命がここまでだと…
隠し通せるわけがない、こんな簡単なことに 何故、早く気づかなかったのかくやまれます。
こんな私を信じ、そして…慕って下さったみなさまにお詫びするためには、
こうするより仕方なかったのです…。 -うらべ ただし- 」
 
ひびの「う、うそだ…!」意外な結末だった…あの、うらべの素顔は殺人者だったのだ…
そして(主人公)は、今 気付いた…あの、電話をかけてきたのが うらべだった事を…
 
〜真犯人(校長室)〜
ひびの「こ、こうちょう…!!」主「…先生、帰りましょう、僕が警察へ連絡をしておきま す…」
ひびの「うそだ!校長は人殺しなんかじゃない!これはすべてうそだ!」主「…」
ひびの「なぜなら…本当は皆、俺が殺したからだ!」
(突然目を見開いて振り向くひびの。手にはナイフ、外は雷が!)
主「な、なんだって?!」 ひびの「お前らさえいなければ…おまえらさえ!」
あゆみ「(主人公)くん…!」
 
〜犯人の告白(校長室)〜
ひびの「金田 げんじろう、あいつさえ現れなければ 親父も…しのぶも!
あの日…行方不明の親父からかかって来た、最後の電話を受けた俺は…
げんじろうを殺して 自分も死のうと決めたんだ!
最後の別れを告げるため 校長に電話をした後…俺は、あいつを殺してやった!
そのとき、しのぶが現れた… 血まみれの げんじろうと俺を見たしのぶは、
ひとごろし…そう、叫びながら 表へ飛び出していったんだ…
…立ちつくしていた俺は 急ブレーキの音で我に返った。表には…
校長の車が 止まっていた。そばには しのぶが倒れていた…
電話を受け、かけつけてくれた 校長の車の前に しのぶが飛び出したんだ!
校長は俺としのぶを車にのせ 学校へ向かった。俺達をある教室に連れて行き、
俺を着替えさせた後 部屋を出て行かれた…俺のせいで 校長やしのぶまで…
俺はそばに横たわる しのぶを見た、ところが! しのぶはいなかった!
しのぶは窓に向かって 何か言おうとしていた!しのぶは気絶していただけだったんだ!
窓の外を見ると女生徒が 一人歩いていた!その後ろ姿を見た俺は…
見つかってしまう!そう思い 頭の中が空っぽになった。そして、気がつくと…
砕け散った かびんの破片と あしもとに横たわる しのぶの姿があったんだ…
今度こそしのぶは起きあがってはこなかった… 恐ろしくなった俺は夢中で家に帰った!
眠れぬ夜が明けると 俺は真っ先に校長に会った。すると校長は…一言俺にこう言った…
…忘れなさい 全て…
校長は俺のために…その校長を ごろうの奴がゆすりやがった!
あんな奴…もっと早く殺してやればよかった!」
 
その時 ひびのがスキを見せた!(主人公)はあゆみの手を取り外へ飛び出した!
あゆみ「!(主人公)くん、だめっ!そっちへ逃げちゃ!」
 
〜大鏡が有る 真っ暗な廊下(外は雷)〜
(主人公)達は、行止まりになった、あの、大鏡の前に逃げてしまった。
まさに逃げ道は閉ざされた! 主「し、しまった!」あゆみ「(主人公)くん…」
青ざめる二人に ひびのの足音が ゆっくりと近付く…
ひびのの声「…小島はあの夜、俺をその鏡の前に呼び出しこう言った…
せんせい…せんせいは むかし…ひとを ころしたわね…

そう言った小島は…小島の顔は…しのぶそのものだったんだ!
(補足:小島洋子としのぶは、いとこ同士)
お、恐ろしかった…俺は思わずこう、叫んだよ。
そうだ!15年前 おまえを殺したのはこの俺だ!
気がつくと俺は、小島の首をしめていた…」
主「!……」 あゆみ「ひ、ひどい…!」

ひびの「殺すつもりはなかった…小島をそのままにして 俺は逃げ帰った。
なのに!小島は河原で見つかった!なぜだっ!あいつはここで死んだのに!

…くっくっくっ でも もう、どうだっていい…秘密を知ってる奴はもういない…
そ、それなのに!お前らさえ、よけいなことをしなければ
校長は死なずにすんだんだ…お、おまえら、おまえらも…」
(いきなり雷に照らされ、ナイフを振り上げたひびのが目の前に!)
ひびの「殺してやる!」 主「あぶない!あゆみちゃん!」
(主人公)はあゆみをかばい 身をかわした!
 
〜大鏡に向かうひびの、こちらを向く〜
ひびののナイフが 当たった鏡に ヒビが入った。
カガミを背に、ひびのは振り返った!そのとき!(大鏡が割れ、中からミイラがひびのの背に!)
ひびの「ぎゃああああっ!」 何と!砕け散ったカガミの裏からミイラとなった
セーラー服姿の死体がとびだし、ひびのに覆いかぶさった!!ひびの「し、しのぶ?!」
駆けつけた うつぎと警官達も息をのんだ!
あゆみ「あ、あの日 ようこが言った私の後ろって…カガミにうつった私の後ろという意味
だったんだわ!」 あ ゆみはそう言うと気を失ってしまった。 主「あゆみちゃん!」
(主人公)はあゆみを抱き抱え、おぞましい現場をはなれた。
 
〜エピローグ〜
うつぎ「(主人公)くん、本当にご苦労だったね。君がいたからこそ この事件を
解決できたんだよ。」 …そして二人は事件を語りあった。
うつぎ「カガミの裏から ひびのの学生服と凶器のナイフが見つかったよ。」
主「しのぶが旧校舎では無く カガミの裏の壁に隠されていたとは…」
うつぎ「校長が田崎の道具で隠したようだね。」
主「洋子の死体を川へ捨てたのも、校長だったようですね。」
うつぎ「…ひびのの犯罪がばれれば うらべの過去が明らかになる。
過失とはいえ、しのぶをはねて死なせてしまった事がばれるのを恐れたんだろう…」
主「?しのぶは確か、ひびのが花瓶で叩いた為に死んでしまったのでは…」
うつぎ「うん、ひびのは頭を花瓶で叩いたと言って譲らないらしいが…それほど強く叩けば
頭がいこつにヒビが入ると、警察は言っている。しかし…しのぶの頭にはそれらしい跡が
全く無いんだ。やはり校長がはねた時彼女はすでに死んでいたようだね。」
主「?でも、あの夜学校に来た葉山先生が見たのは…息を吹き返したしのぶ
以外にありえないと思うのですが…?」 うつぎ「…確かに不思議な話だ。
さらに分からないのが…うらべが金田のサギに手を貸した事実が無かった事だ。
なぜ あんな事を…? !そうそう、きみに紹介する人がいるんだ。」
 
主「!あゆみちゃん…」 うつぎ「彼女は今日から我々の仲間だ。君と同じ助手としてね」
あゆみ「(主人公)くん、宜しくね!私が不思議だったのは洋子が事件について
知りすぎていた事、まるで彼女の体にしのぶさんがいたみたいに…
ところで先生、ひびの先生の様子はどうなんですか?」
うつぎ「うん、彼は長い悪夢から解き放たれたようだ。とても落ち着いているよ。
やっと本来の自分を取り戻したのかも知れないね…」
主「…あっ、そういえば あの万年筆は一体 何だったんですか?」
うつぎ「あれは、ひびのが大学へ入学した時にうらべから贈られた物らしい。
ひびのが肌身離さず持っていた物だそうだよ。」
主「?でもその頃じゃ名字はひびのになっていた筈だから…イニシャルはT.Hじゃなきゃ 変ですよね」
うつぎ「名字が変わった事をうらべが忘れていたと言ってたそうだよ。
さて そういう事で…あゆみちゃん、どこかでおいしいものを食べようか、ごちそうするよ。」
あゆみ「はい、おともします!」 主「!ちょっと待ってくださいよー」
 
あの万年筆に秘められた謎は後日あきらかとなった。うらべ校長は自分の命に代えても
守ろうとしたのだ、自らの手でこの世に命を与え、そして…片親ではふびんだと、
子供のいない友人、うちだ夫妻に幸せを託し、そしてその結果…不幸な道を辿ってしまった
わが息子を… 彼は万年筆に刻まれた「T.U」というイニシャルに こんな気持ちを
密かに込めて贈ったに違いない…「ひびの たつや」にでは無く「うらべ たつや」…
そう…彼の本当の息子へ…
 
〜スタッフロールの後〜
そして、2年後のある日… (電話の音がする)
主「はい、うつぎ探偵事務所です。」
ぜんそう「みょうじん村のあやしろ家に仕えております、たなべ ぜんそうと申します。
ちょっと ご相談したいことが有るのですが…」
主「…みょうじんむら、あやしろですね、今からうかがいます。
あ、あゆみちゃん、出かけて来るよ!」
あゆみ「!(主人公)くん、どこへ行くのよ?!」
 
ファミコンたんていクラブ「きえたこうけいしゃ」へつづく…
おわり
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