戻る TOPへ

ブラックマトリクスゼロ

エンディング


カイン「マティアーっ!」

ついにティタンを撃滅した。カインはマティアのもとへ急ぐ。
マティア「・・・・・・あっ」
ルカ「今までのダメージで世界樹が枯れかけてるんだ!」
カイン「・・・・・・・・・・・・!
    マティアーっ!」
マティア「カインーーーっ」

カイン(ずっと、逢いたかった)
マティア(すぐ側に、いる・・・・・・)
カイン(もうすぐ・・・・・・指が届く)
マティア(もうすぐ、息が届く距離)

エクサル「おいっ、世界樹の蔓が!」
ステイエン「マティアが落ちちゃう!」


ついに、ついに、カインはマティアを救出したのだった。

カイン「迎えに来たよ・・・・・・マティア」
マティア「来てくれて・・・・・・
     ほんとに、嬉しいよぉ・・・・・・
     もう痛くないよね?
     カインの心、苦しくないよね?」
カイン「マティアが、マティアが
    側にいてくれれば・・・・・・
    もう、苦しくなんてない。
    逢えてよかった・・・・・・」


風が・・・・・・揺れる
世界のにごりが薄らぐ
我が体に咲く花よ。
生い茂る樹々よ。
日々の営みを続ける人々よ
今、天空には救いあり
やさしき雨が、
我が痛みを洗い流し、
静かな笑みをもたらす
ちいさきものたちよ、
汚泥に呑まれ、
消えることなかれ
永劫の豊穣を祈り、
そして・・・・・・生きよ・・・・・・


ステイエン「世界樹の揺れ、止まった・・・・・・」
ウンダ「信じられん、
    あんなに嘆き、
    悲しんでおった樹が・・・・・・」
キロタ「なんだか、変な空気じゃなくなったみたいだね。
    でも、リリスちゃんが・・・・・・」
リリス「・・・・・・・・・・・・」
火傷を負ったリリスの表情が思わしくない。
ルカ「どうなんだい、長老様」
ウンダ「難しいね・・・・・・。
    急いでここから出ないと、
    手当ができないじゃろうさ」
ルカ「リリス・・・・・・」

ヨハネ「さあ、急ぐぞっ!」
カイン「行こう、みんな
    行こう・・・・・・マティア」
マティア「うん」
マティアは笑顔で答えた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ベイル「・・・・・・後悔しないのか?
    せっかく妹や弟と平和に暮らす機会であろうに。
    教団を裏切った男になど、ついてくるものではない。
    今からでも遅くはないぞ」
カルディア「・・・・・・いいえ、私のたどる道はもう決まっています。
      あなた様の大義が叶う日まで、どうか・・・・・・お側に・・・
      参りましょう・・・・・・ベイル様」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「あれから、半年。
あれだけ大規模な災害、見舞われたはずの人々は、ゆっくりと復興への道を歩んでい

世界中の自殺。
パスカの存在
そのいずれも知ることなく、
ただ平和に・・・・・・何も、変わらなかったかのように・・・・・・

だけど、知っている僕達は、何もなかったかのように生きている訳じゃない
サイファーパンクの面々は、エクサルを中心として、今も活動している」

エクサル「まだまだ翼で差別されなくなった訳じゃないしサ、俺達のやることは山積
みだって!」

「ヴァルトスさんのいないサイファーパンクを守りたてていこう頑張ってるみたい
だ。
    ステイもサイファーパンクに残り、キロタと一緒にインセストに関して色々
研究している」

ステイエン「キロタに・・・・・・何かあった時にはあたしが守らなきゃ。
      だって・・・・・・お姉ちゃんいなくなっちゃったし」

「彼ら姉弟が、三人揃って暮らせるようにはならなかった。
 長姉、カルディアさんは、僕達がサイファーパンクに戻ってきた時には、姿を消し
ていたのだ」

「ステイ、キロタ

 お姉ちゃんを許してください。
 私は、ベイル様と共に行くことにします。
 ごめんなさい。
             カルディア」

ステイエン「お姉ちゃんったら信じられないわよね。これで三人仲良く暮らせると
思ったのに」
キロタ「カルディアお姉ちゃん・・・・・・帰ってこないの?」
ステイエン「帰ってくるわよ。でなきゃ、あたしが首根っこ掴んで連れ戻すんだか
ら」

「その書き置きを見たとき、ステイはぷんぷん怒っていた」

ステイエン「いいのいいのっ。
      あたし、忙しいんだから。
      エクサル一人じゃ頼りないしね!」

「確かにステイはサイファーパンクで大活躍だった。
 カルディアがいなくなった寂しさを、忙しく働くことで、紛らわせている部分もあ
るんだと思う」

キロタ「だけど、寂しいな。
    カルディアお姉ちゃんにもリリスちゃんにも逢えなくて」
ステイエン「大丈夫よ、キロタ。
      そのうちまた逢えるから、ね」
キロタ「うん」



「あの戦いで、大きな変化を遂げた人達もいる。
 最後の戦いで大きな痛手を受けたリリス。
 消えそうだった彼女の命を繋いだのは・・・・・・ルカの翼だった」

ルカ「あたしの命を半分・・・・・・
   あんたにあげる
   それは・・・・・・あんたに地獄を与えるかもしれないけど、あんたは生きな
きゃならない」
リリス「・・・・・・・・・・・・」
ルカ「そうできることを・・・・・・あんたはカインに教わったはず」

「命尽きようとしていたリリスに、
 自らの黒い翼をもぎ取り、
 押し当てる。
 彼女もまた、シリアのように、
 四枚の翼を持っていたことを、
 僕は知らなかった」

ルカ「今までの半分の力じゃ、あの子が道を踏み外すことがあっても、
   正してやれないかもしれない。
   でも、そうなったとしても、必ずあたしの子供がリリスを正してやれる・・・
・・・」

「ルカの表情にかげりはなかった。
 あの戦いの後・・・・・・
 ルカのお腹の中に新しい命が芽生えた。
 それを知っているのは、
 僕とザイオンだけだった」


ザイオン「さよならだな」
カイン「うん」
ザイオン「キボートスに戻るのか」
カイン「とりあえずはね」。
    でも、その後は解らない。
    今まで通りに暮らしていくかも知れないし、よそへ行くのかも」
ザイオン「そうか」
カイン「ただ、お仕着せの楽園に過ごすだけじゃなくて・・・・・・
    自分の意思で、明日を選ぼうと思いながら生きていきたい」
(アラギの・・・・・・歪んではいたけれど人を強く想う心・・・・・・
 自らの命をかけて、道を示してくれたヴァルトスさん
 二人の生き方はそれぞれ違う形で僕の未来に影響を与えた)

ザイオン「戻って・・・・・・くるのか?」
カイン「うん、キボートスですることが終わったら、いつか、必ず」


「キボートスに戻るはずの日。
 一緒に戻る予定だったヨハネの姿はなかった。
 サイファーパンクのヨハネの部屋にも、彼の荷物はなかった」

エクサル「げげげっ、ヨハネさん、一人で行っちまったの!?
     マジで水臭い人ァ」
ステイエン「うーん、ヨハネらしいけどね。
      カインについている必要を感じなくなったんでしょ
      あんたも、子供じゃなくなったからね」
シリア「でも、彼がいなくなった理由、解るような気がします」
エクサル「えっ、マジ?」
シリア「彼は何かを知ろうとし続ける人です。それまで、何かを選ぶことをしようと
しないままで・・・・・・
    だから、一緒にいられなくなったのだと思います」
ステイエン「もう、勝手よね」

「でも、ヨハネは今までずっと僕達を助けてくれた。
 でも、これからは彼の助言に頼らないで、不器用にでも何もかも自力で決めなきゃ
いけない」

キロタ「またね、カインお兄さん。
    マティアお姉さん」
マティア「お世話になりました」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「僕はそっとマティアの体を、抱きかかえた」
マティア「・・・・・・恥ずかしいな、何だか」

カインは翼を広げ、上空高く飛び上がった。
カイン「時々休むから、我慢してよ」
マティア「・・・・・・うん」

「空は快晴。飛んでいる最中に濡れることもない。飛翔日和だ。」
カイン「じゃ、行こう」
マティア「うんっ」

僕達は故郷に帰る。
考え、選ぶ必要もないまま、ただ幸せに生きていた頃とは違う。
明日を・・・・・・選ぶために・・・・・・


End

inserted by FC2 system