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ペルソナ2〜罰〜


★このゲームは、南条ルートとエリールートがあり、しかも、両方クリアしていないと、行けないEXダンジョンや、一つのルートにも選択肢の選び方によって、さまざまなエンディングが存在する。今回、紹介するエンディングは、南条ルートで、人質全員を目覚めさせなかった(ペルソナ2〜罪〜の世界を思い出させなかった)場合のエンディングである。★


舞耶(主人公)、うらら、克哉、パオフゥ、そして、ペルソナ2〜罪〜の世界から来た達哉の5人は、普遍的無意識の世界で、再びニャルラトホテプ(ラストボス)と戦い抜き、勝利したところから…↓

ニャルラトホテプ「バ…カな…!?ありえんことだ…!?こんな矛盾…認めんぞぉぉぉぉ!!」
と叫ぶニャルラトホテプ。そこへ、淳を抱いたフィレモンが現れる。
フィレモン「這い寄る混沌よ、諦めろ…。貴様と戦うということは、そういうことだ…。」
ニャルラトホテプ「貴様…フィレモン!?」
ニャルラトホテプはフィレモンを睨みつけた。
フィレモン「彼等は、人の可能性そのものだ…。普遍的無意識の暗黒面たる貴様は、確かに全ての人間と繋がっている…。だからこそだ…、彼等が人の心を動かしたのだ…。」
克哉「全ての可能性は混沌より生ず…、そうか…、そうだったな…。」
ニャルラトホテプ「クッ……クックックック…ハーッハッハッハ!!なんという!矛盾!!これが私の運命だと…!?だが…覚えておけ…!宇宙の中心で轟く白痴の塊とは、貴様ら自身だということを…!!貴様等ある限り…私は消せんっ…!!」
ニャルラトホテプはガクッとひざをついた。その時、パオフゥがすっとタバコに火をつけた。
パオフゥ「くどいぜ…影の無ぇ人間なんぞいるかよ…。てめぇの居場所がここだってのは憶えといてやる…、さっさと行っちまいな…。
その時、舞耶がニャルラトホテプに発砲し、同時に達哉がニャルラトホテプに切りかかった。
ニャルラトホテプ「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ニャルラトホテプの身体を黒い影がつつみ、それが消えると同時に、ニャルラトホテプの身体も消え去った。
うらら「終わったね…。」
達哉「いや…まだ…後始末が残ってる…。…俺が特異点であることには変わりは無い…。俺がいれば…『こちら側』はいずれ『向こう側』にに呑み込まれるだろう…。」
克哉とパオフゥは下を向いて黙っていた。うららと舞耶は慌てて言った。
うらら「達哉君……まさか…」
達哉は ゆっくり顔を上げて苦笑して言った。
達哉「帰るよ…『向こう側』へ……。」
(選択肢・舞耶「そんなの…絶対ダメよ!私も連れて行って!」
「達哉クン…今まで…本当にありがとう…。」あり)
舞耶「達也クン…今まで…本当にありがとう…。」
達哉は 舞耶の方へ振り返り
達哉「俺は淳と約束したんだ…、こいつは約束を守った…。今度は俺の番だ…。『向こう側』には、もう俺たちの街しかないけど…、きっと…いい世界を作り直して見せるさ…。」
そう言って達哉は、少し微笑んで見せた。
克哉「達哉…お前…。」
克哉は自分の本当の弟を見つめるような視線を投げかけた。達哉の体の周りに光の柱が立ち始める。
パオフゥ「達哉…お前さんに、一つ言い忘れてたぜ…。大人になってもいいことはあるぜ…ちっとはな…。」
達哉「ああ…わかってる…。」
その時、光の柱に包まれている達哉の体が こちら側と 向こう側の世界の2人の達哉に分離
した。
克哉「達哉…!」
うらら「達哉君…!!」
舞耶はだまって下を向いた。
向こう側の達哉「俺達は、この海を通してつながってる…。いつでも…会えるさ…。」
そういい残すと、向こう側の達哉は消え、残ったこちら側の達哉はバッタリとその場に倒れた。

こうして、巨大な影は
無意識の深淵へと立ち去り、
大切な人…彼も
手の届かない世界へと旅立った。

街は復旧の兆しを
見せつつあるが
多くの人々は
これからも事件の真相を
知ることは無いだろう。

しかし、一人影に挑みつづけた
彼が残してくれたものは、
人々の胸の内で生き続けるはずだ。

私はそれを信じたい。
…彼が灯した、炎の暖かさを…


〜キスメット出版編集部〜

自分のデスクで仕事をする舞耶。そこへ,新人がやって来た。
新人「天野先輩,編集長が呼んでますよ。」
立ち上がる舞耶。
新人「先輩・・・。俺・・・もう少しこの仕事続けてみるっす。なんか先輩見てたら,自分も頑張らなくちゃって
思えてきて・・・。」
舞耶は,腕組みをしてジーっとその話を聞いている。
新人「上手く言えないすけど,俺がんばります!自分で選んだ道すから!」
舞耶はにっこりと微笑み,新人の肩を軽くたたくと,編集長室へ向かった。

〜とある外人墓地〜

パオフゥが墓の前に立っている。墓には,花束が供えられている。
パオフゥ「悪ぃな・・・美樹・・・どいつもこいつも誰かを探してるご時世だ・・・つい,遅くなっちまった・・・。盗聴退治の看板,降ろしたのさ・・・噂を漁るのもお仕舞だ。」
パオフゥは,やさしく この墓に眠る昔の恋人に語りかけている。
パオフゥ「今は,人探しみてぇな仕事をしてる・・・あんな事があった後だ・・・そこそこ繁盛してるぜ?ま,一から出直すさ。あいつに笑われねぇためにもな・・・」
そこに,パオフゥを急かすように 車のクラクションが鳴る。パオフゥは,少し肩をすくめ
パオフゥ「相棒が口うるさい奴でな・・・。」
と,苦笑い。そんなパオフゥのところへ うららが足早にやって来た。
うらら「そろそろ行かないと,クライアント怒って帰っちゃうよ!」
パオフゥ「ああ,解ってるよ。」
パオフゥは,ゆっくりと車へ向かった。うららは,美樹の墓に向き直る。
うらら「美樹さん・・・あいつの面倒は私が見るから・・・安心してね・・・」
すると,今度はパオフゥがクラクションを鳴らす。わかってますよとでも言いたげに,うららもその場を立ち去った。

〜バー・パラベラム〜

エリーと南条がいる。
南条「まったく・・・あいつらは時間通りという言葉を知らんのか・・・」
エリー「フフ・・・心配しなくても,みんなもうじき来ますわ。それより・・・Kei(南条)が書いた経済学の論文,読みましたわよ。素晴らしかったですわ。」
南条「フン,当然だ・・・」
かなり待たされているらしく,南条は機嫌があまり良くないようだ。しかし,立ったままイライラしていても仕方がない事に気付いたのか,南条は,カウンターのエリーの隣に座って,飲み物を口にした。
南条「しかし・・・俺達がこうしていられるのも,皆あいつのおかげだな・・・」
エリー「皮肉な・・・ものですわね・・・姿形は彼のままなのに・・・なにも憶えていないなんて・・・」
エリーは悲しげに目を伏せる。
南条「檀原 淳たちも・・・だったな・・・思い出さない事が,この世界を守る事になるとは・・・」
エリー「ねぇ・・・Kei・・・彼は・・・彼らは,本当に憶えていないのかしら・・・?」
南条「どうかな・・・ただ,二つだけはっきりしていることがある・・・人のための祈りは悪い事ではない。そして・・・俺達には,この世界を正しく導く義務がある・・・あいつが守った,この世界をな・・・」
エリー「そうですわね・・・」
その時,入り口のドアが開き,麻希,ゆきの,ブラウン,城戸の4人が店に入ってきた。南条,エリーを含め 皆,高校時代に 共に戦ったペルソナ使いたちだ。
ブラウン「いよぉ〜!表紙見たよ,エリー!凄いじゃないの〜」
ゆきの「いい笑顔だって,俊介さんも誉めてたよ。もう,英理子も一人前だね!」
麻希「もうひとつ発表〜!木戸君,結婚するんだって!!これが美人なんだ!おめでとう〜!!」
城戸「あ,あいつの家,壊れちまったしよ・・・そ,それに子供・・・名前はもう決めたんだ・・・!お,男なら鷹司だ・・・いい名前だろ!?」
南条「ああ・・・いい名前だ・・・」
すっかり成長した彼らは,それぞれの道を歩み始めているようだ。
ドアの開く音・・・皆が入り口の方を見る。エリーと麻希が歩み寄り声をかけた。
エリー・麻希「お帰りなさい・・・」

〜アラヤ神社〜

栄吉が1人社の前に立っている。そこへ,淳がやって来る。
淳「番長が,こんなところで何を・・・?」
栄吉「わかんねぇすよ・・・ただ・・・ここに,とても大事な思い出を置いてきた気がして・・・」
淳「僕もなんだ・・・」
そう言って淳も,栄吉の隣に並ぶ。
ギンコ「あんた達もなの・・・」
ギンコも,引き寄せられるかのように アラヤ神社を訪れたのだ。
周りを見渡すギンコ。
ギンコ「なんだか・・・すごく哀しいね・・・」
栄吉「そうだな・・・」
淳「とっても・・・哀しいね・・・」
三人は 空を見上げた・・・。

〜海岸〜

こちら側の達哉が,独り海を見つめている。お守りにしているジッポのライターを カチンと鳴らす。
そこへ,克哉がやって来て,達哉の横に並んだ。
克哉「こんな所に呼び出して,何の用だ・・・?
こちら側の達哉「・・・・・・・」
黙ったまま,海を見つめ続けている達哉。克哉は,ポケットからタバコを取り出し 口にくわえる。そのタバコにジッポのライターで火をつけてやる達哉。
克哉「・・・珍しいな。雪でも降るんじゃないか?」
こちら側の達哉「・・・勝手に,手が動いたんだよ。
克哉「・・・・・・・」
こちら側の達哉「・・・・・・・」
2人は,しばらく黙ったままだった。
こちら側の達哉「なぁ・・・兄貴・・・刑事になるのって・・・難しいか?」
克哉「・・・・・・・」
こちら側の達哉「・・・親父・・・怒るかな・・・?」
克哉「怒るものかよ・・・よし,僕が刑事の心得を教えてやろう。」
克哉は,ちょっと嬉しそうに微笑んだ。
こちら側の達哉「禁煙,止めたんだな・・・」
達也も,やさしい顔をしている。
克哉「ああ・・・色々だ。」
克哉は,久しぶりに弟と交わす穏やかな会話が,ただ,嬉しかった。
克哉「いいか,刑事というのはだな・・・」
2人は,並んで海岸を歩いていった。

珠阯レ市を 高台から見ているような映像

駅前の横断歩道のところで,舞耶が信号待ちしている。その反対側のガードレールに,フィレモンの化身の黄色い蝶が飛んできて止まる。信号が変り,横断しようとした舞耶は,はっとして車道を見る。そこには,バイクにまたがったこちら側の達也が・・・!一瞬,動揺する舞耶。ジーっと達也を見つめ,動く事ができずにいる。その時,黄色い蝶が飛び立つ。舞耶は,ふっと微笑むと,ゆっくりと歩き出した。そう,達也のバイクの前を・・・。達也のほうを見る事も,もちろん声をかける事もなく・・・。
やがて,信号が変り,舞耶の後ろを走り去ってゆくこちら側の達哉。舞耶は,そっとその後姿を見送る。(これでいいのよね・・・)その瞳はそう語っているかのようだった。

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ATLUSの文字

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