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主人公:ルフィア……。ル、ルフィア?
ルフィア:剣を構えて……主人公。
主人公:ルフィア……ルフィアなんだろ?
ルフィア:この世に生まれて16年。私は確かにルフィアだったわ。でもそれ以前……私はエリーヌでもあったのよ。
主人公:……オレは信じない。信じられない!!
ルフィア:剣を構えて、主人公。四狂神が、あなたの敵であるように、マキシムの血を引く者は、私の敵なのよ!
主人公:ルフィア、どうしてお前が俺の敵なんだ……。敵は四狂神だ。お前じゃない!
ルフィア:私は四狂神の1人エリーヌよ。ディオス、アモン、ガデスを倒しても、私が残っていれば、また3人は復活するわ!
主人公:――――!!!
ルフィア:決着を着けましょう。主人公。
主人公:やめろルフィア!!
ルフィア:主人公!お願いだから――私を――!!
主人公:デュアルブレード!?

>デュアルブレードが共鳴を起こし、ルフィアが飛ばされる。

主人公:な、なぜだ!?なぜデュアルブレードが共鳴を起こす!?俺は、ルフィアと戦う意志などなかった!!
ルフィア:……主人公。

>橋で血まみれで倒れているルフィアの元に駆け寄る主人公。

主人公:ル、ルフィア!
ルフィア:私、怖かったの……エリーヌの記憶が次々に蘇ってきて、主人公のことをどんどん忘れていったわ……。
主人公:それで、俺の前から姿を消したのか?
ルフィア:で、でも……私の名前を呼んでくれたとき、まだ主人公のことを覚えている自分に……き、気付い……たの……。
主人公:あ、あまり喋るな……。
ルフィア:主人公、安心して。これで、二度と四狂神は蘇らないわ……。
主人公:ル、ルフィア……。しっかりしろ、おい!
ルフィア:主人公。私、エリーヌとして生きた、長い時間より、ルフィアとして生きた、短い時間の方が、ずっと……ずっと楽しかった……。
主人公:何言ってんだよ。これからだって、ずっと一緒だよ、ルフィア。
ルフィア:主人公、私、まだ死にたくない……。主人公の側にいたいの……。
主人公:死なないよ。ルフィアが死ぬわけないだろう。
ルフィア:ほ、ほんと……!?
主人公:ああ、本当だ。本当だとも!!
ルフィア:そ、それじゃ、これからもずっと一緒ね。……よかった。
主人公:ああ。そうだとも、ルフィア。
ルフィア:…………。
主人公:ル、ルフィア?
ルフィア:…………。
主人公:おい!ルフィア!!

>橋が崩れ始め、ルフィアが下に落ちる。

主人公:ル、ルフィア――――!!
アグロス:主人公、虚空島が落ちてるぞ!!
ジュリナ:ここは危ないわ。脱出しましょう!
アグロス:主人公、早く!!
主人公:……ルフィア。
アグロス:何やってんだ!早く来い!


メガネの男:教授!虚空島が降下を始めましたぞ!
教授:どこかに降りるつもりなのか?
メガネの男:違いますな!降下がコントロールされてません。自由落下していますぞ!!
教授:落ちてるだと!?そうか、あいつらやりおったな!!


じじい:長老、虚空島が!!
フレイク:……わかっておる。邪悪な波動が消えたのはわしも感じておる。
じじい:それでは!
フレイク:……うむ。決着がついたようだな。
じじい:よかった……。
フレイク:安心するのは、後じゃ!村に帰って、腕の立つ者をこの塔に集めるのじゃ。急がなくては、間に合わない!
じじい:ははっ!

アーティ:……終わった。
エルフ:どうしたのですか?アーティ様。
アーティ:今、ようやく長き戦いに決着がつきました。本当の平和が来るのです。マキシム、セレナ、ガイ……終わりました。すべては終わったのです。

女の子:お爺様。
お爺様:……ああ。わかっておる。ガイ様。地上は、もう大丈夫です。どうか安らかにお眠りくだされ……。

アグロス:主人公!!脱出するぞ!!
ジュリナ:主人公様!!早く!!

>3人は虚空島から脱出する。

アグロス:危なかった……。
ジュリナ:あと少し脱出が遅れたら、あたしたちも虚空島と一緒に海の中だったわね。主人公様!
アグロス:よせ、ジュリナ!今の主人公に何を言ってやれるんだ?
ジュリナ:だって……だって。
アグロス:四狂神は倒した。俺たちのたびもこれで終わりだ。主人公を止めることは、誰にも出来ない……。
ジュリナ:それじゃ、あたしたちこれでお別れなんですか!?そんな、そんなの……。主人公様……。



*1年後……

兵士:ア、アグロス大尉。どこに行かれるのですか?今日は、新兵教練があるんですよ。大尉がいなくては、困ります!
アグロス:今日は用事があるんだよ。新兵教練は、お前に任せた。適当にやっといてくれ。
兵士:そんな!私も、まだ新兵なんですよ。
アグロス:うるさいな!つべこべ言う暇があったらさったと行け。命令だ!
兵士:は、はい!!

アグロス:待たせたな、ジュリナ。
ジュリナ:……もう一年経つのね、アグロス。
アグロス:ああ。
ジュリナ:主人公様あれからどうしたのかしら?
アグロス:さあな。アレキアには戻ってないみたいだし、今は居場所もわからない。……ただ。
ジュリナ:ただ?
アグロス:また、いつか会えるんじゃねーかな。そんな気がする。
ジュリナ:うん。あたしも、そんな気がしてた。また会えるって。
アグロス:……なあ、ジュリナ。あの戦いから、ちょうど一年経ったし、お前に言いたいことがあるんだ。
ジュリナ:な、何よアグロス。急に改まって。
アグロス:お前……いつまでこの街にいる気だよ?
ジュリナ:はぁ?
アグロス:『はぁ』じゃねんだよ!一年前、行くところが無いって言うから、俺の街につれてきたんだぞ。なのに、お前は新しく住む街を探そうともしないじゃねーか!
ジュリナ:何よ!あたしがいたら迷惑だとでも言うの!?
アグロス:迷惑だ!お前がいるおかげで、俺は軍に服役しなくちゃ、食うこともできねぇんだぞ!
ジュリナ:あたしだって、自分の食べる分ぐらいは稼いでいるじゃない!
アグロス:二人で住んでりゃ、色々と金が掛かるだろうが!それに、お前と同居してるおかげで、俺には恋人も出来ない!!
ジュリナ:あたしが、いなくてもアグロスに恋人なんて出来ないわよ!
アグロス:一年経っても、全然可愛くならねーな!お前は!
ジュリナ:アグロスなんかに、カワイイと思ってもらわなくても結構です!
アグロス:その態度が、可愛くないって言ってんだよ!


主人公:……アルスの村か。そういえば、ルフィアの好きな、プリフィアが咲いていたっけな……。

>花畑の中にルフィアらしき人影がある。

主人公:――――!!
娘:こんにちは。旅のお方ですか?
主人公:えっ、ええ……。主人公と言います。一年前から世界中を旅しているんです。
娘:まあ、世界中を。私は身体が弱くて、この村からあまり遠くに行ったことがないんです。羨ましいですわ。
主人公:……あ、あの、いきなりで失礼ですけど、お名前を教えてはいただけませんか?
娘:ルフィアと申します。この村で、お爺様と一緒に住んでいますの。
主人公:ル、ルフィア……。
ルフィア:あの……私の名前が、何か?
主人公:い、いえ。
ルフィア:……?あっ、お爺様!お爺様。こちら、主人公さん。世界中を旅していらっしゃるんですって!
フレイク:これは、これは。こんな小さな村によくおいでくださった。何も無い村ですが、ゆっくりして行ってくだされ。
ルフィア:ねえ、お爺様。よろしければウチに泊まっていってもらったらどうかしら?私も外の世界のお話が聞きたいし……。
フレイク:おお、それは良い!どうじゃな、主人公殿。一つ、孫娘に外界の話をしてやっては、くださらんか?
主人公:ええ。私の話でよければ、喜んで。
ルフィア:うわぁ!ありがとうございます。それじゃ、私は、お茶の準備をしてきますね。
主人公:フレイクさん!彼女は……彼女は一体、誰なんです!?
フレイク:彼女は……ルフィアじゃよ。
主人公:そんな……ルフィアは、一年前に俺が……この手で……。
フレイク:虚空島から落ちるルフィアを、わしたちがこの村に転移させた。身体がひどく弱っていたが、なんとか一命は取り留めることが出来た。
主人公:それじゃ、彼女は……本当に……。
フレイク:彼女は、間違いなくルフィアじゃ。ただ、魔法が使えなくなっておる。
主人公:魔法が使えないですって……?
フレイク:今の彼女は、どこにでもいる、普通の女の子じゃ。
主人公:でも、どうして……。
フレイク:デュアルブレードの力だろう。あの剣は、精神波動の状態によって、様々な力を出す。デュアルブレードの波動が、彼女のすべてを消し去ったのだ。神としての能力も……そして記憶も。
主人公:ルフィアのすべてを消したですって!?そ、そんなことが……。
フレイク:間違いない。わしたちが助けたときのルフィアは、言葉すら失っていたのだからな。
主人公:そ、それじゃ、今のルフィアの記憶は?
フレイク:最低限の記憶だけ、わしが魔法で植えつけた。……だが、しょせん偽りの記憶じゃ。
主人公:そうだったんですか……。でも、なぜ、そうまでしてルフィアを?
フレイク:さあ、どうしてかの……。ただ――。
ルフィア:お爺様。主人公さん。お茶が入りましたよ。家に入って、一休みしてください。
フレイク:おっ!この香りは、シナモンティーじゃの。いつもは、面倒くさがって入れてくれんのに、どういう風の吹き回しかな?
主人公:えっ。その、せっかくお客様がいらしてくれたんだから、精一杯のおもてなしをしたいと……。
フレイク:わしの友人が来たときには、普通のお茶しか入れてくれんのに……。
ルフィア:そ、そんなことは……お爺様のご友人がいらしたときにも、ちゃんとやってますよ!
フレイク:はっはっはっ。よいよい。わしの友人相手じゃルフィアも張り合いがないのは、よくわかる。その点、主人公殿はちょうどルフィアと釣り合いが取れる歳じゃしな。気合が入るのはよくわかるぞ。
ルフィア:えっ、その……もう、お爺様!変なこと言わないでください!すみません、主人公さん。気にしないでくださいね。
フレイク:ほう。それでは、ルフィアは主人公殿が気に入ってはおらんというのか?
ルフィア:そうは言ってません!!・・・…えっ、いや、だからあの……とにかくお茶にしましょう!!
主人公:……ルフィアだ。彼女は、本当にルフィアなんですね。
フレイク:ああ……。だが、お前さんが知っているルフィアとは別の人物じゃ。
主人公:……いいんですよ。ルフィアが生きていればそれでいい。
フレイク:記憶が無くてもか?お前さんとの思いでも、今はないのだぞ……。
主人公:想い出は――――また、作ればいいんですから。
ルフィア:二人で、何を話しているのですか?お茶が冷めちゃいますから、早く来てくださいね。
フレイク:さあ、行きなされ、主人公殿。ルフィアが待っておるぞ。
主人公:はい。

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