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勇者指令ダグオンの第1話
 

とある宇宙空間。

人工衛星が謎の物体・サルガッソを発見し、その後爆発。

サルガッソが開き、そこから小型の物体が発進される。
 

誕生! 勇者高校生
 

地球

飛行機の前に謎の光が出現。

飛行機が光に吸収される。

富士山

今度は新幹線のぞみ号、やまびこ号、つばさ号が吸い込まれる。

上空でも戦闘機1機が消える。

隊員たち「消えた!?」

バーチャル空間

エン「おりゃああ!!」

大道寺炎がバーチャル空間でゲームを楽しんでいた。

エン「戦略なんて10年早いぜ、宇宙人野郎が!!」

「山海高校1年・大道寺炎だな!?」

エンの前に竹刀が向けられる。

それを向けたのは広瀬海だった。

エン「ン?」

カイ「お前は他校生とのトラブルで、1週間自宅謹慎のはず……」

エン「誰だ? お前……あの野郎の仲間か!?」

カイ「立て!」

エン「ケンかだったら外で待ってな。俺は宇宙人と交戦中なんでい!!」

宇宙が消える。

竹刀にはコードが乗っていた。

エン「てめぇ!!」

カイ「立つんだ……家まで送ってやる」

エン「ふざけんな! ガキじゃあるまいし!」

カイ「don`t say four you five……」

エン「な、何!?」

カイ「山海高校2年・風紀委員長、広瀬海」

街中

男が女性からバッグをひったくる。

女性「ああ―――っ!!」

沢邑森がそのひったくり犯を背負い投げる。

シン「運が悪かったなぁ……」

女性「ありがとうございます。なんてお礼を言ったら……」

シン「彼女、暇?」

女性「え?」

シン「俺、沢邑森。一緒にカラオケでもしない!?」

女性「あ、でも……」

シンに竹刀が向けられる。

シン「またお前かよ、鬼の風紀委員長……」

カイ「高校の名に泥を塗るな、シン。柔道3段が泣くぞ」

シン「バカ言え! 俺はただ健全な青春を謳歌しようとしようとしてだな……ん? そいつは!?」

カイの後ろにエンが立っていた。

エン「ふん!」

とあるビルの屋上。

羽柴竜が寝ていた。

風祭翼が古本屋で本を眺めていた。

ヨク「いたいた……光山敏司だ。これは珍しいぞ!」

向かいでガクこと戸部学がアイスを舐めていた。

道路では戸部マリアが焦げ後を調べていた。

「どうしたの彼女!?」

マリア「え?」

声をかけたのはシンだった。

シン「探しものなら俺が手伝って……」

するとマリアはチョップでシンの足に繰り出す。

シン「あいててて!!」

マリア「大事な証拠を踏まないで頂戴!!」

エン「お前……」

マリア「何だ、エン……自宅謹慎じゃなかった!?」

エン「ほっとけ!」

シン「知り合い!?」

エン「戸部マリアだ、同じクラス……」

カイ「こんなところで、何をしてる!?」

マリア「検査。すなわち、心霊現象の調査……」

シン「大丈夫か? お前のクラスメート……」

マリア「昨日の夜、この近所で火事があったの知ってる!? 消防車と救急車が出動したんだけど、その中の2体がここで……」

シン「幽霊でも目撃した!?」

マリア「このタイヤの跡を見て。住人の目撃者が見守る中で、被害の車が忽然と消滅してしまったの……」

エン「消滅!? んなバカな……」

マリア「ニュースを観てないの!? ジャンボジェット、新幹線、戦闘機! 昨日だけでほかに5件も消滅事件が発生してるわ」

シン「ハハハ! 君はそれが幽霊の仕業だって言うのかい!?」

マリア「フン! ……ガク!?」

カイ「どうした!?」

マリア「弟がいないの。さっきまで一緒だったのに……」

シン「一緒に痛くない気持ちはわかる……」

エン「同感!」

古本屋

ヨク「カイ、シン!!」

シン「ヨクだ」

ヨク「逃げてください!!」

シン「何!?」

3人に赤い空間が出現。

そこから救急車と消防車が飛び出る。

上空でも飛行機が出現。

キャビンアテンダントがボールを拾う。

キャビンアテンダント「はい」

少女「ありがとう!」

キャスター「ニュースをお伝えします。昨日、謎の消滅を遂げたジャンボジェット気が、消滅時同様、忽然と姿を現し……続いて東海、上越、山形、各地新幹線、さらにジェット戦闘機も消滅時点から続々と出現した模様です」

リュウ「はっ!」

鳩が飛び立つ。

街では人々がざわついていた。

道路がひび割れ、そこから砂が噴き出す。

エン「砂が……砂が噴き出したぞ!」

シン「まさか、心霊現象!?」

カイ「ここも危険だ。下がるんだ」

一同が下がる。

そこへパトカーが到着。

警官「下がって、もっと下がって!」

例の物体が地球に飛来。

砂はどんどん噴き出、木が倒れる。

マリアの携帯が鳴り響く。

そこからガクの声が響く。

ガク「助けて! 助けてマリア!!」

マリア「ガク……どこにいるの!?」

カイ「見ろ!」

マリア「ああっ!?」

電話ボックスの中にガクがいた。

ガク「マリア! マリア!!」

マリア「ガク!!」

マリアはガクを助けに行こうとするが……。

警官「危険だ。避難しろ!」

ビルの上からリュウが電話ボックスの上にジャンプ。

リュウ「顔を伏せろ!」

リュウが消火器でガラスを割る。

ヨクが双眼鏡でリュウを覗く。

ヨク「あれは……確かうちの1年生!」

エンは双眼鏡をヨクから取って見る。

エン「リュウだ!」

やがてガラスが割れ、リュウは手を伸ばす。

リュウ「掴まれ!」

ようやくガクを引き上げ、下に降りるリュウ。

リュウ「走れ!!」

すると前でも砂が噴き出る。

リュウとガクがビルに避難する。

今度はエンがパトカーに乗り込む。

カイ「何をするつもりだ!?」

エン「決まってんだろ!? 2人を助ける!」

カイ「無免許運転は許さん!!」

エン「……? これが青春だ!!」

エンは思い切りアクセルを踏み上げる。

警官「こ、コラ!!」

パトカーがまっすぐ2人の元に向かう。

カイ「運転の経験は!?」

エン「週に3回、ゲーセンで!!」

砂が建物の中に入ってくる。

エンとカイの乗るパトカーがガラスを突き破る。

ガク「うわああ!」

エン「乗れ!!」

リュウ「エン?」

じっと見届ける一同。

パトカーは向こうに戻ろうとするが、動かなくなってしまう。

カイ「エン……」

エン「ダメだ!!」

カイ「止むを得ん。車を出るぞ」

カイはドアを開けようとするが、砂で開かなかった。

ガク「ドアが開かないよ!」

エン「こっちもダメだ!!」

やがて砂が止まる。

シン「よし、助けに行くぞ!!」

ヨク「待ってください! あれを……」

空から例の小型物体がビルと砂に直撃。

そこから宇宙砂塵・サンドール星人が出現。

ビルを攻撃した後、まっすぐパトカーの方に向かう。

足音が響く。

カイ「何の、音だ!?」

エンがワイパーで窓の砂をふき取る。

ガク「あーっ!!」

サンドール星人がパトカーに腕を向ける。

そこへガードタイガー、ガードウルフ、ガードホークが駆けつける。

シン「今のうちだ!!」

シンたちがエンたちの乗るパトカーに走り出す。

ヨクが上を見上げると、デパートに刺さった隕石が落ちそうになる。

ヨク「急がないと、隕石が落ちてきます!」

エン「窓を開けるぞ!」

砂が後部座席に落ちる。

リュウ「そこから這い出せ!」

ガク「うん!」

ガクはパトカーから出てくる。

マリア「ガク……」

ガク「マリア!!」

マリア「ガク!!」

シン「2人は先に避難しろ!!」

マリア「ええ!」

マリアはガクを連れて避難する。

すると隕石が落下し始めた。

パトカーの下に赤い穴が開き、エンたちが消えてしまう。

マリア「エン……」

どこかの異空間

そこには消えた飛行機や新幹線、そして戦闘機や消防車、救急車型のメカが浮いていた。

その光景に唖然とするエンたち。

カイ「あれは、消滅事件の乗り物だ……」

ヨク「でも、少し形が違うようです」

今度は謎の光がパトカーを通した後、それによく似たマシンが出現。

エンたちはそれに驚いてしまう。

エン「ここは一体どこなんだ!?」

「地球人よ!」

エンたちが後ろを振り向くと、謎の人物が接近する。

エン「誰だ!?」

接近したのはブレイブ星人だった。

ブレイブ星人「ブレイブ……星人」

エン「ブレイブ、星人!?」

ブレイブ星人「宇宙警察機構の刑事だ」

シン「俺たちをどうするつもりだ!?」

カイ「一連の消滅事件は、お前の仕業なのか!?」

ブレイブ星人「地球は今、狙われている……」

ブレイブ星人がサルガッソを見せる。

ブレイブ星人「宇宙監獄サルガッソ軍の囚人たちが惑星狩りを開始した」

リュウ「惑星狩り!?」

ブレイブ星人「サルガッソは宇宙の平和を脅かす、あらゆる凶悪宇宙人の収容所だ。だが、囚人たちは反乱を起こし、サルガッソを乗っ取った。そして、地に植えた宇宙犯罪者たちは地球をターゲットに選んだのだ」

この一言に驚きを隠せない5人。

ブレイブ星人「私は、地球の乗り物をモデルに8台の後衛マシンを完成した……後は、マシンとともに戦うダグオンが必要なのだ」

エン「ダグオンってのは何だ!?」

ブレイブ星人「我々の星で勇者を意味する言葉だ。しかしもはや、その人物を選んでいる時間はない……」

ブレイブ星人の手から光がエンたち5人の腕に放射される。

腕には変身アイテム・だグコマンダーが装着されていた。

ブレイブ星人「お前たち5人に、サルガッソの犯罪者と戦う能力を与える!」

エン「痺れるぜ!」

カイ「待て! お前たちの監獄から脱走した連中なら、自分たちで始末しろ!」

シン「そうだ。俺たちには関係ねーぜ!」

ヨク「勝手すぎます……」

ブレイブ星人「我々にはその余裕がないのだ……」

ヨク「え?」

現実世界の風景を見せるブレイブ星人。

ブレイブ星人「お前たちのボディーガードだ……」

ガードウルフ、ホーク、タイガーが消えてエンたちの元にやってくる。

その後、カードとなってリュウの手に止まる。

ブレイブ星人「ダグオンの諸君、この地球の平和は……お前たちに任せる!」

ブレイブ星人が5人に光を浴びせる。

エン「トライダグオン! ファイヤーエン!!」

カイ「トライダグオン! ターボカイ!!」

シン「トライダグオン! アーマーシン!!」

ヨク「トライダグオン! ウイングヨク!!」

リュウ「トライダグオン! シャドーリュウ!」

エンたちがダグオンに変身完了。

いつの間にか現実世界に戻っていた。

サンドール星人が攻撃を繰り出す。

エンたちが交わした後、サンドール星人の足がエンを踏み潰す。

カイ「エン!」

するとエンが足を持ち上げる。

エン「うおおお―――っ!!」

ガク「マリア!」

エンがサンドール星人を投げ飛ばす。

エン「すげー力だ。これなら……」

リュウ「はいーや! シャドーストライク!!」

シン「ブレストモーターキャノン!!」

ヨク「ブリザードハリケーン!!」

カイ「ターボホイールアタック!!」

4つの技がサンドール星人に炸裂し、破壊。

エン「ファイヤーバードアタック!!」

バードモードとなったエンの体当たりがもう1体を貫通する。

エンはビルの屋上に着陸。

隕石だけが残る。

カイ「エン!」

シン「よう!」

すると隕石が合体して新たなサンドール星人となり、エンを掴み取る。

エン「うわああぁ!!」

カイ「エン!」

エン「うおおお……」

するとファイヤーストラトスが反応し、サンドール星人の腕を切り落とす。

エンがファイヤーストラトスに乗り込む。

サンドール星人の攻撃に吹き飛ぶファイヤーストラトス。

エン「融合合体!」

ファイヤーストラトスがダグファイヤーに変形。

エンが巨大化・融合する。

ダグファイヤー「ダグファイヤー!!」

一同「エン!!」

ガク「今度はロボットだ!」

ダグファイヤー「こ、こいつはすげーや……」

サンドール星人がダグファイヤーに総攻撃をかける。

ダグファイヤーは砂で固まり、不利に陥る。

ダグファイヤー「うおおお―――っ!!」

砂が砕ける。

ダグファイヤー「スターバーン!!」

スターバーンがサンドール星人の腕を溶かす。

ダグファイヤー「ファイヤーブラスター!! シュート!!」

ファイヤーブラスターがサンドール星人に炸裂。

サンドール星人が大爆発する。

ガク「かっこいい!!」

ダグファイヤーを見つめるカイたち。

今、ダグオンとサルガッソの戦いが始まった。
 

(続く)
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