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ONE PIECEの第1話
 

俺はルフィ!
海賊王になる男だ!
 

船内

男「お嬢さん…… 私と踊っていただけませんか!?」

そのころ、船員は縄を樽に引っ掛けようとする。

「はぁ。またか……」

「ひひひ。バッターアウト!」

「何やってんだよ。へたくそ! ん?」

島を発見。

ようやく樽が引き上げられる。

「こいつは重いぜ…… 中身、なんだろうな?」

「酒樽とみたで……」

マストの船員が顔色を悪くする。

船員が見たのは海賊船だった。

「B後方に船影! マストの上に海賊旗。海賊船だ!」

2人「うわあっ!」

大砲3発が客船の前に当たる。

「船長、海賊です!」

船長「何!? 皆さん、落ち着いてください! 落ち着いてください! 冷静に、指示に従ってください!」

「撃て!」

客船の船首が壊れる。

「コビー!」

コビー「は、はい……」

「この海で、1番美しい者は誰だい!?」

コビー「それはもちろん、この船の船長、アルビダ様です……」

アルビダ「ふっふっふ……はっはっは! よくできた」

コビー「ありがとうございます」

「アルビダ様、久方振りの獲物ですね……」

アルビダ「そうさ…… とっとと船をつけな!」

一同「おう!!」

砲弾がマストに命中。

樽が地下に転がる。

少女が外に出るが、海賊船が現れたのですぐ隠れる。

アルビダ「野郎ども! 女海賊金棒のアルビダの恐ろしさ、見せておやり!」

一同「おう!!」

海賊たちが客船に乱入。

しかし、コビーは1人怯えていた。

アルビダ「コビー! 何してんだい!?」

コビー「こ、こういうの苦手で……」

アルビダ「ん? あたしに口答えしようってのかい!?」

コビー「ど、どうか、金棒の刑だけは……」

アルビダ「だったらさっさとお行き!」

アルビダはコビーを蹴り飛ばす。

コビーは壁に激突。

アルビダ「とあ―――っ!!」

アルビダも壁にぶつかる。

「へっへっへ。命まで取ろうとは言わねぇよ。だが、金目の門を全部いただくぜ」

アルビダ「抵抗するやつは、海の藻屑になってもらうだけさ……」

海賊たち「はっはっは!!」

少女が海賊の姿になる。

一方のコビー。

コビー「こんにちは……」

コビーがやってきたのは調理場だった。

コビー「ここは誰もいませんね.…… よかった……ん? ずいぶん大きな樽ですね……」

そのころ、少女がアルビダの船に乱入。

そこへアルビダの部下の海賊が出てくる。

「ん? 何だおめぇ…… 見ねぇ顔だな」

少女の足が海賊の股間を蹴り上げる。

客船内

コビーが樽を転がしている。

「この臆病者! またこんなところに逃げ込んで、油売ってんのか!?」

コビー「違います! この大きな酒樽運ぼうと思って……」

「へへへ。俺たちが軽くしてやるよ……」

「のど渇いてたんだ」

コビー「そんな…… アルビダ様に知られたら、殺されちゃいます……」

「てめぇが黙ってりゃすむことだ。なぁ? コビー.……」

コビー「は、はい…… そうですね……」

「結構重いぜ……」

「たまんねぇ……」

「そうがっつくなって。今、叩き割ってやっからよぉ…… はぁっ!!」

海賊が樽を割ろうとすると、中からモンキー.D.ルフィが出てきた。

同時にルフィの拳が海賊に当たる。

ルフィ「ふあ―――っ! よく寝たな―――っ!! ん? 何だ!?」

海賊2人が怯える。

ルフィ「誰だ? お前ら」

2人「お前こそ誰だ!!」

ルフィ「その人、そこで寝てると風邪引くよ」

2人「てめぇがやったんだよ!」

ルフィの前に刃が向けられる。

「てめぇ…… 俺たちを海賊だと知った上でふざけてんのか? ん?」

しかし、ルフィは違う方を向いていた。

ルフィ「腹減っちゃってさ……」

「人の話を聞け!!」

2人「このガキャ!!」

コビー「ああっ!」

2人「死ね!!」

すると、刃が天井に突き刺さる。

コビーがふと見るとルフィは無傷だった。

ルフィ「いきなり何すんだよ!」

「な、何だお前!?」

ルフィ「俺? 俺は、モンキー.D.ルフィ。よろしく!」

2人「うわああーっ!!」

海賊たちはその場から逃げる。

コビー「何だ? 何が起きたんだ!?」

ルフィ「何だあいつら?」

コビー「早く逃げて。仲間を連れて帰って来たら殺されちゃいますよ……」

ルフィ「それにしても腹減ったな……」

コビー「何をのんきなことを言ってるんです? 甲板の上には、まだたくさんの仲間がいるんですよ!」

ルフィ「ん?」

コビー「こっちの方へ……」

コビーはルフィを引っ張るが、ルフィがすごい力で前に進む。

コビー「ちょっと、こっちじゃありませんよ!」

2人は扉の奥に張る。

ルフィ「うほーっ、食いもんだ! 食いもんだ、食いもんだ! やった」

コビー「ここなら、かえって見つからないかもしれませんね……」

コビー「どれがいいかな? この箱か!? おお、当たり! うまそう……」

りんごを食べるルフィ。

コビー「僕、コビーっていいます。ルフィさん……ですよね!? すごいですね、さっきは。どうやったんです?」

ルフィ「うまいぞ、これ…… この船、海賊船か!?」

コビー「いえ、この船は違います。たった今、アルビダ様が襲ってる最中の客船です……」

ルフィ「ふーん。間、どうでもいいんだけど…… この船に小船とかはないのかな!?」

コビー「あると思いますけど……」

ルフィ「俺の船、大渦に飲まれちゃってさ……」

コビー「え? あの大渦に!? 普通死にますよ……」

ルフィ「いやぁ、あれにはびっくりしたなぁ…… 実際」

コビー「はぁ?」

ルフィ「お前も、その海賊の仲間か!?」

コビー「……」

ルフィ「ん?」

コビー「あれが、運命の日でした…… あの日、釣りに行こうと思って町外れに行って小船乗ったんですけど……」

コビーが釣りに出かけるときの回想。

コビーが船に乗るとそこにアルビダたちが現れる。

コビー「どういうわけか、海賊船の小船に乗ってしまったんです…… あれから2年……殺さない代わりに雑用係として働けと……」

ルフィ「お前、ドジでバカだなぁ……」

コビー「そんな。身も蓋もない」

ルフィ「出ればいいじゃん!」

コビー「無理ですよ。無理、無理! アルビダ様に見つかったらって考えると足がすくんで怖くてとても……」

ルフィ「何だ、その上根性なしか。俺、お前嫌いだな!」

ルフィの暴言にコビーは泣き崩れる。

甲板

アルビダ「オラオラ、ぼやぼやすんじゃないよ。海軍が来るまでに全部運んじまうんだ! ぼやぼやしてる金棒の餌食にしちまうぞ」

海賊たちが宝を海賊船に移す。

地下では少女が宝を袋に詰めていた。

「大量だな、おい」

「おい、ぼやぼやしてると、金棒でどつかれっぞ! あれには一溜まりもねぇからな」

客船の甲板に2人の海賊が現れる。

2人「うわーっ! アルビダ様!!」

アルビダ「ん?」

2人「大ぇ変です!」

アルビダ「何だい? うっさいな」

「樽が……」

「化け物っス!」

アルビダ「ん? 誰が化けもんだ!?」

アルビダの投げた金棒が後から来た海賊に命中。

次に2人の頭に当たる。

「ち、違います…… 樽から出てきた、変なやつ……」

「もしかしたら、賞金稼ぎかも……」

アルビダ「何!?」

地下食料庫

コビー「そうですね…… その通りです。僕も、樽で海を漂流するくらいの度胸があれば、本当は、やりたいこともあるんですけど……」

ルフィ「ふーん」

コビー「あの、ルフィさんは、そこまでして海に出て何をするんですか?」

ルフィ「ん? 俺は……海賊王になる!」

コビーが愕然となる。

コビー「か、海賊王に……!?」

ルフィ「うん」

コビー「本気ですか!?」

ルフィ「本気」

コビー「っていうか、ルフィさん、海賊だったんですか!?」

ルフィ「ああ……」

コビー「仲間は?」

ルフィ「いない。これから探すところだ……」

コビーは完全に固まってしまう。

コビー「か、海賊王って言うのは、この世をすべてを手に入れた者の称号ですよ!? 富と、名声と、ひとつなぎの大秘宝、ワンピースを目指すってことですよ!?」

ルフィ「ああ……」

コビー「ああ……って、世界中の海賊がその宝を狙ってるんです!」

ルフィ「俺も狙う!」

コビー「無理です! 無理、無理、無理! 絶対に無理。無理に決まってます! この大海賊時代の頂点に立つなんて、できるわけないですよ! 無理、無理!」

ルフィがコビーを殴る。

コビー「どうして殴るんですか!?」

ルフィ「なんとなくだ……」

コビー「でもいいや。慣れてるから…… へへへ……」

ルフィ「できるかどうかじゃない」

コビー「え?」

ルフィ「なりたいからなるんだ……」

コビー「え?」

ルフィ「海賊王になるって、俺が決めたんだから…… そのために戦って死ねたら、別にいい!」

コビー「……」

ルフィ「さーてと、腹も膨れたし、船でももらってくかな…… 頼めばくれるかな? 気前のいいやつだといいんだけど……」

コビー「考えたこともなかったです…… 僕にもやれるでしょうか!? 死ぬ気なら……」

ルフィ「何が?」

コビー「僕でも……海軍に入れるでしょうか!?」

ルフィ「海軍!?」

コビー「そうです! 悪い奴を取り締まるのが僕の夢なんです! 小さい頃からの夢なんです。やれるでしょうか!?」

ルフィ「そんなの知らねぇよ」

コビー「いいえ、やります! このまま雑用で一生を終えるなら、ここを抜け出してアルビダ様……いや、アルビダだって捕まえてやるんです!」

すると食料庫の天井が破壊される。

アルビダ「そんな奴を仲間にして、誰を捕まえるんだって? ええっ!? コビー……」

コビー「ああっ……」

入り口に剣が刺さる。

アルビダ「ふっ。海賊狩りのゾロじゃなさそうだね……」

コビー「え?」

ルフィ「ゾロ!?」

アルビダ「コビー! この海で、1番美しい者は誰だい!?」

コビー「それはもちろん……」

ルフィ「誰だ? このごっついおばさん……」

ルフィを除く一同が唖然となる。

「ごっつい……」

「なんてことを……」

ルフィの一言にアルビダが切れる。

アルビダ「ガキ!!」

アルビダの金棒がルフィを襲う。

しかしルフィは交わす。

ルフィ「いくぞ」

ルフィが甲板の上にジャンプ。

「この!」

海賊たちがルフィに立ち向かう。

しかし、ルフィの方が圧倒的だった。

後ろからもう1人が斬りかかる。

ルフィ「後ろから襲うなんて卑怯だぞ!」

後ろにはまだ海賊たちがたくさんいた。

ルフィ「わあっ! 大勢でくるなんて卑怯だぞ!」

ルフィがマストを掴むと腕が伸びる。

ルフィ「わあ―――っ! なんてね……」

海賊たちが逃げる。

ルフィ「ゴムゴムの……ロケット!!」

アルビダ「何!?」

ルフィが海賊たちに体当たり。

全員気絶してしまう。

コビー「ルフィさん…… あなたはいったい……!?」

ルフィ「俺? 俺はゴム人間だ……」

コビー「ゴム人間ってそんな.……」

2人の後ろにアルビダが立っていた。

アルビダ「お前……悪魔の実を食べたんだね!?」

ルフィ「ああ。ゴムゴムの実を食った……」

アルビダ「そうかい。噂では聞いちゃいたけど、本当にそんなもんが実在してたんだね…… 随分腕も立つようだが、賞金稼ぎかい!?」

ルフィ「俺は海賊だ!」

アルビダ「海賊? お前1人でかい!?」

ルフィ「今は1人だけどな。まぁ、そのうち見つけるさ…… そうだなぁ、10人は仲間が欲しいなぁ……」」

アルビダ「はっはっは! そうかい、お前も海賊かい。まぁ、あたしとは敵同士ってことだね? ええ!?」

コビー「ル、ルフィさん…… 逃げましょう……」

ルフィ「何で!?」

コビー「あの金棒の威力見たでしょう? この方は、この海で1番つよ……」

(ルフィ「海賊王になるって、俺が決めたんだから…… そのために戦って死ぬんなら、別にいい!」)

アルビダ「1番……何だい!?」

コビー「い……い……1番いかついくそばばあです!」

海賊たちが驚く。

ルフィ「はっはっは!」

アルビダ「何だって!?」

コビー「ぼ、僕は、海軍に入るんだ。入って、海賊をやっつけるんだ!」

アルビダ「自分が何を言ってるか、わかってんのかい!?」

コビー「わかってるさ。僕は、僕のやりたいことをやるんだ。海軍に入って、海軍に入って……お前をとっ捕まえてやるんだ!!」

アルビダ「こんガキャ!!」

コビー「ああ―――っ!!(悔いはない、悔いはない! 僕は言った。戦った、夢のために!!)」

ルフィ「よく言った!」

アルビダの金棒がルフィの頭部に当たる。

ルフィ「ヒヒ…… 効かないね……」

アルビダ「何!?」

ルフィ「ゴムだから…… ゴムゴムの……銃(ピストル)!!」

ゴムゴムの銃がアルビダを吹き飛ばす。

海にはアルビダの部下の海賊が浮いていた。

「空が青いぜ……」

そこへアルビダが降ってくる。

ルフィ「おい」

海賊たち「はい!」

ルフィ「コビーに1隻小船をやれ。こいつは海軍に入るんだ、黙っていかせろ」

海賊たち「は、はい……」

コビー「ルフィさん……」

すると2隻の船の周りに砲弾が発射。

ルフィ.コビー「うわっ!」

そこには海軍の軍艦が停まっていた。

コビー「あれは……海軍です!」

ルフィ「おおっ、ちょうどよかったじゃんか。お前行けば!?」

コビー「え?」

ルフィ「俺は海賊だ、逃げる!」

コビー「そんな…… この状況じゃ入隊どころか、捕まっちゃいますよ!」

少女が船で宝を縛っていると、ルフィとコビーの乗る船が落ちてくる。

こうして2人は船を脱出。

コビー「何とか逃げ出せましたね……」

ルフィ「ああ、面白かった…… はっはっは!」

コビー「あの、ルフィさん……」

ルフィ「ん?」

コビー「ワンピースを目指すってことは、あのグランドラインへ行くってことですよね!?」

ルフィ「うん」

コビー「あそこは、海賊の墓場とも呼ばれてるんですよ!?」

ルフィ「ああ…… だから強い仲間が必要なんだ。海賊狩りの何とかって、どんな奴なんだ?」

コビー「ゾロのことですか? 今は海軍基地に捕まってるって聞きましたけど……」

ルフィ「何だ、弱っちいのか……」

コビー「とんでもない! あいつは魔獣のような恐ろしいですよ!! ……なんでそんなこと聞くんです!?」

ルフィ「いい奴だったら仲間にしてみようと思ってさ……」

コビー「また無茶なことを……」

ルフィ「いい奴かもしんないじゃん」

コビー「悪い奴だから捕まってるんです。無理です、無理、無理、無理! 絶対……」

またコビーを殴るルフィ。

コビー「何で殴るんですか!?」

ルフィ「なんとなくだ」

磔場には海賊狩りのゾロが捕らわれていた。
 

つづく
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