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ONE PIECE エピソードオブアラバスタ 砂漠の王女と海賊たちのオープニング


ペルがビビを乗せて飛び回っていた。

ビビ「コーザ! トトおじさん!」

コーザ「ビビ! おーい!」

ペルはコーザの上を通過。

ビビ「もう、ペル!」

そして空は夕暮れになっていた。

ビビ「ねぇ、ペル……」

ペル「はい」

ビビ「なぜ毎日戦いの訓練をするの?」

ペル「護衛兵ですから…… この国をお守りするためです。強くならねば」

ビビ「誰と戦うの?」

ペル「さぁ。戦うことより守るのです」

ビビ「違うの?」

ペル「目的の違いです……」

ビビ「ふーん、変なの」

(もうすぐ国に着くから、騙されないで…… あいつは、国の英雄なんかじゃない。アラバスタを乗っ取ろうとして るの。お願い…… 早まらないで)

ルフィ「うわああ―――っ!!」

ビビが目を覚ます。

ビビ「え? 何、何なの!?」

ルフィとウソップが見たのは化粧が崩れたボン・クレーだった。

しかも、ボン・クレーが掴まっているカルーは餌になっていた。

ルフィ「オカマが釣れた!」

ビビ「カルーに何してんのよ!」

ルフィ「餌がねぇんだもん……」

ナミ「あんたが食べちゃったんでしょうが!」

ルフィ「だってよ……」

するとボン・クレーは再び海に落ちてしまう。

それからまた拾い上げられる。

ボン・クレー「いやあ、本当にスワン×2。見ず知らずの海賊さんに命を助けてもらうなんて…… このご恩、一生忘れましぇん!」

ルフィ「勝手に釣れた んだろうが……」

サンジ「何でこんなとこに?」

ボン・クレー「話すと長くなるわよ!」

サンジ「じゃあいいや」

ボン・クレー「あら、かわいいわね! あなた、好みよ!」

ビビ(変な人……)

ボン・クレー「それにしても、海に落ちた時はもうダメかと思ったわよ!」

ウソップ「お前、泳げないのか?」

ボン・クレー「そうよ! あちしはかなづちなのよ!」

ナミ「あなた、能力者ってこと?」

ボン・クレー「あら、正解。あちしは世にも珍しい、悪魔の実を食べたのよ!! がーはっはっは!」

一同「へぇーっ……」

ボン・クレー「なにそれ? テンション低っ……」

ナミ「別に珍しくないもん」

ボン・クレー「あら、 言ってくれるじゃない…… どんな能力かも知らないで」

ナミ「たくさん見てきたから今さら驚くこともないわよ」

ボン・クレー「いいざんしょ。お礼代わりの余興に見せてあげるわ!」

ルフィ「よーし、いいぞいいぞ……」

ボン・クレーはルフィをつかみ、そのまま投げ飛ばしてしまう。

ゾロ「何を……え?」

ウソップ「ええっ?」

ナミ「うそ……」

ルフィ「コラ、お前! 何すんだ!!」

ボン・クレー「待ってよ、もう…… 余興だって言ったじゃないのよう! 冗談じゃないわよう!!」

なんとボン・クレーはルフィと瓜二つになっていた。

ルフィ「俺だ……」

ボン・クレー「そっくり? びびった? ガハハハ! これがあちしの食べたマネマネの実の能 力よ!」

ルフィ「すっげーっ!」

ボン・クレー「んでもって、左手で触れれば、ホーラ。元通りってわけ……」

ウソップ「声も……」

サンジ「体格まで……」

ボン・クレー「もっとも……」

ウソップ「ひいいっ!」

ボン・クレー「本当は、殴る必要ないんだけどね……」

ボン・クレーは一味の顔に次々と触れるが、サンジには拒まれる。

ボン・クレー「あら」

サンジ「触るな」

ボン・クレー「まぁいい。こうやって、この右手で……相手の顔にさえ触れれば、このとおり誰のマネでも……できるってわけよ。体もね……」

ナミに化けたボン・クレーが服を脱ぐ。

ナミ「やめろ!!」

ボン・クレー「アウチ!」

ルフィ「お前すげぇ!」

チョッパー「すげぇ!」

ボン・クレー「さらに……」

3人「おおっ!」

ボン・クレー「メモリー機能つきよ!」

3人「うおーっ!」

ボン・クレー「過去に、触れた顔は決して……忘れない!」

ビビ「あっ!」

ボン・クレー「ドゥーだった? あちしのかくし芸!」

3人「いかす!」

4人「冗談じゃないわよう!」

ナミ「やってろ。ん? ねぇ、あれってあんたの船じゃないの?」

ボン・クレー「あら、もうお別れの時間?」

3人「ええっ!?」

ボン・クレー「悲しむんじゃないわよ! 旅に別れは付き物!」

泣き崩れるルフィたち。

ボン・クレー「でも、これだけは忘れないで。友情ってやつは……付き合った時間とは関係ナッスイング!!」

3人「また会おうぜ!!」

ボン・クレーの乗る船は去っていく。

ボン・クレー「じゃあ、行くわよ。お前たち!」

船員「はっ! ボン・クレー様」

ビビ「え? ボン・クレー!?」

ナミ「ビビ?」

ビビ「クロコダイルの手下よ!」

ルフィ「おめぇ、顔知らな かったのかよ!?」

ビビ「今まで、会ったことがなかったの…… あいつが見せたメモリーの中に、父の顔があったの…… なぜ父の顔を!?」

ゾロ「たとえば、王に成りすますとしたら?」

ビビ「え?」

ゾロ「相当よからぬことができるな……」

ビビ「ダンスパウダー…… あいつが」

ルフィ「何だ? それ」

ナミ「人工的に雨を降らせる粉。世界政府は製造、所持を禁止してるの」

ルフィ「そんな便利粉を、何でだ?」

ナミ「ダンスパウダーはね、まだ雨を降らすまでに至らない雲を人工的に成長させ、雨を降らすというものだから。隣の国に降るはずだった雨さえも奪ってしまう…… それで、国同士の諍いが頻発するようになって……」

ウソップ「世界政府が禁 止したってわけか……」

ビビ「2年前、ダンスパウダーがアラバスタの港町、ナノハナに大量に運び込まれたの…… その時国では、王の住むアルバーナ以外はまったく雨は降らないという異常気象……」

ゾロ「王を疑うのが普通だが、その粉を使って雨を独り占めしてやがるだと」

ルフィ「ビビ! そりゃおめぇの父ちゃんが悪ぃぞ!」

サンジ「バカ、はめられたんだよ! ビビちゃんのお父様がそんなことをなさるか×3!」

ビビ「サンジさんの言うとおり…… 父には見覚えのない事件だったけど、港で船を迎え入れる姿を目撃したという証言も広がり、畳み掛けるように宮殿へ大量のダンスパウダーが運び込まれていたことが、明らかに……」

ウソップ「そうか、あいつが国王に化 けて…… 厄介なやつを逃がしちまったな……」

ビビ「すべては組織のボス、クロコダイルの仕組んだ罠…… 彼の思惑通りに、反乱は起きて……」

ゾロ「なるほど…… 国王軍と反乱軍を激突させ、双方弱体化したところで乗っ取ろうってわけだ……」

ビビ「国の英雄の仮面を被り、王家の信頼も、雨も、人の命までも奪ってアラバスタを狂わせたのよ、クロコダイルは!」

ルフィ「……」

アラバスタでは国民が歓声を上げている。

国民「すっげぇ!!」

海賊が干乾びてしまう。

海賊を干乾びさせたのはクロコダイルだった。

国民「サー・クロコダイル!」「アラバスタの守り神!」「砂漠の王様!!」

クロコダイル「ハッハッハ! 黙れ、国民ども」

国民「そ う言ってあんたはいつも私たちを救ってくれるんだ!」「素敵!」

クロコダイル「ハッハッハ! まぁ、何とでも呼ぶがいい!」

宮殿内

兵士「国王様。クロコダイル様がお見えになりました……」

クロコダイル「フン!」

クロコダイルは先ほど倒した海賊を投げる。

クロコダイル「土産だ。ミスター・コブラ……」

コブラ「いつも世話になる……」

クロコダイル「ハッハッハ。いいさ。国王軍は反乱軍を、俺は海賊をだ…… このクズの処理は任せたぜ…… そういや、反乱軍にふごんな動きがあると耳にしたが、どうするつもりだ?」

コブラ「国は人なり。こちらから仕掛けるなど毛頭ない……」

クロコダイル「そうか…… フッフッフ、ハッハッハ。近いうちに また会おう……」

メリー号

一味は腕に包帯を巻いていた。

ゾロ「とにかく、今回は謎が多すぎる」

ナミ「なるほど。これを確認すれば、仲間を疑わずに済むわね……」

サンジ「2段構えの印ってわけか…… 気が利いててらしくねぇな。さてはおめぇ、すでにオカマ野郎……」

ゾロ「斬るぞ、てめぇ!!」

ルフィ「おっ、ゾロだ」

ウソップ「何だ、ゾロか……」

ルフィ「よし! これから何かが起きたときは、左腕のこれを見せ合え!」

一同「おう!」

ルフィ「仲間の印だ! 上陸するぞ、アラバスタへ!!」

ビビ(パパ…… きっと私は、反乱軍を止めて見せる……)


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砂漠の王女と海賊たち

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