戻る TOPへ

※キャラ名の後のカッコの中にある以下の略称はそのキャラが登場するテイルズオブシリーズのマザーシップタイトルです。
TOP(テイルズオブファンタジア)
TOD(テイルズオブデスティニー)
TOE(テイルズオブエターニア)
TOD2(テイルズオブデスティニー2)
TOS(テイルズオブシンフォニア)
TOR(テイルズオブリバース)
TOL(テイルズオブレジェンディア)
TOT(テイルズオブザテンペスト)
TOI(テイルズオブイノセンス)
TOV(テイルズオブヴェスぺリア)
TOS−R(テイルズオブシンフォニアーラタトスクの騎士ー)
TOH(テイルズオブハーツ)
RM3(レディアントマイソロジー3)

それではマンガ版「テイルズオブザワールドレディアントマイソロジー3」をお楽しみください。







































世界樹が生み出したとされる「マナ」と「星晶(ホスチア)」の恩恵によって
人々が暮らす世界「ルミナシア」

やがてエネルギー資源となる「星晶」を巡り各地で争いが始まった。

混迷していく世界
閉塞した時代の中

人々は1人の救世主を待ち望んでいた。

世界樹が激しい光を放つ。

ーepisode 01ー

世界樹から光が放たれる。
その光の主な目撃者はユーリ、リタ、エステル。(3人ともTOV)。
ルカ(TOI)、エミル(TOS−R)。ウィル(TOL)、カイウス(TOT)。すず(TOP)、しいな(TOS)。

世界樹の守り手「ディセンダー」
太古より予言されていたそれは世界樹より生み出され
世界を守護するために現れる。

ルバーブ連山を歩いていたカノンノ(RM3)もまたその光を目撃する。
カノンノ「なんだろう…行ってみよう」
光を追いかけるカノンノ

光の中に1人の少年が包まれている。それに近づくカノンノ。

「ディセンダー」に過去の履歴は一切ない
国も家族も記憶もなく在るのは自由と命のみ
何も知らぬ無垢な者
不可能も恐れも知らぬ者
それは自由の灯火なり

少年を包んでいた光は少年が地面に降りてくると消えていった。
カノンノ「あなたいったい……」
ボーっとしている少年。
カノンノ「なんで空から…?」
聞こうとした途端後ろからバサバサッという音。アックスビークやキラービー等のモンスターが襲いかかって来たのである。
カノンノ「!
     こんなときに……!」
カノンノが臨戦態勢をとろうとしたその時少年がカノンノの肩をぽんと叩いて斧片手に立ち上がる。
カノンノ「え…?あなた…」
少年「んー…なんか、よくわかんないけど
   これって、ピンチだよね?えっと…」
カノンノ「あ、私はカノンノ。カノンノ・グラスバレー。」
少年「僕は…えーと、たぶんアルディ。」
カノンノ「え…『たぶん』…?」
とまるで戦うことが初めてとは思えないほどの斧さばきで次々とモンスターを倒していくアルディ。
カノンノ(すごい、この人闘えるんだ。)

しばらくしてカノンノも一緒に戦ったのか(映写なし)モンスターを全部倒した。
アルディ「もう大丈夫だね。」
カノンノ「ねぇあなたどこかのギルドの人なの?」
アルディ「ギルド?」
カノンノ「あれ?違うの?」
アルディ「ギルドって何?」
カノンノ「え…」
アルディ「っていうかここ…どこ?」
カノンノ「え…え…
     えええええええええええええええええええええええええ!!」
(カノンノの「ええええええ」はコマからはみ出るくらい多く描かれてたので↑くらいの表現だと思います。)

場所は変わってとある場所
アンジュ(TOI)「それで、その記憶喪失の彼を連れて帰ってきたわけね。」
カノンノ「ここなら情報も集まるし、そのうち何か思い出せるんじゃないかと思って」
アンジュ「そうね。
     話を聞く限り体力には自信がありそうだしここで働いてもらいましょうか
     どう?」
アルディ「うん、いいよ。」
アンジュ「私はアンジュ・セレーナ。
     このギルド『アドリビトム』のリーダーをしているの。
     よろしくねアルディ。」
アンジュの微笑みに対してアルディも笑顔を返す。
アンジュ「じゃあ、登録完了ということでまずは」
カノンノ「さっそくお仕事?」
アンジュ「それより医務室かな
     記憶喪失の原因がわかるかもしれないからね。」
カノンノ「あ、いけない」
アルディ「どうしたの?」
カノンノ「ごめん、ギルド登録より普通はそっちが先だったよね。」
アンジュ「ふふふ、貴重な人材は逃がしません♪」
カノンノ「アンジュさんたら…もう」
アルディ「ありがとうアンジュ。」
アルディの意外な返事にポカンとするアンジュとカノンノ
アンジュ「…不思議な子ね。」

医務室
アニー(TOR)「特に異常は見あたりません。
         頭を打ったとかそういった形跡もありませんし」
アルディ「そっか。」
アニー「気分が悪くなったり頭痛や目まいなどの症状がみられたら
    すぐ来てくださいね。」
アルディ「ありがとううアニー。」
手を振って医務室から出るとクラトス(TOS)に会う
クラトス「どうした、カノンノ、ケガでもしたのか」
カノンノ「あ、クラトスさん。
     この新しくギルドに入ったアルディが…」
クラトス「……?
     おまえは…」
アルディ「?
     何か知ってるの?」
クラトス「…いやなんでもない。
     アルディと言ったか、早く仕事を覚えるのだな。」
アルディ「うん、よろしくクラトス。」
クラトス去る。
アルディ「強い人だね。」
カノンノ「わかるの?アンジュさんが雇ってる傭兵さんなんだよ。」

機関室
アルディ「ここって、どんなところなの?
     外から見てもすごかったけど中もすごいね。」
カノンノ「ふふ、そうでしょ?なんたって…」
チャット(TOE)「なんたって、伝説の大海賊アイフリードの船ですからね!」
カノンノ「チャット。」
アルディ「アイフリードって?」
チャット「はじめまして、新人さん、ボクはチャット。
     由緒正しき大海賊アイフリードの子供。
     そしてこの、バンエルティア号の船長です!」
アルディ「船長か、すごいなあ。」
チャット「当然です!
     いいですか?アンジュさんは、ギルド『アドリビトム』のリーダー。
     ボクはそのアドリビトムの拠点である船の船長です!
     拠点を提供しているボクのほうが偉いんです!」
アルディ「へえ、そうなんだ?」
チャット「ふふん。
     あなたも、このバンエルティア号の船員としてふさわしくあるために
     早く一人前になってくださ…」
アルディ「うん、がんばるよ!よろしく!」
チャット「…あ、えっと…
     …『ボクのほうが偉い』って話
     アンジュさんには、内緒にしてください…」
アルディの純粋な反応に思わずたじろぎエンジンの陰に隠れるチャット
アルディ「あ、うん、わかった。」
チャット「…なんか変な人ですね…」

クレスとミント(2人ともTOP)にも挨拶
クレス「やあ新しい仲間だね。
    僕はクレス・アルベイン。」
ミント「私はミント・アドネードです。」
アルディ「僕はアルディよろしく。」
クレス「よろしく!
    僕は将来ギルドを作りたくてね
    ここで働きながら勉強させてもらってる。
    依頼はもう受けたかい?」
アルディ「依頼?」
カノンノ「あ、アルディには説明がまだだったよね?
     ギルドっていうのは人々から寄せられた依頼をこなす。なんでも屋さんみたいなものなの。」
ミント「このギルドの名前『アドリビトム』とは、古代神官語で『自由』という意味です。
    国籍を問わず世界中の人を助けようと、アンジュさんがつけられた素晴らしい名前なんですよ。」
アルディ「へえ、すごいな。」
???「ちょっと、クレスー
    ミントー」
ものすごい勢いでルーティ(TOD)がやってくるその後ろからのんびりとスタン(TOD)もやってくる。
ルーティ「抜け駆けしようたってそうはいかないわよー!」
息を切らしているルーティ
ルーティ「(ぜーーーー、はーーーー)
     あんたら、あたしに黙って採取依頼受けたわね?
     ったく油断も隙もないわ…」
クレス「あれ、そんなつもりはなかったんだけどな。」
ルーティ「あら、新人さん?
     あたし、ルーティよろしくね。」
スタン「やあ、俺はスタン・エルロ…」
ルーティ「いいから早く行くわよスカタン!」
スタンの耳をルーティが思い切り引っ張る
スタン「いだだだだ」
ルーティ「採取依頼はお宝発掘!
     早い者勝ちなのよおおおおお!」
とそのまま駆け抜けるルーティと耳をつかまれたままひっかきまわされるスタン
アルディ「よろしく!
     ルーティ。スカタン!」
カノンノ「アルディ、スタンさんよスタンさん」
クレス「それじゃあ、僕らは依頼を受けているのでこれで。
    今度ぜひ一緒に仕事させてくれ」
アルディ「うん。」
物陰でエミルがやりとりを見ている。
エミル「あ、新しい人だ…挨拶しなくちゃ…」
おどおどしているエミル
エミル「えーとえーと…あの…僕はエミルって…」
???「あ、カノンノー!」
自己紹介しようとしたその時ファラ(TOE)が現れる。
ファラ「おかえりなさい。」
カノンノ「ただいまファラ。」
ファラ「聞いたよ、あなたが新しい仲間になるんだよね。
    わたしはファラ、よろしく。
    そうだ食堂に行こう!シナモンロールが焼けたって!」
カノンノ「わあ。
     行こ、アルディ!」
結局自己紹介できず落ち込むエミル。そこにカイウスが通りかかる
カイウス「ん?何してんだ?エミル。」
エミル「カイウス〜〜〜〜〜」


食堂、タキシードを着ている青くて小さな生き物(ロックス(RM3))とクレア(TOR)がいる。
ロックス「おかえりなさいませ、お嬢様。」
カノンノ「ただいまロックス。」
ロックス「アルディ様ですね?お話は伺っております。
     はじめまして、ロックスプリングスと申します。
     ロックスとお呼びください。」
クレア「はじめまして、私はクレア・ベネット。
         よろしくお願いします。」
イリア(TOI)「早く座んなさいよ!
         新人、おやつなくなるわよー?」
アルディ「おいしそう!ロックスが作ったの?」
ルカ「ロックスは、家事やギルドの経理も任されてる
   いわばこの船の『コンシェルジュ』なんだよ。」
カノンノ「それじゃ、他のみんなを紹介するわね。
     イリア。
     ルカ。
     セネル(TOL)。
     シャーリィ(TOL)。
     コハク(TOH)。
     シング(TOH)。
     リッド(TOE)。」
マルタ(TOS−R)が食堂に入ってくる
マルタ「ねえねえ、誰かエミル見なかった?」
カノンノ「そしてマルタ。」
アルディ「よろしく、みんな。」
マルタ「え?よろしく。」
マルタが「誰?」とつぶやいた後ヴェイグ(TOR) が食堂に入ってくる
ヴェイグ「クレア、頼まれていた食料が届いた。」
クレア「あら、ヴェイグ。」
セネル「なら、運ぶのを手伝おう。」
シング「あ、オレも。」
アルディ「僕も!」
ヴェイグ「ん…新入りか。」
アルディ「アルディだよ。
     よろしく。」
ヴェイグと握手するアルディ
ヴェイグ「おれは、ヴェイグ・リュングベルだ。
     ルバーブ連山で発見された記憶喪失者が仲間になったときいたが、おまえか」
シング「え!アルディって記憶喪失なの?
    それは大変だ!荷物運びはオレたちに任せて、ここでゆっくり休んでいなよ!」
リッド「そんなぞろぞろ行ったって邪魔になるだけだしよ。
    ま、座れって。」
シャーリィ「じゃあ、お兄ちゃんたちのおやつはあとで持って行くね。」
セネル「ああ。
    ありがとうシャーリィ。」
マルタ「記憶喪失かぁ…
    自分の名前は覚えてたんだよね?」
アルディ「うん。それしかわからなくて。」
マルタ「ちょっとちょっとぉ
    それって大問題よ。」
ファラ「けど、落ち込んでても仕方ないし
    そういうときこそ前向きにがんばらなくちゃ!」
イリア「どっかの戦争に巻き込まれたショックでー
    とかが可能性としては一番ありそうねー」
アルディ「戦…争?」
イリア「ありゃ、世界情勢もわからない…か。
    あんた星晶って知ってる?」
コハク「星晶は、世界中でいろんなものに使われる現代のエネルギー資源だよ。
    世界樹は「マナ」と「星晶」を生み出しているよね?」
アルディ「?」
リッド「(もぐもぐ)わかんねーならとりあえず
    聞くだけ聞いとけ。」
コハク「マナは、わたしたち生命の源とも言える力なんだけど
    とらえどころのない非物質のものだから工業的なエネルギー源としては使えないんだよ。」
ルカ「でも、星晶は物質として地下から採掘ができてエネルギーとして活用消費ができるんだ。」
イリア「なもんでその星晶を巡って国同士の争いが起きてるってわけ。」
シャーリィ「わたしのいた国は、戦争で焼け野原となってしまって…」
マルタ「星晶がある小さな国や村は、力のある大国に搾取されるがまま…だもんね。
    星晶には土地に恵みを与えるマナを出す力があるから、採り尽くされちゃったら土地はどんどん荒れてくし。」
コハク「わたしやシングの故郷も、それで作物が育たなくなって、いつもアドリビトムに助けられててね
    お礼にわたしたちも、手伝えないかなって思ってここに加入させてもらったんだよ。」
クレア「星晶が世界の主要エネルギーに変わってから文明は急成長したというけど、
    星晶を得て大量消費国となった大国は、星晶のない他の国や村を植民地化したり、労働を強いたり…」
リッド「オレ、もともとは故郷の村で猟師をやってたんだけどよ、
    領主国がオレたちの村に綿の栽培を強制させたうえにその畑を広げるために猟をする森まで焼いちまったんだ。」
ファラ「わたしはリッドと同じ村の農家出身なんだけど
    綿の栽培を強制されたから、自分たちの食糧すら賄えなくなっちゃの。」
リッド「綿じゃ腹いっぱいにはならねぇからなあ。」
はーーーーーっとため息をつくリッド
ファラ「でも、このギルドで働けば、村に不足している物質を集めて届けることもできるんだ。」
クレア「アドリビトムは、貧富の差が拡大した貧しい土地の出身者ばかりなの。」
カノンノ「アンジュさんは、みんなの故郷を危機的状況から救うために、アドリビトムを立ち上げたのよ。」
イリア「…ピンとくる話はなかったみたいね。」
アルディ「あ、うん。でも話を聞かせてくれてありがとうみんな。」
カノンノ「あ、フィリアさんたちにもおやつを持って行こうかな
     そしたらアルディの紹介もできるから。」
クレア「じゃあ、お願いするわね。」

フィリア(TOD)達がいるところ
フィリア「あら、私から伺おうと思っていましたのに
     ご丁寧にありがとうございます。」
ルビア(TOT)「うわぁ!
         ロックスのお菓子だね!やったあ!」
ウィル「そうか、では少し休もう。」

ウィル「記憶喪失か…
    そういえば、君はここへ来る前に世界樹が光るのを見たか?」
ルビア「え?何それ、ウィルは見たの?」
ウィル「ああ。ちょうど甲板から見えた。
    今まで、観測されたことのない現象だったからな。
    それについて君が何かを知っていたりするのか聞いてみたかっただけだ」
ルビア「そうよアルディ!
    あなた、空からやって来たって本当?」
アルディ「へ?
     そうなの?」
ルビア「えっ。」
カノンノ「ほ、本当なんだもん。
     光に包まれて空から降りてきたの。」
フィリア「あら、それはまるでディセンダーのようですね。」
アルディ「ディセンダー?」
ルビア「そう、あたしやアンジュさん、そしてミントやフィリアがいた教会には『救世主』の言い伝えがあるの。」
フィリア「遠い昔から、教会に伝わる『予言』です。
     世界樹から生まれたばかりのディセンダーは記憶がなく。
     世界のことも知らず。
     不可能も恐れも知らない無垢な存在だと言います。
     そして人々のために世界を学び、強くなり。
     ゆくゆくは世界を平和に導き
     また世界樹へと還って行くそうです。
     アルディさんの『記憶がない』という点は、まさにディセンダーのようですね。
     ウィルさんも、それを想像したのでしょう?」
ウィル「ああ。」
ルビア「じゃあ彼はディセンダー?」
ウィル「あくまで予言で伝えられているだけだからな
    昔の人の創作話という見方が一般的だろう。
    しかし、世間ではディセンダーの出現を待つ宗教が次々に興っているとも聞く。」
フィリア「このようなご時世ですものね。
     救いを求める人が増えてもおかしくはありません。」
もしもーーーーし
カノンノ「ん?誰だろ。」

声がしたのでアルディと共にカノンノがホールへ向かうとツインテールで赤い髪の女性とショートカットで学者っぽい女性が訪ねてきたのである。
ナナリーとハロルド(2人ともTOD2)である。
ナナリー「アドリビトムってギルドは、ここで間違いないかい?」
アンジュ「はい。何か依頼でしょうか?」
ナナリー「あたしはナナリー・フレッチ。
     ルバーブ連山を超えるのに協力してもらったペカン村の者さ。」
カノンノ「あ、あなた(アルディ)と出会う直前に私が受けてた依頼だよ。」
ナナリー「ん、ああ。
     あんただあんた(カノンノ)。
     改めて礼を言わせてもらうよ。
     みんなを助けてくれてありがとう。」
ハロルド「元の土地は、ウリズン帝国に星晶を採り尽くされて作物も育たないし
     村ごと移住する必要があってね。
     おかげで全員無事に山を越えられたわ。」
ナナリー「で、今日は報酬の件で話があってさ
     その…」
ハロルド「単刀直入に言えばお金がないのよ。
     村の移転先でもいろいろ資金が必要でね。
     ってことで提案なんだけど、この天才科学者ハロルド・ベルセリオスを雇わない?
     私役に立つと思うわよ〜♪」
ナナリー「待ちなよ。それはあたしも考えたけど村のみんなをほっとくわけにも…」
アンジュ「あらそれなら大丈夫。
     この船ならどこにでもすぐに行けるから戻るのも簡単よ。
     他のみんなも、ここで働いて世界中から物資を集めてそれぞれの故郷を助けているの。」
ハロルド「じゃ決まり〜」
ナナリー「…ありがとうリーダーさん。」


しばらくするとロックスがやってくる。
ロックス「また新しい方が入られたんですか。
     いっそう賑やかになりますね。
     ああ、お嬢様、スケッチブックを買っておきましたよ。
     そろそろなくなる頃でしたよね?」
カノンノ「ありがとうロックス!
     大事にしまっておかなくちゃ!」
ロックスからスケッチブックをもらって走り去るカノンノ
アルディ「カノンノは絵を描くんだね。」
ロックス「はい。時間があるときはいつも絵を描いています。
     小さい頃からずっとなんです。」
アルディ「ずっと?」
ロックス「ええ、お嬢様が赤ん坊の時から一緒なんです。
     いろいろ事情があってお嬢様を引き取り育てています。
     あっ、しまった!絵筆も渡すんだった。」
アルディ「僕が行くよ。」

カノンノは操舵室にて外をジッと眺めていた。
そこにアルディがやってくる。
カノンノ「あ、アルディ。」
アルディ「ロックスから。」
絵筆を渡す
カノンノ「あ、ありがとう。」
アルディ「カノンノ、絵を描くのが好きなんだって?」
カノンノ「ロックスに聞いたの?
     好きだけど、独学だから上手じゃないよ?」
と頬を赤くしながらアルディに描いた絵を見せる
カノンノ「こんな風景見たことある?」
アルディ「ううん」
カノンノ「そっかあ。
     スケッチブックの白い紙を見てるとね、たまに見えてくるんだ。いろんな風景が。
     それを筆でなぞってできてのがここにある絵。私も知らない風景。
     他の人にも見せたけど誰もこの風景を知らない。
     作り話でしょって笑われちゃうの。」
アルディ「本当のことなのに?」
カノンノ「えっ…
     …うん。
     あなたは信じてくれるんだね。
     この船で、いろんなところと旅してこれらの風景に出会えたらいいな。
     そしたら、どうして私に、知らない風景が見えるのかわかるかもしれないでしょ?」
アルディ「そうだね。」
カノンノ「本当に…信じてくれてありがとうアルディ。」
アルディ「ん?何?」
カノンノ「んーん、なんでもない。
     そういえば、入ったばかりなのにもう後輩ができちゃったね。」
アルディ「うん。がんばって仕事するよ!」



場所は変わって通路。ナナリーとハロルドが会話しているところをエミルが物陰から見ている
エミル「あ…また新しい人だ。…こ、今度こそ!」

inserted by FC2 system