戻る TOPへ

にょ


― 第1話 でじこだにょ ―



銀河系 宇宙のド真ん中
マイクと、ナゾの宇宙人アナウンサー(と、思われる)登場

『宇宙暦5098年
銀河系内惑星間軍縮勤労所得調整会談は、
混乱の末、決裂に至り、銀河系全体には…どいやっー!』
アナウンサー、何かに吹っ飛ばされて、あっさり退場。
そこへ…
ぶよぶよ〜っと飛んできた、ネコ型宇宙船。
(いわゆるUFOに、ネコ耳と目が付いている)
で、その内部はというと…なぜか畳敷き?
機械操作は、青いタマゴがパイロットの制服を着ているような…
とにかく、そういうモノが行っている。
その後ろで、ほっこらコタツに入っているのが、
デ・ジ・キャラット(通称 でじこ)。
デ・ジ・キャラット星の第一王女で、10歳。
白いネコ耳に、グリーンの髪、
金色のおっきな鈴の髪飾りがトレードマーク。
「コタツはいいにょ〜、
めんどっちい運転は、オートパイロットに任せるにょ。」
かわいいわりには、ババくさいことを言うでじこ。
「人生ゲーム持ってくればよかったにゅ。」
コタツに肩までもぐりこんで、
そう言ったのは、プチ・キャラット(通称 ぷちこ)。
でじこの妹分で、5歳。
トラネコ耳に、茶色い髪を小さな鈴の髪飾りで、2つにしばっている。
「地球が見えてきたゲマ!」
黄色いビーチボールに、手と目と口がついているようなのがゲマ。
いつも逆さまに宙に浮いている。
でじこのお目付け役として、一緒にやってきたらしい。
ちょうど、ネコ型UFOの目の部分から外を見てみると、
遠くに見える青い星…!!
間違いない!あれは地球だっ!!
だって、『ちきゅう』って、書いてある…。
「あれが地球かにょ?キレイな星にょ〜!」
すっかり興奮気味のでじこ。
「ビー玉みたいにゅ。」
いつも冷静?なぷちこ。
「これからあの星で、でじこ、立派なお姫さまになるための
プリンセス修行をするんだにょ!ときめくにょ〜っ!」
「旅立つときは、王妃様と別れるのをあんなに悲しんでいたのに、
今じゃ、この浮かれっぷりゲマ。」
ゲマがあきれたその時!
突然、宇宙船が揺れだした。
「にょ〜!なにかにょ??」
「ガス欠ゲマ〜!!」
(ガス欠=燃料がなくなること)←っと、注意書きが出る。
「揺れるにょ〜」
「ゲマは浮いてるから、揺れは平気ゲマ。」
一段と揺れが激しくなり、でじこがコタツの方へ吹っ飛んだ!
その時、コタツのすぐ横にある(つまり、なんとも不自然に畳の真ん中にある)
レバーを倒してしまった!!
すると、ちょうどコタツの上あたりに、ボアボアっと映像が浮かび上がり、
『母です…』
と、誰かが話し始めた。…デ・ジ・キャラット星の王妃、でじこの母だ。
でじこの髪の色は、母譲りだということが判明。
でも、一生懸命しゃべっているのに、それに全然気づかないでじこ。
「ちょっと痛かったにょ…、
コタツの角には気をつけないといけないにょ…。」
「でじこのママにゅ。」
ぷちこに言われて、ハタと気づくでじこ。
「なんか聞き覚えのある声だと思ってたにょ。」
でじこは、その浮かび出た母の映像の方を見て正座した。
「かあ様っ!」
『でじこにいいこと教えてあげましょう。』
「なにかにょ?」
『ママは、でじこが修行中、弱音をはいて戻ってきたりしないように、
デ・ジ・キャラット星から地球まで、キッカリの燃料しか入れなかったの!』
「にょ?」
「キッカリにゅ。」
「え〜?それじゃ、二度とデ・ジ・キャラット星には帰れないゲマかぁ?」
『これもイワユル愛のムチのひとつと思ってねぇ♪
でも…、どうしても帰りたくなったら…』
「はいにょ!」
「く、くるゲマ…」
「愛のムチ!」
『デ・ジ・キャラット星に帰りたくなったその時は…!!
ゴ、ゴホゴホゴホ…、ごめんなさい、ちょっとムセちゃって、
ハ、ハークショ(ぷつん←映像が消えた音)』
「わあ!切えちゃったにょ!」
「肝心なところが聞けなかったゲマ!
どうするんだゲマ?どうするんだゲマ〜!!」
ゲマは大慌て。
「ふぁっと きゃん あい どぅ〜??」
コワれるでじこ。
そんな中、冷静ぷちこが叫んだ!
「うろたえるでないにゅ!
もう一度レバーを操作するにゅ。」
そう言って、レバーを体全体で包み込むようにして握るぷちこ。
「期待は高まるゲマ…」
「ムんにゅ!」
ポキッ…←当然、レバーの折れた音。
「とどめをさしたにゅ。」
あくまで冷静なぷちこだった…。
「にょ〜!!!!」
「ゲマ〜!!」
宇宙船が、急降下し始めた。
「ぎゃ〜、落ちてるゲマ、落ちてるゲマ〜!!」
…そのまま、でじこたちを乗せたネコ型UFOは、
日本に墜落した。

原っぱに、真横にめり込んだUFOと、
外へ投げ出され、倒れているでじこ。
「う〜ん…、はっ!地球に着いたのかにょ?
あ、ぷちこはどうしたかにょ!!」
無傷で立ち上がったでじこの足元から
「げ〜〜〜……」
ゲマのうめき声が…。
「逆さまに埋まっちゃったゲマ…、ヤな感じゲマ。」
なるほど、目の下に口がある状態で半分地面に埋まっている。
「ぷちこがいないんだにょ!大変なんだにょ!!」
「でじこのせいゲマ!途中で『柏餅食べたい』なんて言って、
回り道をして、燃料ムダ使いしたんだゲマ。」
地球以外で『柏餅』を売ってる星って…?という愚問はさておき、
立場の悪くなったでじこは…
「さ〜て、お片づけにょ〜」
ゲマを無視し、胸に下げた鈴をパカッ。
大きな宇宙船は、その中へ吸い込んでお片づけ完了!
「ぷっぷ〜っ!ぷちこ探しの旅に出るにょ!」
と、さっさと出発。
なんとか自力で脱出したゲマ。
「助けろゲマ〜!」

でじことゲマは『まねきねこ商店街』へとやってきた。
「まねきねこ商店街?」
「この辺にぷちこがいるような気がするにょ。」
「雰囲気ゲマ〜」
「ぷちこ〜!ぷちこ〜!」
「返事するゲマ〜!」
「ぷちこや〜い!」
商店街の中を歩く2人(ゲマは浮いてるが)。
「ぷちことははぐれちゃうし、こんなことなら、地球になんか
来るんじゃなかったにょ…」
「早くも弱音ゲマ?」
その時、でじこの目に飛び込んできた1枚のポスター…。
「にょ?にょにょ…!」
「ゲマ?」
そのポスターに釘付けになるでじこ。
それは、薬屋さんのウィンドーに貼られた口紅のポスターで、
なんともかわいくてステキでキュートな女の子が、
かんむりをつけて、ラブリーチャーミーな笑顔を浮かべている…
そんなポスターだった。
思わず、くるくる回りながらそばへ寄るでじこ。
「なんかかんむりつけてるってことは、
この星の王女さまなのかにょ?」
すると、親切な(ある意味ブキミな)おにーさんが言った。
「うふふふふ…、君、あかりちゃんを知らないのぉ?」
「うにょ!?オマエ、誰にょ!?」
「ボクは、あかりちゃんのファンの内のひとりだよ。
このポスターに写っているのは、女優でアイドルの
『うさだ あかり』ちゃんなんだよ〜。」
へろへろと桃色ハ〜トをまき散らしながら踊るおにーさん。
「女優…にょ?」
「うん!お芝居も上手だし、歌も踊りもうまいし、
あかりちゃんは、世界に羽ばたく大女優だよ!
いいな〜、このポスター欲しいなぁ〜、
でも、今日はこのくらいにしておこーっと…」
踊りながら去ってゆくおにーさんだった。
「う〜ん…にょ。
キラキラとまぶしいほどのオーラ…
やさしさと自愛…、
そして何モノにも屈しない意思の強さをたたえたまなざし…。
これこそプリンセスのお手本にょ!!
でじこの求めていたものは、これだったんだにょ!
決めたにょ!立派なプリンセスになるためにも、
でじこは、このおねーさんみたいな大女優を目指すことにするにょ〜!」
夢と希望に満ちあふれるでじこ。
その横で、必死にメモを取るゲマ。
「な〜るほど…、プリンセスとは、キラキラとまぶしいほどのオーラ、
やさしさと自愛、そして、
何モノにも屈しない意思の強さをたたえたまなざしを持っている…と、
でじこは思っているゲマね?
でじこにしては、正しいことを言ってるゲマ。」
「なにかひっかかるにょ。
なんでそんなことメモするのかにょ?」
「でじこのことだから、言ってることとやってることが、
すぐに違ってくるに決まってるゲマ。
だから、地球に着いた日に、でじこが考えていたことをメモしておけば、
いつか役に立つゲマ!」
でじこは、熱弁を振るうゲマの前から、さっさと歩き出した。
「なんだかでじこ、この星でやっていく自信がわいてきたにょ!
ぷちこだって、きっと見つけてみせるにょ!」
と、その時!!!!!
「じょば〜〜っ!!」
でじこの後ろ側にあったオモチャ屋『下克上』の向こうに、
タマネギ型の頭のデカいロボットが姿を現したっ!!
「でじこ!危ないゲマーーー!!」
ゲマの叫びに、振り向きざま、でじこは得意技『目からビーム』を放った!
「目からビーーーーームッ!!!!!」
ビームは、見事ロボットに命中!
「いて〜!」
ドド〜ン!周りの建物をなぎ倒しながら、ロボットは倒れた。
「これが、でじこの必殺!目からビームにょ。
この威力、覚えておくがいいにょ。」
「なんかアイツ、さっきより小さくなってるゲマ?」
「にょ?」
見ると、オモチャ屋の前で、人間の大きさのロボットが、
仰向けに倒れて起き上がれないカブトムシみたいな格好で、
もがいている。
「と、思ったらなんだゲマ〜!
でっかいのと小さいのがジタバタしてるゲマ〜!」
オモチャ屋の向こう側ででっかいロボットが、
そして、オモチャ屋の前では人間サイズが、
同じ動きをしているわけだ。
「ふ〜ん、でじこには関係ないにょ。
さっさとぷちこを探しに行くにょ〜」
「それもそうゲマねー」
相手にせず、先を急ごうとするでじことゲマ。
すると…
「トオッ!きみきみっ!」
でじこたちの、すぐ後ろにジャンプして近づいてきた人間サイズロボ?。
で、ちょっと遅れてでっかいヤツもドゴ〜ン!と着地。
「うわぁ〜!」
地響きに驚き、振り向くでじこ。
「今のなに?今のなに??ビーム?どうやって出したの?
すごいよ、きみ!!」
人間サイズは、目からビームに興味津々な様子。
「でじこは今、忙しいんだにょ。あっち行って欲しいにょ。」
その時、ゲマがあることに気づき、もっのすごい顔で驚いた。
「だ〜ゲマ…、このロボはっっ、同じ動きをしているゲマ〜!」
つまり、でっかいロボと人間サイズは、
いつも同じ動きをしているということ…だ。
「そのとおりだ、よくぞ気がついたね、黄色くて丸っちいのクン、
略して『きぃまる』。
そして、この子の名は、『巨大超合板伝導リモコン型ロボくん』、
略して『巨ロボくん』だっ!」
「ガシ〜ん!」
人間サイズと同じポーズを決め込む巨ロボくん。
そこへ…
学生服のかわいらしい男の子がやってきて言った。
「ただいま!アニキ、店番サボって遊んでちゃダメだろ?」
「お、お帰り…弟よ。」
人間サイズが、自分の頭のテッペンにあるスイッチを押すと、
巨ロボくんは、お休み状態に入った。
そして、頭の部分をはずす人間サイズ。
中には、汗を光らせた、割とイイ男が入っていた!
「…と!いいか、兄ちゃんは、決してサボってるわけじゃないぞ。
オレたち兄弟の未来のために、日夜身を粉にして働いているのだ。」
その様子を見ていたでじこ…
「うえ〜、なんか語り始めたにょ。」
「そう!未だかつて誰も見たことがない、
そして、一目見たら誰もが欲しがる夢のあるオモチャ!
略して『イマオモ』を発明して大ヒットを飛ばし、
泣かず飛ばずのオレたちの店『スーパー幕末 オモチャ下克上』を
『玩具 笊臼(オモチャ ざるうす)』みたいな、
でっかいチェーン店にするのが夢なんだ!
…いや、別にチェーン店にしなくてもいいんだが…」
何でも略すのと、語りだしたら止まらないのが、
このおにーさんの特徴らしい…。
どっか、ネジでもゆるんでいるのだろうか…??
「ぶ〜、めんどっちーにょ。」
口をとんがらすでじこ。
「チェーン店がうらやましいみたいゲマ。」
「ごめん、君、ケガはなかった?」
未だ語り真っ最中のおにーさんの弟が、
でじこに尋ねた。
「この程度のアンポンタンじゃ、でじこの敵じゃないにょ。」
…と、画面下から半分顔を出すおにーさん。
「おいおい、むしろケガをしたのはこっちだ。
略して『ムシケガ』」
そして、すぐ引っ込んだ…。
そんなおにーさんを、まるで相手にしないでじこたち。
「ぶっぶ〜」
「ところで、きみ、この辺じゃ見かけない子だね。」
おにーさんと違って、弟くんの方はネジがゆるんでいる様子はない。
アップもなかなかイケてるキュートな中学生だっ♪
「でじこっていうにょ!」
「でじこちゃんか、ボクは面茶(おもちゃ)きよし。よろしくね。」
「よろしくにょ!」
「ゲマゲマ!」
ゲマも、軽く挨拶。
すると、でじこは、たまたま横を通りかかった粘土細工みたいな人(?)を捕まえ、
ぐにょ!っとつぶしてこう言った。
「そうだにょ!このくらいの背(つぶした粘土細工みたいな人を指差す)で、
ぷちこっていう女の子を見なかったかにょ?」
「言葉の最後に、いつも『にゅ』ってつけるゲマ。」
「『にゅ』?その子がどうかしたの?」
「はぐれちゃったんだにょ〜…」
泣き出すでじこ。
そのおかげで、手を放してもらった粘土細工さんは、
なにごとも無かったかのように、再び歩き、去っていった。
「そういうことなら、ボクたちも一緒にそのぷちこちゃんを探してあげるよ。」
「ホントかにょ?」
再び、おにーさん、顔半分登場。
「本当だとも!この『巨ロボくん』も、ぜひ協力したいと言ってる。」
そして、顔を全部出し…
「ああ、申し遅れたが、オレは兄の面茶やすしだ。
家はこのあたりじゃ評判の…」
まだまだ続きそうではあったが、でじこたちは無視し、
ぷちこ探しに出発。
「小さな町だから、きっとすぐ見つかるよ。」
「よろしくお願いするにょ。」
「……ステキなオモチャ屋、略して『ステオモ』!!
う〜ん、イカシテルヨネ〜!」
…それに気づかず、まだ語っている兄やすし。

「へぇ〜、デ・ジ・キャラット星ってとこから来たのかい?」
「そのとおりにょ。」
すると、いつの間にか追いついていたやすしが、
ゲマを持って言った。
「と、いうことは、この黄色い玉は、デ・ジ・キャラット星のオモチャかい?
なるほど…よく弾むし…(と、また語りだす)」
やすしに思いっきりドリブルされるゲマ。
でじこときよしは、やっぱり無視…
「ふえ〜ん…、まだぷちこが見つからないにょ〜」
「この商店街も、小さいようで大きいけど、
大きいようで小さいから、もうすぐ見つかるよ。」
と、よくわかるようでわからないことを言うあたり、
…きよしも、幾分ネジがゆるんでいる部分もあるようだ。
「しかし、このデザインはいただけないな…
目を覆いたくなる。」
ゲマを散々ドリブルしておいて、そう言って目を覆うやすし。
「失敬なヤツゲマ!」
「あれ?アニキ、巨大ロボットは?」
「ん?それだっ!『巨ロボくん』を連れてくるには、
オレもリモコンスーツに身を包んで操作しなくてはならない。
オレの顔を全世界の人に覚えてもらうためにも、
リモコンスーツで顔を隠してる場合じゃないのだよ。
だから、『巨ロボくん』は置いてきたのさっ!!」
ゲマを放り投げ、今度はうきうきダンスを踊りだすやすし。
「あのロボで、商店街の上からモニターして、
ぷちこちゃんを一気に見つけられそうなのに。」
「大丈夫!そんな機能はついてないっ!」
にっこり胸を張るやすしと、カタマるきよし。
「…使えないロボだね………
行こう、でじこちゃん。」
「ぷちこ〜!」
…と、2〜3歩歩いたところで、突然立ち止まるでじこ。
「にょ!!そうだったにょ!これこれこれだにょ!!
お腰に輝くポシェットにょ〜!!」
でじこは、じゃ〜〜ん!!と、白ネコ型のポシェットを指差した!
「そうだったゲマ!そのポシェットは!!」
「大切なヒミツがあったんだにょ!」

〜 それは、でじこがデ・ジ・キャラット星を旅立つ時の
出来事なんだにょ… 〜

王妃が、白ネコ型ポシェットとトラネコ型ポシェットを持っている。
「困ったことがあったら、この中の七つ道具を使うのよ。
はい!ちゃんと持っててね。」
そう言って、ポシェットをでじことぷちこに渡す王妃。

〜 ってなことが、あったわけにょ 〜

「こんな時こそ、かあ様からもらった七つ道具を使うときにょ!!」
ジジジ…っと、ジッパーを開くでじこ…ドキドキ!!
「何が入っているかにょ〜、わくわくにょ〜
にょ!!
でじこの七つ道具、プリンセス・パワーア〜ップにょ!!」
でじこが取り出したのは!!!!!
「なんか、出したゲマ!」
「…オモチャ??」
期待高まるゲマとやすしだったが…きよしが一言。
「携帯電話??」
そう、それは確かにネコ型である以外、何の変哲も無い
ただの折りたたみ式白い携帯電話だった…。
「その程度の反応とはなにごとにょ?!」
「だって。ゲマも知らないゲマ…」
「これは『ポケットリンリン』にょ!」
「『ポケットリンリン』??」
興味深々のやすし。
「これと同じものをぷちこが持っていれば、
ぷちことお話ができるはずにょ!」
そう言いながら、でじこはボタンをピッピッ!
なんと、メモリーにぷちこの番号が入っていたっ!
「あったにょ!…あ〜、もしもし、でじこだにょ。
そちらはぷちこかにょ?」
すると、確かにぷちこにつながったのだが…??
『ぷちこのなぞなぞにゅ。』
「なぞなぞ…にょ?」
『ほしはほしでも、みんなの人気者、なんだにゅ?』
「ほしはほしでもみんなの人気者!?
わかったにょ!梅干にょ!!
みんなの人気者にょ。ご飯がおいしく食べられるにょ!!」
『ぶっぶー!答えはスターにゅ。」
「にょにょ…?違うにょ!なぞなぞじゃないにょ!
でじこは、ぷちこの居場所を知りたいんだにょ!」
『次の問題にゅ。りっぱなのに踏みつけられるものな〜んだにゅ?』
「りっぱなのに踏みつけられてるのは、立派なネコにょ!」
『ぶっぶー!スリッパにゅ。』
「うわ〜、ずるいにょ!スリッパのどこが立派なんだにょ!!」
「ス・立派…」
一言解説を入れるきよし。
でじこはカンカン!
「だいたい、電話のくせになぞなぞなんか出してくるとはなにごとにょ!
話にならないにょーーーーーー!!!!!」
それでも、冷静ぷちこは、平然と出題。
『急に倒れちゃう虫はなんだにゅ?』
で、問題を出されると、答えずにはいられないでじこ。
「急に倒れちゃう虫?…それは弱虫にょ!
弱虫は足腰も弱っちいからポテンと倒れちゃうにょ!」
『ぶっぶー!バッタにゅ。』
でじこ、壊れる…。
「きゃ〜〜!!悔しいにょ!悔しいにょ!!
次こそ負けないにょ!!!!!」
「あー、でじこちゃん。今はなぞなぞなんかやってる場合じゃないよねえ…」
…という、きよしの言葉など、でじこの耳には入っているはずもない。
「今のでじこは、手がつけられないほど熱くなってるゲマ。」
「へえ…、そーなんだ…」
なんだかあきれてヘロヘロ状態のきよし。
その隣で、目をランランを輝かせているやすし。
「おお…もう一問。さあ!くるがいいにょ!!」
『切れないハサミはな〜んだにゅ?』
「イタバサミにょ!自信あるにょ!正解にょ!!!」
『ぶっぶー!センタクばさみにゅ。』
でじこ、ついに溶ける…。
「わぁ〜、でじこが燃え尽きたゲマ!」
紙状になり、タマシイの出てしまったでじこだったが、
「にょ〜、イタバサミだって切れないハサミにょ。
正解にするにょ…。」
それでもなお、あっさり負けを認めないあたり、
う〜ん、流石プリンセス…?
「でじこちゃん…」
でじこを、なんともフクザツなまなざしで見つめるきよしの横で、
やすしの目がキラン☆
「…あれ(ポケットリンリン)、欲しい!」


― 第1話 おわりにょ ―

inserted by FC2 system