戻る TOPへ

鳥人戦隊ジェットマンの第1話
 

ナレーション「199X年、衛星軌道上に漂う地球防衛軍・スカイフォースのアースシップ。24時間体制で地球の動きを感知するアースシップにより、地球の平和は保たれていた……」

隊員「9877ポイントに異常発生。工場Mロボが暴走を始めた! 厳戒中の機械モンスターは急行せよ。繰り返す、9877ポイントに異常発生!」

天堂竜と藍リエがバイクで駆けつける。

竜「スカイフォース86。現場へ到着!」

リエ「同じく、83、現場に……」

母親「あー、赤ちゃんが!!」

間一髪、リエが飛んだ赤ちゃんをキャッチする。

竜「リエ!」

リエ「私は大丈夫。それより、ロボットの解除スイッチを!!」

竜がバイクでロボットに突進する。

銃撃が次々と炸裂する。

そしてとうとう解除ボタンを押すことに成功した竜。

リエ「好きよ……」

リエが竜の頬にキスをする。

隊員たち「おおー!」「やったー!!」「やったな」「見せつけてくれるよな、この2人は」

その様子をアースシップで隊員たちが観て喜んでいた。

そこへ、小田切綾長官が現れる。

長官「あの2人の名前は何と言うか!?」

隊員「X6・天堂竜、W3・藍リエの両名であります!」

長官「2人のデータを届けるように……Jプロジェクト要員として、推薦したい」
 

戦士を探せ
 

アースシップ

リエ「鳥人……戦隊!?」

長官「我々が極秘に開発したバードニックウェーブを浴びることにより、君たちは人間を超える力を持つ。鳥人戦隊ジェットマンが誕生すれば、地球の平和はより確固たる物となろう……」

モニターにはジェットマンのデータが映っていた。

リエ「人間を越えるって、何か妙なものになっちゃうんですか!?」

長官「一切の心配は無用。我々はただ、君たちの勇気に答えている」

竜「あのー、ジェットマンとかになると、僕たちのコンビは解消ってことで……」

長官「仲がいいようね。ジェットマンは5人で構成され、常に5人で行動する。従って、君たちが離れ離れになることはない!」

竜とリエが手をつなぐが、長官が咳き込む。

宇宙では、バイラムの魔城・バイロックが飛んでいた。

アースシップ

隊員たち全員が敬礼を取る。

長官「それではこれより、プロジェクトに入ります。フォースガン、スタンバイ!!」

フォースガンが現れる。

長官「天堂竜、前に出て」

竜「はい!」

竜が座り込み、フォースガンから放たれるバードニックウェーブを浴びる。

突然、苦しみだす。

竜「うわあ!!」

リエ「竜!!」

長官「耐えるのだ! このバードニックウェーブがお前の体をジェットマンに変える!」

竜は苦しみながらいろいろな幻想を見続ける。

ようやく、バードニックウェーブの放射が終わる。

すると、アースシップの前にバイロックが出現した。

内部には裏次元伯爵・ラディゲの幻が映し出される。

ラディゲ「跪け。我は、あらゆる物の始まりと終わりを支配するもの――すなわち、神だ!!」

街中や女子トイレの鏡、民家の戸の鏡、そしてコーヒーカップにもラディゲの幻が映っていた。

ラディゲ「跪け、跪け! 我らは、あらゆる次元を支配するもの。すなわち神・バイラムだ!! おろかな人類に通告する。今、この瞬間より、地球は、我々バイラムの支配下に入る。我はバイラムに力を示すため……1分後に、アースシップを破壊する!」

ラディゲの幻が消える。

竜「何!?」

アースシップ内では、隊員たちが避難しようとしている。

「アースバーナー、全機ダウン! 繰り返す。アースバーナー全機ダウン!!」

バイロック

ラディゲ「我々バイラムは、裏次元を征服し、この第3次元に辿り付いた!!」

バイロックがアースシップに攻撃を仕掛ける。

内部が爆発し始める。

ラディゲ「お前たちの極悪だる文明を破壊し、我がバイラム、悲しい理想郷を築くだろう!!」

壁に穴があき、リエが吸い込まれそうになる。

竜「リエ!!」

リエ「竜!!」

竜が必死にリエの手を握って引っ張りあげるが、耐え切れず、放してしまった。

リエ「竜――!!」

竜「リエ――!!」

長官「竜、逃げるのよ。爆発するわ!!」

竜「放してください、リエを助けに行くんだ!!」

長官は竜を気絶させ、ジェットマシンの1つ・ジェットホークに乗り込む。

フォースガンも破壊される。

ジェットホークが飛び立つ。

フォースガンから4つのエネルギーが放射され、大石雷太、鹿鳴館香、あと2名に浴びせられる。

町に謎のモンスターが送り込まれる。

スカイキャンプ

気絶していた竜が目を覚ます。

長官「気がついた!? ジェットマンのために、密かに用意させた秘密基地よ」

竜の脳裏に理恵が宇宙に飛ばされたときの記憶が甦る。

竜「リエは!? リエを探しに行かなければ!! 行かせてください! リエを探しに行かせてください!!」

長官が竜にビンタする。

長官「まだ目が覚めていないようね。彼女は、死んだのよ! バイラムに、殺されたの!!」

竜「……リエ!!」

長官「泣きなさい……二度と、泣かないために……あなたは、バイラムと戦わねばならない!」

竜「どうやって戦えっていうんですか!? 奴らは、たった一撃でアースシップを破壊した。そんな相手と、どうやって戦えっていうんですか!?」

長官が竜の腕に変身アイテム・クロスチェンジャーをつける。

長官「あなたはすでに、ジェットマンなのよ!! 一緒に来なさい。あなたの仲間を、残り4人のジェットマンを、探しに行くのよ!」

竜「……」

草むらに潜む次元虫が触手でサラリーマンのエネルギーを吸い取ると服だけが残ってしまう。

今度は自転車に乗る野球少年たちからもエネルギーが吸い取られてしまう。

次元虫の袋が大きくなっていく。

一方、竜と長官はバードニックウェーブを浴びた人間を探していた。

長官「見て、バードニックウェーブがレーダーに反応している。私たちの最初の仲間が、第2のジェットマンよ。ここにいる……」

そこは香の屋敷だった。

香「まあ、それじゃあ、私がジェントルマンに!?」

長官「ジェットマンよ。あなたは自分でも知らないうちに、戦士になったのよ」

竜「頼む、君の力を貸してくれ! このままでは大事なリエが!!」

香「はぁ!?」

竜「あ、いや……間違いなく地球は滅ぼされてしまうだろう……俺たちが、俺たちが戦う以外にないんだ!!」

長官「竜……」

香「もし、あなたたちのお話が本当なら、私、決めましたわ。戦います、ジェントルマンとして!!」

長官「ジェットマンよ!?」

香「私、ずーっと昔からこんな日を待っていましたの。退屈な毎日から飛び立てる日を……感激ですわ。私が地球を救うなんて……私、燃えます!」

香の腕にクロスチェンジャーが装着される。

次は雷太の田舎に来てみたが……。

雷太「僕には関係ないね。ほっといてくれ!」

竜「関係ない!? 君はバードニックウェーブを浴びたんだ。君はすでにジェットマンなんだ!」

雷太「知らないね、僕が望んだわけじゃない」

長官「あなたも見たでしょ!? バイラムの力を。このまま地球はバイラムに……」

雷太「僕は野菜を作るのが仕事なんだ。第一、暴力が大嫌いだ! 帰ってくれ!!」

雷太が竜たちの元から去る。

香「私、もう少しあの人を説得してみます……」

長官「そう? じゃ、お願い。私たちは残りのジェットマンを探すから」

ビニールハウス

香「わあ、すごい。これ、全部あなたが作ったんですか!?」

雷太「そうさ!」

香「綺麗……知りませんでした、野菜がこんなに綺麗だなんて……」

雷太「なんせ愛情がこもってるからね」

雷太はキュウリをちぎって香に渡す。

雷太「ほら、食べてみろよ。こうやって食べるのが一番うまいんだ!」

香がキュウリを食べてみる。

香「おいしい……」

竜たちのほうは、あと2人のメンバーを探していた。

竜「あと2人……いったいどこにいるんだ、残りのジェットマンは!?」

雷太の畑

雷太「おいしかっただろ!?」

香「ええ」

轟音

雷太「なんだ!?」

雷太と香が外に出ると、バイロックが浮いていた。

雷太「あれは!!」

ラディゲの指の幻から玉が現れる。

雷太「なんなんだよ!? あー!!」

玉は戦闘兵・グリナム兵へと姿を変え、畑の野菜を踏み荒らしてしまう。

雷太「よくも僕の畑を!!」

雷太がクワで挑む。

香も籠でグリナム兵を追い払う。

竜のクロスチェンジャーに香から通信が入る。

香「竜さん、一大事ですの! 助けて!!」

長官の車がスカイキャンプに戻る。

ジェットホークに竜が乗り、スイッチを入れて出動した。

雷太と香はグリナム兵から逃げるが、次元虫が待ち受けていた。

そこへジェットホークが飛来し、グリナム兵に攻撃する。

そこから竜が飛び降りる。

竜「クロスチェンジャー!!」

竜の体にバードニックスーツが装着され、レッドホークへと変身する。

ジェットウィングで飛び回り、グリナム兵を翻弄する。

着地後、雷太の腕にクロスチェンジャーを装着させる。

レッド「変身するんだ! 君たちもジェットマンだ!!」

すると、次元虫の触手がレッドの首に巻きつく。

そこへ次元虫が現れる。

雷太と香は逃げ回る一方。

そこはもう崖だった。

銃撃が足元に炸裂し、2人が落ちてしまう。

竜「早くブレスレットのスイッチを押すんだ!!」

2人がブレスのボタンを押すと、雷太がイエローオウルに、香がホワイトスワンに変身して飛び立つ。

イエロー「ど、どうなってんだ、こりゃ!?」

ホワイト「感激ですわ。これがジェットマンの力なのね……」

ホワイトが手を放すと、イエローが落ちてしまう。

レッドとホワイトがイエローの元に駆け寄る。

ホワイト「大丈夫!? ごめんなさい、雷太さん……」

レッド「大丈夫か!?」

イエロー「面目ない。何せ、逆上がりもできなかったもんだから……」

3人がグリナム兵の攻撃にひるむ。

レッド「立ち上がるんだ。俺たちは、ジェットマンだ!!」

イエロー「よくも僕の畑を……大地を汚すものは、許さない!!」

ホワイト「うん!」

レッド「行くぞ!」

イエロー「おう!!」

レッド「ブリンガーソード!!」

レッドのブリンガーソードがグリナム兵を斬り裂く。

ホワイトがグリナム兵の足に躓く。

ホワイト「来ないで!!」

グリナムの猛攻にホワイトが苦戦する。

イエローも同じだった。

レッドの攻撃に、グリナムが消えてしまう。

そこへ、次元虫が現れる。

イエロー「また出てきやがった……」

次元虫の攻撃に3人がひるむが、レッドが次元虫に立ち向かい、バードブラスターで攻撃する。

そして、2人の攻撃は相打ちになる。

ラディゲが穴を開けると、次元虫がその中に入る。

ホワイト「竜!!」

レッド「長官……」

長官「竜!! やっぱまだ無理だ。残り2人のジェットマンを探し出さなければ……バイラムに、対抗するすることはできない!」

バイロック

ラディゲ「何者だ、ジェットマンとは!?」

考えるラディゲの元に、トラン、グレイが集まる。

トラン「面白そうだね。これからきっと楽しくなるよ……」

そしてもう1人現れたのは、マリアだった。

ナレーション「突如出現した、恐るべきバイラム。その真の力・そして、残り2人のジェットマンとは、いかなる人物なのだろうか!?」

つづく
inserted by FC2 system