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特捜ロボ ジャンパーソンの第1話
 

謎の新英雄(ニューヒーロー)!
 

救急車が1台、東陽医学大学付属病院に運ばれる。

少女が1人、啖呵で運ばれる。

母親「由美ちゃん! 由美ちゃん……しっかり、しっかりして由美ちゃん!!」

医師「まさか、この症状は……君、すぐに準備を!!」

看護師「はいっ!!」

母親「先生!! この子は……由美は何の病気に掛かったんですか!?」

JBCテレビジャパン

キャスター「次のニュースです。正月休みを海外で過ごし、帰国した小学生の女の子が、感染死亡率75%……極めて高い新種の伝染病に感染していたことが判明。昨日、都内の病院に緊急入院しました……幸い、帰国して間もないことから2時感染者はいないものと思われますが、国内にはまだこの病気の治療ワクチンがなく、急遽W HO、世界保健機関から輸入されることが決定。まもなく到着します……成田空港の若林記者に伝えてもらいましょう……若林さん! 若林さん!?」

アナウンサー・若林アキが取材に向かう。

アキ「はい。こちら成田空港の若林です! ちょっとお待ちください……」

空港からWHOのスタッフがワクチンの入ったケースを医師2人に渡す。

アキ「今、成田空港に待望の治療ワクチンが到着しました!」

アキは医師たちに駆け寄る。

アキ「tvジャパンです。援助ご苦労様でした……このワクチンで伝染病は完全に治りますか!? どうなんでしょう?」

警備員「下がってください」

アキ「どうなんですか? 答えてください!!」

医師は急いで輸送車に乗り込む。

アキ「今、一向はワクチンをしっかり持って輸送車に乗り込もうとしています。これからワクチン輸送車は東洋医学大学付属病院に向けて出発します! それでは私たちも少女の待つ病院まで追跡取材をしたいと思います」

東洋医学大学付属病院

少女の顔には水疱瘡が出来ていた。

平和銀行

強盗犯・蛭田が銃を警備員に発砲。

その後、車に乗って逃走。

「強盗殺人事件発生。強盗殺人事件発生! 平和銀行本店において、現金2億円を強奪した容疑者は……現在、車で横浜方面に逃走の模様!」

1台の覆面パトカーが定食屋の前に到着。

そこから刑事・高井戸志郎が降りて店に入る。

高井戸「警部! コウモリ警部、コウモリ警部!!!」

警部・小森好次郎が高井戸の胸倉を掴む。

小森「確かに……この俺は『桜田門のバットマン』と勇猛と優秀なデカだ! だがな……名前は小森。コウモリじゃない!!」

高井戸「すいません……」

小森「320円。領収書忘れるなよ!」

小森が覆面パトカーの助手席に乗る。

小森「高井戸!!」

高井戸「はい! 領収書!!」

高井戸が運転席に乗る。

小森「くし!」

高井戸「はい!」

小森「セット! ほら、事件なんだろう!?」

高井戸「はい!!」

覆面パトカーが発進。

一方、テレビ局のワゴンは輸送車を追っていた。

アキ「ただいま、時刻は午後1時30分です。少女がワクチンの到着を待ちわびる東陽医学大学付属病院まであともう少しのところまで差し掛かりました……しかし……今、この瞬間にも、少女の命の炎はごく一刻と消えかかろうとしています。早くこのワクチンを……」

前方から蛭田の車とそれを追跡するパトカーが走ってくる。

蛭田の車の前に小森と高井戸の車が立ち塞がる。

高井戸「警察だ! 降りて来い!!」

小森「ここがお前の終点だ!!」

すると蛭田はバズーカ砲を発射。

小森「伏せろ!!」

蛭田の砲撃にパトカーが転倒。

小森「追うぞ!!」

高井戸「はい!!」

輸送車を追跡中のワゴン車。

アキがミラーを除くと、後ろから蛭田の車が走ってくる。

アキ「あの車、さっきの……」

蛭田の車が止まると、輸送車やワゴンも止まる。

蛭田は車から出て銃を発砲。

蛭田「全員降りろ!!」

一同は車から降りる。

蛭田「邪魔だ! どけどけ!!」

小森と高井戸がやってくる。

すると蛭田はアキを人質に取ってしまう。

蛭田「止まれ!!」

アキ「きゃあ!!」

蛭田「この女が死ぬぞ!!」

小森「ああ!?」

2人は仕方なく止まる。

蛭田の銃撃が2人を怯ませる。

アキは輸送車に乗せられる。

アキ「ちょっと! どうするつもり!?」

蛭田「人質だ。一緒に来い!!」

アキ「この車には……」

蛭田が銃を発砲。

小森「待て!!」

輸送車が走り出す。

東洋医学大学付属病院

医師「いかん! ワクチンは……ワクチンはまだ届かないのか!?」

看護師「はいっ!!」

路上

小森「何? ワクチン!?」

高井戸「はい! 病院で取材中の別のスタッフから情報が入りました。医者の話によると、1時間以内にワクチンを接種しないと、患者の命が危険だそうです!!」

小森「1時間!? 午後3時がタイムリミットってことは……よし。追跡続行だ!!」

高井戸「はい!!」

小森「さあ、みんな降りて! 早く降りて……さあ早く!! 高井戸!!」

高井戸「はい!」

スタッフ「え? ちょっと……」

小森と高井戸はワゴンに乗って発進。

小森「警視庁警視庁……こちら小森。ただいまジャックされたワクチン輸送車を追跡中! 至急、応援を請う!!」

一方、輸送車は現在走行中。

蛭田「ああ? 伝染病ワクチンだぁ!?」

アキ「幼い女の子の命が掛かってるのよ……このままワクチンを病院に届ければ、あなた英雄よ!? きっと情状も酌量されるわ」

蛭田「第3埠頭へ向かえ……」

アキ「日航でもする気!?」

蛭田「フッ。全くいいこと聞いたぜ……これ以上の人質はない。高飛び成功間違いなしってわけだ」

後ろからワゴンが追いかけてくる。

小森が顔を出す。

小森「止まれ! 止まらんと撃つぞ!!」

蛭田「ワクチンがどうなってもいいのか!!」

高井戸「警部!! 下手をしたらワクチンが……」

蛭田「撃てるもんなら撃ってみろ! バカタレが……わざわざ組織を裏切って、逃走資金まで手に入れたんだ。ここで警察に捕まってたまるか!!」

アキ「一体何のこと!? その組織っていうのは……」

歩道橋から1人、輸送車を眺めていた。

そしてそのまま輸送車にジャンプして腕を車の中に突っ込む。

男の腕がアキの首を絞める。

アキ「ううっ……」

蛭田は男に発砲。

男の手の平からギロチンが出てくる。

それによりアキの手の甲が切れる。

蛭田「止めるな……暗殺ロボットだ。止めたら殺される!!」

アキ「暗殺ロボット!?」

高井戸「警部!!」

小森「高井戸、急げ!!」

高井戸「はい!!」

すると横からもう2人男が輸送車を追いかける。

この2人もロボットなのだ。

小森「何だこいつらは!?」

ロボット2人の乱射と砲撃がワゴンを止める。

小森はワゴン車から放り出されてポリバケツを被ってしまう。

高井戸「警部! しっかりしてください!!」

小森「追うぞ! 乗り込め!!」

高井戸「はい!!」

2人はワゴンに乗って追跡を再開する。

一方、ロボット2人が輸送車にしがみつく。

蛭田「俺は下っ端だ……組織の馬身ゴマが何も知らないんだ。俺を殺したって、何の意味だってそいつだって……助けてくれぇ!!」

左のロボットがライフルを発砲。

ガソリンスタンドが炎上してしまう。

蛭田「うわああっ!!」

ギロチンが落ちる。

アキ「きゃあっ!!」

蛭田はバズーカを発射。

高速道路が崩れ、ビルが破壊される。

前方で警察が車を待ち構えていた。

ロボットたちはパトカーを破壊。

アキ「あっ!?」

輸送車やワゴンがそれぞれ別々にぶつかる。

小森「うわああ……」

店を乱射し始める3人。

一同「うわああっ!!」

小森はこれで2回もポリバケツを被ってしまう。

人々「助けてー!!」

火が人々に燃え移っていた。

時刻はあと30分を切っていた。

アキ「タイムリミットまであと30分……どうすればいいの!?」

病院では少女の心拍数がどんどん上がっていく。

ロボットたちは蛭田とアキの首を持ち上げる。

小森「最悪だ、絶望だ……神も仏もないのか!?」

アキ「助けて誰か……助けて!!」

するとそこへ謎のマシン・ダークジェイカーが走ってくる。

ロボットたちの銃撃が外される。

今度はどこからかカードが真ん中のロボットに刺さる。

カードから光が照らされる。

そこにはジャンパーを着た謎の人物がいた。

その名はジャンパーソンである。

ジャンパーソンはジャンパーを脱ぎ捨て、マスクを装着。

ジャンパーソン「Janperson For Justice!!」

アキ「ジャンパーソン!?」

小森「ジャンパーソン!?」

ジャンパーソンがロボットたちをスキャン。

ロボットたちが総攻撃をかける。

しかし、効いていなかった。

ジャンパーソンが反撃に向かう。

今度は愛用の銃・ジャンデジックを発砲。

弾がなくなる。

ロボット2人は車を持ち上げ、ジャンパーソンに投げる。

だがそれを受け止めるジャンパーソン。

もう1人がワゴンでジャンパーソンに投げる。

ジャンパーソンはそれを押し戻す。

先ほどの2人がジャンパーソンとオフィスに突っ込む。

ジャンパーソンのジャンデジックがロボットを怯ませる。

今度はバックレットコントローラーでロボットをスキャン。

ロボット2人は放り込まれる。

1人のロボットの炎が輸送車を燃やしてしまう。

アキ「火が……」

蛭田「ああ……」

アキ「ワクチンが!!」

ジャンパーソンはロボットの首に何かを発見。

ジャンパーソン「スパーク!!」

ジャンデジックが炸裂。

ロボット3人は爆発してしまう。

するとロボットの頭部がジャンパーソンの腕に噛み付いてしまう。

ジャンパーソンがそれを投げると頭部が大爆発。

蛭田「ああっ、爆発する! 助けてくれ!!」

小森「ああっ……」

輸送車が大爆発。

しかし2人は間一髪ジャンパーソンに助けられていた。

高井戸「蛭田、逮捕する!! どなたか知りませんが、助かりました!」

小森「ふざけるな!! 大体頼みもしないのみしゃしゃいできやがって……何者だ? 正体を見せろ!!」

アキ「待ってください!! こんなことしてる場合じゃないわ」

高井戸「そうだ。タイムリミットが!!」

3時まであと5分しかない。

高井戸「あと5分しかない!!」

ジャンパーソンはケースを取り、ダークジェイカーに乗り込む。

するとロボットたちの頭部がダークジェイカーに総攻撃をかける。

ダークジェイカーがスカイジェイカーとランドジェイカーに分離する。

ロボットたちの砲撃をかわす。

2台マシンの砲撃が頭部を破壊。

飛んできたポリバケツがまた小森の頭部に落ちる。

小森「何だこりゃ!? またバケツだ!!」

高井戸「警部……」

アキが微笑むとスカイジェイカーが飛び去る。

東洋医学大学付属病院

少女の心拍数が落ちていく。

母親「由美ちゃん……由美ちゃん……」

一方、ジャンパーソンは病院の場所を突き止め、ミサイルを入れる。

ボタンを押すとミサイルが発射され、医師たちの元に舞い降りる。

医師が中を見るとワクチンとカードが入っていた、

医師「ワクチンだ!! ジャンパーソン!?」

翌日、アキが少女の退院の取材をしていた。

アキ「皆さん! ジャンパーソンの勇気ある行動が、由美ちゃんの命を救いました。由美ちゃんはご覧の通り、病院の中で散歩できるくらい体力を回復しました……2週間後には由美ちゃんは退院し、お友達と学校で楽しく遊べるでしょう。ジャンパーソン……果たしてその正体は!? いずれにしても、この謎のヒーローが悪の魔の手から私たちの町を……そして死に瀕していた幼い少女の命を救ったのです。無力な警察に代わって、ジャンパーソンが、私たち市民を強く守ってくれたのです」

定食屋でそのニュースを観ていた小森はテレビを消す。

小森「何がヒーローだ。今度あったら必ず正体を暴いてやる!!」

そこへ高井戸がやってくる。

高井戸「警部!! コウモリ……あ、いや……小森警部! 逮捕した蛭田が自供しました」

小森「自供した!?」

高井戸「はいっ! 奴が裏切ったという組織の名はギルド!!」

小森「ギルド!?」

ギルドのアジト

ベン藤波が蛭田のモニターを見ていた。

藤波「蛭田……貴様ごとき虫けら1匹、簡単に始末できると考えた私の誤算だった! いずれお前の息の根は止めてやる!! その前にまずこいつを始末しなければならん。そいつの名は……ジャンパーソン!! 我がギルドのロボットたちが……密かに、人間社会に侵入し、この国を……世界を乗っ取る日は近い。ジャンパーソンの正体が何であれ、我々の敵であることは間違いない! 消せ……消せ!!」

ジャンパーソンがダークジェイカーに乗り込む。

ダークジェイカーが発進。

ナレーション「ニューヒーローが誕生した。その名はジャンパーソン! だが、それ以外は一切謎に包まれたままである……果たしてその素顔は? その実体は!? 早くも登場した強敵を相手に、どんな活躍を……戦いを繰り広げてくれるのか!? ニューヒーローに、ジャンパーソンに、君たちの熱いコールを……」
 

つづく
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