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電光超人グリッドマンの第1話
 

新世紀ヒーロー誕生!
 

ナレーション「直人、ゆか、一平の3人はこのドラマの始まりとなる手作りパソコン・ジャンクを完成させようとしていた」

一平「37216のフルカラーだぜ!!」

ゆか「やりぃ!」

直人「一平、よく小遣いあったな!」

一平「へっへっへ。パーツ屋のゴミの中にあったんだ」

ゆか「ゴミ!? 大丈夫なの?」

一平「繋いでみりゃわかるさ」

ゆかがチップを接続。

直人「よし。これで完成だ!!」

直人はスイッチを入れる。

ナレーション「3人は、後にこのジャンクにコンピューターワールドを守るヒーローが出現するとは思ってもいなかった……」

画面に「OK」が表示される。

一同「やった―――。動いた!!」

翌日、直人が一平の店の前にやってくる。

かな「直人君、何してるの!?」

直人「し―――っ!」

直人はこっそり地下に向かう。

一平はジャンクで何かを描いていた。

直人「ゆか、どうだ!? 声が出そうかい?」

ゆか「わかんない。ジャンク屋で手に入れてきた中古のパーツだから……ちょっと! 一平ったら、落書きばっかやってないで席開けてよ」

一平「落書きじゃねぇぜ!? 見ろよ、かっこいいだろ?」

直人「何だいこれは!?」

一平「ジャンクの守り神だ!」

ゆか「守り神!?」

一平「名前は電光超人グリッドマン!」

ゆか「電光超人!?」

直人「グリッドマン!?」

一平「ジャンクを守り、コンピューター世界に正義を貫くヒーローなんだ!」

また翌朝・翔家。

直人がおきてくる。

直人「ふあーっ、おはよう」

宗一郎「ああ、おはよう……」

道子「あれ? 直人、大地は!?」

直人「あれ? あいつ、まだ起きてないの!?」

宗一郎「珍しいな。お前の方が早起きするなんて」

道子「直人、そろそろ起こしてきてよ」

直人「俺が!?」

道子「いつも起こしてもらってんでしょ!? 文句言わない。早く」

直人「はーい……」

直人が階段を上る。

直人「おい大地、起きろ! 起きねぇと遅刻するぞ!! どうしたんだお前!?」

大地「お腹が、お腹が……」

大地が腹を押さえていた。

井上病院

ゆかの父・英世が大地を診察。

道子「先生……」

英世「こりゃ急性の虫垂炎だな」

直人「え? 虫垂炎!?」

英世「盲腸のことだ」

直人「盲腸……!?」

宗一郎「じゃあ、手術ですか!?」

英世「うん……切った方がいいでしょう」

大地「やだよ。切らないで!」

英世「大地君、簡単な手術だ。ちょっと寝てる間に終わっちゃうよ……」

良枝「まあ、こんな時間。あなたたち、学校に遅刻しちゃうわよ!?」

直人「いけねぇ!」

ゆか「直人、急がなきゃ!」

直人「大地、学校終わったらまた来てやっからな!」

ゆか「早く直人!」

ゆかと直人は自転車に乗って学校に向かう。

そこで一平と合流。

一平「おはよう!」

3人はようやく学校に到着。

直人「急ぐんだ!!」

ゆかが急いで走ると藤堂武史とぶつかる。

2人で武史の荷物を拾う。

ゆか「ごめんなさい」

武史は何か言いたそうにしている。

ゆか「え?」

武史「あの……」

ゆか「何!?」

直人「ゆか、何やってんだ!? 先生、来ちまうぞ」

ゆか「ええ」

ゆかが教室の方に走る。

武史は床にあげるプレゼントをつぶす。

学校の外

武史「僕なんていなくても……誰も、誰も気にしないんだ……」

藤堂家

武史がパソコンゲームをやっていた。

「怪重ギラルスの拷問屋敷へようこそ」

画面にギラルスが映る。

「さてご主人様、ご用件を何なりと」

武史「今日、どうしてあの女は僕から手紙を受け取らなかったんだ!?」

「あれは悪い女だ。何か拷問を加える必要があります」

武史「その通りだ。井上ゆかのうちは、確か病院だったな……あの女のうちをハッキングしろ!」

「了解いたしました」

小さなメモリがゆかの病院に入る。

「セキュリティガード、ID確認。パスワード、解析」

武史「無駄さ。僕の作ったシステム、どんなセキュリティーでも突破できるんだ……」

セキュリティーが解除される。

「ヒット。パスワード解除!」

武史「さあ、どうしてやろうか……」

空に黒雲が広がる。

井上病院

道子「あなた……」

宗一郎「始まったか!? どうもお世話になります。いや、心配だから会社抜けてきちゃった」

道子「そう」

良枝「ご主人もね!?」

すると病院内の電気が点滅し始める。

英世「どうした!?」

看護師「わかりません。どうしちゃったのかしら!?」

英世「困ったな。これじゃ手術できない……」

藤堂家

武史「へっへっへ……僕の手紙を受け取らなかった罰だ。もう少し困らせてやれ」

すると突然、青いエネルギーが電線を通って武史のコンピューターに侵入する。

武史「うわっ!!」

武史が倒れる。

「ハッハッハ……」

モニターに魔王・カーンデジファーが映る。

カーンデジファー「悪意と象に満ちた貴様の心。それに貴様が作った掌握プログラム、気に入ったぞ」

武史「な、な、何だお前!?」

カーンデジファー「ワシの名は、魔王・カーンデジファー。貴様の志と同じ者だ」

武史「キーも触ってないのにしゃべった……」

カーンデジファー「貴様の作業を続けろ―――コンピューターワールドの破壊、このワシが支援してやる―――」

武史「ああ……」

武史が作業を続ける。

コンピューターワールドが映し出される。

カーンデジファー「こいつがターゲットか―――そうだ、ターゲットを破壊させるために怪獣ギラルスよ、命を与えてやる―――」

カーンデジファーはギラルスを実体化させる。

カーンデジファー「コンピューターワールドを、悪のエネルギーを撒き散らすのだ―――結晶怪獣ギラルス、行け!!」

ギラルスがコンピューターワールドに転送される。

カーンデジファー「破壊しろ。ハッハッハ!!」

ギラルスが暴れ始める。

カーンデジファー「ハッハッハ!!」

武史はそれをじっくり見ていた。

手術室

看護師「先生、停電ではありません。コンピューターが異常なんです!!」

英世「何だって!?」

コンピューターから電磁波が流れる。

手術室内は青い閃光が走る。

宗一郎「先生、何があったんですか!?」

道子「あなた!」

大地の周りは電磁波で覆われていた。

道子「大地!!」

病院の前に直人たち3人がやってくる。

直人「何なんだあの雲!?」

3人は手術室に入る。

英世「ゆか、危ない!」

道子「直ちゃん、大地が……」

直人「大地!! うわっ!」

宗一郎「近寄るな!!」

ゆか「お父さん、どういうことなの!?」

英世「わからんのだ。コンピューターがおかしくなって、こんなことのなったんだ……」

ゆか「コンピューターが!?」

一平「プログラムの異常か!?」

ゆか「ウイルスかも……」

宗一郎「な、何とかならないんですか!?」

直人「よしっ!」

ゆか「直人!?」

一平「おい!」

直人は病院を出てどこかに向かう。

一平「直人! どうするつもりなんだ!?」

直人「ジャンクだ。ゆかの家のコンピューターにアクセスして中を調べるんだ」

3人はジャンクのある地下に向かう。

直人がゆかの病院のコンピューターにアクセス。

その中にギラルスが暴れている姿が映し出される。

一平「怪獣だ!!」

ゆか「どうなってんの!?」

直人「どうして怪獣が現れたんだ!?」

ジャンク「原因は不明。アクセスは正常」

直人「そうか。ゆかの家の医療用のコンピューターでこいつが暴れてるんだ!」

ゆか「そんなバカな……コンピューターの中に怪獣がいるなんて聞いたことないわよ!」

一平「ウイルスかもしれないぞ。ウイルスプログラムが実体化して暴れてるんだ!」

ゆか「まさかそんな……」

直人「一平の言う通りかもしれない。ワクチンプログラムを打ち込んでみよう」

直人がワクチンプログラムを開発。

直人「大地、頑張れよ! 今、なんとかしてやるからな」

プログラムが完成する。

直人「よし。ワクチンを送り込むぞ」

プログラムが転送され、ギラルスに当たるが、聞かなかった。

直人「ああっ!」

ゆか「ダメだわ……」

直人「このままだと、大地はどうなるんだ!? 何とかしないと……」

すると赤い光が回線を通って、ジャンクに入り込む。

直人の体に電磁波が浴びせられる。

直人「うわああっ!!」

ゆか「直人!!」

今度は謎のアイテム・アクセプターが直人の左腕に装着される。

一平「直人、大丈夫か!?」

ゆか「大丈夫!?」

直人「何だこれ!?」

さらに今度は一平の書いたグリッドマンが描かれ、実体化する。

一平「あれ? グリッドマンが……」

グリッドマン「私はハイパーエージェント・グリッドマン」

一平「しゃべったぞ!?」

ゆか「どういうこと!?」

グリッドマン「コンピューターワールドに、魔王・カーンデジファーが逃げ込んだ。君たちの協力を要請する!」

直人「コンピューターワールド!?」

一平「なんのこった!?」

グリッドマン「君たちの声はこちらに聞こえない。キーボードを使うんだ!」

ゆか「わかったわ。カーンデジファーって!?」

ゆかがキーボードを入力。

グリッドマン「説明は後だ。今は暴れている怪獣を止めなくてはならない! 緊急出動だ!! 君の左手首に装着されたアクセプターの青いボタンを押したまえ。我々は合体しなければならない!」

直人「合体!?」

グリッドマン「さあ、ボタンを押すのだ!」

一平「直人、合体って……」

直人「なんだかわかんないけど、それで大地が助かるなら……」

直人がボタンを押す。

直人の体に光が包み込む。

一平「あっ!」

ゆか「直人!!」

直人は違う服装となり、ジャンクの中に入り込もうとする。

一平「おい、どこ行くんだよ!?」

ゆか「直人!」

一平とゆかは直人を止めるが、直人は入っていった。

一平「直人が、ジャンクに食われちまった……」

ゆか「バカ言わないでよ……」

直人がジャンク内に転送され、グリッドマンと合体。

ゆか「直人が……」

一平「グリッドマンのCGと、本当に合体した……」

グリッドマン「戦闘コードを打ち込んでくれ。アクセスコードは、グリッドマン!!」

ゆか「グリッドマン……」

ゆかがアクセスコードを入力。

グリッドマンのパワーのデータが映し出される。

グリッドマンも配線を通って、ゆかの病院のコンピューターワールドに侵入。

ギラルスに体当たり、着陸するが、思ったより小さかった。

一平「でかいぞあいつ! あんなんじゃ勝てねぇぞ!!」

ギラルスの吐息がグリッドマンを吹き飛ばす。

ゆかはキーボード打ち始める。

一平「何してんだ!?」

ゆか「グリッドマンを大きくするのよ!!」

一平「できるのかそんなこと!?」

ゆか「わかんないけどやってみるしかないじゃない!」

藤堂家

武史とカーンデジファーが戦いを見ていた。

カーンデジファー「奴はまさか、ハイパーエージェント!? 小賢しい奴め―――ギラルスよ、踏み潰してしまえ!!」

ギラルスの足がグリッドマンに迫る。

一平「あっ! 踏み潰されちまうぞ!!」

ゆか「出来た!」

アクセプターと同じマークのプログラムが転送され、グリッドマンの体に吸収。

グリッドマンが巨大化する。

パワーも上がる。

ゆか「やった、成功よ!!」

一平「よし! そんな感じで叩きのめしちまえグリッドマン!!」

カーンデジファー「何!?」

グリッドマンはギラルスを持ち上げてそのまま投げる。

するとグリッドマンのエネルギーが少なくなり始める。

一平「あっ! エネルギーが!!」

ゆか「消耗が激しいんだわ……」

ジャンクから火花が散る。

2人「うわああっ!!」

一平「ひでーぜこりゃ……」

ゆか「グリッドマン。早く倒さなきゃジャンクが壊れちゃう!」

ナレーション「グリッドマンのパワーとエネルギーは、手作りパソコン・ジャンクに伝導している。ジャンクがパワーダウンしてしまうと、グリッドマンもコンピューターワールドから消去されてしまうのだ……」

額のランプが点滅する。

回し蹴りや連続蹴りが炸裂。

しかし、体力がわずかなため、力を発揮できない。

それもグリッドマンはギラルスの額の角を折る。

左手の甲からもスパークビームを出す。

グリッドマン「グリッド……ビーム!!」

必殺技・グリッドビームがギラルスを消去。

グリッドマンの胸の光・フィクサービームがコンピューターワールドを元に戻す。

その後、グリッドマンは飛び去る。

病院も無事復旧する。

看護師「先生、コンピューターが元の戻りました!」

英世「よし、すぐ大地君の手術を始めよう!」

グリッドマンがジャンクに帰還。

グリッドマンから直人が分離する。

ゆか「直人!」

一平「おい、大丈夫か!?」

直人「俺は一体!?」

ジャンクから再び火を噴く。

ゆか「ジャンクが!!」

ナレーション「電光超人グリッドマンと、魔法・カーンデジファーとの戦いは始まったばかりだ。これは、明日君たちの周りで起きるかもしれない事件の、始まりなのだ……」
 

つづく
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