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太陽の勇者ファイバードの第1話
 

奇跡の勇者(ミラクルヒーロー)登場!
 

小学校・放課後

天野ケンタ少年が走って降りてくる。

ケンタ「ハルカ! ハルカ……爺ちゃんのあれ、どうなってるんだ!?」」

ハルカ「あれってどれ!?」

ケンタ「あれだよあれ。ア・ン・ド・ロ・イ・ド!」

ハルカ「あれだったら今日中に完成するとか言ってたけど……」

ケンタ「やった―――!!」

ハルカ「何喜んでるのよ。ケンタのおもちゃじゃないのよ!?」

ケンタ「だってさ、あのアンドロイドが完成したらミラクルカッコいいじゃん! すぐ行くって爺ちゃんに言っといて!!」

ケンタはその場を走り出す。

天野研究所

博士「だからして……RXの公式が当てはめて……」

天野博士が食事を取りながら研究をしていると、マイナスエネルギー検知器が反応し始める。

博士「マイナスエネルギー検知器が反応しとる! 悪魔が動き出す絶叫じゃ。ごほっごほっ!」

1匹の猫が魚を加えて行った。

博士「悪魔―――!! こら、ワシのめざし!!」

ハルカ「チャンプ!!」

博士の飼い猿・チャンプがハルカの元に駆け寄る。

ハルカ「ただいま。おじいちゃん、どうしたの!?」

博士「ハルカ……死ぬ!」

研究所内

博士「あちっ! ハルカ、人が死に掛けとるのになぜ熱いお茶を入れるんじゃ!?」

ハルカ「だったらお水にすればよかったのに……」

博士「ダメじゃ、生水は腹によくない。さっきの天候のためにカルシウムを摂取しようと……それにしても、あの悪魔猫め!!」

食器洗い機から皿や食器が飛び出し、割れる。

ハルカ「きゃあああ!!」

ハルカがスイッチを止める。

ハルカ「おじいちゃん、どういう修理の仕方したの!?」

博士「いや……ちょっと強力すぎたかな。あははは……」

ハルカ「どうすんのよ、この始末!?」

博士「すいません……」

健太が研究所に入ってくる。

ケンタ「爺ちゃん、アンドロイドは!?」

博士「ああ、そうじゃった。ワシには重要な研究が残っとるんじゃった!」

ケンタ「どうしたんだ、これ!?」

博士「ああ、構わん構わん。ワシには世界平和のための研究があるんじゃ! ケンタ、行くよ。ハハハ……」

ハルカ「またそうやってごまかす……」

博士「ハルカ、今日はワシの研究が完成する日じゃ。晩飯はお赤飯じゃぞ」

ケンタ「お赤飯!?」

博士「そうとも!」

ケンタ「フフフ……」

博士は本棚にある隠し扉を開け、地下に潜る。

博士「ケンタ、いいか!? 今、世の中にはマイナスエネルギーが満ち満ちておる。あのまま追うっておくと世界は暗黒の世になってしまう……じゃからこそ」

ケンタ「世界平和のために、研究に励んでおるのじゃ!」

博士「その通り! よく知っとるなぁ……」

ケンタ「まあ、毎日聞いてるからね」

博士は席に着き、レバーを引いて研究所のコンピューターを起動させる。

博士「特に、あのドクタージャンゴがこの世に存在する以上、放っては置けんのじゃ! あいつは科学者の皮を被った極悪人じゃ!!」

ケンタ「だけどあんまり有名じゃないね……」

博士「みんな、気づいとらんのじゃ。奴は邪悪な研究に地球を滅ぼそうと考えておる! そのために、地下へ潜伏してじゃな……」

ケンタ「どうでもいいけど、ここのこといつまで秘密にしとくの!? 僕、友達連れて来てびっくりさせてやりたいんだけどなぁ……ミラクルかっこいいじゃん!」

地下には5機のマシンが置かれている。

博士「それだけはいかん! ここをみんなに知られたらえらいことになる。そう、税務署に知られたら知られたらつまら……」」

博士が口を押さえ込む。

ケンタ「税務署!?」

博士「あ、いや……みんなに知られたらだな、マスコミは来るわ、野次馬は来るわ、観光客は来るわ、ワシは研究する暇もなくなるに決まっておる。とにかく、このことは秘密にしといたほうが世のためになるんじゃ……」

ケンタは1機のジェット機を眺める。

2人はアンドロイドの部屋に入ってくる。

ケンタ「ヒャッホー! 早く見たいな!! 子のアンドロイドが人間みたいに動くところを……」

博士「ワシの発明に不可能はない。火鳥勇太郎が完成の暁には……」

ケンタ「火鳥勇太郎!?」

博士「このアンドロイドの名前じゃ!! アンドロイドとは人間型ロボットのことじゃ。人間そっくりなんじゃから、人間の名前があったほうがいいじゃろ!?」

ケンタ「火鳥勇太郎ねぇ……」

博士「この火鳥勇太郎はワシが作った数々のレスキューメカを操って、世界中の災害や事故における危機を救うことになるのじゃ」

研究の向こうは雲行きが怪しくなる。

コンピューターには男性の顔写真が移っていた。

ケンタ「誰それ!?」

ハルカ「ロボットの理想的な姿よ。憧れの君って感じでしょう!?」

博士「ロボットではない! 火鳥勇太郎じゃ!! よし、最後のデータをインプットして……」

博士の手が止まる。

ケンタ「出来た!?」

博士「ハルカ、お赤飯の用意は出来たんじゃろうな!?」

ハルカはなんと消火器を抱えていた。

ハルカ「お赤飯よりはこっちが大事よ!?」

博士「信用しとらんな!?」

ハルカ「バレてると思ったの!?」

博士「いよいよこの火鳥勇太郎に命が吹き込まれるのじゃ!! 行くぞ……」

博士がレバーを引く。

宇宙では謎の球体が地球に飛来する。

火鳥のボディが光りだす。

ケンタ「ああーっ……」

博士「さあ、目覚めよ火鳥勇太郎!!」

球体が海に落下。

検知器が物凄い反応を示す。

非常事態のサイレンが鳴り響く。

ハルカ「やっぱり!!」

博士「待て!! まだ正常じゃ」

球体はドクタージャンゴの研究所に落下。

ジャンゴ「ん? おお―――っ!!」

2体のアンドロイド・シュラとゾルに光が宿る。

ジャンゴ「おお―――っ……」

そして目が記される。

ジャンゴ「き、兆しじゃ。暗黒世界招来の兆しじゃ!!」

天野研究所では、検知器が爆発し、燃え上がる。

ケンタ「爺ちゃん、やばいよ! もうやめたほうがいいよ……」

天井からスプリンクラーが振り落ちる。

ハルカ「きゃあああ!!」

博士「ありゃあ……大事な設計が水浸しになってしまう!」

博士はスプリンクラーを止める。

ハルカもアンドロイドに消火器をかける。

博士「ああ―――っ……」

ハルカ「ほんとにもう!」

ケンタ「爺ちゃん、大丈夫だよ。爺ちゃんならきっと動かせるよ……だからそんなに気を落とさないで」

博士「ワシの研究に間違いはない! 火鳥勇太郎は必ず動き出す!!」

ケンタ「そうだよ。爺ちゃんがやれば必ず動く!!」

博士「宇宙のかなたから正義のエネルギー生命体がやってきて、火鳥勇太郎の乗り移ってくれるんじゃ!!」

ケンタ「え?」

ハルカ「宇宙から!?」

ケンタ「エネルギー生命体!?」

博士「心配するなケンタ、必ずそうなる。その前にお赤飯を食べよう」

ハルカ「ったく……」

すると今度は警報音が鳴り響く。

ハルカ「あれ? 火事!?」

博士「ん? 火事は消したはずじゃが……」

1階が炎上していた。

ケンタたちが戻ってくる。

ケンタ「やっぱり火事だよ!!」

博士「しもうた! 自動消火装置の元栓を締めっぱなしにしてきた!」

救急車、パトカー、消防車が研究所に向かっていた。

ようやく火事は消える。

博士「ようし、もう大丈夫じゃ! 出火元はこいつか……」

博士が検知器に触れる。

博士「わちち!! ということは……いかん!! 猛烈なマイナスエネルギーを検知したのじゃ! ついに悪魔が復活したか……」

サイレンオンが鳴り響く。

博士「ケンタ、秘密のエレベーターを閉めるんじゃ」

ケンタ「うん!!」

ケンタはスイッチを入れようとするが、びくともしない。

ケンタ「あれ? う―――ん……」

ハルカ「どうしたの!?」

ケンタ「閉まんないんだ……」

パトカーなどが研究所に到着。

消防隊員が駆けつける。

博士「やあ、ご苦労さん!」

消防隊員「火事はどこです!?」

博士「火事? 火事なんか起きたかのぉ……!?」

隊員たち「え?」

佐津田「天野博士、またおとぼけですか!?」

博士「ん? またやな奴……」

佐津田「ん? 何か言いましたか!?」

博士「ああいや、別に……」

遠くで落雷が堕ちる。

研究所内ではケンタとハルカが懸命に本を戻す。

ハルカ「ケンタ、中のボタンを押してみて!」

ケンタ「うん!」

ケンタが中のボタンを押すと閉まる。

ハルカ「何だ、簡単じゃない」

しかし、ケンタは下にそのまま降りていく。

ケンタ「ちょっと! 俺、どうすりゃいいんだよ!?」

研究所の外では博士が佐津田を中に入れないようにしている。

博士「いかん! うちの中を調べるのは許さん!!」

佐津田「出火元を調べるのを邪魔するきか!!」

博士「出火はしとらん!!」

ハルカ「礼状は? 礼状がなきゃ不法侵入よ!?」

佐津田「お嬢ちゃん、警察をなめたらアカンよ。近所からも苦情が来とるんだよ、ここで妙な発明をしとるとな……」

ハルカ「フン!」

佐津田の手を払いのけるハルカ。

佐津田「とにかく、調べさせてもらうぞ!」

研究所内

佐津田「やっぱり焼けとるじゃないか!」

博士「いいや、消えとるんじゃ」

佐津田「しかし、高価なものが揃ってますなぁ。随分金かかったでしょう!?」

博士「そ、それはじゃな……」

佐津田「聞くところによると、博士は無就労だそうで」

すると今度は空から5つの光が舞い降り、その3つが救急車、パトカー、消防車に落ちる。

佐津田「な、何だ!?」

佐津田は検知器に触れてしまう。

佐津田「あちちち!!」

残り2つの球体が研究所に堕ちる。

5機のマシンに球体が注がれる。

ケンタ「雷だ!!」

すると火鳥のアンドロイドからスパークが走る。

やがてスパークが収まると、火鳥の目が泳ぐ。

火鳥を巻いたロープが切れる。

火鳥はモニターを見つめた後、どこかに向かう。

ケンタ「ど、どうなっちゃったの!?」

火鳥「ど、どうなっちゃったの!?」

火鳥がケンタと同じことを言う。

ケンタ「しゃ、しゃべった……」

火鳥「しゃ、しゃべった……」

火鳥が笑みを浮かべる。

ケンタ「え?」

火鳥はクリームを取り出し、体に塗り始める。

すると体が変化し始める。

ケンタ「うわあああ……」

外では佐津田が救急隊員に連れて行かれる。

佐津田「放せ!! 俺は悪いけど、まだあの爺さんに聞きたいことがあるんだ!!」

医者「いいえ、病院に行かなきゃダメです!」

佐津田「あの爺さんは3年前の、30億円強奪の容疑……」

扉が閉まり、救急車が発車される。

ハルカ「さようなら―――!!」

博士「もう来なくていいぞ―――……」

その後博士とハルカは研究所に走り出す。

ハルカ「ケンタ!? ケンタ?」

扉からケンタが飛び出す。

ケンタ「ジャンジャジャ―――ン!!」

博士「どうしたんじゃ!?」

ケンタ「爺ちゃん、ついにやったよ!」

ハルカ「やったって、火事でおしっこでも漏らしたの!?」

ケンタ「ちがわい! 火鳥勇太郎が、完成したんだ!!」

ハルカ「きゃあああ!!」

博士「ま、まさか……」

ケンタ「さっきの雷で、動き出したんだ。どれも、ハルカが描いた絵の通りになってさ……」

博士「まさか、フランケンシュタインじゃないだろうな!?」

ケンタ「え?」

博士「あ、いや……オホン! ワシは、お前を作った天野博士じゃ。よろしくな……」

博士が手を伸ばす。

ケンタ「自己紹介だよ。さっき教えたろう!?」

火鳥「ワシは、お前に作られた火鳥勇太郎じゃ。よろしくな!」

ケンタ「まだ言葉をちゃんと知らないんだ。それから、俺のいとこのハルカ。ちっこいのはチャンプ」

ハルカ「よ、よろしく……」

火鳥「よ、よろしく……」

チャンプは火鳥に尻尾を巻く。

チャンプ「キキ……」

火鳥「キキ……」

ハルカ「ケンタ! 服持ってきてあげなさいよ!!」

ケンタ「あ、いけね!」

ケンタは服を取りに走る。

すると今度は警報音が鳴り響く。

モニターには「PHOENIX」と表示されていた。

博士「これは……」

どこかの砂漠

作業員「何だこれ?」「わかんねぇ……」

運転手「どうした!?」

作業員「急にこっつらもんが出来ちまっただよ!」

砂漠には大きなあり地獄が掘られていた。

すると穴からシュラとゾルが現れ、作業員1人を殴り飛ばす。

運転手「お前たち……あっ!」

ゾルは銃を奪い、粉々に砕いてしまう。

作業員たちが逃げる。

シュラは額から光線を放射。

するとそこからサンドトレマーが出現する。

研究所

火鳥が服を着ていた。

ハルカ「砂漠にあり地獄って、どういうこと!?」

博士「おお! 今度は怪物が出たらしい!」

ケンタ「怪物!?」

博士「やはりあの火事は、悪魔の出現を予言しておったのじゃ。火鳥勇太郎、早速仕事じゃ!!」

ケンタ「こっちだよ。このシートに座って!」

火鳥の座ったシートが下に降り、もう1つが上ってくる。

ケンタ「へへへ、このチャンスを待っていたんだ!」

博士「ヘルメットを持っていけ!」

火鳥がヘルメットを取るとシートが移動する。

ハルカ「あれ? ケンタは!?」

ケンタもヘルメットを取る。

そして2つのシートはファイヤージェットに移動、固定される。

火鳥がファイヤージェットを起動させる。

モニターに博士が写る。

博士「そうじゃ、レスキュー装備を忘れ取るぞ! 何じゃ、そのゆとりは!?」

前にケンタのシートが固定される。

ハルカ「ケンタ! そこで何してるの!? ケンタは降りてらっしゃい!」

ケンタ「やだよぉ―――!」

博士「とにかく情報はこちらから送る。冷静に行動するんじゃぞ!」

ケンタ「了解!」

博士「お前には言っとらん、火鳥に言っとるんじゃ!」

火鳥「冷静に行動。了解!」

ファイヤージェットが発進をスタンバイする。

ハルカ「おじいちゃん!!」

博士「ワシは今忙しいんじゃ!!」

岩が開き、滑走路が完成する。

博士「いよいよじゃ……火鳥勇太郎の初出動じゃ!!」

ファイヤージェットが発進される。

砂漠では、サンドトレマーが暴れる。

そこへファイヤージェットが到着。

ケンタ「うわぁ、ひでぇ……」

博士「消化だ。石油タンクに燃え移ったらえらいことにある! 消化弾を発射するんじゃ!!」

ファイヤージェットから消化弾が発射され、火が消える。

作業員「助けが来てくれた!」

ファイヤージェットが着陸。

火鳥とケンタが降りる。

ケンタ「何なんだあいつ!?」

火鳥「ドライアス……」

すると突然、ファイヤージェットが飛び出す。

火鳥「ファイヤージェ―――ット!!」

ファイヤージェットが巨大ロボに変形。

火鳥「はあああ!!」

火鳥がアンドロイドとしての姿となり、ロボの胸の合体。

ファイバードとなる。

ファイバード「チェーンジ! ファイバード!!」

ケンタ「ああっ、あああ……」

ファイバード「貴様、ドライアスの手先だな!?」

研究所でハルカと博士がモニターで見ていた。

ハルカ「ドライアスの手先って、何!?」

博士「何がどうなっているのかさっぱりわからん! あの手は誰の手じゃ!?」

ファイバード「このファイバードがいる限り、宇宙の平和を乱させはしない!!」

ケンタ「そうか。本当に宇宙のエネルギー生命体が乗り移ったんだ!!」

ファイバードにサンドトレマーの火炎攻撃が浴びせられる。

ファイバード「フレイムブレスター!!」

空からフレイムブレスターが飛来。

ファイバードの胸に合体。

フェイスマスクが装備される。

ファイバード「フォームアップ!」

最後に肩が広がり、ランチャー砲が後ろに折りたたまれ、胸に鳥のマークが記される。

ファイバード「武装合体! ファイバード!!」「フレイムソード!!」

サンドトレマーが火炎攻撃を仕掛ける。

ファイバード「フレイムバリアー!!」

フレイムバリアーが火炎攻撃を交わす。

サンドトレマーの体当たりが炸裂。

フレイムソードがサンドトレマーの尻尾を斬る。

サンドトレマーの連続攻撃を交わし、腕を切るファイバード。

ファイバード「フレイムソード! チャージアップ!!」

フレイムソードが燃え上がり、サンドトレマーを切り裂く。

ファイバード「でやあああ!!」

サンドトレマーが大爆発する。

ファイバードはフレイムソードをしまう。

ケンタ「やった! すごいやすごいや!!」

ガスタンクにファイバードの姿が映る。

天野研究所

博士「な、何じゃ!? ロボットじゃと? わしはこんな設計はしとらんぞ!」

ハルカ「もしかして、本当に宇宙人が乗り移ったんじゃないの!?」

博士「ん? これは、冗談のつもりじゃったんじゃが……」

ハルカ「え?」

その夜、火鳥とケンタはファイヤージェットで帰還する。

ケンタ「ほんとに宇宙から来たなんてすげぇ! ミラクルかっこいいじゃん!!」

火鳥「喜んではいられない」

ケンタ「え?」

火鳥「ドライアスの宇宙侵略は、始まったばかりだ!」
 

(続く)
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