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第1話 ぷりん村にひかるがやってきた!

『ぷりん村ー、ぷりん村へようこそー。』

ぷりん村の駅に汽車が到着した。 その汽車から一人の少女が降りて来た。 その少女の名前は『ひかる』で、
このストーリーの主人公である。

ひかる「わああいv ひかるがやってきたよ!!」
元気一杯の彼女は両腕を広げながら、明るくそう言った。

???「こんにちは、ひかるさん。」
ひかる「!?」
突然何者かが後ろから声をかけ、ひかるはそれに対して驚いた。 一瞬に振り向くと、
そこには紺色のエプロンを腰に巻いたたぬきがいた。 そのたぬきの名前は『たぬきち』で、この村にあるお店の店長である。
たぬきち「ぼくはこの村で商店をやってるたぬきちだも。 ひかるさんのお家の用意しといただも。」
彼がそう言った後、ひかるを彼女の家まで案内した。

ひかる「あたしの家ーv」
彼女の家に辿り着いたひかるは喜び出した。
たぬきち「気に入ってもらえてよかっただも。 それじゃお代19800ベルいただくだも。」
彼が笑顔でひかるにそう言った。

ひかる(なぬ? 19800ベル!!)
余りにも高額な値段に対し、ひかるはショックを受けた。 早速彼女はベル袋の中身を調べると、1000ベルしか残っていなかった。
しかも中には何枚かのどこかの店からのレシートと、特に意味が分からない蛇の抜け殻も入っていた。 彼女は残念そうな表情をしながら、
ベル袋をたぬきちに渡した。
ひかる「たぬきちさま、どうぞこれを。」
たぬきち「まいどありーーーーって全然足りないだも!!」
それを受け取ろうとしたたぬきちは驚いた。

たぬきち「しかたないだも…なんかへんなものもはいってるし…足りない分はうちでバイトして払ってもらうだも。
      あとでうちのお店へ来るんだもー。」
ひかる「ちゃんとうかがわせていただきます。」
彼女はたぬきちにぺこりとお辞儀しながら、歩き去るたぬきちを見送った。
ひかる(そうだよねえ、タダでお家をもらえるわけないもんね。 でも…。)
彼女は心の中からそう思いながら、自分の家の方へ振り向いた。

ひかる(あたしの家v うれしいv どんな部屋にしようかなv やっぱりかわいくかなv)
彼女は自分の部屋を想像してみた。 想像の中には可愛い花柄のベッドと熊のぬいぐるみ、しろいおはなテーブルと、
余りにも例外にし過ぎるこっかくひょうほんがあった。
ひかる「うんv かわいいのがいいよね! ねv ハニワくん。」
彼女はそう言いながら、家の隣にあるハニワくんに抱きついた。

???「あっ。」
ひかる「…あ。」
我に戻ったひかるは、それを目撃した住民を目撃した。 その住民は黒い羊の女の子で、名前は『モヘア』である。
ひかるは多少赤くなりながら、モヘアに自己紹介した。
ひかる「は…はじめまして。 今日引越してきたひかるです。」
モヘア「はじめまして、モヘアといいますメェ。」
彼女も笑顔でひかるに自己紹介した。
モヘア「ひかるさんはハニワがお好きなんですメェー?」
ひかる「べつに好きというわけでは…。」
彼女は更に恥ずかしそうに赤くなった。
モヘア「いっしょにハニワ堀りに行きませんかメェ?」
ひかる「行きますv」
モヘア「メエェーーー。」

村のとある場所にて、スコップを持ったままのモヘアはひかるをそこへ案内した。
モヘア「今日はこんなにいいお天気ですが、昨日は雨だったんですメェー。 雨あがりにはハニワがよく出現します。
     たとえばここ。」
彼女はスコップを地面に差し込むと、地中からハニワを掘り出した。 それに対してひかるは驚いた。
ひかる「おおーっ! おもしろーいっ! あたしにもやらせてっv あっちの方見てくるね。」
モヘア「あまり遠くへ行かないようにメェー。」
彼女はひかるに注意した後、ひかるはスコップを持ちながらどこかへ行った。

しばらく経ち、ひかるは大量のハニワを掘り出した。 しかしその大量のハニワの隣には、全く関係ない長靴があった。
ひかる「ハニワ堀りたのしーっ! 何だか珍しいハニワも出たし。 それ長ぐつやないか! ーーーってひとりボケつっこみ!!
     あはははは!」
彼女はそうやって一人で楽しんでいたが…。

ひかる「あははは………あ。」
彼女が笑いを止めると、気が付けば彼女は見知らぬ場所に佇んでいた。
ひかる「………」
周りには誰もいない…先ほどいたモヘアもいない…彼女はそれに気付くと、早速ショックを受けた。
ひかる(どーしようーーーっ、どっちから来たのかわからなくなっちゃったよ〜〜〜!)

ひかる「うああああんっ、モヘアさんどこーーーっ!?」
彼女はそう叫ぶと、当然でありながら返事はなかった。 ただ聞こえるのは、彼女のこだまだけ。

しかし、突然背後にある草むらから何かが動いた音がした。
ひかる「ひっ!」
その草むらから、顔の悪い、黒い熊が現れた。
???「おまえ何だクマ?」
ひかる「ぎゃーーーっ、クマ!! ぎゃーーーっ、たべないでーっ、いやあああっ!」
彼女は恐怖に怯えながら、手に持っていたスコップを振り回した。
???「うおっ、あぶね!」
その熊は危なそうに避け回った。

???「おとなしくしねえとくうぞコラ。」
ブチギレた熊が脅すと、ひかるは一瞬に気を失った。
???「気絶してしまっただクマ。」
その後、草むらからモヘアが現れた。
モヘア「あら、ムーさん。」
ムー「よお、モヘア。」
どうやらこの熊の名前は『ムー』で、この村の住民だったようだ。

ムー「森の中で迷ってたみたいだクマ。」
気絶したままのひかるを背負いながら彼はそう言った。
モヘア「今日引越してきたばかりですからメェ。」

…そしてここはとある家。 ひかるはその家にあるベッドに寝ていた。 そんな彼女は目を覚まし、起き上がった。
ひかる「あれ? ベッド?」
モヘア「ここは私の家ですメェー。」
その後ひかるは横へ振り向くと、そこにはあの悪い顔のムーがいた。
ひかる「ぎゃあ、クマ!!」
ムー「オレはムーだクマ、おぼえとこえってんだ。」
モヘア「ムーさんはひかるさんをここまで運んで下さったんですよメェー。 ひかるさんを運ぶ途中村のみんなにも出会ったので、
     みんなひかるさんの事を心配してるメェ。」
彼女がそう言うと、ひかるは窓の外を眺めた。 外には色んな住民達が、心配そうにひかるの様子を伺いながら覗き込んでいた。
それに対して、ひかるは感動していた。

ひかる「…みんなありがとう。 そしてこれからもよろしくねっ!」

『これからこの村で楽しくやっていけそうだよ!!』

…その夜、たぬきちはなぜか暗くなっていた。
たぬきち「…ひかるさん来なかっただも。」

10/21(晴) ぷりん村のみんなはイイひとばかりです でもたぬきちさん忘れててゴメンね

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