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PART 1 村の生活編
どうぶつの森 ホヒンダ村だより 生活 1/おひっこし

ホヒンダ村の駅に汽車が到着した。 その汽車から一人の少女が降りて来た。 その少女の名前は『さよりん』で、
このストーリーの主人公である。

さよりん「ホヒンダ村にひっこしてきたさよりんでーす。 これからメルヘンなせ威喝を楽しんじゃうのv」

その後、さよりんはホヒンダ村で商店をしている『たぬちき』と出会い、彼によりさよりんの家に案内してくれた。
さよりん「すてきなおうちをありがとう、たぬきちさん。」
たぬきち「いいのいいの。 じゃ、代金19800ベルだなも。」
さよりん「えー、そんなのメルヘンじゃなーい。 さよりんがっかりー。」
彼女は困りながらそう言った。
たぬきち「お金ないだなも? じゃあ、バイトしてほしいだなも。」
さよりん「全然メルヘンじゃなーいっ。」
そう言いながら彼女は駄々をこねた。
たぬきち「まあまあ、メルヘンもどりょくなのね。 さいきんのわかいこはまったく…」

たぬきち「がんばればそのうちもうかって、メルヘンな家具にかこまれてすごせるだなも!」
彼が元気付けにそう言うと、さよりんは色んな家具を想像してみた。 シックなベッド、ラブリーチェア、カントリーなたな、
めざましどけい、リゾートなランプ…どれもメルヘンちっくな家具ばかりであった。 ただし、なぜかメルヘンとは全く例外である
やじるしボードまで混ざっていた。
さよりん「よおしっ、メルヘンな家具めざしてがんばる!」
そう言った彼女は、早速たぬきちから貰ったさぎょうぎに着替えて、バイトし始めた。

それから彼女は大きなプレゼントを抱えながら、とある家に運んだ。 その家の前には一人の茶色いリスの女の子が立っていた。
その子はこの村の住民で、名前は『レベッカ』である。
さよりん「おとどけものでーす。」
レベッカ「アラ、ごくろうさま。」
彼女はさよりんからプレゼントを受け取ると、早速それを開けてみた。 そのプレゼントの中にはシックなとけいが入ってあった。
レベッカ「まってたのよ、シックな時計。」
さよりん「キャーーー、いいないいなメルヘン!」
レベッカ「あんた、まだ家具がないでしょ。 おれいにうちの家具ひとつあげるわ。」
さよりん「いいの!? わーい。」
彼女は喜んでいる間、レベッカは一度家の中に戻り、とある家具を取り出した。

レベッカ「はい、消火器っ。」
彼女が家の中から取り出した家具は、なんと消火器であった。 驚いたさよりんは、残念そうにそれを受け取った。
レベッカ「一家にひとつあるとべんりよー。」
さよりん「ど、ども。」
彼女は手に消火器を持ったまま、その場から離れる。 その後、一瞬に凹んだ。 だが彼女は気を取り直し、燃え上がった。
さよりん「いつかメルヘンな家具をそろって、ごきんじょをみかえしてやるっ!」
たぬきち「その考えがすでにメルヘンじゃないだなも…。」
なぜかその隙にいたたぬきちは彼女に突っ込んだ。

それからの彼女は毎日バイトし続けていた。 ある日は重そうな家具を運ぶ時もあり、交番にいたおまわりさんAはそんな彼女に敬礼した。
ある日は誰かの家の屋根の色を変えたり、ある日は草むしりもした。
さよりん「やっとたまった。 ハァ…ハァ…」
その時のさよりんは家で稼いだベルをぶたのちょきんばこにいれた。 けど彼女の状態はかなり疲れ気味。 目も回していて、息も切れ掛かっていた。

しかしある日、彼女は風邪を引いていた。 咳をしたり、ティッシュで鼻をかんだり、もはや仕事をする状態ではなかった。
さよりん「ムリがたたってカゼひきました…休ませて。」
たぬきち「えーっ、困るだなも! 健康管理も仕事のうちなのね。 バイト料差し引くだなも。」
結果は最悪にも容赦なし。 そんなさよりんはショックを受けた。

その日の夕方、仕事がようやく終え、さよりんは咳したり、鼻水たらしながら、家にとぼとぼと帰って行った。
家に戻った彼女は、早速ベッドの中に寝込んだ。 しかし部屋の中は殆ど何もない。 あるのは彼女が今上に寝ているベッドと、
レベッカから貰った消火器だけ。 彼女は寂しそうにも咳しながら寝ていた。
さよりん(ぐすん。 家具もそろわないし…、メルヘンな生活なんてムリだわ。 もう帰りたいよ。)
そう思いながら彼女は少し泣いていた。

しかしその時、さよりんは何かを耳にし、起き上がった。
さよりん(あれ?)
どこかからは知らないが、彼女が聞こえるのはギターの音。 しかもそれも綺麗な音であった。
さよりん(ギターの音だ…。 だれがひいてるのかしら。)

その間にさよりんは他にも何か聞こえた。 それはギターの音と供に流れる川の音であった。
さよりん(あ、いっしょに川のせせらぎもきこえるわ。)
彼女は目を閉じながら、気持ちよさそうにそう思った。

次に彼女は窓から映る、綺麗な月の光を見た。
さよりん(月の光もきれい。)

どこかから聞こえて来るギターの音と川のせせらぎ、そして窓から月の光…さよりんは心が癒されたかのように、感動していた。
さよりん(家具がなくても、ここってこんなにメルヘンだったのね…。)


〜次の日〜


レベッカ「さよりんちゃん、大丈夫!? カゼだって?」
ジョン「おなかこわしてねーか?」
驚く事にも、レベッカの他にも、黒と茶色の混ざった犬の『ジョン』、メガネをかけたライオンの『ティーチャー』、おかっぱな豚の『トンコ』、
渦巻状のほっぺをした鳥の『うずまき』、そして可愛い顔をした赤いネズミの『ゼリー』がお見舞いしに駆け付けた。
しかも予想以上にも全員さよりんの事を心配していた。 その瞬間を見た、ベッドに入ったままのさよりんは感激していた。
さよりん「みんな…。」
そんな彼女の隣にはたぬきちが立っていた。
たぬきち「うん、昨日より顔色よくなってるね。 さよりんさんのために、特別にかぜぐすり仕入れただなも。」
彼がそう言いながら、かぜぐすりをさよりんに渡した。 それに対してさよりんは更に感動していた。
さよりん「たぬきちさんーーーv」

たぬきち「配達料こみで2000ベルだなも。」
さよりん「ちぇーーーっ、やっぱ金か、しかもたけーーーっ。」

それからの彼女は、元気よく、そして笑顔で仕事をやり続けた。 そんな元気な彼女を見る住民達も、同じく笑顔で見守り続けた。


さよりん「店長、バイト料上げてくれないとストしますからねっ。」
たぬきち「あららら、すっかりたくましくなっちゃったんだもー。」

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