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でじこが来たにょ




ある日…
ねこ型UFOが、ぽよぽよっと飛んできて、
日本(だと思う)に、ぼこん!とめりこんだ。
「にょ〜!あきはばらに着いたにょ!」
乗っていたのは、デ・ジ・キャラット星のプリンセス、
その名も、デ・ジ・キャラット!(通称でじこ)。
ねこ耳ぼうしにでっかい鈴の髪飾り、
ブルーと白のエプロンドレス、
胸にはヒミツの鈴をぶらさげて、
白いしっぽにブルーのリボン、う〜ん、キュートっ♪
ちなみに10歳。
なぜか、大女優をめざしてこの星にやってきた…?
「にょにょにょ、さ〜て、大女優になるためには、
何からしようかにょ…
聞こえるにょ、聞こえるにょ♪
アタシの名を呼ぶファンの声が!
『でじこさま〜!』 すばらしいにょ!」
「それどころじゃないゲマ」
夢いっぱいのでじこにぼよん!と体当たりしてきたゲマ。
でじこといっしょにやってきた、黄色くて丸いヤツ。
…としか言いようがない。
体はぼよぼよしていても、でじこのお目付け役らしい。
「まずは住むところを探さないといけないゲマ」

〜ようこそ あきはばらへ〜

取ってつけたような看板の前で、
ゲマはかなり現実的。
(流れる石と書いて→さすが)流石!お目付け役。
「にょ、めんどくさいにょ〜
宇宙船に住めばいいにょ」
「だめゲマ!目立つゲマ!これはかたづけるゲマ!」
「にょ、ぶぶ〜」
嫌がっていたわりには、胸の鈴の中へ、
掃除機で吸い込むみたいに素直におかたづけするでじこ。
あんなでっかい宇宙船も入っちゃうのさっ♪
「高貴なアタシにふさわしい、
バッチグ〜な部屋をみつけるにょ!」
「にゅ」
と、言ったのはプ・チ・キャラット(通称ぷちこ)。
でじこが白ねこちゃんなら、こっちはトラねこちゃん。
髪を、かわいい鈴でふたつに束ねてる。
でじこの妹分で、やっぱ一緒に来ちゃった
…何とも無気力そうな5歳。
でも、やるときゃかなりやるらしい…ってうわさ。
「こんなの拾った!」
タイミングよく、でじこが拾ったのは
『あきはばら お部屋探さがしBook』!!
しかも
〈100LDK〜お城 リッチなあなたへ〉
大特集号ときてる!

・・・・・・・・どんより・・・・・・・

「なんでこんなにお金がかかるのかにょ…」
「地球に来て、いきなり路頭に迷ってるゲマ」
「どうすればいいにょ〜」
道に座り込む3人。
ここで説明しなければならない事がある。
道行く人々は、みんな『指』みたいな…
つまり、ムーミ○に出てくる○ョロ○ョロみたいに、
にょろにょろ歩いている。
いや、『顔出し全身すっぽりタイツ』というべきかっ!
…と、力を込めてもしかたがないので次へ進む。
そんな、どん底の3人の前に現れた、
一人のやさしそ〜な、メガネの男。
「あれ?君たち、どうかしたんですか?」
「あ…、助けてにょ」
「だめゲマ」
でじこたちが、すがりついて思いっきり頼ると、
その人ったら、体を真後ろに折って(ブリッジのすごいやつ)、
全身で受け止めてくれてる…!
やさしいだけじゃなく、
体がとてつもなくやわらかいことが発覚。
で、その人はなんと!店長だったっ!!
(なんという店の店長かは、まだ不明…)
店長さんのお店でコッペパンをごちそうになりながら、
身の上話をするでじこたち。
「そうか…、それは大変でしたね。」
店長さんは、気の毒そ〜に、
でじこたちの話を聞いてくれた。
その時!!
店長さんの頭の上に、でっかい電球が点燈!!
まさに『名案がヒラメイタ!』の図。
「そうだ!うちの店の上に、使ってない部屋があるから、
そこに住んだらどうでしょう?!」
まさに、電球のデカさ通りの、
ステキな提案をしてくれる店長さん。
しかし…、
「でも、アタシたちお金持ってないにょ」
でじこは正直なよいこだった。
「アッハッハ…大丈夫ですよ!
お金を取れるほど、立派な部屋じゃありませんから。」
いい人だ…、やっぱ店長さんはいい人だ〜!
…ここで、気になる事がひとつ。
今のセリフを言いながら、店長さんは、
『気にしない、気にしない』みたいな…
『あ〜ら、奥さん、久しぶりっ!』みたいな…
とにかく、そういうカンジで手を動かしたのだが、
この手は、今までどこに隠されていたのだろう…??
ま、それは置いといて、
「いいのかにょ?」
「かまいません(にっこり)」
「ラッキ〜だにょ!やったにょ!!」
でじこ、大喜び〜!!
「でも…、いくらなんでもタダってわけにはいかないゲマ」
…ゲマは、でじこに輪をかけてよいこ(?)だった。
「う〜ん、そうですね…。
そう言われるとタダというわけにはいきませんかね…」
店長さんは、再びブリッジのすごいやつポーズで、
悩み始めてしまった。
「う〜ん…」
ビックリでじこは、ゲマをびよ〜んとわきの下にはさみ込み、
ボッコボコにぶったたいたっ!
「ほら、余計なこと言うから、店長さん考え込んじゃったにょ!
どうすんだにょ!
な〜んてやってたら、ぷちこがいなくなってるにょ!」
ぷちこはこの時、
にょろにょろしながら立ってる人々のそばへ行って、
モノ珍しそ〜に観察中だった。
かわいらしいぷちこを目の前にして
なにやら、いつにも増してヘンな動きの人々…。
ぼっこ〜ん!
吹っ飛んできて、ぷちこの頭に愛のムチをくらわすでじこ。
「ぷちこ!勝手にうろうろしちゃいけないにょ!」
そしてすぐ、ぷちこの頭をなでなでしながら…
どんよりと、だんだん紫色に変化してゆく2人。
…怖い…!
「アタシたち…、やっぱり路頭に迷ってしまうにょ…
いいこちゃんぶった、まんまるっちいのが
余計なこと言いやがったために、
イタイケな少女は…都会の寒空の下を…
ノタウチまわるにょ…」
ぷちこも一言。
「すてきなサムスィングにゅ…」
あっ!店中から、
『ひどいよねー』コールが巻き起こったあ!
人々が、にょろにょろしながら、
でじこたちのために泣いている!
もしかするとこの人たちも、
とてもいい人なのかっ?!
「さぁてと…おいとまするとしますかにょ…
コッペパンごちそうさまでしたにょ…」
「…すてきなサムスィングにゅ…」
肩を落として去って行こうとするでじことぷちこ。
「待ってください!」
「にょ??!!」
もちろん、いい人店長さんが、
そんな2人をほうっておけるはずがない。
「キミたち、家の店のお手伝いをしてくれませんか?
それで、上の部屋の家賃は、なしってことでどうでしょう?」
店長さんの温かい心遣いに、でじこ感激っ!!
「ありがとう、店長さんっ!!」
思わず、全身全霊の力を込めて、
どすっ!と激しく体当たり!!
すると店長さんは、口から『なにか』を吐きながら、
それでも笑顔を絶やさず、
「あっはっは、…気にしないでください。」
店長さんは、とことんいい人だった…。

「よかったゲマ〜」
なぜか水墨画の空を飛んでゆくゲマ…。

「デ・ジ・キャラット、よろしくお願いするにょ、
でじこって呼んでにょ!」
「プ・チ・キャラット…ぷちこにゅ…」
「ゲマでゲマ、よろしくお願いするゲマ!」
にょろにょろする皆さんの前で、
3人は元気に自己紹介!
皆さんは何か口々にお話されているようだが、
残念ながら、よく聞き取れない。
ただ、歓迎しているらしいことは伝わった。
だって、顔がみんな嬉しそうだから。
でも、みんな揃って並ぶと、ちょっとキモい…。
ア〜ンド、ほっぺの渦巻きはどうにかしてもらいたい。
その時っ!!
「ふっふっふっふっふ…」
どこからともなく、ブキミな笑い声がっっ!!
「だれにょ?!」
あっ!!路地の向こうに、怪しい人影発見!


つ づ く


「え〜っ??これからいいトコなのにぃ、ぶぅ〜」
って、出てきたのは、
ウサギのお耳をつけた、これまたカワイイ女の子!
この子はいったい誰なのかっ?


第1話は、これでおわりにょ!

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