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伝説の勇者ダ・ガーンの第1話
 

地球からのメッセージ

高杉家

たくさんの目覚ましが鳴る。

星史「うるさ―――い!!」

高杉星史が竹刀ですべての目覚ましを止める。

その後、また眠りにつく。

そこへ、隣の香坂ひかるが起こす。

ひかる「星史君、起きたの!? 星史君!!」

星史「何だよもう、起きたぞ――……」

ひかる「何時だと思ってんの!? あとで迎えに行くから、さっさと朝ごはん、済ませるのよ! 今日も遅刻だなんて、許さないからね!!」

星史「あ、いっけねぇ! もうこんな時間かよ!!」

星史が大慌てで部屋を出るが、階段から転んでしまう。

その後、洗面所で歯磨きを始める。

星史「あいててて……腰、打ったよ」

次に顔洗い。

星史「よっしゃ!!」

電話から母・美鈴の声が再生される。

美鈴「おはよう、星ちゃん。母さんは取材で忙しくて、夕べは帰れませんでした。いつも1人にしてしまってごめんね。寝坊しないでちゃんと起きられましたか!? 起きた下着を着替えて、ちゃんと顔を洗うのよ!? 歯もちゃんと磨いてね。ハンカチ、ティッシュは用意した!? 朝食は自分で作れるわね!? 星ちゃん、母さんより上手だもんね!」

星史が朝食の準備をした後、テレビをつける。

そこには美鈴の姿が映っていた。

美鈴「全国の皆さん、おはようございます。坂本美鈴がお送りするモーニングスクープの時間です」

星史「おはよう、母さん!」

電話の録音機能を切る。

星史「母さんが2人いたんじゃ、おかしいもんね!」

美鈴「さて今朝は、たった今入ったばかりのニュースからお伝えします! 地球防衛機構軍が未確認飛行物体に対して、行動を起こした模様です。その飛行物体が何であるのか、当局の正式見解はまだ発表されていませんが、情報が入り次第、お伝えします……」

上空

戦闘機が謎の物体を追跡していた。

高杉家

ひかる「星史君、行くわよ!! 聞こえてるのぉ!?」

星史「はいはーい!」

ひかる「早くしなさいよ!!」

星史「はーい!」

家から星史が出てくる。

星史「はい、お待たせしました」

ひかる「コンセント、ちゃんと抜いたんでしょうね!?」

星史「はいはい!」

ひかる「ガスの元栓は!?」

星史「平気!」

ひかる「水、出しっぱなしじゃないでしょうね!?」

星史「あ、いっけねぇ! 玄関の鍵、かけ忘れた!!」

ひかる「もう、ほんとに!」

星史は玄関の鍵をかける。

ひかる「毎朝のことなんだから、もっとちゃんとしなさいよ! 大変、これじゃまた遅刻よ。早く行く!!」

そこへ、根元巡査がチャリで通りかかる。

根元「よぉ、そこの青少年! 今日もまた仲良く遅刻か!?」

ひかる「大きなお世話よ!」

星史「あ、5000円、落ちてる!!」

根元「え、どこどこ!? うわああ!!」

根元がぶつかる。

根元「ちくしょう……」

ひかる「もういや! 星史君を誘うと毎朝これだもん。あん、どこ行くのよ!?」

星史「近道、近道!! 俺の取って置きの近道、ひかるだけに教えてやるよ!」

ひかる「あーん、待ってよ!!」

2人がやってきたのは寺だった。

ひかる「お寺通るの!? バチ当たらない!? この寺、奈良時代からの由緒ある、古いお寺なのよ!?」

星史「由緒あったって、遅刻しないほうがいいだろう!?」

今度は本堂に入っていった。

ひかる「うそ……」

星史「いいから早く靴脱げ……」

星史・ひかる「お世話になります……」

ようやく寺を出る。

ひかる「あ、もう学校の裏に出ちゃった!」

星史「どうだ、近いだろう!?」

ひかる「いつこんな道、覚えたの!?」

星史「へへっ、学校に遅れそうな時は、使ってもいいぜ」

ひかる「結構よ。私1人ならちゃんと間に合うもん!」

学校の枯れた木の下には桜小路蛍が立っていた。

星史「あれっ、桜小路だ。何してんだろう、あんなところで!?」

ひかる「いつものことじゃない。ほっといていきましょう」

突風が吹き荒れる。

やがて収まる。

星史「あれ?」

ひかる「どうしたの!?」

そこには蛍の姿はなかった。

星史「あいつは? 帰っちゃったのかな!?」

ひかる「まさか……」

チャイムが鳴る。

星史「いっけね! 急げ!!」

教室

星史「オッス!」

ひかる「おはよう!」

星史「ん? どうしたんだ!?」

生徒たちが集まってテレビを観ていた。

星史「あれっ、あいつ、いつの間に!?」

生徒「おい高杉、お前んちの母ちゃん、出てっぞ!」

美鈴「未確認飛行物体のニュースをお伝えしております……」

生徒「年の割には美人じゃん」「でも、結構お化粧濃いみたい」「何で坂本なんだよ!?」「バカね、結婚前の苗字を使ってるのよ!」

美鈴「地球防衛機構軍の戦闘機部隊は未確認飛行物体と戦闘状態に入り、全機、撃墜された模様です! それでは、防衛機構軍・総司令部よりオーストラリア支局の山田特派員がお送りします」

山田「はい。こちら、防衛機構軍のフリーティングルームです。防衛本部の高杉大佐からお話を伺いたいと思います!」

星史「あれ? 何だ、父さんじゃないか……」

生徒「え、うそ!?」

星史「うそじゃないよ、俺の父さんだよ!!」

生徒「ホントかよ!?」

キャスター「現在の状況について、お話願えますか!?」

大佐「まだ、詳しい情報は入っていません。追跡したのは6機の戦闘機で……陸の列車上空で戦闘状態に入り、全機、撃墜されました……未確認飛行物体の、我々地球人に対する敵対行動と乱し、地球防衛機構軍は、迎撃体制に入りました」

生徒たち「ええ〜〜〜っ!?」

美鈴「繰り返します。未確認飛行物体を追跡中の地球防衛機構軍の戦闘機部隊6機は、全機、撃墜されました。その飛行物体はさらに国情を続け、まもなく、日本の防空エリアに達する見込みです! 厳重な迎撃体制に入りました」

戦闘機が学校の上を横切る。

そこへ、星史の担任・森山が入ってくる。

森山「おはよう、皆さん。先生はですね、他の先生と大事な相談がありますからですね、1時間目は自習にします」

生徒たち「やったー!!」

蛍が立ち上がり、窓を開ける開ける。

生徒「な、何だ!?」「何すんのよ!?」「窓閉めろよ、窓! 早く!!」

星史が窓を閉める。

星史「何してんだよ!?」

蛍「聞こえる……」

星史「ん?」

蛍「地球が……助けを求めているわ……」

星史は唖然としていた。

放課後

星史が走る。

ひかる「星史君、待ってよ!!」

星史「儲け儲け、まさか臨時休校になるなんて森山もたまたまだよな!!」

ひかる「遊びに行こうと思ってもダメよ、星史君。私の家で預かるって、森山先生と約束したんだから!」

星史「森山の言うことなんか気にすることねぇって。見なよ、町なんか平和そのものじゃねぇか。な!?」

ひかる「あら!」

星史「ん? 桜小路……屋上なんかで何やってんだ、あいつ!?」

ひかる「そっちじゃなくて、こっち!」

星史「え?」

ひかる「山の向こうで、何か光ったの……」

星史「え? どこどこ!?」

ひかる「あっち!」

山から火球が出現する。

星史「UFOだ……本物のUFOだ!!」

ひかる「ねえ、何か、こっちに来るような気がしない!?」

星史「え?」

確かに、光が星史とひかるの方に向かってきた。

しかし、上を横切る。

星史「あ、あっちだ!」

ひかる「星史君!!」

星史「UFOだ!!」

ひかる「星史君、待って!!」

星史「あそこだ!! おいおーい、ここだここ!!」

ひかる「何するの!?」

星史「ハロー、ハロー!!」

ひかる「バカな真似しないでよ!!」

星史「はるばる来たんだろ!? 挨拶ぐらいした方がいいと思って」

ひかる「余計な心配しなくていいの!」

やがて、光が消え、円盤へと姿を変える。

次に、形を変えてロボット・リーケンαとなる。

星史「す、すげー……ロボットだ! おいおーい!!」

ひかる「よしなさいってば!!」

町では、リーケンの出現により、人々が逃げる。

リーケンが何かを分析し始める。

星史「おいおーい! こっちこっち!!」

ひかる「星史君、逃げよう。逃げた方がいいわよ!!」

3機の戦闘機がリーケンに攻撃を仕掛ける。

「皆さん、危険ですから安全なところへ避難してください!」

パトカーから根本が出てくる。

根本「ひかる、星史、何してるんだ!?」

リーケンの攻撃が戦闘機に炸裂する。

破片が根本のパトカーの下に落ちる。

星史「根本さん!!」

リーケンの攻撃はまだ続く。

ひかる「逃げるのよ! 早く!!」

星史「冗談じゃないぜ! 危ねぇじゃねぇかよ!!」

リーケンの攻撃が本道に当たり、炎上する。

星史「いててて……ひかる、ひかる!?」

炎の中にはひかるが倒れていた。

星史「ひかる、しっかりしろ! あ......」

星史はひかるを抱えて倒れてくる柱をよける。

星史「くそぉ......何する気なんだよ!? あいつは......!!」

すると、星史が何かを感じ取る。

星史「誰だ? 誰だ、俺を呼ぶのは!?」

すると、光の円が現れる。

星史「来い。たって……」

ひかるをおいて光の中に星史。

光が星史を包んで下に行く。

そこには、謎の紋章があった。

星史「なんて!? 地球が……危ない!? 力を俺に託すって、どういうことだよ!? 私のため……地球に住む多くの生き物たちのために戦ってくれ!? おい、どっからしゃべってんだよ!?」 

再び何かが感じ取られる。

星史「オーリン!? オーリンって言うのか!?」

星史が紋章を握ると、元の世界に戻っていた。

星史「ど、どうなってんだ!?」

星史の手に紋章が輝きだす。

星史「な、何だ!?」

本道の仏壇の額も光る。

紋章の光が一直線となり、仏像の額に届く。

そこから石が飛び出し、根本のパトカーに入る。

するとそのパトカーが独りでに走り出し、寺を越える。

さらに今度は変形し、ロボットへと姿を変えて立ち上がる。

そのロボットの名はダ・ガーンである。

星史が腰を抜かす。

リーケンがダ・ガーンに気づく。

星史「何だ……お前、やるか!? やる気かよ!?」

ダ・ガーンが星史の方にしゃがみ込む。

星史「来るな、こっち来るなよ!!」

ダ・ガーン「私の名はダ・ガーン。命令をどうぞ……」

星史「命令!? 命令って何だよ!? お前なんか知るか! あっち行け」

ダ・ガーン「君は私に命令を下すことができる。私はその命令によって行動を起こす……命令を……」

星史「い、いいって。命令なんか! 今、それどころじゃないし……お、俺、友達連れて帰んなきゃなんないから。じゃあね!」

そこへ、リーケンが星史の前に立ちふさがる。

引き返そうにも後ろにはダ・ガーンがいる。

ダ・ガーン「命令を……」

星史「ど、どうすりゃいいんだよ!?」

リーケンのライフルが星史に銃口を向ける。

星史「た……助けて!!」

ダ・ガーン「了解!」

ダ・ガーンのタイヤがリーケンの攻撃を阻止する。

さらに、上空からのキックが炸裂する。

星史「す、すげぇ……」

ダ・ガーンは攻撃をかわしながらパトカーモードに変形してリーケンの後ろに回ってパンチを繰り出す。

リーケンは円盤モードへと変形し、ダ・ガーンを攻撃する。

何とか交わすダ・ガーンだが、ビルが切れてしまう。

ダ・ガーン「ダ・ガーンマグナム!!」

ダ・ガーンマグナムがリーケンを攻撃するが、全く利いていない。

するとリーケンが爆発し始める。

ダ・ガーンが弾を入れ替える。

そして止めの1発がリーケンを貫く。

リーケンが大爆発してしまった。

星史「やったー! すげー、すげーや!!」

宇宙空間では、謎の要塞がさまよっていた。

レッドロン「何者だ、あのロボットは!? 我々が集めた地球のデータの中には、あのようなロボットのデータはなかったはず……」

学者ロボ「ありませんねぇ……我々が集めたデータの中には、地球にあのようなロボットの存在をを証明するようなデータは確認されておりません」

レッドロン「ふっ、面白い。このような辺境の惑星に、この私には向かう者がいようとは……フフフフ……」
 

(続く)
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