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Dr.スランプ アラレちゃん

☆ テレビ 第1話 アラレちゃん誕生 ☆



大きなゼンマイを背中につけたおかしな鳥が
体と同じくらい大きさの鉛筆を抱えて、背景に落書き。
と、その背景がパリ〜ン!と割れて…?
現れたのは、岸壁に立って釣り糸を引くウルトラマンもどき。
かなり重そう…。
「じゅわぁぁぁっ!!」
ぽよよ〜ん!
釣れたのは、お日様でした!
どうやら、朝がきたようです。

眠そうなお日様は、さっそく歯磨き、ゴシゴシ…。
木の枝では、タキシードを着て直立不動のゼンマイぶたさんが、
スタンドマイクに向かって朝の連絡?
「全国のみなさん、ペンギン村に朝が来たぞ〜い。」
その足元にぶら下がるミノムシさんが、のんびりと
タバコをくゆらせながら、朝の港を眺めています。

則巻千兵衛さんの家
(千兵衛さんは、発明博士らしい…)
今日も朝から、なにやら製作真っ最中。
それはロボットのようですが…?
博士が手を加えている胴体の上にぶら下がった頭が、
「ふわあああ…、タイクツ…。」
と、大あくび。
でも…、その顔は、とてもかわいいオンナの子です!
「はぁ〜、先に顔を作るとうるさくてかなわんな、もう…。
よぉし、右手を少し動かしてみろ。」
博士の言葉に、「はい。」とお返事したロボットは、
まだ顔とはずいぶん離れたところにある右腕を
「うんしょっ!」
ほんの少し動かした右手のゲンコツが、博士のお腹にヒット!
「うわあああああああ〜っ!
ちょちょちょちょ…ちょっと動かしゃええんだよっ!ちょっと!」
今度は、こちょこちょ…
「うひ、うひひ…ひひひひ…」
涙ぐみながら笑い転げる博士を見て…
「ぎゃ〜ははははは…!!」
大笑いのロボットの顔。
「余計なこと、すなっ!」
博士は再び製作に取りかかり、そして!
「できた…」 額の汗をぬぐいます。
胴体と頭を結合させれば、はい!出来上がり。
とってもかわいらしい女の子ロボットの完成です!
とてもロボットとは思えない出来栄えです。
ロボットは、自分の体を触って一言…
「おっぱいペッタンコ…」
「イチイチうるさいっ!子供はそれでいいの!」
ロボットは、ひょいっと製作台から飛び降り、
首をくるんと180度… 「前はどっち??」
「ややっこしいやっちゃな…ホレ。」
博士は慌てて首を直し、自分のパジャマを持ってきて、
はだかんぼうのロボットに着せてあげました。
ちょっとロングドレスみたいですが、
ロボットは気どって、はい、ポーズ!
そのかわいらしさに、博士も大満足〜。
「よ〜しゃっ!歩いてごらん?」
てくてくてくてく…
「今度は走って〜!」
とことこ…たったった…だだだ…どこどこどこ…
「き〜〜〜〜〜んっ…」
飛行機のまねでもするように、両腕を横に伸ばして、
ものすごいスピードで走り出したロボット!
「うわああああ〜!」 博士、びっくり!!
ロボットは、その勢いのまま、博士の大事な機械に激突っ!
…でも、ロボットは平然。
あぁっ!上から小型の機械が落ちる〜〜!と、
慌てて滑り込んだ博士の頭の上に、ゴチン!
たんこぶ、ぼっこり…。
「ふう、危なかった…。よ〜し、今度は表情のテストだ。」
気を取り直し、大きな鏡を運んでくる博士。
「笑って!」 博士の言葉に、プッとむくれるロボット。
「怒って!」 今度は、ニィ〜。
「泣いて!」 ケラケラケラ…。
「もう、もう…もういい!…う〜ん、見事に完成した。」
突然、劇画タッチの顔になって、なぜか博士は大満足。
そこで、ロボットも大サービス!
思いっきり自分のほっぺを両側に引っぱって、舌をべろ〜ん…
「むに〜〜〜〜〜〜っ!」
「い〜〜っ!!いらんことをすなっ!」
素顔で怒鳴った後、再び顔は劇画タッチに…。
「…怖い、私は自分の才能が怖い。こんな完璧なアンドロイドを
簡単に作ってしまうなんて…」
どこからともなく轟く雷鳴の中、一人自己陶酔…。
その時、ロボットが叫びました!
「博士!!」 
「ん??なんだ?」
ロボットは窓の外に向かってシュワッチポーズしながら…
「飛べませんっ!!」
どて〜ん!うつ伏せに倒れる博士。
「別に、飛ぶ必要などないでしょうが!」
「…飛べないの?じゃあ…お腹からミサイルがどど〜っと?」
「そんなもん、出てこん〜!」
「目からレーザーがジャビ〜〜…」
「出んと言ったら出んっっ!!」
「じゃぁ、どうやって悪い人と戦うの?やっぱし、オンナの色気?」
「誰が悪人と戦えっちゅーた?!」
「アレ??」
突然、博士の顔を指差すロボット。
「ど、どうした?」
「あたし、目が悪いのかな?博士の顔がへんてこりんに見える。」
ロボットは、大きな目をゴシゴシ…。
「なに?…そりゃあいかん。よっしゃ、調べてみよう。」
さっそく、視力検査表(この家、何でもあるとみえる…)で、
視力検査開始。
「これは?(と、『ま』を差す)」
「き!」
「えっ??じゃこれは?(と、『ラ』を差す)」
「ん!」
「まるであっとらんぞ…ええっと…これ?(と、『C』を差す)」
「た!」
「き?ん?た?…!まっ、まっまさか…わ〜、もういい、もういい!
ん〜〜…冗談でやっとるんじゃないだろうね?!」
「ほよ?」
怒鳴る博士…、なぜ怒鳴られるのかわからないロボット…。
で、アッという間に「クロブチのトンボメガネ」が完成〜!
ロボットがメガネをかけてみると…
「わあっ!よく見える!」 と、ニッコニコ。
そして、博士を改めて見て、一言。
「あ…、ゴリラ。」
「(たら〜…)よく見えとらん。」
「き〜〜〜〜ん…、うっほっほ〜い!!」
走ったり、逆立ちして歩いたり、ロボットはおおはしゃぎ。
その様子を見ていた博士…
「う〜ん、いつまでもオレのパジャマ着せとくわけにはいかんな。
よ〜し、服を買ってきてやる。」
「うっほっほ〜い!はっは〜っ!」
自分の頭を、空中にポンポンほうり投げながら喜ぶロボット。
「こら、よしなさいってば、もう!!」

玄関を出る博士。…ちょっぴりおめかし!
「そんじゃ、おとなしく留守番頼むよ。
どんな服が似合うかなぁ?」
「ミンクのコート!」
さらっと答えるロボット。
「お…おまえ、つまらんこと知っとるなぁ…」

博士がやって来たのは、目下セール真っ最中のデパートでした。
子供服売り場を歩く博士。
「ええっと…あれは買ったし、これも買ったし…あとは、
あとは、下着ぃ…っひ…!」
博士の顔が壊れかけてマス。
いそいそとランジェリーコーナーへやって来たのはいいけれど…?
「あ〜困った…オレが買えば絶対に変態扱いにされる…
そうだっっ!!」
名案が浮かんだ様子の博士は、化粧品売り場へ!
「マスカラとお口紅ですね?」
アフロヘアーの店員さんは、無表情…。
「でへ、でへヘヘヘ…妻に頼まれましてね…」
汗を拭き拭き、聞かれてもいないことを話す博士。
次にやって来たのは、婦人服売り場。
「いらっしゃいませ。お似合いのワンピースがございますが。」
首を45度に曲げたおかしな店員さん…
それでも、もみ手を忘れません。
「ま、ま、ま、まさか!わたしが着るわけないでしょ!!
母へのプレゼントです。」
「なるほど…んでは、私がお見立てしましょう。」
「んぎっ??た、頼むよ…」

それから博士は、急いでトイレに走り、ヒゲをきれいに剃って…
かつらをかぶって、お召し替え。
…や〜な予感…

お客さんたちが、ぎょっ!として通路を開けています。
その真ん中を、ガニマタでどすどす歩いてくる不細工な女子高生…
と、思ったら!!
セーラー服を着て、お化粧した博士!?
「くそ〜、あの店員やつ、母へのプレゼントにセーラー服を
贈るやつがどこにいる?!
これじゃ、変態そのものじゃないか!!」
ブツブツ言いながら、ランジェリーコーナーを行ったり来たり。
そして、美人の店員さんに向かって…
「あ、あ、あ、あの…パ、パ、パンチ…ください…パンチ…」
「はぁ??」
「パンチィ!!!」
「は、はい!かしこまりました!!」
この世のものとは思えない、オゾマシ〜い女子高生の気迫に、
店員さんはびっくり!
そして…
「あのう、これなどピッタシでおよろしいかと。」
そう言って、店員さんはゾウさんの模様のついた
でっかいパンツを広げてみせました。
「ん〜〜〜〜!オレがはくんじゃねえ!!」
思わず、ものすごい顔で怒鳴りつけてしまう博士。
「きゃ、きゃ、きゃ〜あ!」
どって〜ん!パンツをほおり投げて倒れる店員さん。
「あ〜らやだ、あたしったら…オホホホ…ごめんなさ〜い。」
博士、キモい…。
「かかかか…おお、怖っ…」
すっかり怯える店員さん。

博士の家
博士が、買ってきた服をロボットに着せています。
「どうだ?」
「ピッタリ!!」
かわいいTシャツにサロペットの半ズボン。
とってもキュートなオンナの子に変身です!
「そ、そうか…ふう…よかったなぁ…」
汗をぬぐって、ホッと一安心の博士…あらっ??
(「もうヒゲがはえてます!」と、突然現れてツッコむゼンマイ鳥)
「よっしゃ、外へ行ってみよう、外へ!」
「うお〜っす!」
博士に連れられて、初めてのお散歩。
あほう鳥が、元気に「あほう、あほう」と飛ぶ、のどかな緑の中、
並んで二人は歩きます。
「さぁ、これで他の連中がおまえを見て
ロボットだと気付かんようなら、大成功だ。」
博士が、にっこりしてロボットを見ると…
「うっほっほ〜い!!」
ロボットは、うれしさのあまり、自分の頭を何度も空中に放り投げて、
全身で喜びを表現している真っ最中!
「い〜〜!!こ、こらっ!やめんか!!」
博士は慌ててロボットの頭を押さえ、まわりをきょろきょろ…。

(またまたゼンマイ鳥登場「アオイちゃんのお店で〜す!」)
『COFFEE Pot』
お店そのものが、コーヒーポットの形をしているシャレた喫茶店。
お店の入り口で、桃太郎みたいな男の子と入れ違う二人。
「んちゃ〜!」
アオイちゃんにあいさつする博士。
「あら〜、ドクタースカンク…じゃなかった、スランプ!いらっしゃい!」
アオイちゃんは、とってもキレイなお姉さんです。
「博士と言いたまえ!博士と!!」
その博士の足元から
「んちゃっ!」
と、ロボットも顔を出してごあいさつ。
「あら、千兵衛さんの子ども?」
「アホか〜!オレはまだ28だぞ!えっ、え〜と…妹だ、妹。」
「へぇ〜、ちっとも似てないじゃないの、良かったね〜!」
「うん!」
アオイちゃんは、やさしくロボットの頭を撫ぜました。
…どうやら、ロボットとは気付いていないよう。
「名前なんて言うの?」
「うんと…うんと…博士、何て名前?」
そういえば、名前をまだ付けてもらっていなかったロボット、
アオイちゃんの質問に、ちょっと困って博士を見ました。
すると、博士もあたふた…
「なっ、名前か〜?そ、そ、そ、それは、ナ、ナンダ…ほらほら!
あれだ…あれあれ…」
それを聞いたロボットは、
「アラレ!」
「そう!!そう…則巻アラレじゃないか〜」
「だって。」
「ふうん…兄さんが則巻千兵衛で、妹がアラレ…
兄妹揃って、冗談みたいな名前ね…」
怪訝そうなアオイちゃん。
「ほっとけっ!」
カウンターに座る博士とアラレちゃん。
「ボクちゃん、コーヒー。」
どう見ても『ボクちゃん』って顔じゃない博士が注文しました。
「アラレちゃんは、何飲みたい?」
するとアラレちゃんは…
「機械オイルっ!」 と、元気に注文!
どってーん!椅子から落ちる博士。
「ジュ、ジュ、ジュースでいいんだ、ジュースで…」
アオイちゃんは、目をぱちくり!
「あ…ああ、じゃ、オレンジジュース作ったげる。」
ジュースを作りに行くアオイちゃん。
「ジュースってお腹サビない?」
アラレちゃんの問いかけに、急いでアラレちゃんの口をふさぐ博士。
「ねえ、歳はいくつなの?」
「今日出来立てのほやほやっ!」
「だあ〜〜〜!!」
博士、また椅子から…どってーん!
「あ〜ははは…13だよ、13!」
カウンターから、引きつった笑顔を見せながら起き上がる博士。
「へえ…中学生には見えないわね。」
「あんましゴチャゴチャ質問せんでくれ!」
これ以上アオイちゃんの質問が続いては、
博士の身が持ちませんからね…。
アオイちゃんは、コーヒーとジュースを出しながら、
アラレちゃんの顔を、まじまじと見つめました。
「別にいいじゃないね〜。
あっ!あああ…あなたの顔!!」
博士、ぎくっ!!
「どどど…どこもおかしいとこ、ないだろう??」
すると、アオイちゃん… 「鼻の穴が、ないっ!」
博士は、ぶ〜〜っ!コーヒーを吹き出して…
そしてまた、どってーん!!
「おのれのだってないでしょうがっ!!これはマンガなんだぞ!
マンガでいちいち鼻の穴が描けるか〜!ゼイゼイゼイ…」
必死に訴える博士…。
アオイちゃんは、自分の顔を鏡に映してみました。
「あら、ホント!鼻水が出なくて便利ね。」
「バッカバカしい、帰ろ、帰ろ。」
「うおッス!」
アラレちゃんは、博士に敬礼すると出口に向かい、
「ぐっどばい、ぐっどばい、ぐっどばいばい!!」
と、アオイちゃんにごあいさつ。
そしてオモテヘ飛び出しました。
「き〜〜〜ん…」
そこへ、パトカーがっっ!!
アラレちゃん危な〜い!!

バッゴ〜ン!!!!

まだ店の中にいた博士とアオイちゃんは、
その音を聞いてびっくり!
「あ、アラレ〜〜〜っ!!」
急いで外へ出てみると…
めちゃめちゃに壊れたパトカーと、目を回している二人の警官…
で、アラレちゃんはというと…??
「服、破れちゃった…」
メガネのレンズが割れたのと、サスペンダーが切れただけで、
傷一つありません。
「こ、子どもに…パトカーが…はねられた…」
警官は、それだけ言うのがやっと…といったカンジです。
「まあ…」 アオイちゃんは、あ然!
「あ…れれ…」 博士は、汗…
どうやら、アラレちゃんって
すごいパワーを秘めているみたいです。


☆ テレビ 第1話 アラレちゃん誕生 おしまい ☆

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