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かつてこの地球には、優れた文明があった。−−−−−−−−−−
現代では到底及びもつかない知識・科学力を持っていたという、超古代の遺産が、
今もなおこの地球上のどこかに眠っているというーーーー。だが・・・・・・

20世紀末、不可思議な”力を”を持つ、遺跡の発掘・研究に、大国の軍部が介入し、
その争奪戦を開始した。

ここに一枚のプレートがある。
高度に発達しすぎたために滅びてしまった超古代文明の何者かが、現代の我々に警告を綴った
伝言板である。彼らは語る。”我々の遺産を悪しき者から守れ”と。

そのメッセージを誠実にうけとめ、超古代文明を封印することを目的に活動する組織があった。
そしてその組織の特殊工作員を・・・・
”スプリガン”と呼ぶ。

・・・彼らは世紀末の救世主なのか・・・・


炎蛇の章@

空港。一人の女性がロビーで人を待っている。

女性「10年ぶりの日本ね・・・・」

手に持った写真を見ると、幼い頃の自分と元気のよさそうな少年の姿が。

女性「ふふ・・優ちゃん、あいかわらず元気なのかな!?」

しばらく待っても誰も来ない・・・・・

女性「なによ・・・なんだか知らないけど、アーカム研究所から私に護衛をつけるなんていっといて、
そんな人どころか誰も来ないじゃない。
?「山菱理恵・・・・・・教授ですか!?」

振り向くと、黒服でサングラスをかけた大男が二人立っている。

黒服1「迎えにきました・・・・」
理恵「あ・・・・・あなた方ですか、アーカム研究所の護衛人て・・・・・
始めまして、私が・・・・・」

と、黒服は銃を突きつけた!

黒服2「騒ぎを大きくしたくないなら、一緒に来てください。」

駐車場までつれられる理恵。

黒服1「さあ、のれ!!」
理恵「キャッ!! あなた達いったい何者なの!? 何で私なんか!
黒服1「いいからのれ!! なに、安心しろ。今、あなたにアーカム研究所と接触されては困るんでね。
殺しはしない、ほんの数日間、我々につき合ってくれるだけでいいのだ。」
理恵(優ちゃん、せっかく日本にきたのにもう会えないかもね・・・・・・・)
?「おいおい、女の子一人つかまえて大の男二人が何やってんだよ!!」

そこに現れたのは、不敵な笑みを浮かべた少年。

少年「知ってるか? そーいうのって日本じゃ誘拐っていう犯罪なんだぜ!! 
オレが本当のアーカムからきた護衛人だ!! 
ケガしたくなかったら教授を離しな、CIAのおっちゃん!」
理恵「・・・・・・・・・・・」
CIA1「ちっ!!」

突然銃をぶっ放すCIA1。 少年はひとたまりも無く倒れた!!

理恵「キャアアアア」
CIA2「お・・おい、いくらなんでも殺すことはないだろ!!」
CIA1「かまわん、在日米軍のキャンプに逃げこめばこっちのもんだ!!
それより急げ、他国の諜報部員がくる前に逃げるぞ!」
少年「痛えじゃねーか、バカヤロー」

と、いきなりぶん殴られるCIA1 銃で撃たれた少年が殴ったのだ!

CIA2「この、小僧!!」

その2も反撃するが、あっという間にぶっ飛ばされる。懐から銃を取ろうとするが・・・

少年「これかい!? 銃、返すわ。 おい、おまえ達!! この件からは手を引いた方がいいって
上層部にいっとけよ!! 殺人未遂の代償に、車もらっとくぜ。あばよ!!」

走り去る車を呆然と見るCIA。と、そこに・・・

男「まったく・・なさけないですね、CIAの皆さん。
せっかく”スプリガン”の実力がみたかったのに・・・・これじゃあ参考になりませんよ。」
CIA「き・・・きさま!! KGBの諸刃功一!!」
諸刃「あなた方の役目は終わりました。ここから逃がすわけにはいきません。
ふふふ・・・・役立たずは死になさい・・・・」

指を鳴らす諸刃の周りに、風が集まって来る・・・・・

一方、車で逃げた理恵と少年の方は・・・

少年「いやーご無事で何よりです、教授・・・・ 大丈夫!?」
理恵「何いってんのよ、あなたこそ大丈夫なの!?」
少年「えっ何が!?」
理恵「だ・・・だって銃で撃たれたのよ!!」
少年「ああ、そのことね。大丈夫・・・オレ・・・・・不死身だから・・・」
理恵「・・・・・・・・・・・・」
少年「まあともかく、16歳でカーネル大学の教授に抜擢された言語学の大天才をお迎えできて
光栄です。日本へようこそ、山菱理恵教授。
おくれちゃってゴメンネー。」
理恵「あの人達、いったい何なの!? なんで私なんかねらう必要があるの!?」
少年「今、あるものをめぐって各国が動いている。シャンポリオンの再来といわれている教授が、
日本に来たことで、各国の動きは急激に活発化している。
でももう大丈夫、オレがいるかぎり誰にも教授の仕事を邪魔させやしないさ。それにオレも教授と同じ
16歳だから、気がねしなくていーぜ!!」
理恵「あ・・あなた16歳なの!?」
少年「そーだよ。こんな仕事してるけど、オレまだ学生なんだぜ。その代わり、教授とちがってオレは
劣等生だけどな、ハハハハハハハハハ!」
理恵「な・・・・・・・なんであなた運転してるのよ!!」

そんなこんなで車はアーカムのビルまで進む。一方、CIAを始末した諸刃は・・・

巨漢「派手にやったな・・・・・・ あいかわらず見事だ・・・・・・・」
諸刃「山菱理恵・・・ シャンポリオン以来の言語学の天才が、
あんな子供だとは思いませんでしたよ・・・・・・しかも米国まででてくるとはね。
巨漢「ああ。遺跡の”力”をソ連が取るか米国が取るか、世界の命運はこれで決まるといえるからな・・・・・
そのためにも山菱理恵を手に入れ<火の社>の秘密を解くことが必要だ!!」

アーカムのビルでは、理恵と少年が所長の山本と対面している。

山本「帰国そうそうとんだ災難でしたね・・・・・ まあ、ご無事でなによりです。
私はここの所長で山本といいます。遺跡の文字解読、よろしくおねがいします!!」
理恵「わかりましたわ。がんばります。
ところで、頼んでおいた件なんでしけど・・・・」
山本「・・・・・・・・・・ああ・・・例の・・・・・・御神苗優君の調査ですね。」

理恵「えっ? 行方不明!?・・・・・・・」
山本「まっこと申しわけありません! 我々もあらゆる手をつくしたのですが、
なにぶん、時間が無く調べ切れませんでした! これ、今までの調査報告書です・・・・・・」
理恵「・・・・・・そうですね。たしかに・・・・あまりに急でしたものね・・・・・・
いろいろ無理をいってしまってすいませんでした。
私・・・・さっそく仕事の用意をしてきます・・・・・」

部屋を出て行く理恵を無言で見詰める山本。苦しそうに少年に話しかける。

山本「・・・・・・・・おい・・・・いいんだろ、御神苗・・・これで・・・・」
優「ああ。しよーがないよ。あの優ちゃんが、今、こんな殺伐とした仕事をしてるなんて理恵
に知られたくないんでね。」

シャワーを浴びる理恵

理恵(あーあ、優ちゃんか・・・ せっかく再会できるのを楽しみにしてたのに・・・・・)

部屋に戻ると、なぜかソファでくつろいでる御神苗が。

理恵「どこから入ってきたのよ! まったく何考えてんのかしら!?」
優「教授はどうしてそんなに御神苗優にこだわるんだい。 
余計なお世話かもしんねーけど、何かしら仕事に影響がないかと心配でね。」
理恵「私・・・日本に身よりが無いの。幼い頃に両親をなくして・・・
アメリカの親戚にひきとられるまで私・・・・施設にいてね・・・・・」

「日本人なのに、日本で孤立した不安とさびしさで、私、毎日ただやみくもに泣いていた。
そんなどうしようもない私を、同じ施設にいた御神苗君だけはずっと面倒をみてくれた。」

理恵「だからどうしても会いたかったの。立派に立ちなおった私の今の姿をみてほしかったの・・・
おなじ日本人のたった一人の友達にね・・・」
優「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
理恵「でもしょーがないよ。私、日本に仕事にきたんだものね。」

部屋を出て行く優。

優「日本の滞在期間は、たしか一週間だったよな。よっしゃ、この仕事、4日間ですませてくれ。
そして残りの3日間、東京見物もかねて御神苗優でもさがそうぜ。
ひさびさに日本に帰ってきたんだ、息ぬきも必要だろ!? オレも二人めの日本人のの友達に
なれるよう努力するぜ。
理恵「・・・・・・・・・・・・・・」

アーカムの会議室に山本と理恵。そして優もいる。
中央に画像が映る。木に覆われた遺跡だ・・・・。

山本「アーカム考古学研究所が秘密裏に富士の樹海内に発見したものです・・・
太古の富士山麓文明と思われます・・・・・・」
理恵「富士文明・・・・・・・!?」
山本「一般には信じられてはいませんが、宮下文献という本がありまして・・・・・・・・」

宮下文献ー別名・富士文献ー
紀元前、中国秦朝の学者・徐福が日本に渡来し、神代文字で書かれた記録書を収集、編さんし、
残したものとされている。

山本「これには太古、富士山麓にあったとされる大帝都のことがつづられています。
この文献を独自に調査した我々は樹海内でこの遺跡を発見したのです!!」

なにやら字の書かれた図解を見せる。

山本「これが遺跡を図解したものです・・・・・・・
 壁の表面に新種の神代文字が刻まれているでしょう・・・・あなたにはこれを解読してもらいたい。」
理恵「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わかりました。
私の持ってきた資料との共通性をみて、パターンをつかんでみますわ。
さっそくフロッピーをコンピューターにかけたいのですが。」
山本「ああ・・・・それなら5Fの部屋を使えばいい。
理恵「あれ!?」

いつの間にやら優が消えていた・・・・

エレベーターに乗る理恵。

理恵(それにしてもわからない・・・ どんなにすごい代物かと思えば、
私にはただの古墳にしかみえないわ・・・何でこんな文化遺産を各国がほしがるのかしら?
でもこんな不可思議な文字ははじめてみるわ。こんなの本当に訳せるの!?・・・・・

エレベーターが5Fに到着した。

理恵「まっ、考えてもしょーがないか。
同じ人間の考えだもの、解析パターンさえつかめればこっちのもの・・・
やるだけやってみるだけ!!」

エレベーターが開いた先には・・・・・装甲服の怪人が!!

理恵「な、何よこれ!?」

怪人は二人いる。もうひとりは、警備員を殺したようだ・・・・・。
理恵が悲鳴を上げたその時・・・!!
天井から穴を開けて降ってきたのは・・・・・・御神苗優!!! 

優「やれやれ、やっぱり入りこんでたか・・・・まったく、ゴキブリみてーな野郎共だぜ。
教授!!はやく上にいきなさい!!」

すさまじい格闘が始まる。優は怪人を抱えながら落下し、車に叩きつける。が、落下地点でも怪人が
待ち構えていた!

優「なんだよ、こんなにいっぱいいたのかよ・・・米軍装甲歩兵の皆さんよ!!
でも、こんなに大人数でオレを迎えてくれるんだ。いっちょこっちもサービスしねえとな・・・・
さーて、アーカム研究所開発部ご自慢、A・M(アーマードマッスル)スーツを披露してやるぜ。」

いい始めると、優の全身が盛り上がってゆく。

優「こいつは特殊合金、精神感応金属(オリハルコン)と人口筋肉の組み合わせでできた、
最新テクノロジーの結晶・・・・・
あらゆる銃弾をはねかえし、普段の30倍以上の力を引きだすことができる、史上最強の戦闘服だ。」

優の上着のジャッケットを吹き飛ばし、強化服が姿を現した!

優「てめーらの服とのできのちがいをみせてやらあ!!」


炎蛇の章Aへ続く・・・・・・

  

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