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真・仮面ライダー序章プロローグのオープニング


電車の音が鳴り響く夜。

とある路地裏を、仕事帰りのOL風の女性が歩いている。


突如、不気味な足音が後ろから迫って来る。
後ろを振り向くが、誰もいない。
空耳か……と思って前を向いた瞬間、異形の怪物のような手が彼女の喉をつかみ、凄まじい力で投げ飛ばす。
痛みを堪えつつ、ようやく身を起こした女性に、彼女を襲った“何者か”が迫る。

女性「嫌ああぁぁ──っっ!!」

鋭い爪が、彼女の胸目掛けて振り下ろされる。
服も肉体も引き裂け、鮮血が飛び散り、彼女が倒れる……


ところは変わって、ベイブリッジ付近に路駐しているオープンカーの中。
男女が抱き合い、唇を重ねる。

カーラジオから流れる音楽に、臨時ニュースが割り込む。

「曲の途中ですが、ここでニュースをお伝えします。先日来、都内で発生している連続女性殺人事件で、捜査の難航が伝えられる中、警視庁の特別捜査本部は、改めて犯人逮捕に全力を上げる一方……」

車内の男女へ次第に、あの不気味な足音が近づいてくる……

「……若い女性の夜半の外出をできるだけ控えるよう、異例の呼びかけを行いました」

足音がもう車のそばまで近づいてくる。
突如、男性が懐中電灯をつけ、女性が警察手帳を突きつける。

「動くな!」「警察だ!」

いわゆる囮捜査だ。たちまち物陰から、数人の警官も飛び出してくる。

「きゃあぁ──っ!!」

一瞬の内に、車内の男女2人とも喉を裂かれ、息絶える。

数台のパトカーも駆けつけ、警官たちと共に犯人を取り囲む。
ヘッドライトに照らされたその姿は、人とバッタが融合したような異形の怪人。

警官たちが迫る中、怪人は驚異的な跳躍力で包囲を突破する。

「あっちだ!」

追いすがる警官たちを次々に殺害しつつ、怪人が逃走する。
やがて、警官の放った銃弾が怪人の肩に命中──


目を覚ます主人公、風祭 真。

真「夢か……」

息を切らしつつ、鏡に映った自分を見つめる。

彼が寝ているのは病院のようなパイプベッドで、様々な機器が並んでいる。
ここは難病治療などの研究を行なう生化学研究所。父がここの研究者であるため、自らが被験者となっているのだ。

そこへ飛び込んでくる明日香 愛。生化学研究所の看護人である。

愛「大丈夫? 真……」

彼の様子に不審を抱いた愛は、真の血圧測定にかかる。

真「愛……俺、ずっとここにいたよな?」
愛「どうしたの?」
真「いや……別に」


真の手には、男女や警官たちを引き裂いた感覚、あの血の感触が、まざまざと残っていた。

夢などではなく、自分自身があの怪人として暴れ回った実体験そのもののように──


仮面ライダー 序章プロローグ

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