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星獣戦隊ギンガマンの第1話
 

ナレーション「光と命に満ち溢れた緑の地上。しかし、この見慣れた景色は、理想と違った不思議な世界へとつながっているのかもしれない……どこか、そう。もしかすると、すぐ隣に……」

ボック「うわああっ!!」

上からボックが落ちる。

その絵を青山晴彦が描いていて、息子の勇太はそれをみていた。

勇太「ふーん、空飛ぶどんぐりねぇ……」

晴彦「ほんとだぞ。パパが子供の頃に見たって人がいたんだから……それを聞いて、パパは感じたね。この森には地上最後の伝説というべき謎が、本当にのまま隠されているって」

勇太は車に乗り込んでいた。

勇太「また……伝説伝説、本当なわけないじゃん」

そこへ晴彦が顔を出し、それにびっくりする勇太。

晴彦「いや、パパは信じる。さあ勇太、取材だ取材! 森へ探検に行こう」

勇太「いいよ。僕、ここで待ってるから」

晴彦「パパを1人にするつもりか!? そうか、じゃあいいよ」

勇太が車から出る。

勇太「パパ、待ってよ」

晴彦「一緒に探検に行くか!?」

2人をボックが見ていた。

ボック「無理無理、この森には入れないボック」

ボックは森を越えて戻ってくる。
 

第一章 伝説の刃
 

そこにはいろんな住人が住んでいた。

長老オーギが星獣剣を眺めていた。

長老「星獣剣……またこの剣を、新たな戦士に引き継ぐ日が来たか……星の巡りは、早いのぉ……」

ナレーション「ギンガの森の民……彼らは、不思議な力・アースを持ち、ある宿命を受け継ぎながら平和に暮らしていた。だが今、その平和に終わりが告げられようとしていた」

海に謎の要塞が沈んでいた。

ナレーション「森から遠く離れた海……光をささない深い底で、大いなる災いの予兆は始まっていたのだ」

ギンガの森

リョウマとその兄・ヒュウガがアースの特訓をしていた。

リョウマ「炎の鬣!!」

リョウマのアースは交わされ、逆にヒュウガのアースがリョウマに当たる。

ヒュウガ「リョウマ……」

リョウマ「平気平気。手加減なしって言ったのは俺だから……」

リョウマはヒュウガの手を借りて立ち上がる。

ヒュウガ「大丈夫か!?」

リョウマ「ああ、やっぱり兄さんのアースはすごい。星獣剣の戦士に選ばれるのも当然だな……俺なんかとは出来が違うよ」

ヒュウガ「リョウマ、お前のアースだって本当は……」

サヤ「ヒュウガ!」

サヤがヒュウガにしがみつく。

サヤ「そろそろ祭りが始まるよ。広場へ行こう」

ヒュウガ「こらサヤ、降りろ」

後ろからハヤテ、ゴウキ、ヒカルも現れる。

ハヤテ「よぉ!」

ゴウキ「よぉ……」

ヒカルはドーナツを食べていた。

リョウマ「第133代目戦士、勢ぞろいか……おめでとう、皆」

サヤがリョウマの方に走る。

サヤ「ふ―――ん……落ち込んでるのかと思ったら、そうでもないんだ」

リョウマ「何で俺が落ち込むんだよ!?」

サヤ「一緒に訓練してきたのに、戦士に選ばれなかったから……」

リョウマ「俺なんかの実力じゃ、選ばれなくて当然だよ。戦士は5人なんだし」

ヒカル「今はもうアースなんて関係ないよ。下からの持ち腐れさ」

ヒカルが雷のアースをリョウマとサヤの足元に放つ。

ハヤテがヒカルの頭を押す。

ハヤテ「こら、無闇にアースを使うな! 行く。皆、待ってる」

ヒュウガ「ああ。ゴウキ、行くぞ」

ゴウキは星獣剣を受け取る練習をしていた。

ヒュウガ「何回練習すれば気が済むんだ!?」

ヒカル「ゴウキ、よっと」

ヒカルがゴウキから剣代わりの枝を取る。

ゴウキ「あっ! おい、ヒカル……」

ヒカル「取ってみろよ」

ヒカルを追いかけるゴウキ。

サヤ「後でね」

リョウマ「あっ、まずい! 母さんに用事頼まれてたんだ」

そこへボックが顔を出す。

ボック「リョウマ、お祭り行かないの!?」

リョウマ「祭り料理の材料を取りに行くんだ。付き合えよ」

ボック「いい場所知ってるボック。さあ、こっちこっち!」

一方、勇太は1人で森を歩いていた。

勇太「パパってば、勝手に行っちゃって……すぐ迷子になるくせに。あれ!?」

勇太が目にしたのは晴彦の車だった。

勇太「これって、元の場所!? あんなに歩いたのに、どうなってるんだ? この森……」

すると森からリョウマとボックが降ってくる。

リョウマ「あーあ。見ろ、外に出ちゃって……だから結界のそばで木の実を取るなんて、反対だったんだ」

ボック「ああっ……リョウマ、後ろ! 後ろ!!」

後ろには勇太がいた。

リョウマはボックを蹴って結界の中に戻す。

ボック「うわああ!」

勇太「ああっ……」

祭り会場

星獣剣がヒュウガたちの手に渡ろうとしている。

長老「第133代……炎の戦士・ヒュウガ……」

ヒュウガ「はいっ!」

炎の星獣剣がヒュウガに手渡される。

長老「風の戦士・ハヤテ……」

ハヤテ「はい……」

風の星獣剣がハヤテに手渡される。

長老「水の戦士・ゴウキ……」

ゴウキ「は、はい……」

水の星獣剣がゴウキに手渡されるが、緊張のあまり、額を打ってしまう。

子供たちが笑う。

長老「雷の戦士・ヒカル……」

ヒカル「はいっ!」

雷の星獣剣がヒカルに手渡される。

長老「花の戦士・サヤ……」

サヤ「はい……」

花の星獣剣がサヤに手渡される。

長老「この星獣剣を受け継ぐ者……雄叫び山に眠る聖なる腕輪・ギンガブレスをまた、受け継ぐべし……」

海底では火山が起こる。

ギンガの森の外

リョウマ「えっ、伝説の森!?」

勇太「ううん、なんでもない。今、科学の時代だもん、こんな森に伝説が隠されているなんて……ただのおとぎ話だよ」

リョウマ「ふーん。そう言い切ったもんでもないと思うけどね……」

勇太「え?」

リョウマ「せっかく会ったんだし、ちょっとだけ話しちゃおうかな? この森のこと」

ギンガの森

長老「3000年も昔……地球は、闇の彼方から現れし……最強にして最悪なる宇宙海賊に襲われた……その名も、バルバン」

子供たちがヒュウガの前に現れる。

長老「それに立ち向かい下の……優れたアースを持つ、5人の戦士。そして、地球に現れた銀河を制する五星獣……」

子供たち「すごーい!」「やったー!!」

ヒュウガ「し―――っ!」

長老「この2つの力と心は1つとなり、バルバンは海底深く封印された……」

ギンガの森の外

勇太「ハハハハ!! それが本当の伝説!? 絶対ない! ありえないよそんな話」

リョウマ「まあ、信じられないのも無理ないか……」

すると突然轟音が響く。

長老の杖が暴発する。

長老「これは……」

海底では遺跡の封印が解け、浮上する。

浮上したのは魔獣ダイタニックだった。

その背中にある荒れくれ城の中では、銃頭サンバっシュが銃を暴発する。

サンバッシュ「ヤッホー!! 封印が解けたぜ! 走れ!!」

そこへ操縦士シェリンダが止めに入る。

シェリンダ「やめろ! サンバッシュ、傷がついたらどうする!?」

「おらあー!!」

今度は破王バットバスが降り立つ。

バットバス「うるせぇぞ、サンバッシュ。ぶっ潰されてぇか!!」

イリエス「せっかくの目覚めが台無しだわ……」

サンバッシュ「俺は喜びの震撼を盛り上げてやってるんじゃねぇか……」

ブドー「笑止。喜びとは、1人でかみ締めるもの……」

サンバッシュ「ちっ、辛気臭ぇ……」

中に戦闘兵・ヤートットが入ってくる。

シェリンダ「どけ! ブクテラス、起きろ。封印が解けた」

しかし、ブクテラスの返事はない。

見かねたシェリンダは剣でタルを刺すとそこからブクテラスの頭が出てくる。

ブクテラス「あいたい!! な、何をするんじゃ? ワシが死んだら誰がお前たちに知恵を助けてやるんじゃ!?」

シェリンダ「ふん!」

ブクテラス「知らん! ワシは知らんぞ!!」

サンバッシュ「タルが!」

「おい野郎ども、静かにしろ!!」

騒ぎが収まる。

叫んだのはバルバンのボス・ゼイハブ船長だった。

シェリンダ「船長……」

それぞれの旗が降りる。

ゼイハブ「やっと俺たちにも運が向いてきた。3千年の憂さ晴らし、どいつもこいつも遠慮はいらねぇ!! 好きなだけ暴れ回って来い!」

一同「おう!!」「おう!!」

サンバッシュ「ぶっ飛ばすぜ!!」

イリエス「さあ、行くよ」

バルバンのメンバーが一斉に出動する。

町に現れ、襲撃を始める。

ギンガの森ではヒュウガたちが獣走馬に乗って雄叫び山に向かおうとしている。

ハヤテ「行くぞ!」

長老「戦士たちよ……行け、雄叫び山へ!! ギンガブレスの眠りを覚まし、古の戦士・ギンガマンとなって戦うのだ!!」

獣走馬は結界を超える。

リョウマが獣走馬に乗る5人を目にする。

ヒュウガ「はいやー!!」

リョウマ「兄さん……どうして結界の外へ!? 一体何があったんだ?」

雄叫び山

そこに到着する5人。

ヒュウガ「あそこだ」

獣走馬から降りて向かおうとすると、銃撃が響く。

船で現れたのはゼイハブだった。

ブクテラス「あーとっと。星獣剣……」

ブクテラスが確かめる。

ブクテラス「間違いない。あいつらは戦士たちの子孫じゃ」

ヒュウガ「お前たちがバルバンか!?」

ゼイハブ「てめぇたちの先祖には世話になった。例をさせてもらう……」

ヤートットが集まる。

ヒュウガ「なんとしても腕輪を手に入れるんだ!!」

4人「おう!!」

ヒュウガ「行くぞ!!」

星獣剣でヤートットに挑む5人。

ヤートットをそれぞれのアースが吹き飛ばす。

リョウマが影からその光景を目にする。

リョウマ「これは……」

勇太「何? 何なの!?」

リョウマ「言っただろう? 宇宙海賊バルバンだ!!」

ヒュウガの前にゼイハブが立ちふさがる。

ゼイハブ「この腕はな、前の戦いで星獣にやられちまった……教えてやろうか、どんだけ痛ぇか!」

ゼイハブの左のフックがヒュウガにからみつく。

リョウマ「兄さん!」

ゼイハブの剣に吹き飛ぶヒュウガ。

ゼイハブ「俺の傷はそんなもんじゃないぜ……」

するとリョウマが籠を投げて駆けつける。

リョウマ「待て!!」

ヒュウガ「リョウマ! 来るな!!」

ジャンプするが、すぐ飛ばされる。

アースを放っても、通用しない。

ゼイハブ「ほぉー、同じ子孫でも随分出来が違うもんだ……」

ゼイハブがフックを外すと、大砲が這い出る。

ゼイハブ「消えろ、目障りだ」

ヒュウガ「リョウマ!!」

ヒュウガがリョウマの前に現れ、ゼイハブの大砲に吹き飛んでしまう、

リョウマ「兄さん……」

今度は剣で地割れを起こすゼイハブ。

ヒュウガはそれに落ちてしまう。

リョウマ「兄さん!!」

なんとか生きているヒュウガ。

リョウマ「兄さん、掴まって!」

ゼイハブのフックが岩に引っかかる。

ゼイハブ「手応えのねぇ……おめぇたちの先祖はもっと手強かったぜ」

ゼイハブが鎖を引っ張ると、岩が閉じ始める。

ヒュウガが少し落ちかける。

ゼイハブ「はっはっは……」

「船長!!」

サンバッシュたちが駆けつける。

イリエス「戦士の子孫がいたんですって!?」

ゼイハブ「だが、無駄衝動の力はねぇ……面白い見せ物だぜ」

リョウマ「兄さん……」

ヒュウガ「リョウマ、聞くんだ。お前にも……大きなアースはあるはずだ。自分を、信じていないだけだ……」

リョウマ「兄さん!」

ゼイハブ「ほら、潰れちまえ!」

地割れはどんどん閉じる中、ヒュウガが星獣剣を差し出す。

ヒュウガ「リョウマ、これを……これを受け取るんだ」

リョウマ「ダメだ! 兄さん、早く手を……!」

ヒュウガ「リョウマ!!」

リョウマは星獣剣を手に取る。

ヒュウガ「お前の力を……俺は信じてる……」

リョウマ「兄さん……」

ゼイハブ「ええい、死ね!!」

リョウマ「兄さぁ―――ん!!」

4人はヤートットを蹴散らし、ヒュウガの元に駆け寄る。

サヤ「ヒュウガ!!」

ヒュウガは崖の底へと落ち、地割れが閉じてしまう。

バルバン「ふははは!!」

バットバス「情けねぇ奴らだ……」

ブドー「先祖に顔向けできんな……」

泣きじゃくるリョウマ。

リョウマ「兄さん……うおおお―――ッ!! 炎の鬣!!」

立ち上がったリョウマの強力な炎の鬣がヤートット焼き尽くす。

リョウマ「許さない……お前たちは、俺が……俺たちが!」

一同「倒す!」

すると雄叫び山の祠がの星獣の顔の石版が輝き出し、5人の左腕に装備される。

それこそまさに、ギンガマンの変身アイテム・ギンガブレスだった。

ゴウキ・ヒカル「うん!」

ハヤテ・サヤ「うん!」

リョウマ「行くぞ! 銀河転生!! はっ!」

5人の体にそれぞれのスーツが装着され、ギンガマンへと転生する。

ゼイハブ「貴様ら……」

レッド「ギンガレッド・リョウマ!!」

グリーン「ギンガグリーン・ハヤテ!!」

ブルー「ギンガブルー・ゴウキ!!」

イエロー「ギンガイエロー・ヒカル!!」

ピンク「ギンガピンク・サヤ!!」

レッド「銀河を貫く伝説の刃! 星獣戦隊!!」

一同「ギンガマン!!」

ナレーション「ギンガマン……それは、勇気ある者のみに許された平和ある銀河戦士の称号である……」

勇太がギンガマンを見て驚いていた。

勇太「あったんだ……本当の伝説……」

ゼイハブ「ギンガマン!!」

イリエス「その姿だけは二度と見たくなかったものを……」

レッド「ギンガ灼熱!!」

5人がジャンプして再びヤートットに挑む。

ブルーがつるでヤートットを木にぶつけ、落とす。

イエローは1体のヤートットを引きずり、木に激突させる。

ヤートットは素っ裸だった。

グリーンの疾風が炸裂。

ピンクは銃撃を交わして猫のように木に登り、底から落ちてヤートットの顔を引っかく。

レッド「星獣剣!!」

サンバッシュ「食らえ!!」

レッドはサンバッシュの銃撃やゼイハブの大砲を突破してバットバス、ブドー、イリエス、サンバッシュに斬りかかる。

ゼイハブにも斬りかかろうとするが、逆に交わされ、返り討ちに遭う。

さらにゼイハブは左腕のフックに首をかけ、レッドを振り回す。

レッドも炎の鬣で反撃。

一同「うわああ!!」

レッド「うおおお―――ッ!! 炎一閃!!」

炎のアースを込めた星獣剣がバルバンを切り裂く。

そこへグリーンたちが集まる。

ゼイハブ「いいだろう、ギンガマン。今日のところは引き上げてやる……これで勝ったと思うじゃねぇぞ!!」

バルバンが引き上げる。

それから5人はヒュウガが落ちた場所に戻る。

レッド「兄さん……」

すると4人の剣はレッドの剣を重なる。

グリーン「リョウマ……」

そこへ勇太も駆けつける。

ナレーション「3千年の時を越え、新たに誕生した星獣戦隊ギンガマン……今、伝説は始まった!!」
 

つづく
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