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さらば仮面ライダー電王 ファイナルカウントダウンのオープニング


夜の都会。

仕事帰りで疲れた様子のサラリーマンが、ため息をつきつつマンションのエレベーターを待つ。
ドアが開く。

ドアの向こうは、見慣れたエレベーターの中ではなく、真っ暗な空間。
霧が立ち込め、青白い人魂が飛び交う。

驚くサラリーマン。
汽笛が響き、彼方から線路に乗って列車が走ってくる。

腰を抜かすサラリーマンの目の前を、列車が横切って行く。


一方、とある線路の点検が行なわれている。
汽笛が響く。

「なんだぁ? 終電はとっくに行ったはずだろ?」
「あぁ」

レールに列車の走行音が伝わってくる。作業員たちが目を凝らす。
彼方の線路の上に、ぼんやりと列車の姿が現れる。

「危ない!」「逃げろぉ!」

咄嗟に逃げ出す作業員たち。彼らの目の前で、線路の上を半透明の列車が走り去って行く。

「なんだ、この列車は!?」


美しい歌声が響く。


あくる日。コハナやモモタロスたちは、21世紀の世界に降り立っていた。

リュウタロウス「早く早くぅ!」

リュウタロスがモモタロスをからかいながら歩く。

リュウタロス「こっちこっち! バーカ!」
モモタロス「このハナタレぇ!」
リュウタロス「ねぇねぇ、せっかく来たんだし、良太郎とお姉ちゃんに逢いに行こうよ。久しぶりじゃん?」
キンタロス「おぉ、それもえぇな。土産でも買うてくか」
モモタロス「よぉし、プリンだな、プリン! おい、金出せ」
コハナ「『出せ』って何よ。『貸してください』、でしょ」
モモタロス「細けぇこと言ってんじゃねぇよ。早く出せ!」
コハナ「『貸してください』!」
モモタロス「……へぇへぇ、貸してください、ハナクソ女さま!」

コハナの蹴りがモモタロスに炸裂。

モモタロス「ごわぁ!? クソッ、爪先刺さったじゃねぇかぁ!」
ウラタロス「ちょっと先輩、やめなって!」
コハナ「べ──!」

人魂が飛びかい、冷たい風が一同の間を吹き抜ける。

コハナ「何、今の!?」
キンタロス「ゾゾッときたな」
ウラタロス「ちょっと妙な雰囲気……」

どこからともなく汽笛が響き、彼方に立ち込める霧の中から、ドクロを思わせる不気味な列車が現れる。

一同「わぁぁ──っ!?」

列車が走ってくる。
一同に衝突するかと思いきや、列車は一同の体を突き抜けていく。

モモタロス「なんだ、こりゃあ!?」

列車が彼方へと走り去って行く。

モモタロス「何だったんだ、今のは!?」

気配を感じ、モモタロスが振り向く。
そこには2人のイマジンの姿。

キンタロス「むっ、イマジンか!?」
ウラタロス「ウソでしょ……?」
イマジンたち「フフフ……」
モモタロス「何だ、てめぇら?」

そして2人のイマジンの後ろから、ゆっくりと1人の青年が現れる。顔は見えない。

「変身……」

SKULL FORM

電王同様のベルトとパスにより、青年が謎の黒い戦士、幽汽(ゆうき)に変身する。

モモタロス「危ねぇっ!」

幽汽が大剣を振るい、衝撃が柱を砕く。危うくかわすモモタロスたち。

モモタロス「野郎……!」
ウラタロス「お前たち、何なわけ?」
幽汽「フフ、さぁ?」
イマジン「教える必要はねぇな。お前ら、ここで死ぬからなぁ!」
モモタロス「上等だぁ! やってみろ!」
キンタロス「ハナ、隠れとけ」

一斉に武器を振るうモモタロスたち。幽汽やイマジンたちとの乱戦が始まる。
モモタロスが幽汽に立ち向かう。
だが、幽汽の体にぼんやりと正体が浮かび上がる。その顔は……

モモタロス「何ぃ!?」
ウラタロス「まさか……」
リュウタロス「良太郎!?」
キンタロス「おぉ!?」
コハナ「そんなぁ……!?」
幽汽「わかった? 誰の体、使ってるか」
イマジン「悪いが、特異点はもらったぁ!」

攻撃がウラタロスに炸裂。

モモタロス「カメ!?」

さらなる攻撃で、モモタロスたちが吹き飛ばされる。

幽汽「お前ら、終わり」

だが、幽汽たちのもとに銃撃が炸裂。
ゼロノス・ゼロフォームがデネビックバスターを振るい、マシンゼロホーンで駆けつける。

ゼロノス「お前ら、何突っ立ってんだ!?」
デネブ「反撃だ!」
ウラタロス「それがさぁ……」
幽汽「ちょうどいい。一発で済む」

FULL CHARGE

幽汽が大剣を地面に叩きつける。
強烈な衝撃波が大地を伝って炸裂。爆炎が上がる。

爆煙がやんだとき、ゼロノスの変身を解除された侑斗が、コハナを守っている。

侑斗「大丈夫か……?」

攻撃をまともに浴びた侑斗が倒れる。

デネブ「あぁ、侑斗、侑斗!? 大丈夫か!?」
コハナ「侑斗!? しっかりして!」
デネブ「侑斗、侑斗ぉ!」

さらに侑斗たちが迫る。
コハナが侑斗をかばい、幽汽を睨みつける。

侑斗「バカ! 逃げろ!」

そのとき。
汽笛を響かせ、空から列車が列車が舞い降りる。

ウラタロス「あれって……デンライナー、だよね?」
リュウタロス「でも、色が違う?」

装いを新たにしたデンライナーが一同の間を駆け抜ける。 そして地上に降り立つ、2人の影。

ウラタロス「誰……?」

青いイマジン・テディを引き連れた新戦士、NEW電王──!
















ファイナル・カウントダウン
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