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烈火の炎 第1巻

祖之一 忍と姫君


ある私有地に2人の高校生、花菱烈火と石島土門が立っている

 土門「花菱―― 今日は勝つぞ!!」
 烈火「いざ、尋常に勝負!!」

烈火、土門の攻撃をよける>>
 烈火「うおぅっ。 あいかわらずのバカ力だな土門。」
 土門「ぬ〜っ チョコマカとすばしこい!! てめェはサルか!!?」
 烈火「ちゃうちゃう。オレは、忍者だ!」
烈火が火薬球を投げる>>
 土門「ちいいいっ!!!」
しかし土門これに惑わされない>>
 烈火「!」
 土門「そう毎度同じ手に、かかるかバカ!!」
メリ‥という音と共に落とし穴に落ちる>>
 土門「落とし穴なんてヒキョーだぞ 花菱!!!」
 烈火「ヒキョーなもんか!勝つための予備工作だいっ。忍はつねに先を見て動くもんだ。」
 土門「チクしょお―っ!なにが忍者だバっカヤロ―!!時代錯誤もいいかげんにしやがれ!!!」
 烈火「忍者をバカにすんな。」  >>土門の上から線香花火を燃やす
 土門「あちっコラ、花火は人に向けちゃダメって教わらなかったか?」
 烈火「おめーがオレに勝てたらよ。いつでもおめーの忍者になってやるよ!」
 土門「また明日学校で勝負だ―ああ!」

烈火の家。烈火のオヤジがタバコを吸いながら花火を作っている>>
 烈火「ただいまっオヤジィ!!」
 オヤジ「おぅ、烈火。おかえり!」  >>烈火に蹴られる
 オヤジ「イキナリ父様に足蹴りするとは何のマネ?」
 烈火「花火作ってる時、タバコ吸うんじゃねえってんだろ」
 オヤジ「わかっとる。わかっとる。」  >>タバコを花火に向かって投げる
 烈火「投げ捨てるなあっ!!」

『花菱烈火、オレの名前だ。忍者に憧れている!
戦乱の時代影の存在であった忍者。地位も名誉もなく君主に仕える者。
決して華やかなものではなかっただろう。そんなみせかけじゃない、儚さに憧れる。』

烈火の部屋>>
 オヤジ「烈火!お前はまた、ケンカに火薬を使ったな?」
 烈火(ぎくん)
 オヤジ「図星か!火薬の焼けた臭いがしたからな。」
 烈火「威嚇だけだっ、人にはむけてねえぞ!(ちょっとウソ。)忍者ってのは火薬の専門家だったんだぜ!!オレぁ忍者だからな!」
 オヤジ「火薬はガキのおもちゃじゃねぇ!!くだらねぇ使い方すんな!!!」  >>烈火冷や汗をかく
 烈火「ごめん……」
 オヤジ「わかりゃよしっ!バツとして本日メシヌキじゃい!!!」

『刃の下に心と書いて忍=c… 忍者とは耐え忍ぶ者である!』

ある公園に女の子が一人歩いている>>
 男A「おいきたぜ!!佐古下お嬢様。
 男B「この地域一帯のNo.1美少女!ウデが鳴る。ナンパ師としての…」
 男A「あのひとは手強いぜ〜〜」
 男B「佐古下さん!!」  >>佐古下にちかづく
 男B「デートしていただけますか?」
 佐古下「デェトって、なんでしょうか?」
 男B「カマトトぶんじゃねぇ!!!イマ時そんなのも知らねぇ女子高生いるか!!」  >>佐古下の腕を引っ張る
 男B「とにかくこっちこいよ!」
 佐古下「あの……ちょっと痛いです……」
 男A「ムチャすんなよォ。」
 佐古下「離してください…っ!!い、痛いです…」
ドゴっ 烈火が現れ男を蹴り飛ばす>>
 男A「うおおっ、今のは痛えぞ!!」
 男C「なんだてめぇ!!」  >>烈火が隠れ身の術をする
 男C「見えてる見えてる!!」
 烈火「助太刀すんぜ!」
 佐古下「あっ」
 烈火「か弱い女の子になんちゅー事してんだバカども!!!花菱烈火が相手だ!!!」
 男B「花菱ィ?」
 男C「なんだおめ――ここらで有名な、あのバカか」  >>男達の仲間が集まっている

烈火の夢の中『烈火…わらわはそなたにすくわれた。おまえなくして今のわらわはいないのじゃ。  >>佐古下がでてくる
      礼を言うぞ。烈火……』  >>夢から覚める
 烈火「あなたに仕える忍≠ニして当然の働きに…」  >>目を覚ます
 烈火「わわわわわわっ!!」
 佐古下「きゃあ。さっきは助けてくれてありがとうございました。花菱烈火さん。私は佐古下、佐古下柳といいます。」
 烈火「ちっくしょ!みっともねーなっいつもは火薬であんなヤツらぶっとばしてんのに!四人くらいまでは意識あったんだけどこのザマ……」
柳が烈火の手をとり、手の甲のキズを治癒する>>
 柳「ヘンですよね私―初めて知ったのは……昔飼っていたインコが死にそうになっちゃって…悲しくて泣きながら抱きしめたんです。『お願い元気になって』って。」
 烈火「そしたらインコは元気になったと。」
 柳「はい。でもこれナイショですよ。変な人だって思われちゃうから。今日の私……変だなぁ。初めて会った人にこんなに話せるのはじめてです。」
 烈火「その制服―同じガッコだね。佐古下の事オレ初めて知ったよ!」
 柳「私…あまり目立たない方だから……でもね、私は花菱君の事……」
 女の声「やだぁ!何よコレ!!」
女の前に犬が傷ついて倒れている>>
 烈火「ありゃ?佐古下!!」  >>柳が犬のほうへ走り出す
 柳「どいてください!!」  >>柳が犬を抱きしめる
 烈火「佐古…下………」
 柳「大丈夫です。ほらね……」  >>犬が元気になる
 烈火の心の中「あんなになってまで……」
 烈火「よっしゃっ決めた!!」
 柳「!?」
 烈火「尊敬する君主に一命をかけ、仕えるのが忍者!!!花菱烈火は今よりあんたの忍≠ニなる!!!あんたが気に入ったんだ。姫!!」
 柳「………姫じゃないです、柳です。」
 烈火「お姫サマっちゅーこと!!ちょっとつきあってくれなっ!!いいモン見せてやるよ!」

誰もいない廃ビルの中>>
 柳「まっ暗なトコですね。」
 烈火「まだ外は明るいからな!こーゆートコじゃねーと…花火にならない!!」
 柳「あら?いま時分花火!」
 烈火「ウチ花火屋なんだ! さて!とくとご覧あれ! 花菱烈火、とっておきの隠し芸です。」
烈火が右手をこすると炎がでてくる。その炎を花火につける>>
 烈火「はいっ!この花火オレの手づくり!!」
 柳「あ……わぁ…きれい……」
 烈火「オレのコレも生まれつきなんだ変だろ?手と手を強くこすってよ。オヤジにすら教えてねぇんだ。」
 柳「お互いナイショのお話したんですから、私たちもうお友達ですね。」
 烈火「お…おうっ、ただし!佐古下は「姫」で、オレは「忍者」!!そーゆートモダチだ!!」
 柳「はぁ。」
どこからか声が聞こえてくる>>
 声「……見つけた…見つけた…見つけた…見つけた…」  >>声の主(女)が姿をあらわす
 女「見つけた…永遠とも思える時間を俳諧して………あの時の坊や。私を「殺せる」坊や……」

『オレは花菱烈火。君主のためなら一命をかける忍者―そんな忍者に憧れる。』




其之一 忍と姫君  終わり

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