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忍風戦隊ハリケンジャーの第1話
 

ある洞窟で何者かが探索していた。

そして、何か不思議なものが発見され、目を開ける。

さらに、ビームを宇宙の物体に放射する。
 

二か月後
 

マスクを被った1人の赤い服の青年・椎名鷹介「第507期・空忍科」が木の枝にロープを引っ掛け、岩に渡る。
 
忍び谷

鷹介は頂上に辿り着き、祠の巻物を手にする。

鷹介「やりぃー!!」

そこへマスクの黄色い服の青年・尾藤吼太「第507期・陸忍科」が土から出てきた。

そして鷹介の巻物を奪い取り、川に逃げる。

その時、川からマスクの青い服の女・水忍科の野乃七海「第507期・水忍科」が現れ、水走りで吼太から巻物を奪い取る。

しかし、今度は鷹介が七海から巻物を奪い取った。

2人は刀で鷹介に向かうが……。

ナレーション「忍術。それは古代より人知れず影のごとく、飛び、消え、戦う兵たち。で、この3人は!?」

「コラー!!」

突然表れた鬼の面。

3人をハリケーンで吹き飛ばす。

ナレーション「まだまだ半人前の―――」

鬼の面「たわけ者!!」

鬼の面の正体は館長・日向無限斎である。

3人はマスクを取る。

鷹介「館長!」

七海「先生!!」

吼太「お許しを!!」

館長は引力で鷹介の巻物を奪い取る。

館長「何じゃ今の動きは!? 疾風流・迅雷(いかづち)流伝統の忍術対抗戦の大会が間近いというのにそんなことでは迅雷流に勝つことはおろか、ハリケンジャーには到底なれんぞ!」

鷹介「またかよ……『疾風流伝説の後継者・ハリケンジャーになれ』耳にタコだぜ」

七海「まあ、あなたたちには無理ね……」

吼太「うん。って、人のこと言えるかよ!? 大体200年出てないんだぜ、ハリケンジャーって」

館長「コラ、お前たち!! そんなことだから落ちこぼれだの半人前だの言われるんじゃ」

巻物を鷹介たちに返す館長。

館長「明朝も同じ時間に朝練じゃ。良いな!?」

館長が何か呪文を唱えると鳥になり、去る。

鷹介「ったく、毎日俺たちばっかり目の敵にしやがって!!」

吼太「なぁー……」

七海「ねぇー……」
 

巻の一
風とニンジャ
 

疾風流忍者学校
忍風館
 

ここの前で朝礼が行われていた。

館長「我が疾風流と迅雷流の因縁はそう、戦国のようにさかのぼる。この国の権力を握る法大名……当然対抗戦で勝利を収めたのが我が疾風流じゃ。以後、我らは表の歴史の表応え……一方敗れた迅雷流は表には現れぬ裏の歴史を歩いてきたのじゃ」

「裏の」からは吼太が口調と声を真似する。

ちなみにこの3人は朝礼をサボっていた。

鷹介・七海「ワハハハハ!!」

七海「似てるー!!」

吼太「けど、その後の成績は五分と五分」

鷹介の投げた柿を吼太がキャッチして一齧りしてまた鷹介に渡す。

吼太「意地になっちゃうわけさ館長も……」

鷹介「どっちにしても朝礼サボって正解。一方的に忍者の素質ありとか言われてスカウトされただけだもんな、俺たち」

七海「結構便利って思ったんだけどなあ、忍術も。こんなに覚えるの面倒だなんて……ねぇー」

吼太「なあー」

七海は柿を鷹介にパス。

鷹介「でもよ、卒業までこいつが張られてんじゃん。逃げるわけにもいかねぇよな」

鷹介が柿を投げると、それが何かにぶつかり、潰れる。そう、忍風館の周りには結界が張られているのだ。

ナレーション「その頃、もっと重大な懸念を抱いている者がここに……」

何者かがパソコンで何かを調べていた。

彼女は疾風流忍術研究室室長・日向おぼろである。

おぼろ「やい、このムカデ野郎。一体何を呼び寄せとんねや!?」

宇宙

寄生要塞センティピートが地球に向かっていた。

中には謎の5人がいた。

彼らは宇宙忍群ジャカンジャの上忍・暗黒七本槍の5人であり、地球の様子を見ていた。

メンバーは一の槍フラビージョ、二の槍チュウズーボ、三の槍マンマルバ、四の槍ウエンディーヌ、そして五の槍サーガイン。

タウ・ザント「静まれ―――」

七本槍「タウ・ザント様……」

奴は首領タウ・ザントである。

タウ・ザント「500年前、宇宙にばら撒いた発信機から待ちに待った反応があった―――お前たちの邪気、怒気、殺気、忍術、これふと、熟しき永久の星を落とすためにたっぷりと使う時が来た。必ずや我が「アレ」を手に入れるために―――」

七本槍「あれかぁ……」

タウ・ザント「だが、あの星に我らの接近に気づいた者が―――」

それがおぼろであった。

おぼろ「あ、これは!? 大変や、結界の強化をせな」

モニターの何かに気づいたおぼろは機械のスイッチを入れ、結界を強くした。

タウ・ザント「あの星にわれらと同じ忍者と呼ばれている者どもがいる」

七本槍「ええ〜!?」「なんと!!」

チュウズーボ「タウ・ザント様、すでに我輩が結界破りの忍びをあの星に送り込んでおります」

タウ・ザント「面白い。やってみよ」

地球

結界の前に大量の下忍・マゲラッパとチュウズーボ配下の中忍・結界忍者ケッカイ坊が現れた。

ケッカイ坊「ケッカイ棒様の手にかかればこんな結界など」

マゲラッパたち「ゲラッパゲラッパ!!」

ケッカイ坊「宇宙忍法・結界破り!!」

ケッカイ坊の忍術により忍風館の結界が破られた。

おぼろ「あー! け、結界が!!」

鷹介「ハッ!」

七海「何!?」

吼太「非常警報だ!!」

忍風館の生徒も騒ぐ。

館長「みんな、うろたえるな!!」

そこに、マゲラッパたちとケッカイ坊が現れた。

ケッカイ坊「貴様が親玉か!? ジジイ」

館長「何者かわからんが狼藉は許さん!!」

ケッカイ坊「たわけたことを。やれ!!」

マゲラッパが総攻撃を仕掛けてきた。

館長は上空からつめでマゲラッパを攻撃する。

そして引力で倒す。

一方、鷹介、七海、吼太は忍風館に向かっていた。

ケッカイ坊「やるな、ジジイ。だが所詮お前らは消え去る運命だ……」

ケッカイ坊が生徒や館長たちに札を貼る。

館長「これは!!」

ケッカイ坊「我々の力を思い知るがいい!!」

ケッカイ坊が今度は忍風館にでかい札を貼る。

館長「貴様、何をするつもりだ!?」

ケッカイ坊「すぐにわかる。タウ・ザント様!!」

タウ・ザントがスパークを走らせると生徒たちは札の中に吸い込まれ、宇宙へと飛んでいった。

爪で吹き飛ばされるのを凌ぐ館長。

館長「パサラ・ピ・チュウ……」

館長から札が外れた。

だが、館長はハムスターへと変身した。

そこへ3人が駆けつけた。

鷹介「あれは!?」

忍風館も札の中に吸い込まれ、飛んでいった。

七海「いったい何が起こったの!?」

生徒たちの吸い込まれた札はセンティピートを回って消滅してしまった。

フラビージョ「可愛い〜……」

フラビージョが館長を拾い上げる。

フラビージョ「もーらい」

ケッカイ坊「見たか!? フラビージョ」

フラビージョ「やるじゃん!」

忍風館跡

鷹介「学校が……みんなが消えてる!!」

吼太「やっぱり、さっきの……」

七海「あーっ、これは館長の……」

七海が館長の爪を拾う。

吼太「それじゃあ、館長も……」

涙目になる七海と吼太。

フラビージョ「あらぁ? 生き残りが3匹……」

ケッカイ坊「ガキども、すぐに仲間のところへ送ってやる!!」

鷹介「貴様が館長やみんなを……許さねぇ!!」

ケッカイ坊「ハハ、お前たちなど我が宇宙忍群ジャカンジャの敵ではない!!」

鷹介「このー!!」

吼太「行くぞ!!」

鷹介・七海「オー!!」

一同「うおー!!」

3人が刀を振るうが、交わされた。

吼太「食らえ!!」

ケッカイ坊「宇宙忍法・自在面!!」

ケッカイ坊が巨大な顔だけとなり、3人に襲い掛かる。

3人は目のビームに怯む。

鷹介「とても敵わねぇ……」

吼太「逃げろ!!」

3人は逃げるがケッカイ坊が追いかけてくる。

洞窟に逃げる3人だが、そこはもう行き止まりだった。

七海「行き止まりだ!!」

ケッカイ坊「フハハハ、もう逃げられんぞ!」

吼太「やられてたまるか!!」

吼太はケッカイ坊に突進するが、押し戻された。

ケッカイ坊は3人に刃を向ける。

ケッカイ坊「止めだ!!」

絶体絶命の3人。

だが、おぼろがエンターキーを押すと3人は消えた。

ケッカイ坊「どこに消えた!?」

おぼろ研究所

そこに消えたはずの3人が現れた。

おぼろ「ハー、3人とも無事やな。よかった」

七海「あ、おぼろさん……」

吼太「ここは!?」

七海「これは一体!?」

鷹介「おぼろさん、一体何なんですかあいつら!?」

吼太「確か、宇宙忍群ジャカンジャとかって……」

おぼろ「気づいたんは2ヶ月前や……忍び谷の洞窟から不審な電波が発信されとったんや。何かを呼び寄せてることだけはわかった、それがあいつらやった。間違いない……あいつらは侵略者。地球の敵や」

七海「え?」

おぼろ「襲われたんは疾風流だけやない。迅雷流も音信不通や……それに、各界にいるOBや卒業生たちの消息もしれへん」

鷹介「館長もいない。生き残りは俺たちだけってことか……」

一方、ケッカイ坊は鷹介たちを探していた。

ケッカイ坊「どこに行ったガキども!? 出て来やがれー!!」

フラビージョ「ホーラ、暴れるな」

館長の目が光ると館長の爪からスパークが走り、それが砕ける。

七海「館長……」

おぼろ「鷹介、七海、吼太、よう聞いて。あいつらと戦うんや……侵略者から地球を守るんや!」

鷹介「俺たちが!?」

七海「無理よ」

吼太「とてもあいつらには……」

おぼろ「お父ちゃん、あんたらを高く評価しとったんや。半人前で落ちこぼれやけど間違いなくハリケンジャーになる素質があるって、それで自ら朝連の……」

鷹介「館長が、俺たちをそこまで!?」

吼太「でも、その館長でも敵わなかった相手にどうやって!?」

おぼろ「お父ちゃんやったら無事や」

一同「え?」

おぼろ「これはお父ちゃんにしか使われへん波動転送の術や。きっと捕らわれて身動き取れんようになってて自分の無事を知らせるためにこれを使うしかなかったんや。うん、間違いない」

鷹介「館長が、生きてる!?」

一同「イエーイ!!」

おぼろ「みんな……」

おぼろが出したケースの中にはハリケンジャーの変身アイテム『ハリケンジャイロ』が入っていた。

鷹介「これって!!」

七海「ハリケンジャイロ!?」

吼太「ってことは、まさか!?」

おぼろ「あんたたちはシノビスーツを装着する資格がある。今この時から伝説の後継者になるんや……」

鷹介「俺たちが!?」

七海・吼太「伝説の後継者!?」

おぼろ「うん。忍風戦隊ハリケンジャーや!!」

3人が頷く。

鷹介「俺たちがやらなくて、誰が館長を助けるんだ!?」

七海「うん。そこまでいわれたら!!」

吼太「行くしかないぜ!!」

3人は早速出発するが……。

おぼろ「あ、ああ……これこれ、忘れ物!!」

七海「ああ、そうだった」

3人はハリケンジャイロを持って再度出発する。

一同「行って来まーす」

おぼろ「はぁ……もうホンマ大丈夫なんかいなお父ちゃん!?」

ケッカイ坊は鷹介たちを探し続けていた。

ケッカイ坊「出て来い、ガキども!!」

「ジャカンジャ!!」

崖に鷹介たちが現れる。

吼太「ガキってのは俺たちのことか!?」

七海「今までの私たちと思ったら大間違い……」

鷹介「俺たちは伝説の後継者難だぜ!! ヘヘン!」

おぼろ「もう、それはええから早く」

ケッカイ坊「フン、強がりもそこまでだ!!」

鷹介「お前を倒して館長は必ず助け出すぜ!!」

3人はハリケンジャイロを左腕に装着する。

鷹介「行くぞ!!」

七海「おう!!」

吼太「おう!!」

鷹介「忍風! シノビチェンジ!!」

七海・吼太「シノビチェンジ!!」

一同「はあ!!」

3人がハリケンジャイロのシノビメダルを回すと体にシノビスーツが装着され、ハリケンジャーへとシノビチェンジを遂げる。

さらに桜吹雪が散り、光景も変わると3人が傘を持っていた。

ケッカイ坊「貴様ら!!」

フラビージョ「何者!?」

レッド「風が泣き、空が怒る……空忍・ハリケンレッド!!」

ブルー「水が舞い、波が踊る……水忍・ハリケンブルー!!」

イエロー「大地が震え、花が詠う……陸忍・ハリケンイエロー!!」

レッド「人も知らず!!」

ブルー「世も知らず!!」

イエロー「影となりて悪を打つ!!」

レッド「忍風戦隊!!」

一同「ハリケンジャー!!」

レッド「あ、参上!!」

ケッカイ坊「笑わせるな!!」

フラビージョ「マゲラッパ!!」

フラビージョの掛け声でマゲラッパたちが現れる。

3人「ハヤテ丸!!」

レッド「超忍法、空掛け!!」「ジャイロ手裏剣!!」

ブルー「ハヤテ丸・ガンモード!! 行くわよ、はあっ!!」「超忍法、水流波!!」

イエロー「超忍法、舞獅子!! 行くぞ!!」「超忍法、地雷撃!!」

3人の超忍法がマゲラッパを一掃する。

おぼろ「よっしゃー!! この子らなかなかやりよんで。なあ、お父ちゃん」

3人はケッカイ坊の元に集まる。

ケッカイ坊「小僧どもが、ちょこざいな!! 宇宙忍法・幻魔界!!」

イエロー「あ、消えた!?」

その時、ケッカイ坊の手が3人を幻魔界へと連れ出した。

レッド「ここは……」

イエロー「どこだ!?」

ケッカイ坊がまた3人に襲い掛かる。

3人はガンモードを繰り出すが、今度はケッカイ坊の足が3人に襲い掛かる。

さらにケッカイ坊は3人に息を吹きかける。

そして現実世界に戻ってくる3人。

だが、ダメージは大きかった。

イエロー「このままやられちまうのか!?」

ブルー「そんなの悔しすぎる!!」

レッド「ま、負けるか!! 俺たちはハリケンジャーだ!!」

そこに、何者かが2人現れ1人が3人の元に向かおうとするがもう1人に止められる。

2人は去ってしまった。

ケッカイ坊「とどめだハリケンジャー。宇宙忍法・お札吹雪!!」

ケッカイ坊の宇宙忍法が炸裂。

3人「ハリケンウインガー!!」

爆炎からレッドたちがハリケンウインガーに乗って出てくる。

ケッカイ坊「何!?」

レッド「勝負はこれからだぜ!!」

ブルー「根性は誰にも負けないわよ!!」

イエロー「最後まであきらめないぞ!!」

ケッカイ坊「こしゃくな!!」

ケッカイ坊は目からビームを発射。

だが、3人はスラスラと交わす。

レッド「行くぜ! おりゃああ!!」

レッドはケッカイ坊を持ち上げ、飛び立つ。

ケッカイ坊「離せ、離せ!! 離せというに……」

レッド「はいはーい。バイバーイ」

レッドが上からケッカイ坊を落とした。

そこに3人も降りてきた。

ケッカイ坊「貴様ら許さんぞ!!」

レッド「超忍法、影の舞!!」

3人は「影の舞」の連続攻撃でケッカイ坊を翻弄する。

3人「ハーリーケーン!!」

3人のハヤテ丸が回転してケッカイ坊を斬る。

ケッカイ坊「うわああ―――っ!!」

レッド「ドライガン!!」

ブルー「ソニックメガホン!!」

イエロー「クエイクハンマー!!」

一同「ハリケンガジェット!!」

イエロー「行くぞ! おりゃああ―――っ!!」

イエローがハンマーを地面に叩くとケッカイ坊が連続して飛んだ。

イエロー「おりゃ、おまけだ!!」

ブルー「次は私よ!! ぐるぐる回ってー! ぐるぐるぐるもーっと回れ」

ブルーは何度もケッカイ坊を回す。

レッド「今度は俺だ!! 食らえー!!」

レッドのドライガンが炸裂。

レッド「今だ、三重連!」

一同「トリプルガジェット!!」

3人のハリケンガジェットが合体してトリプルガジェット・ドライガジェットが完成する。

イエロー「トリプルガジェット!!」

レッド「ファイヤー!!」

トリプルガジェットがケッカイ坊に命中。

レッド「Say bye bye!!」

ケッカイ坊「ぐわああ―――っ!!」

ケッカイ坊が大爆発。

3人のゴーグルとマスクが開く。

レッド「おっしゃ!!」

おぼろ「やった! よっしゃー!!」

フラビージョ「あーあ、やられちゃった……」

館長「見事じゃハリケンジャー……」

ようやくハムスター館長がしゃべれるようになった。

レッド「えー!?」

館長「ハー、やっと喋れたわい」

ブルー「まさか!」

イエロー「あのハムスターが!!」

鷹介「館長!?」

その時、地鳴りが轟き、空が暗くなる。

フラビージョ「わあー来た」

とうとうセンティピートが地上に降臨してきた。

そして、おぼろのパソコンのモニターがおかしくなる。

おぼろ「何やこれ!? あれ? こ、これは!!」

センティピードが海に突き刺さる。

そこから4つの光がフラビージョの元に現れる。

それはなんと七本槍だった。

フラビージョ「みんな、ここここ。みんな、揃ったね……」

七本槍「ワハハハ!!」

ナレーション「遂に降り立った謎の侵略者・宇宙忍群ジャカンジャ。忍風戦隊ハリケンジャーの戦いの幕が切って落とされた!!」
 

つづく
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